早稲田大学 21世紀COEプログラム 多元要素からなる自己組織系の物理

21世紀COE自己組織系物理シンポジウム
(2004.2.27)
早稲田物理と21世紀COE
多元要素からなる自己組織系の物理
~ホリスティック研究教育システム~
早稲田大学理工学研究科物理学及応用物理学専攻
生命理工学専攻
拠点リーダー
石渡信一
1 ページ
最重要事項~ホリスティックシステム
ホリスティック (holistic)
全体は一つの有機的つながりで部分の和
ではない
ホリスティック研究
生物+統計+物性
宇宙+統計+物性
新しい物理学
の開拓
 ホリスティック教育
ホリスティック研究を通じて,“たくましい”
若手研究者を育てる
2 ページ
本拠点の目的・特色
 多元要素からなる自己組織系とは何か
異種のユニットが協調して,新しい機能や構造を獲得
するシステム。具体的には
生体分子,銀河分布,ナノ構造,高温超伝導体
 拠点形成の目的
1. 自己組織系を精密に計測し,理論を構築し,それを
制御して機能を創造する
2. 1 を通じ,自己組織系の新しい物理学を開拓する
3. 1,2を通じ,世界レベルの若手研究者を育成する
3 ページ
ホリスティック研究システム
計測・理論・創造の
フィードバックループ
船津 一分子イメージング
石渡 一分子結合力計測
竹内
フェムト秒分光
大師堂 電波望遠鏡
鷲尾
高輝度粒子線
長谷部 宇宙線計測
小松
補償光学
鵜飼
画像情報処理
中島
非線形光学
宇宙
計測
グループ
異分野間の
有機的融合
宇宙の大規模構造
特異天体
多元要素からなる自己組織系
細胞システム情報
異種のユニットが協調して
構造や機能を獲得
生体分子機能集積
宇宙物理
統計物理
理論生物物理
数理物理
物性物理
素粒子物理
原子核物理
ホリスティック
システム
創造
グループ
生物進化
生物
理論
グループ
前田,山田
田崎,相澤
輪湖
堤、大谷
栗原
大場,中里
鷹野
本質的不均一
大島
寺崎
上江洲
勝藤
表面原子制御
強相関熱電物質
リラクサー誘電体
巨大磁気抵抗物質
物質
カーボンナノリボン
強相関熱電変換
リラクサー誘電体
4 ページ
ホリスティック教育システム
物理学及応用物理学専攻
研究環境の提供
共同研究
生物・物質・宇宙分野 (組織の縦糸)
計測・理論・創造グループ(組織の横糸)
研究教育
指導
学部学生
学部・院一貫教育
大学院科目先取
飛び級制度
共同研究
共同指導
客員教員
研究教育指導
個人研究提案
研究指導
交換留学
博士前期課程
(修士院生)
博士後期課程
(博士院生)
短期留学(開始;6
名)
海外研究教育機関
(スタンフォード大,MIT,ブリュッセル自由大学,パスツール
大,エコール・スペリオール(提携),モスクワ大など)
自己組織系物理
ホリスティック研究所
(認可済み)客員(特任)教授など
若手研究者,企業研究者,海外研究
者による横断的研究教育組織
(物理・応物、研究所:学内COE連
携)
スタッフ
昇格
研究教育
指導
共同研究・
人材交流
就職
産業界
(NTT, NEC,日立,松下など)
国内教育研究機関
5 ページ
(東京女子医大などの21COE拠点
)
大学院生覚醒プログラム
1年生を研究室に仮配属して研究を体験
学部学生
宇宙から生物までの30数研究室から卒研を選択
WISE奨学金(教員の寄付金を原資とする
博士1年の競争的奨学金)100万円/人
修士院生
学振DC/PD実績 過去5年間で16名
実績
新科目・新カリキュラム創設(4月開講)
新設
提案公募型研究奨学金 100万円/課題(開始)
博士院生
外国大学との相互複数指導・留学制度(開始)
提携企業内での共同研究・特許化
