経済同友会セミナー資料集.pps - JSLA 日本ローン債権市場協会

経済同友会第1041回会員セミナー
資 料 集
新しい時代の企業金融を考える
-市場型間接金融の将来-
2004年11月10日
日本ローン債権市場協会
1
JSLA組織体制
 会員数(’04.10.31現在)
-正会員:24社、準会員:54社、賛助会員:5団体、名誉会員:1社
顧問:1名
-銀行(外資・政投銀含む)に加え証券、生損保、系統、格付け会社
等幅広く参加。参加資格に制限はない。
 理事会社:11社
 会長、副会長、専務理事
 5つの常設委員会
①ローンシンジケーション委員会
②ローンセカンダリー委員会
③取引情報委員会
④広報委員会
⑤問題債権委員会(2003年12月新設)
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JSLA理事会名簿
JSLA役職
理事氏名
所属会社、部署、役職
(2004.10.31現在)
会長
蓑田 秀策
株式会社みずほコーポレート銀行、常務執行役員
シンジケーションビジネスユニット統括役員
副会長
岡 昌志
株式会社東京三菱銀行、シンジケーション部長
副会長
西本 達也
株式会社三井住友銀行、投資銀行営業部長
副会長
垣花 直樹
株式会社UFJ銀行、コーポレートファイナンス部長
専務理事
雨宮 秀雄
住友信託銀行株式会社、クレジット投資業務部長
専務理事
春田 裕明
三菱信託銀行株式会社、執行役員 資産金融部長
専務理事
益戸 正樹
BNPパリバ証券、マネージングディレクター 金融戦略担当
理事
柏木 茂介
野村證券株式会社、執行役
金融市場本部兼アセット・ファイナンス部(共管)担当 金融市場部長嘱託
理事
中野 俊和
第一生命保険相互会社、財務部長
理事
服部 順一
信金中央金庫、理事 事業法人部長
理事
原永 幸治
株式会社損害保険ジャパン、財務サービス部長
3
JSLA会員
【正会員(24社)】BNPパリバ銀行、株式会社UFJ銀行、株式会社あおぞら銀行、信金中央金庫、株
式会社新生銀行、住友信託銀行株式会社、住友生命保険相互会社、株式会社損害保険ジャパン、
第一生命保険相互会社、大和証券SMBC株式会社、中央三井信託銀行株式会社、株式会社東
京三菱銀行、日興シティグループ証券会社、農林中央金庫、野村證券株式会社、株式会社みず
ほ銀行、株式会社みずほコーポレート銀行、みずほ証券株式会社、株式会社三井住友銀行、三
菱証券株式会社、三菱信託銀行株式会社、モルガン・スタンレー証券会社、株式会社りそな銀行、
リーマン・ブラザーズ証券会社
【準会員(54社)】カリヨン銀行香港支店、HSBC証券会社、J.P.モルガン証券会社、株式会社QUICK
マネーラインテレレート、UBS銀行、UFJつばさ証券株式会社、アイエヌジーバンクエヌ・ヴィ、株
式会社アイ・エヌ情報センター、株式会社足利銀行、株式会社伊予銀行、クレディ アグリコル イン
ドスエズ証券会社、クレディ スイス ファースト ボストン証券会社、株式会社格付投資情報センター、
株式会社鹿児島銀行、株式会社京都銀行、株式会社群馬銀行、株式会社滋賀銀行、株式会社静
岡銀行、商工組合中央金庫、株式会社常陽銀行、株式会社親和銀行、スタンダード・アンド・プアーズ・イン
ターナショナル・レイティングズ・リミテッド、セントラル短資株式会社、シティグループ・プリンシパル・インベストメンツ・ジャパ
ン・リミテッド、株式会社第四銀行、大同生命保険株式会社、太陽生命保険相互会社、株式会社千葉
銀行、株式会社中国銀行、株式会社電通国際情報サービス、株式会社東京スター銀行、株式会
