ビデオ信号,NTSC,Y/C分離等

計測情報処理論
ビデオ信号の基礎
ビデオ信号とは?
• 映像信号を伝達する多数の方
式がある
ビデオ信号(1)
• 映像中の「明るさ」
は電圧の高さで表
される
• 画像の明るさは端
から順次送り出さ
れる
電気信号
ビデオ信号(2)
• 走査・同期とは
送信側と受信側でタイミングを合わせる必要あり
白黒ビデオ信号
• 明るさ
0V~0.7V
• 同期信号
約 -0.3V
140IRE = 1V
飛び越し走査(1)
• 走査線を1本飛ばしに伝送する
– 同じ走査線本数でも画面の書き換え回数が倍速
(60回/秒)になる
飛び越し走査(2)
• 1枚の画像全体をフレームと呼ぶ
• 1回の垂直走査で得られる画像をフィールドと呼ぶ
インタレースコム
• 動物体を撮影した場合,奇数フィールドと偶
数フィールドの撮影時刻のずれにより,画像
が櫛(comb)状になること
• 動画像処理の大敵
カラービデオ信号(NTSC)(1)
• 色は高周波成分の位相と振幅で表す
– 3.58MHz の正弦波をカラーキャリアと呼ぶ
– 白黒機器との互換性がある
カラービデオ信号(NTSC)(2)
カラーバースト
• カラーバースト(色基準信号)からの位相差で
色相を表す
NTSC における色の表現
赤
R, G, B
青
緑
Y, R-Y, B-Y
(R=0.587G
+ 0.114B
+ 0.299R)
Y, I, Q
(33度回転)
• 原点からの距離:彩度
• 回転:色相
人間は Q 軸の解像度が高いことによる
色信号
• I (オレンジ/シア
ン)のほうが Q (グ
リーン/マゼンタ)よ
り高解像度
• I: 帯域幅1.5MHz
• Q:帯域幅 0.5MHz
EY  0.3ER  0.59 EG  0.11EB
NTSC 信号の生成
• カラーサブキャリア信号を R-Y, B-Y 信号で AM 変調
– キャリアの位相は 90度ずらす
• 輝度信号と色信号を足し合わせる
NTSCエンコード
NTSC の占有帯域(放送)
• 色信号領域(I,Q)は輝度信号領域と重なっ
ている
• 色信号領域の帯域幅は輝度信号より狭い
YC分離
• 色信号と輝度信号を分離すること
YC 分離の概念
YC分離の問題点
• 輝度信号の周波数が高い(縞模様が細かい)
と色信号へノイズが乗る(色が付いてしまう)
– クロスカラー妨害と言う
• 輝度信号の帯域が制限されてしまう
• 色信号の解像度が低くなってしまう
– 色のにじみを生じる
カラーインタリーブとくし型フィルタ
• 色搬送波の位相は走査線ごとに反転している
• ビデオ信号を1走査線分だけ遅らせて加減算
– ディレイは正確である必要がある
くし形フィルタとYC分離信号
15.734KHz
(水平同期周波数 29.27 * 525)
3.58MHz
(カラーサブキャリア 29.97 * 525 * 455 / 2)
• 周波数応答は櫛の歯状(コムフィルタ)
• YC分離信号はカラークロストークが少ないた
め優れている(色再現性,解像度とも)
YC分離
• 映像信号は走査線同士の相関が高い
– 水平同期周波数の高調波成分
– その隙間に色信号を配置
デジタルコムフィルタ
NTSC
コンポジット信号
Y
ADコンバータ
演算
C
• コンポジット信号を直接AD変換
– デジタル値の演算で Y/C 分離を行う
(例えば前後走査線間の加減算など)
• AD変換のサンプリング周波数はカラーサブ
キャリア周波数 (3.58MHz)の倍数
Bt878
YC信号,コンポーネント信号
• YC分離を避けるために
S端子(YC端子)
•色信号と輝度信号が別々に流れている
•通常のビデオ信号はコンポジット信号と呼ぶ
•その他,RGB 信号,YCrCb 信号が用いられる
ガンマ特性
• ブラウン管の輝度特性を送り手側で補償
• NTSC の場合 γ=2.2 (v = iγ )
ビデオ処理時の注意
• カメラの組み合わせ
– 白黒処理
• 白黒機材の組み合わせがベスト
• カラーカメラを白黒キャプチャした場合,ノイズが乗る
S信号のY成分を入力する方法もある
• 白黒カメラをカラーキャプチャした場合,カラーバース
トがないため色信号からノイズが乗る場合がある
• 白黒機材がない場合,S信号利用がよい
– カラー処理
• RGB分離信号がベスト,次はS信号
• インタレース
– フィールドごとに処理をする
– プログレッシブカメラを用いる
キャプチャとアスペクト比
• コンポジット信号を直接AD変換してデジタ
ル的にYC分離するものも多い
– サンプリング周波数は色副搬送波の整数倍
3.58MHz*4 / 15.75KHz * 0.828 = 753
垂直の有効走査線数(505本)の1.5倍
– アスペクト比が正確に得られるキャプチャボー
ドを選択する必要がある
• きちんとキャリブレーションする場合は必ずしもそ
の必要はない