バーチャル天文台の公開データを利用した
多波長プラネタリウムコンテンツの作成
宇宙情報解析研究室
P06057 鈴木 彬央
指導教員:久保田 あや
背景と目的
宇宙の様子は可視光で見えるだけではなく X 線や
赤外線といった多波長の電磁波の観測を行うことで、
天体の現象、宇宙の起源などを知ることができる。
数多くの天文衛星が、現在もそのような観測を続け
ている。しかし、天文衛星から入手した画像データ
は、研究者の中では、広く利用されているものの、
一般の人に知ってもらえる機会が少ない。
そこで本総合研究は、昨年度の研究を発展させ、入
手した画像データで多波長(電波・赤外線・可視光
線・紫外線・X線・ガンマ線)でみた空をプラネタリウ
ムという媒体を通して一般の人に理解してもらうとと
もに、天文教育、普及に役立てたい。
各波長の特性
各波長での観測はそれぞれどんな天体現象の観測に適しているか ?
ブラックホール、中性子星
パルサー、超新星残骸、銀河団
星、銀河、星雲
恒星間のガス、パルサー
星、銀河、恒星間のガス
太陽のX線(左)・可視光画像(右)
(宇宙研提供)
一昨年度の研究で、X線観測衛星である
ROSAT衛星の全天サーベイによって得ら
れた画像をプラネタリウム投影用のフォー
マットに合成させた。
しかし、宇宙からは、X線だけでなく、電磁
波はもっとたくさんある、太陽だけでも波長
の違う画像の観測は大きく異なる。
そこで多波長プラネタリウムを作成したい
と思う。
バーチャル天文台NASA skyviewの利用
SkyView とは・・・各国の科学衛星、天
文台で観測され、公開されている様々な
波長の画像データが、天空上の位置、
画像サイズを決めることで誰も簡単に取
得することができる。
天空上の位置(座標)を決める。
画像サイズを決める。
X線
紫外線
光
赤外線
電波
波長:ガンマ線
サーベイ(天文台、衛星):
COMPTEL
EGRET(30)
EGRET<100MeV
EGRET>100MeV
データの取捨選択
• 画像解像度
1.5  10 3
  360 
 17.18  10 3 度
2  5
1度=60分=3600秒
〜 およそ 1分角
空間分解能が、1分角〜2分角のものを条件とする。
• すべての空を補っている画像であること
All sky 〜 1/4以上であることが条件とする。
ランドルト環
• 結果
電波
赤外線
紫外線
・NVSS
・2mass All Sky Survey
・IRAS Sky Survey Atlas
・Improved Reprocessing
of the IRAS Survey
・ROSAT Wide ・ROSAT ALL SKY ・SDSS
Field Camera
X線
可視光
データ一括ダウンロードスキームの確立
一括ダウンロードスクリプト
衛星名
Pixels
Scale
範囲
パラメータを指定
経度(ra)を定める
緯度(dec)を何分割するかを決める
Δdecの画像の取得
Δra移動
Ra<360
x1  x2
Ra>360
開発過程
1.隙間の開いた画像
3.入力を1にした画像
2.隙間を埋めた画像
4.完成した画像
IRAS Sky Survey Atlas
銀河北極
銀河中心
銀河南極
銀河面
Improved Reprocessing of the
IRAS Survey
ROSAT All-Sky X-ray Survey
Broad Band
ROSAT All-Sky X-ray Survey
Hard Band
ROSAT All-Sky X-ray Survey
Soft Band
ROSAT All-Sky X-ray Survey
銀河北極
銀河中心
銀河南極
銀河面
ROSAT Wide Field Camera
NVSS
H-alpha Full Sky Map
研究の成果
 プラネタリウム用データの取捨選択方法を確立
 sky viewから画像の取得
 隙間を埋めるためにできた、重なりをなくすために、全天作
成プログラムの改良
 多波長でのデジタルプラネタリウム作成し比較
まとめ
本研究の目的であるバーチャル天文台「skyview」からのプラネタリウ
ム用全天画像作成の道筋を確立することはでき、宇宙の可視光以外で理
解される天体現象について、プラネタリウムで身近に学習できる効果的な
番組が提供で きると期待している。
画像のダウンロード方法の変更点
隙間
隙間
●隙間の計算
台形の上辺
(x1)2  (cosdec)2  (cosdec)2 2(cosdec)2 (cosra)
2(cosdec)21(cosra) 
隙間を計算し求め、経
度ずらし、隙間を埋める。
台形の下辺


(x2 )2 2(cos(dec dec)21(cosra) 
隙間
x1  x2


Δdec
dec(緯度)
ra(経度)
Δra