研究員
国内大学と
の相互指導
問題解決型から問題発掘型へ
理学的思考力と工学的センスを持った人材
自己組織系物理学特論:ホリスティック物理学特論(新
設)
6 ページ
Living Condensed Matter (生きた凝縮系)
生
物
の
仕
組
み
を
具
現
化
す
る
物
質
アクチンフィラ
メント上の
ミオシンV
(石渡ほか)
生物物理
計測
ナノスケール・
ラチェット構造
(田崎)
統計物理
理論
物性物理
計測
生体分子機械の仕組
みを解く(石渡,船津)
V(x)
三角ポテンシャル
中の電子
層状強誘電体
YMnO3 (勝藤)
電子
創造
熱揺らぎを利
用して電気エネル
ギーを生成する
新しい熱電材料
強誘電ナノチューブ
(寺崎)
Morrison Preprint
生物は,室温・大気圧付近でしか機能を発現しない
物質なら,温度・圧力を幅広く制御して機能を探索・創造できる
7 ページ
Inflation Experiment (インフレーション実験)
銀
河
分
布
を
シ
ミ
ュ
レ
ー
ト
す
る
物
質
宇宙物理
Astrophys. J. 332 (1988) 44
理論 計測
宇宙の構造形成理論
(前田)
統計物理
理論
長距離引力による構造形成
創造
物性物理
計測
構造形成による
巨大応答
高温超伝導(寺崎)
リラクサー(上江洲)
巨大磁気抵抗(勝藤)
高温超伝導体の超伝導ギャップ分布 (寺崎ら)
宇宙の創生は一度(ビッグバン)だけ
物質なら温度・圧力・磁場を制御して何度でも調べられる
8 ページ
参考資料
http://www.phys.waseda.ac.jp/coe21
「多元要素からなる自己組織系の物理」
寺崎一郎、 石渡信一
大学の物理教育 (2003) 3号, 21-23.
拠点リーダー: 石渡信一
事務局: 竹内淳(事務局長)、松永康客員助教授(事務局員:小島、宍戸、野瀬)
グループリーダー: 前田恵一、大島忠平、船津高志 (上江洲由晃)
COE事務局メンバー: 寺崎一郎、中島啓幾、中里弘道、田崎秀一
COEポスドク(現在3名:2004.4より9名)、リサーチアシスタント(RA)26名
グループリーダー会議、COE事務局会議、COE拡大会議、物理・応物教室会議
9 ページ
COEワークショップ(10回)、COE研究交流セミナー、COEシンポジウム
(2004.2.27)
研究・教育の“場とシステム”づくり (実績)
0)分野を越えた教員間の交流(研究室制度の長・短):共同研究開始
大学院カリキュラム、講義形式などの抜本的再検討
1)2度のPD(客員講師)一般公募と選考(第1回:3/24名、第2回:7/42名)
2)大学院生RAの募集と採択(書類審査で26名採用)
3)奨励研究費の学内公募とヒアリング選考(大学院生10/17名採択、PD9名対象)
4)ワークショップ(10回)、セミナー、シンポジウムの開催
5)大学院生覚醒プログラム(カリキュラム)の新設
(自己組織系物理学特論非常勤講師:佐藤勝彦、太田隆夫、木下一彦)
6)自己組織系物理ホリスティック研究所(5年間)の設立
7)海外研究・教育機関との交流(交換学生・研究者:海外から2名+海外へ4名)
8)研究スペース“相互研鑽の場”の確保(サンライズビル、ラムダックスビル)
分野を越えてDC1の学生とポスドクを1室に集め、相互研鑽の場を整える
9)大学からの支援(COE担当教員の教務軽減措置、部屋の手当てなど)
10)事務局(事務員)の整備、客員助教授(COE+研究・教育)の採用
10 ページ
The End
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