12月18日講義分

生体分子解析学
2016/7/9
機器分析
分光学
X線結晶構造解析
質量分析
熱分析
その他機器分析
1
演習
2016/7/9
人生が充実している人と、そうでない人は、何が一番ことなるので
しょうか?
宿題
(予習) X線を用いた薬剤化合物の解析にはどのような方法がある
か答えなさい。またその方法で何が解るかについても説明しなさい。
2
2016/7/9
X線分析法
X線吸収分光法 (XANES, EXAFS)
原子によるX線吸収を観測する分光法
蛍光X線分光法
原子が発する蛍光X線 (低エネルギー(= 長 波長)) を観測
する分光法
X線結晶構造解析
X線回折を利用して、分子の
造ではない) を決定する手法
三次元
構造 (化学構
粉末X線回折法
結晶
多形
を検出する手法。X線回折を利用して
結晶格子の違い (結晶相) を評価する手法。
3
X線回折とは
2016/7/9
X線回折はちょうど良い角度のときだけ起こる
出典:イメージから学ぶ構造解析法(第2版)定金豊 著、京都廣川書店
4
X線回折とは
2016/7/9
波の回折(波の干渉):強め合う場合
θ
θ
5
2016/7/9
X線回折とは
波の回折(波の干渉):強め合う場合
2d sinθ = nλ
nλ
d=
2sinθ
θ
d
d
θ
θ
面間隔d(分解能)
は角度θの関数
d = f(θ)
面間隔 d
= 分解能
6
2016/7/9
演習
X線が結晶の格子面に対して下図のように角度θで入射し、角
度θで散乱(反射)している(前提条件)。
この時、角度 a, b が a = θ, b = 2θとなることを証明しなさい。
θ
d
面間隔
θ
a
d
b
d
7
演習
2016/7/9
X線が結晶の格子面に対して下図のように角度θで入射し、角
度θで散乱(反射)している(前提条件)。
この時、角度 a, b が a = θ, b = 2θとなることを証明しなさい。
正解者
32
部分正解者
17
誤答
26
計
75
中学校の数学(図形)の問題
8
2016/7/9
演習
角度 a, b が a = θ, b = 2θとなることを証明しなさい。
θとaに挟まれた角をcと
すると
a + c = 90° eq.1
θ
θ + c = 90° eq.2
d
a
θ
c
eq.1とeq.2の差をとると
a + c = 90°
−) θ + c = 90°
d
b
d
a − θ = 0°
即ち、 a = θ
9
2016/7/9
演習
角度 a, b が a = θ, b = 2θとなることを証明しなさい。
角度 d, e, f, g, h を図の
ように定義する。
∠d (= ∠k) = ∠f = ∠h
よって
∠h = θ
∠g = ∠e = θ
∠b = ∠g + ∠h = θ + θ = 2θ
θ e
d θ
k
a
d
d
d
f θ
b
θg
θ h
10
宿題
2016/7/9
以下の文章から読み取れることを書き出しなさい。
例)A氏が軽井沢でゴルフをする時はいつも、40人近い長野
県警の警察官が警護に当たるのが常だった。
16歳の少年が郷里の新潟県から出稼ぎに上京したのは1934年
(昭和9年)のことだった。
余裕があれば以下の課題もやってみて下さい。
「定性(分析)」とはどのような分析かを説明しなさい(この
言葉の辞書の編集者になった気持ちで)。
11
宿題
2016/7/9
以下の文章から読み取れることを書き出しなさい。
16歳の少年が郷里の新潟県から出稼ぎに上京したのは1934年
(昭和9年)のことだった。
16歳で働く>少年の学歴は中学以下
16歳で働く>この時代はこの年齢で腹をくくって働かなけれ
ばならない時代
16歳で出稼ぎに出なければならない>家は裕福ではないかも
1934年は第二次世界大戦の少し前>日本の世界の中の立ち位
置は発展途上国>国全体がまだ貧しい時期
新潟県は雪国>冬は雪で閉ざされる>生活も大変>冬場の労
働が限られる>やはり貧しさにつながる
12
X線回折とは
入射X線と回折
X線のなす角度
2016/7/9
回折X線
回折X線
2θ
入射X線
面間隔
13
X線分析法
2016/7/9
X線吸収分光法 (XANES, EXAFS)
原子によるX線吸収を観測する分光法
蛍光X線分光法
原子が発する蛍光X線 (低エネルギー(= 長波長)) を観測
する分光法
X線結晶構造解析
X線回折を利用して、分子の三次元構造 (化学構造では
ない) を決定する手法
