1 - 古賀 毅

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[W3003] 地球温暖化防止を目指した技術ロードマップ
9 月15 日(火) 10:00 - 13:00 第2室[C2a]
座長:矢部 彰(産総研),平澤 茂樹(神戸大)
企画担当:矢部 彰(産総研),平澤 茂樹(神戸大)
企画部門:技術ロードマップ委員会
設計・システム工学部門
技術ロードマップ
東芝 大富浩一
東京大学 青山和浩 (発表:古賀 毅)
(1) 地球温暖化防止に向けたエネルギー革新技術の開発について
飯田 博文(経産省)
(2)コペンハーゲン"Future Climate"に参加して
有信 睦弘(東芝)
(3)地球温暖化防止を目指した技術ロードマップ概要
矢部 彰(産総研)
(4)各部門の作成した地球温暖化防止を目指した
ロードマップの説明
•機械材料・材料加工部門 秦 誠一 (東工大),
•エンジンシステム部門 青柳 友三(新エィシーイー),
•環境工学部門 佐々木 正信 (ヒートポンプ・蓄熱センター),
•設計工学・システム部門 大富 浩一(東芝), 青山 和浩 (東大),
•交通・物流部門 高田 博 (いすゞ),
•バイオエンジニアリング部門 松本 健郎 (名工大)
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ロードマップの背景
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(古賀が考える)設計・システム工学部門のミッション
設計の問題領域の拡大に伴う,ものづくり力強化
製品
→
人工物システム(インフラ)
→
人間社会(環境,サービス)
個別の要素技術を、「繋ぎ、纏め、連携させる」ことによって,
人間社会における「価値」を創出するための
設計工学・システム工学・シンセシスの学術構築と体系化
Copyright by Tsuyoshi Koga, [email protected]
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設計・システム工学部門が考える
(と古賀が考える)「設計」の役割
装置・製品 輸送機器 建造物
安全・安心・信頼性
人工物
素材・材料
レバレッジ
陰なる存在
エネルギー
生命体
人工物
デザイン
環境破壊
自然の改造
公害
欲求
認知
サービス
デザイン
エコ
デザイン
エコ
限られた存在
自然の叡智
食料
アフォー
ダンス
感覚
設計
自然環境
資源
事故
感性
水
人類の進化
経済社会
サービス
輸送
顕在化された存在
教育
医療
法制度
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人間の活動を通じて,自然と人工物,社会と経済はすべてつながっている
「増え続ける世界人口 」 「必要な物質やエネルギーの増大」
→システムの構造を直さない限り解決されない
システムとして
つながりは重要
つながりを重視してシステムの構造を記述・理解し,
予測した上で,真の解決策を実行することが必要
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「モデリング」による問題の記述と、
俯瞰的な理解に基づく真の解決策の実行
単純なモノから,
複雑なシステムへ
振舞いの複雑化
メカトロニクス化
(1)複雑化する製品
100個ものECU
(Electric Control Unit)
搭載する自動車
製品挙動・
構造モデル
数百万点の部品、
10億行のコード
から成る航空機
SysML、
メカトロの
モデル
製品ファミリ
モデル
「モノを売る」から
「機能を売る」へ
出展:http://lexus.jp
出展:http://www.airbus.com
ネットワーク化
高知能化
壊れたら破棄
壊れる前にメインテナンス
遠隔監視アフターサービス
ロングライフ化
製品状態
マネジメント・システム
オペレータ
制御ユニット
情報
webサーバ
各機器システム
通信
ネットワーク
コントロールセンタ
コンポーネントサプライヤー
遠隔監視
カスタマーサービスセンタ
計測センサ
異なる製品間で
モジュール循環
資源循環
(2)複雑化するユーザの要求
製品を構成する
サブシステム
メインテナンス・
マネジメントシステム
(3)複雑化するマネジメント
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個別研究
紹介
国際海運物流における新技術と規制がもたらす
CO2削減効果の推定と、技術戦略と社会制度の設計支援
問題: 海上の荷動きを担う船舶の航行によって、多大なCO2が排出されているが、低減検討が困難
目的: どのような技術の適用や、法制度の導入がCO2削減に対して効果的かを評価するシステムを
構築し、技術戦略と社会制度の設計に役立てる
