情報デザインシステム特論 アフォーダンス – 新しい認知の理論 2.情報は光の中にある 06/01/11 g2105010 小山 陽平 視覚にとって「面」は重要である • 面が「知覚の刺激」となるためには • 面がキメのパターンを持つ必要がある • 何らかの「異質性(=差異の構造)」がなければ ならない 面が面として成り立つ異質性とは何か? •面の性質 •面の化学的な状態 •「光」 1 光と「見え」 壁として知覚 何かもやが見える・・・ 「何かが見える」 ↓ 「何かが見えない」 「光の状態」が関係している 「もや」が見える場合も光は存在する →光の性質が対象の見えが成立するか否かの境界線をつくっている 2 実験 • 目的 • 面が「見える」ことと「見えない」ことの差が光の 状態とどのように関連するかを調べる 直径30センチの穴が開いた 白と黒の薄いプラスチック板 直径数センチの穴から見る 5メートル間隔に配置する 3 結果 • 何もないはずの板と板の間が「面」で「埋めら れ」、立体的で「リアルなトンネル」が見えた • 7枚配置された場合ではトンネルは見ること ができず、36枚配置した場合は見ることがで きた 板と板の間にあったのは照明された「光」 「光のキメの密度」がトンネルの有無を決定した 4 光のキメ • 「光のキメ」は光を反射する対象から発したも のではないため、光学的には網膜像は結ん でいない →対象に発しない「光」が焦点を結ぶことは あり得ない 何ものからも反射しない「光のキメ」が面の知覚の原因 5 光の配列(optic array) 網膜には何の像も結んでいないが光の密度にある 「異質性」ができると「面」が知覚される 光が作る差異の構造が対象の知覚の原因になる ギブソンは「光のキメ」を「光の配列」と呼び、 「面性」は光の配列の異質性、差異の構造によって現れる 6 包囲する光 空間は無数の反射光によって「満たされ」、「包囲」されている ギブソンはこの光を「包囲光(ambient light)」と呼んだ 包囲光の「異質性」は「包囲光配列(ambient array)」と呼ばれる 包囲光配列の構造が一群の立体角がなす構造で、 観察点が動くと包囲光配列の構造が変化する 遠近法構造 7 不変項 テーブル を知覚 テーブル を知覚 テーブル を知覚 テーブル を知覚 周囲を回ると立体角として 現れる一つのテーブルは 様々な台形に変形するが 同じテーブルとして知覚する 4つの角と辺という「不変の比率」 が「姿」を特定している 不変項と呼ぶ 8 2種類の不変項 • 構造不変項 • 対象の恒常的に保たれている性質を知覚する • 「種」や「性」や「特定の人がその人だとわかる」 • 変形不変項 • 今生じている変化がどのような変化であるかを特 定する不変項 • 「歩いている」か「走っている」のかを知覚する 9 結言 • 観察者が不変更をピックアップするために利 用している変形を記述することは既成のすべ ての幾何学を動員しても難しいだろう • 生態光学が完成するには、数学の一領域で はなく、「生態幾何学」というような領域が構 想されなくてはならない 10 まとめと考察 • 対象を知覚する場合、光は非常に重要な要 素である • 光の配列、不変項が対象を知覚する重要な 要因となる • 知覚の分類が必要ではないだろうか • この場合は認識:光の配列、理解:不変項と 位置づけることができるだろう 11
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