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教育・文化分野
大学生ひきこもりアプローチ事業 【大阪府商工労働部雇用推進室雇用対策課】
事 業 概 要
厳しい雇用情勢のもと、ニート状態にある若者の職業的自立はさらに困難を極めている。ニート状態になってからの支援は
容易ではないことから、教育段階において将来のニート化を予防することが重要である。大学生の1%がひきこもり状態であ
るとの調査結果や、ひきこもりとなった大学生の3分の2がその後、退学するという報告がある。しかしながら、大学では、近年学生相談室等に来室
する学生への対応については手厚く実施するようになってきたものの、不登校・ひきこもり状態にある学生への対応は、そのノウハウや体制がないこ
とから、殆ど実施されていない状況にある。本事業において、大学と連携しながら、大学生の不登校・ひきこもりの段階で各種取組みを実施し、退学
を防止することでニート化を予防する。
委
託
先
事業実績額
雇 用 創 出 数
財団法人大阪労働協会
従業員数71人
1,144万円 (平成22年度)
3,680万円 (平成23年度)
11人
事 業 実 施
期
間
事 業 終 了 後
継続雇用人数
業務の内容
1
2
3
4
5
6
大学と連携し、臨床心理士等の支援員が大学へ出張支援(4大学)
当該大学の学生を対象として、不登校・ひきこもり状態にある学生を抽出
不登校・ひきこもり学生に、電話・面談・訪問等の支援を実施し、離学を防止する
不登校・ひきこもりから脱出した学生に対して、卒業後の自立も見据えたキャリア形成支援を行う
本事業に参画した大学における不登校・ひきこもり・退学等の実態を調査し、事業の効果を測定
府内全域の不登校・ひきこもりの大学生に対し相談窓口を設置。訪問等の支援を実施し、離学を防止する
府内大学のうち、羽衣国際大学・森ノ宮医療大学・大阪国際大学及び四天王寺大学の4大学が参画
平成22年11月
~
平成24年3月
4人
(他事業所での雇用:2人)
活
動
紹
介
4大学での取組
大学生ひきこもりアプローチ事業集計
・羽衣国際大学:低単位取得者をリストアップして支援対象者を抽出し、電話連絡による
アプローチを行い、授業出席への誘導を図った。
欠席がちな学生の集える場所としてのフリールームの活用は、支援員と
の面談に成果があり、支援を受けた学生の「心のよりどころ」となった。
23年度の中退率は、前年度と比較して28%減少した。
電 話
4大学
一般窓口
合計
面 談
訪 問
1,774
172
2
42
7
1
1,816
179
3
・森ノ宮医療大学:同一授業を連続して欠席している学生から支援対象者を抽出し、支援を実施。支援手順書の作成や他大学での取
組み状況を収集し、大学の学生相談業務の基礎作りを行った。23年度の中退率は、前年度と比較して77%減少した。
・大阪国際大学:2週間に1度の出席状況チェックにより支援対象者への電話アプロ-チを行い、本人面談を実施した。大学側が、学
習支援コーディネーターを設置するなど、学生支援体制の強化が図られた。
入学時に保護者の携帯電話・メールアドレスを収集したことは、家族との連絡手段として威力を発揮した。23年度の
中退率は前年度と比べ50%減少した。
・四天王寺大学:必修科目の礼拝欠席者へのアプロ-チを進めた。欠席過多傾向の学生が抱える様々な事情が明確になり、それらの情
報を教職員間で共有し、学内の学生相談室等とつなげることができた。 23年度の中退率は前年比50%減少した。
一般窓口での取組:電話でのアプローチがあった大学生やその保護者に対して、電話相談や面談、訪問による支援を実施。
事業終了後の事業継続
・雇用継続への展開
当事業に参加した大学において、学生の不登校の実態把握が、今後の大学運営に大きな影響をもたらすとの意識が芽生えるなど、各大学
とも学生に対する取組み姿勢に変化が見られ、学生支援の必要性から事業継続の要望が寄せられた。そのため、事業が終了した24年度以
降においても、引き続き3名が継続雇用され、労働協会が厚生労働省と大阪府から事業委託を受け設置・運営している「大阪府若者サポ
-トステ-ション」において、不登校やひきこもり状態にある学生の相談・カウンセリングを継続して実施している。
その他、2名についても他大学等で雇用されている。
雇用創出効果以外の
事 業 実 施 効 果
不登校・ひきこもり状態にある学生に対して面談や家庭訪問を実施してきた結果、中退率を前年と比較して、4大学とも28%~77%の
減少がみられたことから、各大学とも不登校・ひきこもり状態の学生への支援の必要性や、今後の大学運営に与える影響について理解を
深めることができた。
参加大学独自の取り組みとして、臨床心理士の新規雇用や本事業により作成した手順書による学生相談業務の取組み強化が行われた。