原子力プラント安全コース -原子力プラントの運転- Ⅰ.PWR発電所の運転 日本原子力発電株式会社 敦賀総合研修センター 本資料には、日本原子力発電株式会社またはその他の企業の 秘密情報が含まれている可能性があります。 本資料の複製物作成、本来の目的以外の使用、または第三者 への開示、公開等を行う場合には、事前に当社へご相談ください。 2015.12.08 日本原子力発電株式会社 内 1.PWRプラントの概要 (1)1次系の主要設備 (2)2次系の主要設備 (3)核計装設備 2.原子炉の制御設備 (1)制御棒制御系 (2)ほう素濃度による制御 (手動) (3)加圧器圧力制御系 (4)加圧器水位制御系 (5)タービンバイパス制御系 (6)主給水制御系 3.プラントの起動 (1)冷態停止:(RHR系-崩壊熱の除去) (2) 1次冷却系統の昇温・昇圧 (3)温態停止 (4)臨界 (5)発電機併入 容 4.プラントトランジェント (1)原子炉トリップ (2)負荷喪失 5.プラント事故 (1)LOCA 加圧水型原子力プラント(PWR)構成図 原子炉格納容器 燃料取替用水タンク 主 蒸 気 逃 が し 弁 格納容器スプレイリング (格納容器スプレイ系) 格納容器スプレイ ポンプ 冷却器 主 蒸 気 隔 離 弁 蒸 気 発 生 器 蓄 圧 加 注 圧 入 器 タ 制御棒 ン ク 充てん/高圧注入ポンプ (高圧注入系) 高圧注入ポンプ 冷却器 (主蒸気系) 主給水制御弁 変圧器 湿分分離加熱器 高 圧 タ ー ビ ン 加圧器逃しタンク ほう酸注入タンク 余熱除去 ポンプ 主 蒸 気 安 全 弁 タ ー ビ ン バ イ パ ス 弁 低圧 タービン しゃ断器 送電線 発電機 循環水ポンプ 取水口 復水器 海水 (循環水系) 復水ポンプ (低圧注入系) 脱気器 復水ブースタポンプ グランドコンデンサ 放水口 海水 高圧給水加熱器 1次 冷却材ポンプ 燃料 (余熱除去系) 復水脱塩装置 (復水系) 格納容器再循環サンプ 原子炉 再生 熱交換器 (給水系) 主給水ポンプ 低圧給水加熱器 充てんポンプ ほう酸タンク 薬品注入 タンク 1次系純水タンク 水素 ほう酸 ポンプ フィルタ F 1次系純水ポンプ 復水タンク 脱塩塔 (化学体積制御系) 補助給水ポンプ (補助給水系) 2次系純水タンク 2 加圧水型原子力(PWR)発電所の概念図 格納容器 原子力蒸気発生設備 タービン発電設備 制御棒 加圧器 送電線 変圧器 しゃ断器 湿分分離 加熱器 タービン 発電機 励磁器 循環水ポンプ 給水制御弁 海水 蒸気加減弁 復水器 海水 取水口 放水口 蒸気発生器 炉心 M 給水加熱器 1次冷却材ポンプ 抽出ライン 復水・給水ポンプ M 原子炉 脱塩塔 充 て ん ラ イ ン 体積制御タンク 充てんポンプ M 1次系純水タンク ほう酸タンク 1 1次冷却系統図 ベントヘ ッダ 原子炉補給水 加圧器安全弁 窒 素 T 加圧器逃がしタンク M P L M T T T T M 補助スプレイライン 加圧器逃がし弁 格納容器冷却材ドレンポンプへ T 蒸 気 発生器 1次冷却材ポンプ 加圧器 P L 化学体積 制御系から T 加 圧 器 ス プ レ イ 弁 蒸 気 発生器 T 化学体積 制御系から T 余熱除去系へ 加圧器 ヒータ F 1次冷却材ポンプ 高圧・低圧 注入系から T サージ管 F Bループ Aループ 高圧注入系から T T 高圧・低圧注入系、 余熱除去系から 高圧・低圧注入系余 熱除去系から 蒸 気 発生器 1次冷却材ポンプ 蓄圧注入系から 蓄圧注入系から 蒸 気 発生器 1次冷却材ポンプ ほう酸注タンクから ほう酸注入タンクから 化学体積 制御系から 原子炉 容 器 余熱除去系へ 高圧注入系から F 化学体積 制御系から 化学体積制御系から (充てん) T T 高圧・低圧 注入系から Dループ F Cループ 化学体積制御系へ (抽出) T T 化学体積制御系へ (余剰抽出) 高圧・低圧注入系、余 熱除去系から 蓄圧注入系から ほう酸注入 タンクから ほう酸注入 タンクから 蓄圧注入系から 高圧・低圧注入系、 余熱除去系から 化学体積制御系から (充てん) 3 主蒸気、主給水系統 主蒸気逃がし弁 主蒸気安全弁 M 主蒸気隔離弁 加熱蒸気 制御弁 蒸 気 発 生 器 湿分分離加熱器 主蒸気止め弁 再熱蒸気止め弁 蒸気加減弁 インターセプト弁 高圧タービン 低圧タービン 補助給水 M タービン バイパス弁 給水隔離弁 低圧給水加熱器 給水制御弁 No.2 高圧給水 加熱器 No.1 復水器 脱気器 No.4 低圧給水 加熱器 M ← ← 給水ブースタポンプ M M ← ← 電動主給水ポンプ 復水ポンプ No.3 給水ブースタポンプ グランド 蒸気復水器 