粉末X線回折法
結晶多形を検出する手法。X線回折を利用して結晶格子
の違い (結晶相) を評価する手法。
14
X線結晶構造解析
2016/7/9
回折点 格子状に並んでいる
(厳密には逆空間中)
格子点 (h, k, l) で
各回折点を指定できる
各回折点は固有の強度を有している
X線回折データ
格子点 (h, k, l) の 回折(X線)強度
逆フーリエ変換(コンピュータによる計算)
電子密度
電子密度への原子の割当
= 三次元構造の決定
15
2016/7/9
X線の散乱
X線回折
散乱X線の干渉
X線を散乱させる本体:
入射X線
e−
入射X線
e−
入射X線
e−
電子
y = f(x) yはxの関数の意
Σ(散乱X線) 散乱X線を
足し合わせ
るの意
散乱X線
回折X線
散乱X線
散乱X線
散乱X線 = f(電子密度)
回折X線 = Σ(散乱X線)
回折X線 = f1(電子密度)
即ち、 電子密度 = f2 (回折X線)
16
X線結晶構造解析
2016/7/9
回折点 格子状に並んでいる
(厳密には逆空間中)
格子点 (h, k, l) で
各回折点を指定できる
各回折点は固有の強度を有している
X線回折データ
格子点 (h, k, l) の 回折(X線)強度
逆フーリエ変換(コンピュータによる計算)
電子密度
一次データ
電子密度への原子の割当
= 三次元構造の決定 (二次データ)
17
X線分析法
2016/7/9
X線吸収分光法 (XANES, EXAFS)
原子によるX線吸収を観測する分光法
蛍光X線分光法
原子が発する蛍光X線 (低エネルギー(= 長波長)) を観測
する分光法
X線結晶構造解析
X線回折を利用して、分子の三次元構造 (化学構造では
ない) を決定する手法
粉末X線回折法
結晶多形を検出する手法。X線回折を利用して結晶格子
の違い (結晶相) を評価する手法。
18
結晶多形 (結晶相) とは
2016/7/9
同一分子が結晶内で、異なる配置で並んだ結晶を作る現象
結晶A
結晶B
結晶相の異なる結晶では、結晶(即ち薬物)の
溶解速度が異なる!!!
バイオアベーラビリティ (腸管吸収速度等) に違いがでる!!!
薬の化合物の重要な規格の一つ
19
粉末X線回折
2016/7/9
2θ
粉末微結晶
(多数)
出典: Wikipedia
360° あらゆる方向に回折
回折点が
円周上にならぶ
元を正せば、単結晶の回折点
θ
d
面間隔 d
d
θ
nλ
面間隔 d の情報 d =
2sinθ
結晶格子の情報
結晶多形の確認
20
2016/7/9
結晶多形とは
同一分子が結晶内で、異なる配置で並んだ結晶を作る現象
結晶A
単位格子
d
面間隔 d が変化
結晶B
結晶格子が変化
nλ
d=
2sinθ
単位格子
d
角度θが変化
粉末X線の回折パターンの変化
21
2016/7/9
粉末X線回折
2θ
粉末微結晶
(多数)
360° あらゆる方向に回折
出典: Wikipedia
回折点が
円周上にならぶ
回折像の赤線に沿って回折X線強度をプロットすると
回折X線
強度
2θ (回折角)
22
2016/7/9
粉末X線回折
tan(2θ) = H/L
H
2θ
粉末微結晶
(多数)
L
360° あらゆる方向に回折
よって、2θ = tan-1(H/L)
θ = {tan-1(H/L)}/2
回折点が
円周上にならぶ
回折像の赤線に沿って回折X線強度をプロットすると
回折X線
強度
2θ (回折角)
23
粉末X線回折
2016/7/9
24
粉末X線回折
2016/7/9
結晶Aの回折ピークを1/2に
25
2016/7/9
粉末X線回折
結晶Aと結晶Bは回折角が
同じところにピークがある。
回折強度もほとんどそろっ
ている。
結晶Aと結晶Bは結晶格子
(結晶相) が同一。
nλ
d=
2sinθ
26
2016/7/9
粉末X線回折
結晶Aと結晶Cは回折角が
異なるところにピーク。
結晶Aと結晶Cは結晶格子
(結晶相) が異なる。
このような現象:結晶多形
nλ
d=
2sinθ
27
粉末X線回折
2016/7/9
散漫な散乱 (ハローパターン)
粉末中の化合物が結晶格子
を形成していない (非晶質)。
=結晶でない
粉末中で化合物がデタラメな
向きにむいて凝集している。
28
X線分析法
2016/7/9
X線吸収分光法 (XANES, EXAFS)
原子によるX線吸収を観測する分光法
蛍光X線分光法
