なぜ計算情報科学・技術を学ぶか? 北海道大学・理学の状況 を踏まえて 北海道大学理学院 宇宙理学専攻 石渡 正樹 [email protected] 2011年04月15日 情報実習の理想 • 計算情報環境の技術的基本(古典)概念を実体験 し、自分の情報環境は自分で維持できるようになる • 自分がおかれている情報環境総体に思いをはせる • 地球惑星科学の情報化へ貢献できる人材が (勝手に)生まれる 近傍における情報地球惑星科学 的な展開 • 遠隔計算・遠隔観測のためのネットワーク環境の構築 – 環境研究所, 天文台, 宇宙研のスーパーコンピュータの利用 – データセンターとの通信 – 観測機器の運用(苫小牧の望遠鏡, 名寄天文台の望遠鏡) • 各種サーバーの運営:情報発信環境の維持と情報提供の試み – EPサーバ – 地球流体電脳倶楽部 (http://www.gfd-dennou.org/) • ネットワーク上での教育実験 – 参考: School of Internet (WIDE) (http://www.soi.wide.ad.jp/) – 地球惑星業界でも同様な試みを展開する必要 • WIDE SOI にならった我々の動画配信活動 Mosir プロジェクト (http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~mosir/ ) 界隈の歴史 • 1988:地球流体電脳倶楽部 • 1989:TISN東大国際理学ネットワークにまつわる東京大 学理学部地球物理学科ネットワーク支援グループ • 1994:北海道大学地球環境科学研究科大気海洋圏環境 科学専攻ネットワーク友の会 • 1995:東京大学数理科学研究科・理学部数学科計算数 学, カリキュラム化 • 1998:北海道大学理学研究科・理学部地球科学専攻 epnetfan, mosir(動画配信) • 2007:神戸大学理学研究科・理学部地球惑星科学科, 実習, カリキュラム • 2008:惑星科学研究センター(CPS)人材育成プログラム ご近所での展開 • 知の情報化に向けた情報研究教育活動 – 情報実習 – EPサーバー群 – EPnetFaN 北大における ネットワーク・計算機資源の管理運用者 • 北大外:SINET 国立情報学研究所 文部科学省の大学間接続を担うプロバイダ • 情報基盤センターHINES 北海道大学キャンパスネットワークのプロバイダ 学部学生用計算機資源 院生・研究者用計算機資源 スーパーコンピュータ • 理学営繕掛/理学情報ネットワーク委員会 HINES 部局支線 = 理学研究院が配線管理 • EPネットワーク委員会 宇宙惑星科学分野・地球惑星科学関連有志による主として 8号館(情報実験環境)のネットワーク接続の掌握, 管理, 最低利用知識の確認 • 資源とその管理体制・運用管理者 – 北大外:SINET 国立情報学研究所 – 学内:情報基盤センターHINES 北海道大学キャンパスネットワークのプロバイダ 学部学生用計算機資源(メディア教育)と院生・研究者用計算機資源 (スーパーコンピュータなど)も提供 – 学部内:理学営繕掛/理学情報ネットワーク委員会 HINES 部局支線 = 理学研究院が配線管理 運用管理は HINES – 建物内:EPネットワーク委員会 宇宙惑星科学分野・地球惑星科学関連有志による主として8号館(情 報実験環境)のネットワーク接続・主要サーバ群の掌握, 管理, 運用 – 各々の研究室等 各研究室の情報環境 情報実習関係のネットワーク運用体制 • EPネットワーク委員会 (netcom) – http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~netcom/ • EPネットワーク技術支援グループ (epcore) – http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~epcore/ – 学生ボランティアグループ, EPNetFan の運営 • EPnetFaN – http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~epnetfan/ – 相互扶助的勉強会, epcore メンバー養成, 情報実験運営 • 物理実験I(情報実験) – – – – http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~inex/ 支援グループ等々に迷惑かけないための啓蒙 ボランティア養成 情報科学的アプローチのできる地球惑星分野の科学者・技 術者へのきっかけ 情報実験の目的 ~立派な大人になるために • 計算情報環境の技術的基本概念を構成している – UNIX (Linux) – Internet – X window system を体験し,自分の情報環境は自分で維持できるようになる • 自分がおかれている情報環境の総体に思いをはせる – ネットワーク社会人として常識や作法を知る – 安全性,安定性への理解 – 歴史(現状を作り出した過程)を理解する • 地球惑星科学の情報化へ貢献できる人材が生まれるきっか けになれば幸い – 情報利用者から,情報提供者へ,そして,科学の情報インフラのデ ザイナーへ 参考書, 参考文献 • Bush, V., 1945: As we may think. Atlantic Monthly, 1945 July, 101-108. • 村井純, 1997: インターネット, 岩波新書 新赤 416, 岩波書 店. • 村井純, 1998: インターネットII, 岩波新書 新赤 571, 岩波書 店. • 歌田明弘, 2000: 本の未来はどうなるか 新しい記憶技術の 時代へ, 中公新書 1562, 中央公論新社 • D. Libes & S. Ressler 著, 坂本 文 訳, 1990: Life with UNIX, アスキー. • 坂村健, 2002: 痛快! コンピュータ学, 集英社文庫. • 山口 英, 2002: ブロードバンド時代のインターネットセキュリ ティー, 岩波科学ライブラリー85 情報化時代の計算機とは? • 昔は文字通り「計算をする機械」だった:大きな電卓 • 今やなんでも計算機 – 日常生活の必需品になりつつある(なった?) • 電話とか水道とかのように – 文房具 – 知識・知見を処理する(ためておく・整理する・教えてくれる) 機械でもある • でも電話とか水道とかは違う – 世界中とつながっている:大きな利便性と大きな危険性 – 基本は「自分のことは自分で」(だった?) – これからも大きく変わる可能性がある 歴史から学ぶべきことは何か? • 計算機・ネットワークの仕組みを理解する – UNIX, TCP/IP • 日本のインターネット文化を知る – 貧弱な管理運用体制 – 利用者は自由な活動が許容されていた反面, 高いモラ ルとボランティア精神が要求される – 対応して個々人には自力更生」, 「無保証であること」の 認識, 覚悟が要求される • これから進むべき道を模索する 情報化時代の科学とは? • これからやって行かなければならないことは 知の爆発への対応 • 地球惑星科学の情報化 – 我々の知識の形を明らかにすること – コンピュータが相互にやり取りできる知識データの構造 – それぞれの専門分野の人々が情報科学の発見発明を実 際に活用して行うことが必要 • 科学者 – 新たな知見を見出す人 – 情報を作る人 – 一次生産者 情報実習関係のネットワーク運用体制 – EPネットワーク委員会 (netcom) • • – EPネットワーク技術支援グループ (epcore) • • – http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~epcore/ 実働担当の学生ボランティアグループ, EPNetFan の運営 EPNetFan • • – http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~netcom/ 政策決定, 運用責任 http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~epnetfan/ 相互扶助的勉強会, epcore メンバー養成, 情報実験の運営 物理実験I(情報実習) • • • • http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~inex/ 支援グループ等々に迷惑かけないための啓蒙 ボランティア養成 情報科学的アプローチのできる地球惑星分野の科学者・技術者へのきっかけ の 北大における 計算機資源の管理運用者 • 情報基盤センター(メディア教育) 学部学生用計算機資源 • 情報基盤センター(大型計算機システム) 院生・研究者用計算機資源 スーパーコンピュータ • EPネットワーク委員会 地球惑星科学関係有志による主要サーバ群 dns, www, mail, news, ftp, router, ...
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