光ファイバセンサを用いた斜面表層崩壊モニタリング技術

道路斜面防災の新しい展開を模索する
ー新技術の開発と実際への適用ー
① GISを活用したハザード評価技術
② 岩盤内部構造の探査技術
③ 岩盤崩壊のモニタリング技術
④ 光ファイバセンサを用いた斜面表層崩壊モニタ
リング技術
⑤ 事前通行規制・日常管理の高度化
⑥ 斜面崩壊リスクの評価・提示方法
(リスマネジメント技術)
光ファイバセンサの検証・開発の実施
(共同研究:H11年度末~H14年度)
独立行政法人土木研究所 材料地盤研究グループ土質チーム
民 間 14 社
ア イ レ ッ ク 技 建 株 式 会 社
N T T ア ド バ ン ス テ ク ノ ロ ジ 株 式 会 社
N T T イ ン フ ラ ネ ッ ト 株 式 会 社
応 用 地 質 株 式 会 社
株 式 会 社 エ ー テ ィ ッ ク
株
式
会
社
興
和
株
式
会
社
フ
ジ
ク
ラ
住 友 電 気 工 業 株 式 会 社
昭 和 電 線 電 纜 株 式 会 社
長 菱 制 御 シ ス テ ム 株 式 会 社
西 日 本 菱 重 興 産 株 式 会 社
日 本 電 信 電 話 株 式 会 社
日 本 地 研 株 式 会 社
日 立 電 線 株 式 会 社
土木分野での光ファイバセンサによる計測・監視技術
擁壁等のひずみ測定
河川堤防の崩壊監視
ひび割れ:レーリー散乱光
→ひずみ:ブリルアン散乱光,FBG
崩壊変位:ブリルアン散乱光
温度変化:ラマン散乱光
舗装路面の凍結監視
温度変化:ラマン散乱光
道路斜面の崩壊監視
課 題:不特定域で発生する崩壊の捕捉の可能性
・計測精度
・設置法
・地形・地質条件とセンサの
選定方法
等
光ファイバセンサの計測原理
光ファイバ内を通過する光の、光ファイバに生じた
曲げやひずみによる光強度等の変化を計測
①反射光の検出
BOTDR、FBG等
②透
曲げ
過光の検出
ひずみ
MDM等
入射光
放射光
反射光
(後方散乱光、Bragg波)
コア
クラッド
透過光
光ファイバセンサの概要
・光ファイバケーブル自体をセンサとして使用
・多数の計測区間が連続したラインセンサ
観測対象
センサを連続して配置
観測部
ライン1 ch切替器
ライン2
周辺機器
光ファイバケーブル
観測可能距離:最大10km程度
測定器
(BOTDR等)
①反射光の検出
1)後方散乱光
レーリー散乱光: 強度
が距離、曲げに依存
ブリルアン散乱光:(
BOTDR方式) 波長分
布のピークがひずみに
依存
散
乱
光
強
度
ラマン散乱光: 強度
が 温 度 に 依 存
λ(入射波長)
後方散乱光の波長分布
波長
BOTDR:伸縮等によるブリルアン散乱光の波長分布
のシフトを計測
波長分布シフト→ひずみ量
光パルス
入
射
光ファイバ
2)Bragg波
FBG:回折格子の伸縮による反射光(Bragg波)の波長の
変化を計測
回折格子(Fiber Bragg Grating)
約10mm
クラッド
Λ
コア
通過光
入射光
反射光(Bragg波)λ B
外力による伸び(縮み)
Λ’
入射光
通過光
反射光(Bragg波)λ´B
②透過光の検出
MDM:巻付による透過光強度の変化を計測
(a) 圧縮変化後
(縮み)
(b) 変化前
(LーΔl)
巻付ファイバ長(L)
(L+Δl)
透過光強度
弱
強
(c) 引張変化後
(伸び)
放射光
透過光
入射光
φ
光ファイバ
フィールド試験による実験・検証
・全国6カ所で
フィールド試験
(6チームに分化)
・3つの測定方式
①BOTDR
②FBG
③MDM
国道19号
国道28号
BOTDR
BOTDR
国道49号
FBG
国道52号
FBG
・設置位置
①地中埋設
②地表布設
③地上架設
国道42号
国道220号
MDM
BOTDR
①地中埋設
・杭固定、塩ビ管保護
<例:BOTDR>
(設置状況)
(埋設後)
②地表布設
・ピン固定、フレキシブル管保護
<例:FBG>
<例:BOTDR>
③地上架設
・杭固定、塩ビ管保護
<例:MDM>
吹付けのり面への設置事例
・ピン固定、フレキシブル管保護
<例:BOTDR>
(固定状況:外部)
(全景)
(固定状況:内部)
崩壊計測事例<国道220号:MDMセンサ>
<現地全景>
光ファイバセンサの配置および崩壊位置
至宮崎市
崩壊位置
崩壊状況
崩壊崖面
センサNo.13
降雨状況および崩壊の計測結果
20
NO.11
NO.12
NO.13
NO.14
NO.15
10
(最終変位量)
5
0
12:10
時間降水量(mm)
-5
50
250
243mm
181mm
40
200
30
150
事前通行規制
(基準=170mm)
20
100
10
50
0
0
1
日降水量
月 日
84mm
6/20
25
99mm
6/21
49
63mm
6/22
73
累積降水量(mm)
変位量(mm)
15
15.1mm
0.7mm
0.5mm
3.5mm
7.2mm
今後の課題
1)測定上の問題点の抽出と改良・開発
・測定精度(温度補正等)
・設置法(追従性等)
2)活用のための検討
・地形・地質条件とセンサの
選定方法
・設置コスト
・運用方法(降雨との関連性)
・メンテナンス
等
金額(億円)
3
FBG式伸縮計
FBG式ライン検知
BOTDR
MDM
従来型伸縮計
2
1
0
0
1
2
3
4
斜面箇所数(箇所)
斜面規模(100×100m 2 )の総工事費
5
6