学生の就職活動に向けたキャリア教育(社会・対人関係力及び自己制御力

学生の就職活動に向けたキャリア
教育(社会・対人関係力及び自己
制御力)開発のためのプログラム
(報告書)
大阪電気通信大学
金融経済学部アセット・マネジメント学科より
2013年12月
今年度の振り返り
 3ヵ月のソーシャルスキル演習を通して、感情とEQの大切さを知り、自分のEQを知って自己開
発に取り組んだことで、自他の感情をより深く認識して、人間関係のつくり方や保ち方を学ん
だといえます。
 【講義に関して】
 ・個人と協働作業の2つの観点でのソーシャルスキル開発を行う、当初の狙いは一定の成果を
上げられた
 - 相手に自分の考えや気持ちを適切に伝えるために、表情やジェスチャーなどを使って積極的
に人と関わろうとする姿勢が見られた
 - 相手の気持ちを察知して気持ちを汲み取りながら、相手の話に耳を傾ける姿勢が身について
きた
 - 多くのグループワークを通して集団を楽しむという経験を重ねた
 - お互いの結びつきを深めて、対人関係上の問題から逃げずに相手と向き合いながら、対人ト
ラブルを乗り越える力を育んだ
 ・一方、内容量やレベル感がやや学生にとっては難易度が高く、消化不良となった部分もあっ
た
 【課題ヘの取組みに関して】
 ・自己開発のための課題への取組みには、個人によるばらつきがかなり生じた
 - 自己開発のための進捗管理シートの提出が遅れがちで、注意を促しても改善が上手く図れな
かった
 - 提出されたシートの中には稚拙な文章があったり、提出のルールが守れないケースもあった
 ・ケースのグループワークでは、真剣に学ぼうとしている人の妨げになるケースもあった
 知識やスキルの習得以前に身につけるべき重要なこととして、改めて心の教育の必要性を痛感
今後に向けて改善すべき点
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改 善 す べ き点
【 講 義 に 関し て】
・ 講 座 の 内容 ・レ ベ ル
→ 内 容 を 簡素 化し て 全体 のボ リュ ーム を抑 える 一方 、個 人が 全員 の前 で発 表す る機
会 を 増 や すこ とで 、 行動 や実 行に つな げる 点を 意識 した プロ グラ ムに して いく
【 課 題 へ の取 組み に 関し て】
・ 自 己 開 発の ため の 課題
→ E Q ア ド バ イザ ーの 人数 を増 やす (受 講生 30 名 /EQ ア ドバ イザ ー 1名 ) こと で、 1
人 1 人 へ のフ ォロ ー の密 度を 増や し、 課題 への 積極 的な 取り 組み を促 して いく
・ ケ ー ス 等グ ルー プ ワー クの 課題
→ グ ル ー プワ ーク の 進め 方に 関す るガ イド を増 やす と共 に、 ディ スカ ッシ ョン の場
面 へ の 関 与を 増や す こと で、 チー ムの 停滞 を防 ぐ
【 全 般 を 通し て】
・ 学ぶ 姿勢 を身に つけ るた めのル ール をつ くる( ※全 員名 札を胸 につ けて 受講す る
等 )と 共に 、授業 の妨 げに なる行 為に 対し て厳し く接 する ことで 、学 生と してで は
な く 、 社 会人 にな る ため に必 要と なる 心構 えや 基本 姿勢 の習 得を 図る
ケースの課題
「今、チームで自由にできるお金が10億円あるとすれば、そのお金を
どのように活用するかを 提案すること 」
• ケースの課題では、以下の3点を目的とし、課題内容に沿ってチームごとの活動を行いま
した。
• ・ソーシャルスキルやプレゼンテーションスキル及び本プログラムで学んだスキルを実践
する機会とする
• ・プログラム全体と並行して進めることで、長期間にわたるプロジェクト運営の経験を得
る
• ・ビジネスの疑似体験の機会とし、ビジネスに対する意識や動機づけにつなげる
• 【前提】
• ・提案内容については特に制約はなし。(金融・経済に限る必要なし)
• ・ 但 し 、 公 序 良 俗 に 反 す る 内 容 は ×と す る
• 【中間発表】
• ・ D ay 3 ( 6 / 1 1 ) に 、各 チーム 5 分 間 ず つ 、 下 記 の 内 容 を 含 む 中 間 発表を行う
• -チームでの活動状況(ミーティングの頻度やミーティング以外に実施した活動等)
• -それまでの活動を通じて、ソーシャルスキルの観点で学んだことや感じた課題
• 【最終発表】
• ・ D ay 5 (7 / 3 0 ) に 各 チ ー ム 1 0 分 ず つ の プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン を 行 う
• ・プレゼンテーションの内容は、以下の内容を含むこと
• -お金の使い方に関する説明(具体的に)
• -なぜ、その使い方を選んだかの根拠/理由の説明(具体的に)
• -取組みを通じて、ソーシャルスキルの観点で学んだことや感じた課題