復水 ろ過装置 ← タービン動 主給水ポンプ ← 貯水タンク 復水 ブースタ ポンプ 復水 脱塩装置 4 核計装 -中性子検出器配置図- 原子炉 原子炉炉心 出力領域 ( UI C) 出力領域 検出器 NE-41, 42, 43, 44A A CI C 中間領域 中間領域 NE-35 or 36 検出器 BF 中性子源領域 中性子源領域 検出器 NE-31 or 32 3 中性子源領域検出器 中間領域検出器 B 出力領域検出器 出力領域検出器 出力領域検出器 ( UI C) 出力領域 出力領域 検出器 NE-41, 42, 43, 44B 出力領域検出器 中性子源領域検出器 中間領域検出器 5 (A) 10-2 (A) 5×10-3 核計装 -中性子検出器の 測定範囲- 103 10-3 102 10-3 109% 出力領域中性子束高 (高設定)原子炉トリップ 定格出力 10-4 中間領域中性子束高 原子炉トリップ (25%定格出力相当 電流値(7×10-5A)) 101 10-4 25% 出力領域中性子束高 (低設定)原子炉トリップ 10-5 100 この間で中間領域 中性子束高及び出 力領域中性子束高 (低設定)原子炉トリ ップを阻止する 10-6 10-5 10% 中間領域中性子束高及び出力 領域中性子束高(低設定)原子炉トリ ップ阻止可(P-10) 10-6 10-1 10-7 原 10-2 炉 10-8 (CPS) 子 10-3 10-7 出力領域 中性子束検出器 (PRM) (実機は%出力の比例目盛) 106 10-9 出 力 10-4 (%) 10-5 10-6 10-7 10-8 10-9 105 105CPS 中性子源 領域中性子束高 原子炉トリップ 10-10 10-10A 中性子源領域中性子束高 原子炉トリップ阻止可(P-6) 104 この間で中性子源領 域検出器電源を切 り、トリップを阻止す る 103 10-11 中間領域 中性子束検出器 (IRM) 102 101 100 中性子源領域 検出器 (SRM) 6 PWRプラントの特徴と制御系設計の考え方 1.特徴 ・ 蒸気発生器によって1次系(原子炉側)と2次系(タービン側)に分離 されており、2次系の出力変化による即応性を高めると同時に、 1次系への影響を緩和している。 ・ 出力の上昇及び1次冷却材温度の上昇に対して負の反応度係数を 持ち、優れた自己制御性を有している。 2.設計の考え方 ・ 上記の特徴を活かし、PWRプラントではタービン負荷に応じて 原子炉の出力を制御する(追従させる)方法が採用されている。 ・ 制御系の設計の考え方は、「定常運転時及び設計負荷変化*に 対して、1次系の主要パラメータを設定値に十分安定に維持する」 ことである。 *: ①±10%ステップ状負荷変化、② ±5%/minランプ状負荷変化、③急激負荷減少10 原子炉制御設備 加圧器 逃がし弁 加圧器圧力 制 御 系 加圧器 スプレイ弁 蒸気加減弁制御信号 タービン出力 制御棒 制御系 圧力 加 圧 器 水位 主 蒸 気 逃 が し 弁 1次冷却材平均温度 加圧器ヒータ 発電機 蒸気加減弁 制 御 棒 駆 動 装 置 原 子 炉 出 力 タービン バイパス弁 蒸 気 発 生 器 水 位 主 蒸 気 流 量 主 給 水 流 量 主給水 制御弁 復水器 主給水ポンプ タービン バイパス 制御系 他ループ 1次冷却材 ポンプ 1次冷却材 ポンプ 原子炉 容 器 充てんポンプ タービン 主給水 制御系 体 積 制 御 タ ン ク 1次系純水 ほう酸水 ほう酸 混合器 加圧器水位 制 御 系 ほう素濃度 制 御 系 11 原子炉制御設備の概要 原子炉制御系の構成と機能 ① 制御棒制御系 ② ほう素濃度制御系(手動) ③ 加圧器水位制御系 ④ 加圧器圧力制御系 原子炉の反応度を制御 加圧器の圧力と水位を制御し、 原子炉の加圧機能を維持 ⑤ タービンバイパス制御系 原子炉からの除熱を確保し、 一次冷却材の温度上昇を抑制 ⑥ 主給水制御系 蒸気発生器の水位を制御し、 原子炉の除熱機能を維持 12 1次冷却材 平均温度プログラム 約325℃ プ ロ グ ラ ム 冷 却 材 温 度 320 Thot 310 約307℃ (℃) Tavg 300 Tcold 約292℃ 290 約289℃ 8 蒸 気 発 生 器 圧 力 約7.5 MPa (MPa) 7 6 0 20 40 60 80 100 タービン出力(タービン第1段圧力) (%定格負荷) 13 制御棒制御系概要図 プログラム平均温度(Tref) Tref タービン出力(Qt) 0% 100% Qt タービン 制御棒速度プログラム 挿入 Tref 駆 動 速 度 Qt-Qn + 発電機 - Tavg 引抜 1次冷却材 平均温度 復水器 温度偏差 蒸気発生器 制御棒 制御棒駆動装置 主給水制御弁 主給水ポンプ T hot 原 子 炉 出 力 T cold 1次冷却材ポンプ (Qn) 原子炉 容 器 17 制御棒速度プログラム 72 最大速度 72 ステップ/分 制御棒速度 60 (ステップ/分) 40 (挿入) 20 比例帯 1.2 ℃ -3.0 不感帯 0.9 ℃ -1.8 最小速度 8 ステップ/分 -0.9 -0.6 0.6 0.9 8 ロックアップ 0.3 ℃ 20 (引抜) 40 60 3.0 1.8 Tavg - Tref (℃) 注1)制御棒駆動速度 a.