長期的なビジョン(理想とする望む姿)の共有と策定
Action: 国際規制・技術の
影響評価、根拠付け、意思決定支援
Plan: 新しい国際規制や
技術の導入シナリオを入力
国際海上
輸送モデル
シミュレーション、
CO2排出計算
工学的な手法に基づく現状把握と可視化、現在位置の確認
Study: 俯瞰的な理解
可視化、結果の解釈、意味の抽出
Do: 国際貿易における海上物流の
仕組みの再現・シミュレーション
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個別研究
紹介#2
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安全で環境にやさしく経済的な解徹の支援
問題: 今日の船舶解撤はビジネスとして成立しにくく、安全・衛生の観点から労働者にとって過酷な
条件で行われており、環境に適合したグリーン解体の実現は困難
目的: 安全で環境にやさしく経済的な解徹のための、作業プロセス計画と解撤ブロック設計の支援、
および国際規制の導入に対する影響を評価するシステムを構築
解撤の現状:
環境汚染・危険作業
解撤ブロックの設計
解撤プロセスの
計画・評価と最適化
1550
1500
1450
1400
1350
1300
1250
1200
1150
1100
0
0.2
0.4
0.6
0.8
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個別研究
紹介#3
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製品の生涯価値の設計支援
問題: 人工物のライフタイムは、時として30年以上に及ぶため、その間に技術・環境面は大きく変化
しかし、設計において柔軟性を十分考慮できておらず、価値の低下と廃棄に繋がっている
目的: 「長期間にわたる多様なアップグレード可能性を、製品設計に埋め込む」手法を構築
また、メンテナンス・サービスと製品の統合設計により、製品の価値が落ちない仕組みづくりを支援
As-is
To-be
壊れたら破棄
ユーザが判断・修理
大量消費・大量廃棄
廃棄現場
解体されるマンション
壊れる前にメインテナンス
遠隔監視
製造者によるアフターサービス
現状の製品寿命
(原価償却年数)
パソコン:3年
自動車:6年
木造家屋:22年
船舶:15~30年
ビーチスクラッピング
生涯価値の
設計・創出
支援システム
製品設計
アフターサービス
による
ロングライフ化 製品長寿命化
大量消費・廃棄
生涯価値の評価
製品売り切り
メンテ体制設計
インフラ設計
異なる製品間で
モジュール循環
アップグレード
可能性を
埋め込んだ
設計支援
資源循環
資源・モジュール循環
製品でなく機能を売る
ユーザとともに成長
初期設計案の
入力
アップグレード・
シナリオの設定
換装し易い
製品構造の
出力
モジュール化
案評価、
換装コスト
評価
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設計・システム工学部門の
技術ロードマップ
作成の経緯
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 ~2008年 日本機械学会 設計工学・システム
部門 「設計研究会」(A-TS12-05) の議論により、
素案を作成 (東芝 大富氏を中心に作成)
 2009年 “Eco” Design内容追加
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#1
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#2
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ご静聴ありがとうございました。
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設計・システム工学に関する学術動向
モデリング技術のロードマップ
(INCOSE、機械学会 設計システム工学部門など)
BPMN SysML
FBSモデラ
1998
(2005) (2006)
Zackman Framework
SCORE
1990
(2004)
STEP
(1984)
1980
UML1.0
(1997)
1990
UML2.0
(2005)
2000
2010
System of
Systems
Engineering
for Product,
Service, and
Environment
2020
設計・システム工学
製品機能・
構造モデル
(2002)
製品の
挙動モデル
(2005)
設計プロセス
モデル
(2006)
製品ファミリ
モデル
(2007)
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