「探す」時間を削りたい! ~企業内コンテンツ管理システム(ECMS)による業務改善の考察~ 2013/10/17 ソフトウェア設計管理課 川崎振一郎 2013/10/17 ドラフト1 1 アジェンダ 要旨 現状と課題 ECMS(Enterprise Content Management System)の導入とその効果 導入計画 導入における留意事項 副次的効果 2013/10/17 ドラフト1 2 アジェンダ 要旨 現状と課題 ECMS(Enterprise Content Management System)の導入とその効果 導入計画 導入における留意事項 副次的効果 2013/10/17 ドラフト1 3 要旨 現状のファイルサーバによる情報管理には、必要 な情報を探しにくいなど様々な課題があり、コスト 要因となっているものもある。 これらの課題を解決するためにECMS(Enterprise Content Management System)の導入を提案す る。 ただし、システムを構築するだけでは効果は限定 的。 システムの利用を前提とした業務スタイルを確立 することが重要である。 ドラフト1 なお、ECMSの副次的効果としてコミュニケーショ 2013/10/17 4 アジェンダ 要旨 現状と課題 ECMS(Enterprise Content Management System)の導入とその効果 導入計画 導入における留意事項 副次的効果 2013/10/17 ドラフト1 5 課題1~情報へのアクセス容易性~ 必要な情報を探し出すのが難しい。 ファイルが大量に存在。 必要な情報が散在。 フォルダとファイル名のみに頼った整理方法。 複数のカテゴリに属するファイルをどこに格納すべ きか迷う。 視点の違う複数の整理方法が実現できない。 プロジェクトの進行とともにフォルダ構成が複雑に なりがち。 検索機能がない。 そもそもファイルサーバにアップロードされていな 必要な情報へのアクセス容易性を確保する必要がある 2013/10/17 い場合も。 ドラフト1 アクセス権限がない場所に存在する場合も。 6 課題2 ~最新情報と差分の参照~ 最新のファイルがどれなのか分からない。 同じような内容のファイルがいくつもある。 過去バージョンや改訂中バージョンが同じ場所に 保管されている。 過去の特定のバージョンに戻すことが困難。 最新のファイルが入手できてもどこが改訂されたの か分からない。 改訂履歴の手動入力は漏れが避けられない。 改訂履歴に改訂内容の詳細を具体的に書くのは 最新情報の入手方法一元化と差分の参照が不可欠 困難。 2013/10/17 ドラフト1 7 課題3 ~柔軟なアクセス権限管理~ 読み書きできるかできないかの二値的権限管理。 必要な情報の入手が困難(→課題1)。 ほとんどの場合、読み取り権限のみで十分。 フォルダ単位の読み書きアクセス権限管理の限 界。 結局アクセス権を持つ人がメールなどで配布する ことになる。 アクセス制限が事実上無効化。 システム外でのアクセスは統制が困難(ログが残ら ない等)。 人為的ミスによる誤編集・消失事故。 アクセス権限管理の委譲を含めた柔軟な運用が必要 読み取りのみの権限を運用することで防止可能。 2013/10/17 ドラフト1 権限付与の意思決定と実際の設定者が別部署。 8 課題4 ~コンプライアンス対策~ 誰が、いつ、何を、どのようにアクセスしたか 詳細なアクセスログ保存の必要性(レコードマネジ メント)。 アウトソーシングの拡大に伴い、外注先に情報を 出す頻度が増大 アクセス管理可能なシステム内で完結させないと 統制が不可能。 情報漏洩などの事件が起きた場合でも、証拠が ないと責任追及ができない。 海外訴訟(eDiscovery)対策 2013/10/17 ドラフト1 メモやメールにまで及ぶ証跡をどう保管するの か。 9 アジェンダ 要旨 現状と課題 ECMS(Enterprise Content Management System)の導入とその効果 導入計画 導入における留意事項 副次的効果 2013/10/17 ドラフト1 10 Enterprise Content Management System(ECMS) 企業内の情報を管理するためのシステム。 文書、画像、音声、動画、紙媒体をスキャンしたも の、Webページなど、様々なフォーマットの情報( コンテンツ)を統合的に管理。 