社日本格付研究所、日本政策投資銀行、バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行、株式会社八十二
銀行、株式会社肥後銀行、株式会社百五銀行、株式会社百十四銀行、株式会社日立製作所、株
式会社広島銀行、株式会社福井銀行、株式会社福岡銀行、ベアー・スターンズ(ジャパン)証券会
社、株式会社北洋銀行、株式会社北海道銀行、みずほ信託銀行株式会社、三井住友海上火災保
険株式会社、三井生命保険株式会社、ムーディーズ・ジャパン株式会社、明治生命保険相互会社、
メリルリンチ日本証券株式会社、株式会社山梨中央銀行、株式会社横浜銀行
【賛助会員(5団体)】全国銀行協会、社団法人 信託協会、社団法人 全国信用金庫協会、社団法人
全国地方銀行協会、社団法人 第二地方銀行協会
【名誉会員】日本銀行
【顧問】森下 哲朗(上智大学法学部助教授)
4
シンジケートローンの特質 - - 柔軟な市場性
○
市場性=複数の金融機関によるリスクシェアリング/ 譲渡可能
・市場性価格
現時点での市場の需給を反映した価格設定が可能
・譲渡性
信用リスクのマネージメントが可能になる
・リスク分散効果
RMが無く相対では貸せない企業にも資金供与が可能
一方集中リスクも譲渡等により軽減可能
○
相対性=お互い相手を見ながら(よく理解しながら)契約
・ コーポレートガバナンス(モニタリング)
借手の信用力に応じた担保条項、財務制限条項の設定が行われる
・ 客観性
貸手と借手は債権者債務者として客観的に向き合える
・ 情報開示
情報開示の仕方が、貸出判断を左右する重要な要素となる
5
<余白ページ>
6
GDP・銀行自己資本残高と倒産負債総額の推移
600
500
(兆円)
(兆円)
60
経済規模=GDPは順調に伸びているが
銀行の自己資本はバブル期以前の
水準にまで落ち込んでいる
400
50
銀行自己資本
(右目盛)
公的資金
(右目盛)
40
GDP
(左目盛)
300
200
30
20
銀行のネット自己資本
(2003年末時点)
10
100
倒産負債総額(右目盛)
0
1970年
0
1975年
1980年
1985年
1990年
1995年
2000年
(内閣府(GDP)、日本銀行(銀行自己資本)、東京商工リサーチ(倒産負債総額)のデータに基づきJSLA作成)
7
預金と貸出金の残高推移
兆円
600
バブル期
貸出増加
500
400
預金増加
貸出減少
300
貸出残高
200
預金残高
100
0
1970年
1980年
1990年
2000年
データ出典:日本銀行
8
2003年2月JSLA実施 事業会社アンケート
市場型間接金融にメリットを感じている事業法人は
全体の約8割程度に
60%
50%
49%
40%
34%
30%
21%
23%
20%
10%
0%
適正な調達コスト実現
調達余力拡大
銀行取引の集約化
メリットは感じない
アンケート概要(2003年2月集計)
①業種毎に一定の要件を満たす企業をリサーチ会社にて500社を無作為抽出。
②アンケートの回答は匿名方式。財務・経理の責任者に依頼。
③アンケートの検討期間は約10日間。回収数は390社。
9
2003年2月JSLA実施 事業会社アンケート
譲渡を
すべきでない
23%
そうすべき
である
6%
貸出債権の譲渡に
関する借入人の抵抗感
は予想以上に低いとの
結果
銀行が行う貸出債権の譲渡に関
する調査では、「譲渡すべき」と
「やむをえない」との回答合計が
約62%
どちらでもよい
15%
止むをえない
56%
