リモートセンシングによる緑被面積率を用いた 行政区画別環境評価 1983338 中山康孝 研究目的 既存の土地利用図は、あくまで土地用途分類! 土地被覆分類とは必ずしも一致していない! 《1:25000土地利用図》 文教施設(学校)には、 全く緑がないのか? 利用用途のみで分類されている! 日工大 東武動物公園 本学には緑地があ るが、数値地図上 では存在しない 東武動物公園は、 全面「公園・緑地」 というカテゴリー 《10mメッシュ細密数値情報》 既存の資料から具体的な緑被面積 を算定することは不可能である! そこで本研究では リモートセンシング手法により緑被面積を算定! 関東全域を対象に複数の行政を選定 行政区画別に緑被面積率を算定 これを環境評価指標として 行政ごとに開発の効率性を評価 研究概要 衛星データ 「LANDSAT5号」のTMデータ 空間分解能:28.5m 1997年4月14日と1995年11月19日 (季節変化による植物活性度の比較検討) 社会データ 行政区画別の人口、面積、人口密度 (1997年度) 研究方法 1:25000地形図上の行政境界線より 行政区画別に抽出エリア(ポリゴン)を作成 作成したポリゴンをもとに TMデータから行政を個々に抽出 植生指標TVIにより緑被面積率を算定 社会データを用いた評価 植生指標による緑被面積の算定 植生指標TVIとは 植物のクロロフィル 近赤外域で強い反射! 可視域赤色で強い吸収! この植物の特性を利用した緑地抽出の指標! INFRARED-RED ×100+0.5 TVI = INFRARED+RED INFRARED:近赤外域バンド(TMバンド4) RED:可視域赤色バンド(TMバンド3) 草加市の緑被分布 緑被面積率 (%) 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 佐原市 小山市 熊谷市 佐倉市 館林市 町田市 羽生市 土浦市 水戸市 柏市 龍ヶ崎市 日野市 大和市 調布市 幸手市 海老名市 相模原市 横浜市港北区 古河市 国分寺市 越谷市 世田谷区 横浜市南区 春日部市 市川市 さいたま市 浦安市 武蔵野市 練馬区 杉並区 台東区 草加市 港区 江戸川区 墨田区 葛飾区 蕨市 中央区 0 5 10 15 20 人口密度(千人 /k㎡) 人口密度と緑被面積率の関係 東京都 千葉県 埼玉県 神奈川県 茨城県 栃木県 群馬県 中野区 25 緑被面積率 (%) 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 佐原市 小山市 熊谷市 佐倉市 館林市 町田市 羽生市 土浦市 水戸市 柏市 龍ヶ崎市 日野市 人口密度が等しい行政間で 緑被面積率に顕著な差異! 大和市 調布市 幸手市 海老名市 相模原市 横浜市港北区 古河市 国分寺市 越谷市 世田谷区 横浜市南区 春日部市 市川市 さいたま市 浦安市 武蔵野市 練馬区 杉並区 台東区 草加市 港区 江戸川区 墨田区 葛飾区 蕨市 中央区 0 5 中野区 昼間人口と夜間人口の大幅な 10 15 20 25 格差から不利な結果となった 人口密度(千人 /k㎡) 緑被面積率 (%) 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 開発の仕方により、収容人口に 2倍程度の差がみられた! 0 5 7 10 14 15 人口密度(千人 /k㎡) 20 25 緑被面積率 (%) 緑 地 減 少 大 緑 地 減 少 小 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 緑地を潰した平面的な開発 がうかがえる 緑地を潰さない高層化の開 発がうかがえる 開発による人口増加 0 5 10 開発による人口増加 15 人口密度(千人 /k㎡) 人口密度と緑被面積率の関係 20 25 まとめ ・東京都中央区などは、昼間人口が非常に多く、夜間人口が 少ないことから、今回の評価では不利な結果となった ・人口密度が同程度の自治体でも、緑地を残した効率良い 開発が行われたところと、緑地を潰した効率悪い開発が行 われたところの差異が認められた ・開発の初期は多くの緑地を潰した開発が行われ、ある程度 の都市化が進んだ後は比較的効率良い開発にシフトして いく、という傾向が認められた 今後は ・行政区画別の戸建住宅と集合住宅の比率 ・緑地の規模と空間分解能との関係 などについて、さらなる追求をしたいと考えている TMデータからの行政抽出
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