制御用制御棒 ( a ) 自動時 上図のとおり ( b ) 手動時 48 ステップ/分 b.停止用制御棒 64 ステップ/分 注 2 )1 ステップ:15.88mm( 5/8 インチ ) 72 18 制御棒配置 SA1 停止用バンク・A(グループ1) 4本 SA2 停止用バンク・A(グループ1) 4本 SB1 停止用バンク・B(グループ1) 4本 SB2 停止用バンク・B(グループ1) 4本 SC 停止用バンク・C(グループ1) 4本 SD 停止用バンク・D(グループ1) 4本 1 2 3 4 5 6 270° 7 8 9 10 11 12 13 14 15 A B SPa 制御棒設置可能位置(CRDMあり) 4本 SPb 制御棒設置可能位置(CRDMなし) 8本 SA2 C D A1 制御用バンク・A(グループ1) 2本 SD SA1 E A2 制御用バンク・A(グループ2) 2本 B1 制御用バンク・B(グループ1) 4本 F B2 D1 SC B1 C1 SB2 SPb B1 SB1 D2 SC SPb SPa SPb SA1 D1 SPa C2 A2 C2 SA2 SD SPb B2 B2 制御用バンク・B(グループ2) 4本 G C1 制御用バンク・C(グループ1) 4本 C2 制御用バンク・C(グループ2) 4本 180° H SB1 C1 SB2 D2 A1 D2 A1 D2 0° C1 D1 制御用バンク・D(グループ1) 4本 D2 制御用バンク・D(グループ2) 5本 SB2 J K B2 L M SB1 SPb SD SA2 A2 C2 SPa D1 N P C2 SPa SPb SC SA1 SPb D2 SB1 B1 SPb SB2 C1 B1 SC D1 SA1 SD B2 SA2 R 90° 15 制御棒バンクオーバーラップ概念図 最大引抜 (228ステップ) 引抜 挿入方向 128ステップ 100ステップ S1 S3 S5 バンクB,C オーバーラップ バンクA,B オーバーラップ S2 バンクC,D オーバーラップ S4 S6 挿入 制 御 棒 ク ラ ス タ ス テ ッ プ 数 バンクA バンクB バンクC バンクD 引抜方向 炉底 (0ステップ) 128 228 256 356 384 484 612 合計ステップ数 オーバーラップ点 設定点 引抜時 挿入時 S1 S2 S3 S4 S5 S6 バンクB動作開始 バンクA動作停止 バンクC動作開始 バンクB動作停止 バンクD動作開始 バンクC動作停止 バンクB動作停止 バンクA動作開始 バンクC動作停止 バンクB動作開始 バンクD動作停止 バンクC動作開始 16 化学体積制御設備の機能 抽出オリフィス 非再生冷却器 1次冷却材の浄化 1次冷却設備 ・脱塩塔/フィルタによる不純物除去 脱塩塔 (混床式) (陽イオン式) 再生熱交換器 ほう酸水の処理 フィルタ ・ほう酸回収処理 冷却材 貯 蔵 タンク 1次冷却材保有量調整 ・抽出/充てんバランス ・ほう酸水補給 ベント 充てん 流 量 制御弁 封水供給 体 積 制 御 タンク 1次系純水 1次系補給水ポンプ H2 ほう酸水 封水冷却器 軸封部 1次系 薬 品 タンク (Li,N2H4) ほう酸ポンプ 反応度(ほう素濃度)制御 反応度(ほう素濃度)制御 充てんポンプ 腐食抑制剤添加 1次冷却材ポンプ ・pH制御(Li除去) ・薬品/H2添加 20 原子炉の出力制御 【反応度制御】 ○制御棒による調整 制御棒挿入【引抜】 格納容器 ↓ 制御棒による中性子の吸収量増加【吸収量減少】 ↓ タービン発電設備 中性子が減少【増加】 ↓ 核分裂が減少【増加】 ↓ 出力が低下【増加】 原子力蒸気発生設備 制御棒 加圧器 送電線 変圧器 しゃ断器 湿分分離 加熱器 タービン 発電機 励磁器 ○ほう素濃度による調整 循環水ポンプ 原子炉内のほう素濃度増加【減少】 給水制御弁 海水 復水器 ↓ ほう素による中性子の吸収量増加【吸収量減少】 ↓ 中性子減少 【増加】 M ↓ 出力が低下【増加】 給水加熱器 蒸気加減弁 蒸気発生器 炉心 1次冷却材ポンプ 取水口 