ATM over IPのデザイン 実装および評価 東京大学情報基盤センター 中山研究室 学籍番号96442 高橋伸明 発表の内容 本研究の背景、動機 カプセル化方式 ATM over IPゲートウェイの実装、性能評価 実ネットワーク上での伝送実験 輻輳下での優先制御実証実験 結論および将来の課題 本研究の背景、動機 ATMは1990年頃よりさかんに議論、実装および 導入が行われてきた技術。様々なタイプのデー タ伝送を画一的に行う。よく考えてから作る反面、 コスト高く複雑で煩雑。 特に1990年代後半、IPを用いた広帯域な技術 が現れる。ATMに比べると非常にシンプル、コス トも低い。 (特に)最近では基幹系にてIPが提供される。 ATMデータ転送をIP上にて行う ATM over IPの必要性 具体例: エジンバラ大学の事例 ATMネイティブで動作するセルスタックビデオとい う機械が以前より存在する。これを使用したいが ネットワークの基幹部はIPしかサポートしない • ATMデータ転送をIP網上にて行う必要性 カプセル化方式 ATMセル群をIP上で伝送するためにATM セルをどのようにIPパケットに詰めるか 1. ATM-IP 2. ATMs-IP 3. AAL-IP 4. AALs-IP →数値的に示すシミュレーション ATMセルをどのようにIPパケットに 詰め込むかのシミュレーション シミュレーション結果 ※AALに着目するが良い ATM over IPゲートウェイの実装 Ethernet, ATMのIFを持つPC/AT互換機 FreeBSD, NATM UDP/IP(1port-1VCI/VPI) AAL-IP 二つのプログラム: atm2ip, ip2atm atm2ip While(1) { read AAL5 message from ATM interface; write AAL5 message to Ethernet interface; } ip2atm While(1) { read AAL5 message from Ethernet interface; write AAL5 message to ATM interface; } ATM-IPゲートウェイの性能評価 遅延: 0.1~0.45[ms] (<< 200ms) パケット長毎の 処理可能最大帯域: 23Mbps(100Byte), 40Mbps(200Byte), 70Mbps(400Byte), 85Mbps(500Byte) 異なるハードウェア情報 遅延はメモリサイズ、CPU速さにほぼ依存し ない 処理帯域はメモリサイズに依存せずCPU速さ に若干依存する 実際に運用中のIP網上での ATM over IP伝送実験 平均4Mbps 工学部8号館 •セルスタックビデオ •遠隔講義システム •ATM-IEEE1394リンクユニット 情報基盤センター セルスタックビデオの場合の伝送系 工学部8号館 情報基盤セン ター 高画質モード SNMP ビデオ会議モード 伝送結果 SNMPによるパケットロス情報(SNMPの特性から 厳密に測定不可) セルスタックビデオ(2%): 0.001%未満 遠隔講義システム(0.2%): 0.003%未満 ATM-IEEE1394 リンクユニット(0.001%): 0.002%未満 セルスタックビデオ、遠隔講義システム→OK ATM-IEEE1394リンクユニット→NG → セルスタックビデオおよび遠隔講義システムの 場合は、伝送路がアプリケーションの伝送要求を みたしたのでうまく動作した。しかし今回の伝送路 はATM-IEEE1394リンクユニットの伝送要求は満 たさないので動作しなかった。 輻輳下での優先制御実証実験 混雑 at ベストエフォートIP網 パケットロス by 混雑 網ノードによる優先制御 in 混雑網 ALTQ(CBQ) for 優先制御(帯域確保) DBS for トラヒック量計測 輻輳下での優先制御実証実験 構成図 混雑発生 ATM(30Mbps) 優先制御 100Mbps DBS(80Mbps) 輻輳状況 DBS traffic Packet loss ATM traffic セルスタックビデオ=30% ATM-IEEE1394リンクユニット=35% 輻輳下での優先制御 DBS traffic ATM traffic ALTQ Packet loss セルスタックビデオ=OK、ATM-IEEE1394リンクユニット=OK ビデオをご覧下さい 輻輳下での優先制御実証実験 結果 混雑下 混雑+優先制御 セルスタックビデオ=NG ATM-IEEE1394リンクユニット=NG セルスタックビデオ=OK ATM-IEEE1394リンクユニット=OK (帯域確保の観点から)ALTQを用いた優先制御の有効 性が示された。またさらに帯域確保のみならず小さい遅 延要求を満たすためには、{src addr, dest addr ,port}で はなくMPLSの技術に見られるようにタグを使用すること で高速処理を行うことが考えられる。 結論 カプセル化手法 AAL-IPの有効性を示した ATM over IPの実装および性能評価 遅延、処理帯域を評価。異なるハードウェア評価 実ネットワークでの伝送実験 成功例、失敗例を実証。その理由。 輻輳下での優先制御実証実験 輻輳下での優先制御の有効性を実験により実証 将来の課題 遅延・ジッタの測定ツールおよび生成器 タイミング再生 SVC ABR 等等… 以上
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