3体模型によるN=16ドリップライン原子核の構造解析

3体模型によるN=16ドリップライン核
の構造解析
堀内 渉 (新潟大学)
鈴木宜之 (新潟大学)
背景
• N=14、16準閉核の存在
N=14 (0d5/2)6:22Oの多くの実験で報告
N=16 (1s1/2)2:28Oは存在しない
• ドリップライン原子核(Z≦8)
•
23N、24Oと異なり、22CはBorromean系
研究目的
• 類似性のある22C、23N、24Oを3体模型で調
べる。
• 陽子を添加していくとどのように構造が変化
するか。 → Borromean系との相違。
– 芯核は全て0d5/2閉核(N=14)を仮定。
– n-n間は現実的核力に固定。
– 芯核-n間ポテンシャルは現象論的に導入。
3体模型
λ
ハミルトニアン
x1
ρ
x2
Core-n: Woods-Saxon
n-n: 現実的核力(G3RS)
2中性子の相対波動関数
core
0d5/2
0p1/2
Pauli禁止状態
0p3/2
芯核の占有軌道に直交する条件をつける
<ulmj|Φ>=0
A, Λ → 確率論的変分法に従い最適化
0s1/2
芯核-n間ポテンシャル
s波に射影する演算子
V1は固定してV0を調節
•
22C
–
•
21Cが存在しない
→
20C+nは非束縛
23N、24O
–
22N、23Oの基底状態エネルギーを再現するように決定
•
•
22N
: -1.28 MeV (21N+n閾値から)
23O : -2.74 MeV (22O+n閾値から)
22C、23N、24O
PS=0: スピン一重項の成分
→ スピン三重項成分は少ない。
平均自乗根半径 →
22Cは特に大きい。
20Cの平均自乗半径を2.99
22C:
fmとすると、
3.61 fm (A~60程度)
軌道の占有確率
22C、23N、24Oは共にs波が主要
23N:
(1s1/2)2 0.931
24O:
(1s1/2)2 0.954
22Cは20C+nの束縛した軌道がない
→ 全てが20C+nの連続状態
22C
: n-n相関を切ってs波のみで計算
エネルギー -0.09MeV
(相関あり
-0.489MeV)
2核子相関
23N
を描いたもの。
22C:
ダイニュートロン的相関が強い
芯核の引力強 → シガーライクが発達
22C
24O
n-n密度
λ
2中性子相対の密度
22C
v.s 重陽子
まとめ
• n-n間に現実的核力を用いた3体模型によるN=16
ドリップライン原子核22C、23N、24Oの解析。
• S=0成分、s波が主要→非中心力の効果は小さい。
– 22Cは大きなハロー核 → 11Liの構造とは異なる。
– s波以外の部分波の寄与。
• 陽子を添加していくと、シガーライク的相関が発達。
• 23N、24Oは類似、22Cは成分は似ているが空間的な
拡がりに大きな違い。