(「どちらでもよい」を合わせれば
約80%という高い数字に)
アンケート概要(2003年2月集計)
①業種毎に一定の要件を満たす企業をリサーチ会社にて500社を無作為抽出。
②アンケートの回答は匿名方式。財務・経理の責任者に依頼。
③アンケートの検討期間は約10日間。回収数は390社。
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シンジケートローン関係当事者のメリット
借入人
(借入企業)
貸付人
(参加金融機関)
アレンジャー
財務合理化
資金調達の多様化
IR効果
資産運用の多様化・効率化
ポート分散
ポート分散
収益力向上
B/Sスリム化
参加当事者それぞれにメリットがあり、発展の余地は十分
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借入人のメリットから見たシンジケートローン
1. 調達手段の多様化/安定化/IR効果
-市場(参加金融機関)に受け入れられているとのIR効果大
2. 条件交渉に要する体力/事務管理負担のアウトソーシング
-条件交渉、契約書内容調整交渉、期中の元利払事務等の窓口一本化
3. 相対取引の柔軟性を維持した市場性資金調達
-返済スケジュール、担保、コベナンツ等々、個別事情に合わせたハンドメイドの設定が可能
4. 自らの信用力に見合った調達コストの実現
-情報開示の徹底により、参加予定金融機関が増加し、より適正なプライシングが実現
5. コーポレートファイナンスの多様化




大型LBO案件
保有資産流動化案件(売掛債権等をアセットバックとしたシンジケーション)
ボンドシンジケーション(大型案件の契約履行保証をシンジケーション化)
企業再生シンジケートローン、等々
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JSLAの活動成果
プライマリー市場(シンジケートローン組成
等)
〇雛型契約書整備
- コミットメントライン(貸出枠):2001年12月制定
- タームローン(期限付き貸出):2003年3月制定
〇雛型契約書の譲渡性を更に高める為の検討ペーパー公表:2003年11月
〇シンジケーション取引における参加当事者の行為規範公表:2003年12月
セカンダリー市場(シンジケートローン等貸付債権の流通市場)
〇雛型契約書整備-貸付債権売買契約書制定:2001年7月
〇セカンダリー市場における情報開示に関する行為規範公表:2002年11月
〇貸付債権の譲渡性を高める為の施策に関する考察公表:2002年12月
〇貸付債権の譲渡価格算定ツール(JSLA方式)公表:2003年11月
情宣活動
〇事業会社向けアンケート:2003年2月実施
☆借入人の譲渡に対する抵抗感は予想以上に低いとの結果
☆譲渡を前提とするシンジケートローンについてもメリットを感じている企業が多数との結果
〇シンポジウム「新しい企業金融がもたらす日本再生」を主催:2003年11月
-金融庁、日銀金融市場局、経済産業省、全銀協が協賛
イ
ン
フ
ラ
整
備
を
積
極
的
に
実
施
13
JSLA足元の活動状況
○「貸出債権流通市場の活性化に向けた提言」公表(’04.4)
金融再生プログラム、貸出債権市場協議会、の流れを受け、JSLAにて理事会直轄タスクフォース
を設置し検討
自己査定結果の自主的な共有化、等を提言
○APLMA(Asia Pacific Loan Market Association)主催のGlobal Loan Conferenceへ参加(’04.
