相互作用と意味 シェリル・メーシー エリザベス・アンダーソン ジョン・クライギア g2105021 登坂 紘介 「意味は理解の共同体である。意味の伝達は、 言語の基本的目的であり、言語と意味のつな がりは切っても切れない (マリオ・ペイ)」 ……コミュニケーションとは意味を伝達する試 みである 意味伝達の難しさ 人間の思考プロセスはとても複雑 全てのメッセージは送り手の過去の経験から 引き出される 膨大な背景 知識 発話 言葉の捕らえ方 「木」という漢字一つでも住む場所が違う人に とってはそれらは別の意味で捉えられる イヌイットの言語には氷と雪を表す言語が10 以上も存在する グリーンランド西部に至っては49語 意味伝達のしきたり 持っている意味全てを伝える必要はない(時 が多い) 岩が上から!! 逃げろ!! 岩のイメージ: 例)硬い、大きい、黒い、石の元、 当たると死ぬらしい 伝達する 必要は無い !! 岩のイメージ: 例)昔当たって痛かった、乗る と楽しい、押しても動かない 「人が言語的記号を使うときどうしても自分の体 験に照らして使わざるを得ないが、全く同一の体 験を持つ人間は2人といない。 たとえその言葉が2人のあたまのなかでほぼ同 一の概念を表すとしても、それに対する反応が 全く違うことはあり得る。 意味はそれを運ぶ言葉同様、人間の多様性、人 間の相違によって変わるが、一般的合意の範囲 があるので、意味の伝達という作業は継続し、機 能できるのである」 (レオナード・ブルームフィールド) 言語とは? 社会的合意に基づいて事物や活動に名前を つけた一種の社会的契約(アリストテレス) 言語はコミュニケーションよりも自己表現が目 的の根である(ベネデット・クローチェ) 言語は話者とその心理学的プロセスによって 形成される社会学的現象である(フェルディナ ン・ド・ソシュール) 「言語の目的ははっきりしている。 一人の人間の頭脳から他の人間の頭脳への意 味の移動である。 用いられたコミュニケーションの形態がこの目的 を果たせなかった場合、そこには真の言語は存 在しなかったと言うことである(略) もしある人の頭脳から他の人の頭脳への意味の 移動が無かった場合は、解釈のために思考セン ターに照会できないため、発せられた言葉は一 連の雑音と化す」 (マリオ・ペイ) コミュニケーション環境 象形文字⇒アルファベット 洞窟壁画⇒ディジタル・イメージ このようなコミュニケーション手段の進化は 「自分の経験をもっと完全に再現できないか」 という欲望に基づいている 新しい手段の限界 電話…距離の制約を排除できたが、それと同 時に視覚情報まで排除された テレビ電話…視覚を取り入れようとしたが、や はり触覚や嗅覚といった高度な情報は伝達 できない 相互作用 パソコン上で動作するインタラクティブプログ ラムは意味の伝達を推進する新しいツールを 一つにまとめて提供するもの(視聴覚、言語 情報) ユーザー コンピュータ データベース 相互作用の可能性 しかし、知能が無いので人間と同じ相互作用 というわけではない ↓ つまり、ある程度の「知能」をもったプログラム を作れれば本当の意味でのインタラクティブ なプログラムが作れる 今日のインタラクティブ・プログラム 伝達の幅は大きくなった(新たな芸術性) ユーザーが新しい世界を探索するための 条件 作家が関連情報を見つけ、それを完璧にプロ グラムに含めること 最終結果をユーザーも一緒にコメントロール することを認める 話し言葉による意味の伝達 1.話者が音声を発する状況 2.その音声 3.聞き手の反応 1.話者は音声を発する 2.音声 3.聞き手の反応 インタラクティブ・プログラムの場合 先ほどの例をインタラクティブ・プログラムに適応した 場合、下図のようになる。 項目が増えている分、 ユーザーの受け取る情報量が増えているのがわかる 1.作家は意図を発する 2.音楽 2.記号 2.言語 2.音声 2.視覚 3.ユーザーの反応 表現の幅の増大 表現の幅が広がれば、理解する可能性も高 まるが、誤認識する可能性も出てくる 逆に、プログラムの環境をきめ細かく規定す れば作家が意図した通りの意味が伝わるか もしれないが、ユーザーには意味を考える融 通性も可能性も無くなる ユーザー参加で 意味をコントロールする インタラクティブプログラムを制限しない状態 でユーザーに提供することにより、ユーザー は構造の中で迷子になるかもしれないが、模 索するなかで、作家の意図を汲み取る 作家の意図が縮小したモデルとして多量の データを提供し、ユーザーは作家を取り巻く 情報のマトリックスの理解をする 執筆者紹介 エリザベス・アンダーソン…ジョン・クライギアと共にアンダー ソン・クライギア社を経営 19年間様々なグラフィックスデザインを手がけている ジョン・クライギア…アンダーソンクライギア社の共同経営者 として、インタラクティブ・ディスプレーなど多数開発 シェリル・メイシー…インタラクティブ・プログラムの作家
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