主な機能: 2013/10/17 コンテンツの保管・蓄積 メタデータ(属性)の付与・保存 アクセス権限管理 検索(全文、メタデータ) バージョン管理 アクセス記録・変更記録 協業支援 ワークフロードラフト1 11 各課題に対するECMSの効果 課題1 ~情報へのアクセス容易性~ に対して 情報アクセスの窓口一元化 豊富な属性情報(メタデータ)の付与・保存 2013/10/17 属性項目のカスタムも可能 豊富なソート機能とメタデータによる整理 仮想フォルダによる個別ニーズに応じた整理 強力な検索機能の提供(全文・メタデータ) ドラフト1 12 各課題に対するECMSの効果 課題2 ~最新情報と差分の参照~ に対して バージョン管理による最新版の保証と任意の過 去バージョンの取得 変更履歴・差分表示の自動化 2013/10/17 MS WordやExcel、PDF形式などでも差分表示可 能 ドラフト1 13 各課題に対するECMSの効果 課題3 ~柔軟なアクセス権限管理~ に対して ある特定のファイル・フォルダに対してユーザごと に異なる権限を設定可能 ユーザのグループを定義し、一括して権限設定 が可能 LDAPやActiveDirectoryとの連携が可能 既存インフラが利用できる 豊富なアクセス権限 2013/10/17 例えば部門、プロジェクトなど 一人のユーザは同時に複数のグループに参加可 能 例えば読み取り権限の場合、ファイル名とメタデー 14 ドラフト1 タのみの閲覧と本文の閲覧は別権限 各課題に対するECMSの効果 課題4 ~コンプライアンス対策~ に対して 詳細なレコードマネジメント 一律禁止ではなく監視・権限の最適化によるコンプ ライアンス対策が可能 クラウド機能による外部とのやりとり(オプション) 2013/10/17 ユーザに過度な制限や過剰な権限を与えることがな いため、利便性・安全性を犠牲にしない アクセス禁止や利用禁止によるコスト増が最小限で 済む ファイルサーバよりも詳細な記録を残すことが可能 オプションのクラウド機能を用いることにより、海外 拠点や協力会社との情報共有が可能 メインのリポジトリに直接アクセスすることなしに同 15 ドラフト1 期が可能 アジェンダ 要旨 現状と課題 ECMS(Enterprise Content Management System)の導入とその効果 導入計画 導入における留意事項 副次的効果 2013/10/17 ドラフト1 16 導入計画 導入指針 導入戦略 ECMSの選定 システム開発 2013/10/17 ドラフト1 17 導入指針 解決すべき課題 情報へのアクセス容易性 変更履歴管理および差分表示の自動化 アクセス権限管理の柔軟性確保 コンプライアンス対策の強化 制約条件 2013/10/17 導入コストはできるだけ抑える ユーザの業務を増加させない 自動化できるところはできるだけ自動化 将来を見据えた拡張性を考慮 ドラフト1 現行システムとの親和性 18 ECMS製品の調査 ベンダ系製品 高価 ユーザアプリは完成されているがカスタマイズは 必要 導入は開発ベンダかそのパートナー企業が行う OSS製品 コミュニティベースで開発されているものはなく、 ベンダが開発してソースまで公開しているのが普 通 フリー版と商用版が用意されているものが多い 2013/10/17 フリー版と商用版が基本的に同じソースなのは alfrescoのみドラフト1 Nemakiwareはフリー版のみ 19 ECMS製品の調査 ユーザアプリはECMS製品付属のものを設定によ ってカスタマイズするか、各ECMS独自の開発環 境やフレームワークを用いてプログラミング 開発環境やフレームワークの知識が得られれば 比較的容易に開発可能 ベンダ系製品でもOSS製品でも機能的には差がな い ファイルサーバ的な使い方も可能 OSS製品でも導入実績は比較的豊富 課題を解決する機能はほとんどのECMS製品に含 まれている 2013/10/17 20 ドラフト1 ただしOSS製品ではアドオンやプラグインを別途 導入戦略 現行のファイルサーバを一度にECMSに移行する のはユーザにとって大きな負担。 ECMSシステムも細部まで作り込む必要があり、構 築に時間が必要。 移行を何段階かのフェーズに分けて、段階的に行 うのが現実的ではないか。 試行的に一つの部署から始めてみるのもよい。 2013/10/17 ドラフト1 21 導入戦略 フェーズ分割(案) 1. ファイルサーバをECMSへ置き換える ユーザから見た変化はほとんどない CMISクライアントを用いてDropBoxのように使うこ とも可能 レコードマネジメント、バージョン管理が可能 検索用インデックスの作成も可能だが、ダッシュボ ード(ECMSポータル)の公開はカスタマイズが終わ ってからの方がよいと思われる。