抽出ライン 海水 放水口 復水・給水ポンプ M 原子炉 脱塩塔 充 て ん ラ イ ン 体積制御タンク 充てんポンプ M 1次系純水タンク ほう酸タンク 21 運転中の反応度 + 希釈 C 反 出力欠損及び キセノン生成 応 希釈 A ほう酸 度 B ほう酸 ほう酸 D 0 高温零出力 高温全出力 高温全出力 燃焼 サイクル初期 サイクル末期 反応度変化の典型値 記号 項目 反応度(%Δρ) ほう素濃度(ppm) A 高温無負荷状態での保有反応度 (サイクル初期) 13.0 1800 B 高温全出力状態での保有反応度 (サイクル初期) 8.5 1200 C 高温無負荷~全出力状態の 出力欠損及びキセノン反応度 4.5 600 D 高温全出力状態での保有反応度 (サイクル末期) 0.1 10 22 加圧器圧力制御系概要図 加圧器逃がしタンク PCV452A 054A M PCV452B 055 056 057 054B M PCV452C 加圧器スプレイ弁 054C M PCV451A Aループ低温側 加圧器逃がし弁 PCV451B Bループ低温側 CS-225 後 備 ヒ ー タ 加圧器 充てんライン 後備ヒータON・OFF (加圧器水位制御系参照のこと) PT 比例ヒータ (サージ管) 逃がし弁開閉信号 Aループ高温側 比例ヒータ出力信号 加圧器圧力 制御器出力信号 後備ヒータON・OFF信号 設定圧力(一定) PID制御器 制御器出力信号 スプレイ弁開度信号 制御器出力信号 23 加圧器圧力制御設定 15.28 16.00 加圧器逃がし弁 加圧器ヒータ後備グループ 加圧器スプレイ弁 加圧器ヒータ比例グループ 15.31 15.59 15.52 16 17 加圧器圧力(MPa) 16.06 15.24 15 14 13 12 17.16 安全弁動作 約 17.2 16.45 圧力高原子炉トリップ 約 16.5 15.94 圧力高警報 約 15.9 15.42 通常設定圧力 15.4 15.06 加圧器スプレイ弁開阻止 約 15.1 及び逃がし弁開阻止 13.24 安全注入阻止可 約 13.2 12.87 圧力低原子炉トリップ 約 12.9 約 12.2 12.17 原子炉圧力低安全注入 24 加圧器水位制御系概要図 1次冷却材平均温度 (Tavg) 加圧器 L 水位設定 Lref 抽出隔離及び 全ヒータOFF ON Tavg OFF 加圧器水位 RCS (Lref) Σ 原子炉容器 LCV-451 (抽出隔離信号) PI制御 後備ヒータ ON・OFF信号 全ヒータOFF LCV-452 (充てん流量) Σ PCV-104 (抽出流量) 水位偏差 F (抽出系) PI制御 VCT (充てん流量制御) 加圧器後備ヒータへ (加圧器圧力制御参照のこと) F (充てん系) FCV-138 CH ・ CH/SI ポンプ 26 加圧器プログラム基準水位 「無負荷時水位+定格Tavgまで の温度上昇による体積膨張分」 として定格時水位を設定 +5% 55 約55 50 後備 加 圧 器 基 準 水 位 (%) 約22 22.1 タ ヒー -5% 入 低 水位 警報 無負荷時水位と定格時水位 とを直線で結ぶ 安全解析の初期値である 全加圧器体積の25%とし て無負荷時水位を設定 0 291.7 約292 1次冷却材平均温度(℃) 307.1 約307 27 タービンバイパス制御系概要図 Tavg 弁 開 度 Tavg-Tref 1 次 冷 却 材 平 均 温 度 負荷喪失時制御ユニット MSR 主蒸気系統 ガバナ弁 蒸気発生器 HP タービン 弁 開 度 発電機 LPタービン Tavg-Tref 平 均 温 度 第1段圧力( P L ) タービン バイパス弁 T hot P T cold 1次冷却材 ポ ン プ 復水器 主 給 水 系 統 タービントリップ時 制御ユニット プ ロ グ ラ ム Tref Tref P L プログラム平均温度ユニット 負荷降下率 原子炉容器 主給水制御弁 給水ポンプ 負荷降下率 タービンバイパス インターロックユニット 29 タービンバイパス制御器設定 負荷急減時タービンバイパス制御器 100% 100% TCV-500 R,S,T 3弁 83.3% 約84% タ ー ビ ン バ イ パ ス 弁 開 度 調 節 器 信 号 タービントリップ時タービンバイパス制御器 TCV-500 L,M,N,P,Q 5弁 55.6% 約56% 第3バンク トリップ開 TCV-500 F,G,H, J,K 5弁 第1バンク トリップ開 27.8% 約28% 第4バンク トリップ開 第2バンク トリップ開 TCV-500 A,B,C, D,E 5弁 タ ー ビ ン バ イ パ ス 弁 開 度 調 節 器 信 号 