原子が発する蛍光X線 (低エネルギー(= 長波長)) を観測
する分光法
X線結晶構造解析
X線回折を利用して、分子の三次元構造 (化学構造では
ない) を決定する手法
粉末X線回折法
結晶多形を検出する手法。X線回折を利用して結晶格子
の違い (結晶相) を評価する手法。
29
X線吸収分光法 (XANES, EXAFS)
2016/7/9
原子によるX線吸収(分光法)
E = hν = h(c/λ)
短波長
高エネルギー側
長波長
低エネルギー側
30
X線吸収分光法 (XANES, EXAFS)
図1
2016/7/9
図2
左右反転
&拡大
(注意参照)
低エネルギー側
高エネルギー側
短波長
長波長
高エネル
ギー側
低エネル
ギー側
注意:高エネルギー側が図1と図2では逆
31
X線吸収分光法 (XANES, EXAFS)
図1
2016/7/9
XANES
原子の価数
配位の対称性
EXAFS
中心原子に対する
配位元素の情報
中心原子に対する
配位原子数
低エネルギー側
高エネルギー側
中心原子と配位原子
の原子間距離
32
配位とは
2016/7/9
配位結合:ルイス酸とルイス塩基の共有結合性の結合
空軌道
ルイス酸 (註) の空軌道に
ルイス塩基が孤立電子対を提供し
形成される共有結合性の結合
Co2+
H2O
ローンペア
(孤立電子対)
註:ルイス酸:主に金属イオン
共有結合:両原子が不対電子を出し合って形成する結合
H
H
H
H
33
2016/7/9
水中の金属イオン
配位子 (リガンド)
空軌道
Co2+
H2O
ローンペア
(孤立電子対)
Co2+
H2O
六配位正八面体構造
アクア錯体:水分子が配位結合した金属-水分子複合体
錯体:金属イオンが形成する配位結合性の複合体
配位子:ローンペアを持つ分子(H2O, NH3, ピリジン等)
34
X線分析法
2016/7/9
X線吸収分光法 (XANES, EXAFS)
原子によるX線吸収を観測する分光法
蛍光X線分光法
原子が発する蛍光X線 (低エネルギー(= 長波長)) を観測
する分光法
X線結晶構造解析
X線回折を利用して、分子の三次元構造 (化学構造では
ない) を決定する手法
粉末X線回折法
結晶多形を検出する手法。X線回折を利用して結晶格子
の違い (結晶相) を評価する手法。
35
2016/7/9
蛍光X線分光法
エネルギー
準位
0
M殻
L殻
一次X線
エネルギー
蛍光X線
エネルギー
K殻
E = hν = h(c/λ)
K, L, M殻のエネルギー準位が元素固有
元素の同定
36
宿題
2016/7/9
「定性(分析)」とはどのような分析かを説明しなさい(この
言葉の辞書の編集者になった気持ちで)。
定性(分析):おまかに性質を決定すること。
定性分析においては、「命題 」に対して、真 (yes) か偽 (no)
かを決定すること。
例)水溶液中に特定の金属がいるか (yes) いない (no) かを調
べることは、典型的な定性分析。
蛍光X線分光法の説明の中で「資料物質の定性」と書いてあ
るのをそのまま写された方が多かった。「資料物質の定性」
が何を指すのか曖昧。
37
演習
2016/7/9
1. 粉末X線回折において回折パターンから結晶相が判別できる
理由を、論理飛躍なく説明しなさい。
宿題 (12/22締切分)
絶対配置R体の化合物の比旋光度が30°であった。この化合物の
濃度2 g/mLの溶液を光路長20 cmのセルに入れた時の旋光度を
求めなさい。
(予習) 成功している人と、そうでない人は、何が一番異なるので
しょうか?
38
冬休みの宿題
2016/7/9
1
2
39
冬休みの宿題
2016/7/9
下のグラフは、x軸正の向きに進む周期2.0秒の正弦波 (sin波)
の、時刻0秒での変位y (m) の様子を表している。
(a) この波の高さはいくらか。
(b) この波の振動数 (周波数) はいくらか。
(c) この波の進行速度はいくらか。
(c) 任意の時刻 t(s) の、位置 x(m) での変位 y(m) を表す式を
求めよ。
40
冬休みの宿題
2016/7/9
1. 粉末X線回折において回折パターンから結晶相が判別できる
理由を、論理飛躍なく説明しなさい。
宿題
絶対配置R体の化合物の比旋光度が30°であった。この化合物の
濃度2 g/mLの溶液を光路長20 cmのセルに入れた時の旋光度を
求めなさい。
(予習) 成功している人と、そうでない人は、何が一番異なるので
しょうか?
41