START式トリアージ

トリアージ
高知赤十字病院
西山謹吾
災害医療の特殊性
平時の
救急医療
災害医療
災害医療は
限られた物的・ 人的資源の
中で一人でも多くの傷病者を
助けること
トリアージ(患者の選別)
の必要性
• 最大多数の負傷者に対して、最良の結
果を生み出すこと
• 助けることのできる負傷者を一人でも
失わないようにすること
トリアージの種類
• 篩い分けトリアージ
トリアージエリアで行う
道具を使用しない生理学的な評
価
• 選別トリアージ
救護所・病院内で行われる
バイタルの測定・解剖学的な評
価が
加味されたもの
トリアージの区分
•
•
•
•
最優先治療群(Ⅰ)
待機的治療群(Ⅱ)
保留群(Ⅲ)
死亡群(0)
ふるい分け
トリアージ
ト
リ
ア
ー
ジ
エ
リ
ア
I
II
選別トリアージ
救
護
所
I
II
救急車
T4:待機
III
0
治療完結
自走
病院
死体安置所
現場救護所での救護活動
トリアージは動的なプロセス
=繰り返し行う必要あり
• 災害現場
– トリアージエリア
– 救護所
– 搬送選別
• 病院入り口
• 手術前
最優先治療群(Ⅰ):重症群
• 生命を救うために直ちに処置を必要と
するもの
• 篩い分けトリアージ:呼吸・循環・意
識のいずれかに異常が見られるもの
• 選別トリアージ:気道閉塞、呼吸困難、
意識障害、多発外傷、ショック、大量
出血、血気胸、胸部開放創、腹腔内出
血、広範囲熱傷、気道熱傷、クラッ
シュ症候群など
待機的治療群(Ⅱ):中等症
群
• 多少治療の時間が遅れても、生命に危
険がないもの
• 篩い分けトリアージ:基本的にはバイ
タルサインが安定しているが歩行困難
• 選別トリアージ:脊髄損傷、片側四肢
長幹骨骨折、脱臼、中等度の熱傷など
保留群(Ⅲ):軽症群
• 軽易な傷病でほとんど専門医の治療を
必要としないもの
• 篩い分けトリアージ:基本的に歩行可
能
• 選別トリアージ:外来処置が可能な、
四肢骨折、脱臼、打撲、捻挫、擦過傷、
切創、挫創、軽度熱傷、過換気症候群
など
死亡群(0)
• 既に死亡しているもの
• 明らかに即死状態で、心肺蘇生を施し
ても蘇生の可能性のないもの
• 篩い分けトリアージ:無呼吸
• 選別トリアージ:無呼吸・脈触れず・
昏睡
トリアージエリアで行うこと
• 患者の篩い分けトリアージを行う
• トリアージタッグを患者につける。原
則右手首。右手首→左手首→右足→左
足→首
• トリアージエリアでは原則治療は行わ
ない。例外は次の二点
トリアージエリアでの治療
1)呼吸停止の患者には用手的気道
確保を二回おこなう。それでも呼
吸がなければ 黒タッグ
2)活動性の出血を用手的に圧迫
現場到着までにあらかじめ記載しておくこと
①通し番号
②トリアージ日付
③トリアージ実施者氏名
この部分をトリアージエリアで記載
④トリアージ実施場所
トリアージエリアで
このカラーコードをちぎる
START(Simple Triage and
Rapid Treatment)式トリアージ
•
•
•
•
•
•
篩い分けトリアージである
生理学的所見でトリアージ
道具は使わない
緊急治療群Ⅰ(赤色タッグ)はいないか!
まず歩けるか?歩行できるものは保留群(Ⅲ)へ
残った患者について呼吸→循環→意識で調べて
いく
• DEAD(黒タッグ)の基準は二回気道確保を
行っても自発呼吸無し
□無し ( 用手的気道確保 2 回)
0 ( 黒)
呼吸 □10 未満或いは 30 以上 □有り
□10~29 回/分
□2 秒以上
爪圧迫後充血時間 I( 赤)
□2 秒未満
□応じ ず
単純命令 □不可能 II( 黄)
□応じ る 歩行
□可能
III( 緑)
救護所で行うトリアージ
(選別トリアージ)
• バイタルサイン(血圧、脈拍など)と
解剖学的異常
を加味した
二次(選別)トリアージを行う
• トリアージ区分の変更があれば、その
理由を記載する
タッグ裏面は救護所内
で記載
• 特記事項
• 傷病名
• バイタルサイン
血圧・脈拍・呼吸数・JCS
• 処置
• 実施者名
タッグの裏面
•
•
•
•
•
•
•
Major Trauma
体幹の鋭的損傷
フレイルチェスト
骨盤骨折
開放性頭蓋骨陥没骨折
四肢の轢断
15%以上の熱傷、気道熱傷
四肢の麻痺
トリアージタッグの回収
• 救護所から出て行くときにタッグの1枚
目をちぎり、保管。
• タッグの二枚目は、搬送機関がちぎり
保管
• 病院到着時はタッグ三枚目のみ患者に
ついている
災害現場での情報通信訓練
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•
M:my call saign,Major incident
E:Exact Place 場所
T:Type 事故のタイプ
H:Hazard 危険物
A:Access 到達方法
N:Number
傷病者の人数、重傷者数
E:Emergency response 警察・消防・救
急隊