55.6% 約56% TCV-500 F,G,H,J,K 27.8% 約28% TCV-500 A,B, C,D,E 第1バンク トリップ開 第2バンク トリップ開 0% 0% 0% 1.5℃ 約1.5℃ 不 感 帯 4.94℃ 約5℃ 8.37℃ 約8℃ 11.80℃ 13.86℃ 約12℃ 約14℃ 0% 10.0℃ 約10℃ 温度偏差信号(Tavg-Tref) ) 温度偏差信号(Tavg-Tref 温度偏差信号(Tavg-292℃) 温度偏差信号(Tavg-291.7℃) 負荷減少制御器(TM-500J) タービントリップ制御器(TM-500L) 20.0℃ 約20℃ 30 給水制御系概要図 蒸気発生器水位 MSR タービンへ ガバナ弁 主蒸気流量 F HP タービン 蒸気 水位設定値 Σ L 狭域 水位計 0 L 広域 水位計 発電機 タービン 第1段圧力(PL) 100% 復水器 + - Lタービン タービンバイパス弁 + Σ 主給水流量 F + Σ + 脱気器 主給水制御弁 高温側配管 Th-Tc 主給水ポンプ 低温側配管 主給水制御弁バイパス弁 主給水バイパス制御弁 蒸気発生器水張調節弁 SG水張り弁 ループΔT SG水張りポンプ 32 プログラム水位と保有水量 蒸気発生器2次側保有水と出力との関係(概略) プログラム水位 蒸 気 発 生 器 2 次 側 保 有 水 量 質 量 基 準 水 位 44 ( % ) ( 33 44%水位一定の場合 33%水位一定の場合 ) 0% 20% 0% タービン第1段圧力(%) 20% 出力 33 発電機出力 プラント制御系と プラント挙動の概念図 :主要パラメータ変化の関連 中央給電指令からの信号 系統周波数(タービン回転数) 手 動 :発電機出力/原子炉出力の関連 :制御系の主要入出力 タービン制御系 タービンバイパス弁開度 タービン蒸気加減弁開度 主給水制御弁開度 主蒸気流量 主蒸気圧力 主給水流量 蒸気発生器水位 2次系 給水制御系 蒸気発生器伝熱量 (2次系による1次系の除熱) 制御棒位置 制御棒制御系 原子炉出力 1次冷却材平均温度(Tavg) タービンバイパス制御系 充てん流量制御弁開度 充てん流量 加圧器水位 加圧器水位制御系 加圧器ヒータ出力 加圧器スプレイ弁開度 加圧器逃がし弁開/閉 1次系 加圧器圧力 加圧器圧力制御系 35 自己制御性の概念図 負荷↑ ⇒ 主蒸気加減弁開度↑ ⇒ FS↑ ⇒ P↓ ⇒ TS↓ ⇒ TC↓ ⇒ Tavg↓ ⇒ 反応度↑ ⇒ PR↑ ⇒ TH↑ ⇒ 制御棒 加圧器 P↓ 湿分分離 加熱器 T S↓ タービン 発電機 励磁器 PB F S↑ 循環水ポンプ 給水制御弁 海水 T C↓ T H↑ 蒸気加減弁 ↑ 復水器 海水 取水口 放水口 蒸気発生器 P R↑ 炉心 反応度↑ TH + TC Tavg ↓ = ──── 2 給水加熱器 1次冷却材ポンプ 復水・給水ポンプ 原子炉 36 プラントの起動 【プラント起動のステップと主要操作】 1. 冷態停止状態:原子炉未臨界、冷却材温度93℃以下 Cold Shutdown 1次冷却系の圧力、温度を上昇 2. 温態停止状態:原子炉未臨界、冷却材温度約292℃ Hot Shutdown 原子炉臨界、発電機出力上昇 3. 定格出力状態:100%出力運転 Rated Power Condition 7 標準起動曲線 RCS 圧 力 (MPa) 20 RCS 加圧器 温 度 (℃) 400 定格出力状態 加圧器 水 位 (%) 100 RCS圧力 加圧器温度 RCS温度 原子炉出力 タービン回転数 加圧器水位 蒸気圧力 発電機出力 100% 原子炉 出 力 (%) 100 100% 出力上昇率 5%~ 75% 3%/H 75%~100% 0.5%/H 345℃ 15.4MPa 15 300 307℃ 292℃ 温態停止状態1800rpm 234℃ 10 200 50 100% 177℃ 100 5 タービン 回転数 (rpm) 1800 50 1000 15% 2.7MPa ~7% 2% → 時間(hr) 0 5 10 RCS水質調整 15 R H R S 冷 却 停 止 20 25 加加充R 圧圧てH 器器んR S 内無流隔 蒸負量離 気荷自 生運動 成転制 開水御 始位・ 通 に常 設の 定抽 出 水 系 統 確 立 30 35 無加主 負圧蒸 荷器気 冷ス管 却プ暖 材レ管 平イ、 均・ ヒ蒸 温ー気 度タ供 、自給 圧動開 力 始 到 ・ 蒸 達 気 ( 高 ダ 温 ン 停 プ 止 圧 状 力 態 制 ) 御 に 切 換 40 臨 界 ・ 制 御 棒 、 ほ う 酸 に よ る 規 定 出 力 維 持 45 タ ー ビ ン 昇 速 開 始 → 定 格 回 転 数 到 達 併負( 