授業の評価方法
• 下記の5つの項目に基づいてソーシャルスキル演習の評価をおこないまし
た。
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①出席状況(20点)
-5日間(1日3コマ)の授業に出席したかどうか
②EQ行動計画への取組み(20点)
-行動計画を策定し、それに基づいて実施を行ったか(取組み姿勢を勘案し、
採点)
③EQの改善状況(20点)
-事前検査と事後検査の結果で、どの程度の改善が見られたか
→今回は②取組み状況での評価とした
④ケースへの取組み(20点)
-ケース作業時間への出席やチーム活動への参加状況がどうだったか
⑤ケースの発表内容(20点)
-ケース発表の完成度(参加者全体からの評価)およびメンバー間・内の評
価
授業の評価結果
• 5つの項目に基づいて評価を行った結果、下記のような分布にな
りました。
• 出席や課題への取組み重視の評価方法だったにも関わらず、授業
への出席や課題への取組みをきちんと行った学生がいた一方、最
低限の取組み状況に留まった学生もいたため、評価にばらつきが
生じた。
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評価
評点
人数
• A
907人
80-89 15人
• B
70-79 15人
• C
60-69 20人
• D
0-59 3人
• 合計 60
出席状況
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受講者60名の出席状況は以下の通り。
5回通して無遅刻無欠席の学生が37人、全欠席の学生が2人。
出席状況
Day1 Day2 Day3 Day4 Day5
出席
55人 48人 48人 53人 54人
遅刻または早退 0人 2人 6人
2人
2人
欠席
5人 10人 6人
5人
4人
合計
60人 60人 60人 60人 60人
Q行動計画への取組み状況
• 毎週火曜日提出となっていたEQ行動計画課題(全12回)の提出状況
は以下の通り。
• 全ての回通じて期日内の提出は2人。
• 進捗管理
• 12回すべて期限内 2人
• 12回提出
42人
• 11回提出
5人
• 10回提出
2人
• 7-9回提出
2人
• 4-6回提出
1人
• 1-3回提出
2人
• すべて未提出
4人
• 合計 60人
ケースへの取組み
• ケース作業時間としても設けた作業日の出席状況および資料の提出状況は以下
の通りです。 出席状況 5/28
6/25
• 出席
54人
54人
• 遅刻または早退
0人
0人
• 欠席
6人
6人
• 合計
60人
60人
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資料提出状況
期日内に提出
期日を過ぎて提出
未提出
合計
中間発表
6班
3班
1班
10班
最終発表
5班
4班
1班
10班
ケースの発表内容
 中間発表を通じて、ケース最終発表ではプレゼンテーションスキル強化の観点から、以下
の3点への意識付けを行った。
 最 終 評 価 = 事 前 準 備 ×当 日 発 表
・スライドを効果的に活用できているか
- 準備した内容、伝えたいメッセージをスライドで表現できているか
・時間配分がきちんとできているか
- 持ち時間を効果的に活用できているか(長すぎず、短すぎず)
- 間延び、詰め込みになっていないか
・発表者の話し方(声、視線、姿勢等)が適切か
- 声のトーン、スピードは適切か
- 視線は聞いている人の方に向けているか(手もとの資料や画面ばかりに目がいっていな
いか)
 - 姿勢は落ち着いて、自信のある様子か
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ケース発表の傾向及び特徴
・ 多くのチームが授業外の時間も自主的に集まり、話し合いや飲み会を行う等、主体的な
取組み姿勢が見られた。
 ディスカッションや資料作成、プレゼンテーションのスキルについては経験値を増やす
ことで更なる改善を図ることができると思われる。
 【発表内容について】
 特に制約をつけずに自由に話し合う形式で実施した結果、お金の使い方としては、下記
の3種類に分かれた。
 ①自分たちが楽しむために使う 4チーム
 ②大学で学んだ知識に関連して使う 2チーム
 ③社会に役立てる目的で使う 4チーム
 課題を出した当初の話し合いでは①のチームが多数を占めたが、チーム内での話し合い
や他チームから話を聞く中で、②や③に変わっていくチームが複数見られた。
 また、お金を単に消費するだけではなく、それを活用/運用して継続的に活動ができる
仕組み作りを考えたチームも複数見られた。
 【当日の発表について】
 ケースの評価は 【事前準備】 X 【当日の発表】 であることを伝え、当日の発表の際の
ポイントを3点伝えたが、直前まで資料の準備に時間を取られたチームが多かったのか、
発表の準備が不十分なチームが大半を占めた。