簡単な検索アプリ を作って公開してもよい 2. アクセス権限管理の設定 2013/10/17 アクセス制限が可能 部門長やプロジェクトリーダーへのアクセス権限管 22 理の委譲 ドラフト1 ECMSの選定 機能的にはどの製品でもよい 考慮すべきは制約条件 ユーザに負担を強いないことおよび作業の自動化 についても基本的にはどの製品でも可能 使い勝手はユーザアプリの開発およびカスタマイ ズ時の設計に依存 コストはベンダ系とOSSで大きな開きがある 自力導入が可能なのはOSSだが、alfrescoと nemakiware以外は商用版とソースが異なる 2013/10/17 商用版同等のシステムを作れるのは実質的に ドラフト1 alfrescoのみ 23 ECMSの選定 ユーザアプリの開発について 2013/10/17 製品によって習得の容易さ、開発工数は大きく異 なる 設定ベースは簡単だが柔軟性に欠ける プログラミングベースは開発環境の知識習得に 時間が必要だが柔軟性は高い ドラフト1 24 ECMSの選定 OSSのalfrescoが導入しやすい JAVAベース OSSである(元は商用製品) CMIS準拠 商用版とソースは同じ とはいえ不具合に対しては随時アップデートが提 供される ユーザアプリはプログラミング型で開発 2013/10/17 差はテストの細かさ JSF Spring Surf ドラフト1 + YUI Web Script 25 アジェンダ 要旨 現状と課題 ECMS(Enterprise Content Management System)の導入とその効果 導入計画 導入における留意事項 副次的効果 2013/10/17 ドラフト1 26 導入における留意事項 システム導入で重要なのは次の2点 1. ユーザに負担をかけない ユーザが使いたくなるシステム ユーザに大きなメリットがあるシステム設計 ユーザが本来の業務に専念できるシステム ユーザが本来の業務以外の努力や注意力を必要と せずに自然と必要な作業を網羅でき、ミスを防げるシ ステム設計 自動化できるものは自動化する 2. システム利用を前提とした業務スタイルの確立 2013/10/17 業務スタイルにシステムが織り込まれていないと、 ユーザから見て雑務が増えるだけに見える システム設計と並行してシステム利用を前提とした 27 ドラフト1 業務スタイルの設計が必要 導入における留意事項 信頼性の確保 2013/10/17 ECMSはその機能から必然的に重要な基幹シス テムとなり、その障害は甚大な損失に直結する ハードウェアやバックアップ、管理体制など十分 に検討し、対策をする必要がある ドラフト1 28 アジェンダ 要旨 現状と課題 ECMS(Enterprise Content Management System)の導入とその効果 導入計画 導入における留意事項 副次的効果 2013/10/17 ドラフト1 29 副次的効果 ECMSのオプション機能を活用することにより、以 下に述べるようなシステムの更なる有効利用の可 能性がある これらはあくまでオプションであり、必須ではない 2013/10/17 ドラフト1 30 副次的効果 コミュニケーションの円滑化 2013/10/17 ECMSはオンラインコミュニケーション機能(Wiki やblog、SNSなど)を含むものが多い 社内コミュニケーションの円滑化により、部署やプ ロジェクトを越えたノウハウやアイデアの共有・創 造が期待できる プロジェクト内のコミュニケーションが活発化する ことで、メンバーのモチベーション向上や業務効 率の改善が期待できる ドラフト1 31 副次的効果 (主に社内用)Webコンテンツ管理の効率化 2013/10/17 ECMSはWeb CMSの機能を含むものが多い HTMLの知識がなくてもコンテンツを管理可能 プロジェクトや部署のページを簡単に作ることが できる コンテンツ管理作業を複数メンバーに割り振れる ドラフト1 32 副次的効果 クラウド連携による情報共有 2013/10/17 ECMSはクラウド連携機能をもつものが多い クラウド連携機能により社内のみならず、関連会 社や協力会社、顧客などとの情報共有が可能 アクセス権限管理や社内用リポジトリと分離する ことで漏洩対策も可能 情報の出入口を一元化することでアクセスログの 採取が社内外を問わず可能 ドラフト1 33 副次的効果 携帯情報端末の活用 2013/10/17 ECMSは各種携帯情報端末(スマートフォン、タブ レット端末など)との連携機能を含むことが多い クラウド連携機能と組み合わせることで多様な使 い方が可能 ドラフト1 34
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