蒸 定 入荷気制格 、上ダ御出 発昇 棒力 電開ン制到 機始プ御達 最(制系 少 御自 負 を動 ) 荷 ( 制 ))御 に 切 換 、 給 水 制 御 自 動 、 50 Tavg 5Mwe/min 5% 充加1 て圧次 ん器冷 ポヒ却 ンー材 プタポ 起全ン 動投プ 、入起 抽 動 出、 制 水御 圧棒 力停 設止 定グ (ル ー プ )全 引 抜 2.7MPa 所計核放最S1R2 内測計射少I次H次 S系R系 電制装線臨手 S 気御原防界動準運準 設設子護制ブ備転備 備備炉系御ロ完中完 準チ制チ棒ッ了(了 ク( 備ェ御ェ位ク( Rー脱蒸 ッ 完ッ ク系ク置 Wラ気気 了完チ完決 S 器受 定 Tは・入 了ェ ッ了 水バ復 ク 位イ水体 完 ・パタ制 ほ 了 ス 完 う)ン了 酸 ク) ・ 量 S 等 G 確 水 認 張 ) 完 了 ・ 50 6MPa 22% ~82℃ 60℃ 蒸 気 圧 力 (MPa) 10 7.6MPa 冷態停止状態 5 55% 発電機 出 力 (%) 100 8 停止曲線 RCS 圧 力 (MPa) 20 RCS 加圧器 温 度 (℃) 400 加圧器 水 位 (%) 100 RCS圧力 RCS温度 加圧器温度 加圧器水位 100% 原子炉 出 力 (%) 100 原子炉出力 蒸気圧力 100% 345℃ 15.4MPa 15 300 307℃ 292℃ 55% 10 200 蒸 気 圧 力 (MPa) 10 234℃ 50 50 177℃ 7.6MPa 6MPa 5 100 5 22% 60℃ 2.7MPa → 時間(hr) 0 負 荷 減 少 開 始 ほ う 酸 注 入 ( 低燃 温料 停取 止替 時停 の止 値時 ・ 但値 し迄 燃) 料 取 替 停 止 の 場 合 原蒸加 子気圧 炉ダ器 冷ンス 却ププ 開流レ 始量イ ・増手 加加動 圧(制 器R御 ヒCに ーSて タ冷圧 全却力 断率降 下 に 調 整 ) 抽R加 出H圧 水R S器 圧運蒸 力転気 開相 始除 去 ・ に蒸開 設気始 定ダ (ン Rプ Cに S 圧よ る 力冷 維却 持停 )止 15 S主 /蒸 G気 水ラ 張イ 開ン 始隔 離 ・ S / G 20 25 加 圧 器 補 助 ス プ レ イ 作 動 1充 次て 冷ん 却ポ 材ン ポプ ン停 プ止 停 止 N2 蒸 気 ダ ン プ に よ り R C S 無 負 荷 圧 力 ・ 温 度 維 持 27.8゚C/hr 給解 水列 制・ 御タ 系ー 手ビ 動ン 切停 換止 ・ 蒸 気 ダ ン プ 圧 力 制 御 に 切 換 10 2.7MPa Tavg 定R原加C給 格C子圧V水 出S炉器C制 力通自ヒS御 運常動ー、系 転運制タS自 中転御、I動 圧 スS、 力 プ自蒸 、 レ動気 温 イ ダ 度 、 ン 維 水 プ 持 位 自 動 制 御 5 シ ー ル 開 始 9 原子炉保護設備概要図 原子炉 保護設備 原子炉トリップ信号により 原子炉トリップしゃ断器開 加 圧 器 圧 力 制御棒 主蒸気流量 P (タービントリップ) F P 制御棒 駆動装置用 M-Gセット 主蒸気圧力 F 主給水流量 L 加 圧 器 L 水 位 (バイパスしゃ断器) (発電機トリップ) 蒸 気 発 生 器 水 位 MSR 発電機 格納容器圧力 復水器 P タービン 中 性 子 束 地震加速度 v 地震計 燃料 給水加熱器 1 N 次 冷 T 却 材 温 度 RCP 電源周波数 f 復水・給水ポンプ V RCP 電源電圧 1次冷却材流量 F 37 原子炉保護設備説明図 プロセス検出器、トランスミッタ PT 1 PT 2 PT 3 PT 4 格納容器貫通部 原子炉格納容器 AC電源 AC AC AC AC #1 #2 #3 #4 計器ラック 計器ラック 計器ラック 計器ラック チャンネル チャンネル チャンネル チャンネル #1) #2) #3) #4) BC BC BC 双安定回路 BC 原子炉計装あるいは 安全保護系のプロセス計装 原子炉保護設備 C1 C2 C3 ロジック コイル リレー (常時励磁) C4 論理回路 電源 D1 D2 UV UV:不足電圧コイル D4 論理回路 電源 A ロジックトレイン 制 御 棒 駆動装置用 M-G セット D3 B ロジックトレイン 原子炉トリップ しゃ断器 UV RTA RTB UV UV BYA 制 御 棒 駆動装置用 制 御 棒 駆動装置用 BYB 原子炉トリップ バイパスしゃ断器 2 out of 4 の場合 38 保護系ロジック図 中性子束高(出力領域高設定) 中性子束変化率高(出力領域) 原子炉圧力高 非常用炉心冷却設備作動 蒸気発生器水位低 地震加速度高 手 動 一次冷却材温度差ΔT 一次冷却材平均温度Tavg 過大出力 ΔT高 炉心上下部中性子束 偏差補正関数F(Δq) 過大温度 ΔT高 一次冷却材温度差ΔT 一次冷却材平均温度Tavg 加圧器圧力P 中性子束高(出力領域低設定) 中性子束高(出力領域および中間領域) 原子炉圧力低 加圧器水位高 一次冷却材流量低 一次冷却材ポンプ回転数低 論 理 回 路 原 子 炉 ト リ ッ プ イ ン タ ー ロ ッ ク タービン負荷 中性子束レベル 注意:英語版テキストでは、 「タービン保護系信号」 とまとめて表記している。 (1) 蒸気発生器水位異常高 (2) 原子炉トリップ信号 (3) 非常炉心冷却設備作動信号 (4) 復水器真空低 (5) 軸受油圧低 (6) スラスト摩耗 (7) 電気式過速度 (8) 機械式過速度 (9) 非常遮断油圧低 (10) 主変しゃ断器(CB-120)閉と循環水ポンプ2台停止 (11)EHガバナ電源喪失 (12) タービン手動停止 (13) 発電機ロックアウトリレー動作 (14) 軸振動大 発電機保護系信号 タ ー ビ ン ト リ ッ プ TD 発 電 機 ト リ ッ プ 39 原子炉トリップ タービントリップ確認 原子炉トリップ フロー図 ファーストアウト警報確認 ・F.O ANN確認 ・MSV・GV・RSV・ICV「全閉」確認 ・タービン回転数低下確認 ・タービンドレン弁「開」確認 ・MSH加熱蒸気ラインの弁「全閉」確認 ・抽気ラインのドレントラップバイパス弁 「全開」確認 原子炉トリップ確認 1.原子炉トリップしゃ断器 「開放」 2.全制御棒 「完全挿入」 3.炉出力低下 ・NR45A,Bのチャンネル 切替で IRとSRを選択 ・起動率-0.33dpm以下 30秒後 1次系制御系の確認 1.加圧器圧力 2.加圧器水位 発電機トリップ確認 ・F.O ANN確認 ・主変しゃ断器トリップ ・界磁しゃ断器トリップ ・常用母線自動切替HTr→STr ・Geロックアウトリレー動作 SG水位の確保 1.補助給水ポンプ起動確認 2.補助給水流量の確認 タービンバイパス弁 動作の確認 ・補助給水流量を各SG 34m3/h以下に調整 YES 加圧器逃がし弁 作動 NO 加圧器逃がし弁 「閉」を確認 主給水制御弁および主給水バ イパス制御弁の「閉」を確認 *1 TAVG制御モードから主蒸 気タイライン圧力制御モ ードに切替る SG水位が33%で安定 補助給水からSG水張調節弁に 切替る 高温停止状態確立(モード3)・維持 *1トリップ確認後、給水隔離が成功している ことの確認 は急ぐこと。過冷却事象に対し て、時間的余裕が少ないため。 トリップ原因の確認 40 負荷喪失 大気 主蒸気逃がし弁 「自動」 LS 4 主蒸気安全弁 加圧器安全弁 送電線2回線喪失 M 蒸気発生器 加圧器逃がし弁 自動「開」 原電敦賀線 2号 LS 3 CB 03 L ヒ ー タ 湿分分離 加熱器 LS St23 LS123 CB120 所内変圧器 起動変圧器 タービン 所内負荷 発電機 1次冷却材 平均温度上昇 ↓ 冷却材膨張 ↓ 圧力上昇 励磁器 循環水ポンプ 給水制御弁 タービン バイパス弁 自動「開」 1次冷却材 ポンプ 所内負荷 復水器 蒸気加減弁 自動「絞り」 原子炉 LS 41 主変圧器 正の サージ 炉心 CB 04 CB St20 500kV 母線 LS 31 加 圧 器 ス プ レ イ 弁 自 動 「 開 」 加圧器 P 原電敦賀線 1号 器内圧力上昇 制御棒 自動「挿入」 M 加圧器 逃がしタンク 海水 海水 取水口 放水口 M 回転数上昇 給水加熱器 復水・給水ポンプ 41 負荷喪失 出力運転中にタービンへの蒸気流量が急激に遮断された場合の原子炉への影響を 評価するために想定する事象である。 原子炉の出力運転中に、送電系統の異常・発電機の故障・タービンの故障等により、 タービン主蒸気止め弁が閉鎖し、タービンへの蒸気流量が急減して原子炉圧力が上 昇することを想定する。 :圧力解析 :DNBR解析 負荷の喪失 タービン主蒸気止め弁が 閉じる 1次冷却材温度・原子炉圧力・蒸気発生器圧力が上昇する 加圧器スプレイが 作動する 加圧器逃がし弁が 開閉する 原子炉圧力の上昇が抑制される 1次冷却材の冷却 能力に比べて熱出 力が大きくなる ⇒原子炉停止信号 により、全ての制御 棒が炉心に自動挿 入する 主蒸気安全弁が 開く 加圧器安全弁が 開く 2次側からの除熱が増大する 原子炉圧力が 高くなる⇒原子炉 停止信号により、 全ての制御棒が炉 心に自動挿入する 1次冷却材温度・原子炉圧力が低下する 判断基準 ・最小限界熱流速比(最小DNBR)が許容限界値(1.17)以上であること。 ・燃料被覆管は機械的に破損しないこと。 ・原子炉冷却材圧力バウンダリにかかる圧力は、最高使用圧力の1.1倍以下であること。 42 原子炉冷却材喪失概略図 蒸 気 発 生 器 蒸 気 発 生 器 加 圧 器 原子炉容器 1次冷却材 ポンプ 1次冷却材 ポンプ 蒸気流 非常用炉心冷却水 (高圧注入系統・ 低圧注入系統) ダウンカマ 下部プレナム 破断流 ダウンカマ水位 43 原子炉冷却材喪失 原子炉に接続されている配管が格納容器内で破損することなどによって、 原子炉に接続されている配管が格納容器内で破損することなどによって、原子炉冷却材 原子炉冷却材が流出する場合について、炉心の冷却が適切に確保される が流出する場合について、炉心の冷却が適切に確保され設計となっていることを確認す 設計となっていることを確認するために想定する事象である。 るために想定する事象である。 原子炉の出力運転中に、原子炉冷却材圧力バウンダリを構成する配管等の破損などによ 原子炉の出力運転中に、原子炉冷却材圧力バウンダリを構成する配管等 り、原子炉冷却材が流出し、炉心の冷却能力が低下することを想定する。 の破損などにより、原子炉冷却材が流出し、炉心の冷却能力が低下する ことを想定する。 1次冷却材ポンプ出口から原子炉容器 入口ノズルまでの間の配管の両端破断 (外部電源の喪失も想定) 原子炉の水位が低下する 燃料被覆管の温度が上昇する 非常用炉心冷却装置 (ECCS)の蓄圧注入 系・高圧注入系・余 熱除去系により自動 注水する 原子炉の圧力が低下する 炉内で急激に気泡が発生する 原子炉の自己制御効果(ボイド 効果)により原子炉出力が低下 する 原子炉圧力が 低下する ⇒原子炉停止信号の 発信により、全ての 制御棒が炉心に自動 挿入する 1次冷却材温度・原子炉圧力が低下する 判断基準 ・炉心は著しい損傷に至ことなく、かつ、十分な冷却が可能であること。 ・燃料被覆管の温度の最高値は1200℃以下であること。 ・燃料被覆管の酸化皮膜の厚さが被覆管厚さの15%以下であること。 44 非常用炉心冷却設備概要図 燃料取替用水タンク 窒素ガス封入 で圧力保持 蓄 圧 タ ン ク ほう酸水 原子炉内の圧力が 高圧の状態で注入 可能 M 原子炉冷却ループ毎に 1基の蓄圧タンクを有す る ほう酸水 原子炉内の圧力が蓄圧タンクの 保持圧力以下になると自動的に 逆止弁が開き、ほう酸水を原子炉 内に注入 原子炉 格納容器 逆止弁 原子炉内の冷却水が 大幅に減少 原子炉内の圧力が 低下している ことを検出 原子炉格納容器の 圧力が上昇して いることを検出 (高圧注入系2系列で構成) 炉心 高圧注入ポンプ M 原子炉内の圧力 が低圧になると 注入可能 (低圧注入系 2系列で構成) 原子炉容器 ECCSを 作動させる 信号を発信 格納容器再循環サンプ 余熱除去ポンプ 45 非常用炉心冷却系統図 蓄圧タンク 原子炉格納容器内 P P P P L L L L 燃料取替用水タンク 原子炉格納容器外 蓄圧タンク 窒素充てんライン N2マニホールドより L 逃がしライン M M M M 燃料取替用水タンクへ テストライン 格納容器 再循環サンプ ※ 高圧注入ポンプより ミニマムフローライン M M 冷却材貯蔵 タンクへ M 余熱除去ポンプ (低圧注入系) M M M 余熱除去冷却器 M M M M M M ポ 1 ン 次 プ冷 却 材 蒸 気 発 生 器 加 圧 器 蒸 気 発 生 器 M 充てん ライン ポ1 ン次 プ冷 却 材 充てんポンプ M M M F M M M ほう酸注入タンク 原 子 炉 容 器 ポ 1 ン 次 プ冷 却 材 M 1次冷却材ポンプ封 水ライン M M 蒸 気 発 生 器 M 蒸 気 発 生 器 充てん/高圧 注入ポンプ M 体積制御タンク ミニマムフローライン F M M M M M M M M ポ 1 ン 次 プ冷 却 材 M M 高圧注入ポンプ 格納容器 スプレイ ポンプ M L L F 蓄圧タンクへ M M 格納容器再循環サンプ M 格納容器再循環サンプ M M ※ ミニマムフローライン 46 非常用炉心冷却設備の注入能力 高圧注入系統 小破断 1 次 冷 却 系 圧 力 蓄圧注入系統 中破断 低圧注入系統 大破断 炉心注入流量 47 格納容器スプレイ系統図 N2 よう素除去薬品タンク 燃料取替用水タンク L M 原子炉格納容器 F L スプレイヘッダ M F 格納容器スプレイポンプA M 格納容器スプレイ冷却器 M F M スプレイエダクタ 空気テスト用 原子炉補機冷却水 格納容器スプレイポンプB M 格納容器スプレイ冷却器 M F M スプレイエダクタ 空気テスト用 原子炉補機冷却水 格納容器再循環サンプ L L M M 48 ご清聴ありがとうございました。
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