6)
5つの常設委員会(主な活動トピック)
ローンシンジケーション委員会
シンジケーション取引フローの電子化検討、雛型契約書見直し
ローンセカンダリー委員会
銀取・金消の問題点を譲渡の観点より整理、譲渡契約書の見直し
取引情報委員会
格付/年限別のプライシング情報公開に向け準備中
(’04年内目処)
広報委員会
講演会等を通じ市場型間接金融の情宣活動を継続実施予定
問題債権委員会
2003年12月に新設
①問題債権売買における雛型守秘義務契約書の検討
②問題債権売買における雛型契約書・行為規範の検討
③債権取得時取扱、登録免許税等の検討
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日本銀行からみた市場への期待 ー 公的機関のバックアップ
■ 「新しい企業金融がもたらす日本再生」シンポジウムにおける福井総裁基調講演要旨
「わが国の企業金融の変革に向けて」(抜粋)
シンディケートローン市場への期待
•
•
•
シンディケートローンに焦点をあてる理由は、効率的な
情報生産・処理の仕組みが織り込まれており、それだけ
先進的商品として完成度が高い、と感じられるからです。
この市場の発展は、わが国企業金融の姿を望ましい方
向に変え、「クレディット・カルチャー」の確立を促す上に、
大きな動機付けとなる可能性があると考えられます。
シンディケートローンの第二の特徴は、組成の段階から
貸出債権の流通が展望されている点です。借り手が貸
し手による債権譲渡を容認するようになれば、わが国の
金融市場にとってこれは劇的な変化です。従来、わが
国では、借り手と銀行、とくにメインバンクとの間で、密
接かつ排他的な関係が築かれており、債権が第三者に
譲渡されることには強い抵抗感が存在していました。そ
して銀行からの借入残高のシェアが変化することにさえ
違和感が示されてきました。このため、わが国のシン
ディケートローンの現場では譲渡可能先に関して条件を
付すといった工夫もなされているようです。
貸出債権が流動性を持つためには、既に貸出を行って
いる銀行以外の銀行や機関投資家にも受入可能な貸
出条件が設定されていることが必要です。このため、プ
ライマリー市場における借り手とエージェント行による貸
出条件の設定に当たり、「市場価格」の存在が強く意識
されるようになります。こうした動きが強まっていけば、
あらためてクレディット市場へ機関投資家の参入が活発
化する、という好循環が展望されます。
勿論、シンディケートローン市場の拡大が全てという訳
ではありませんが、シンディケートローン債権の流通市
場の発展を通じて、債権譲渡に対する抵抗感が薄れて
いくようであれば、資産担保証券のような新しい証券化
市場の流動性向上にも良い影響をもたらすことになるで
しょう。
また、シンディケートローン市場が発展し、「コヴェナン
ツ」による迅速な対応が定着していけば、その波及効果
として、一般的にも、採算の低い事業に貸出や投資が
継続されるということが次第に少なくなり、収益性の高
い事業や産業へ資源の移動を促す切っ掛けとなること
が期待されます。
クレディット市場の活性化に向けた取組み
貸出やCP、社債といった伝統的なクレディット市場のほ
か、とくにこれからは、シンディケートローンや資産担保
証券、クレディットデリヴァティヴズといった、新たなクレ
ディット市場を発展させていくことが大切です。
日本銀行では、かねてよりJSLAおよび多くの市場参加
者の努力に呼応しつつ、新しい市場について、取引約
定の雛形作成、市場取引慣行の整備、統計の収集・公
表などの面で地道に支援を続けてまいりました。最も新
しい例としては、市場参加者からの強い要請にお応えし
て、来月からシンディケートローンに関する統計を作成
し公表する運びとなっております。
現在、シンディケートローンの担保受け入れについて、
市場参加者の意見を踏まえながら、実務的な詰めを進
めています。
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“あるべき金融システム”への改革に向けて
現在の金融システムの問題点
あるべき金融システム
① 銀行のバランスシートへのリス
クの集中
① リスク負担能力の高い金融シ
ステムの構築(市場メカニズム
をフルに活用したリスクの評
価・移転)
② 合理的で透明性の高い取引
② リスクを反映しないプライシン
グ
(薄い貸出利鞘、「総合採算」主
義)
③ 市場の分断
(e.g. ローン市場 vs. 社債市場)
④ 負担の議論が先送りされた高
コストのセーフティネット
⑤ モラルハザードの怖れ
道 筋
③ 市場間の裁定が効くシームレ
スな市場
④ 適正なコストで運営される透明
性の高いセーフティネット
⑤ モラルハザードの防止
「市場型間接金融=シンジケートローンの拡大」や
「ローン債権の流通市場の創生」によって実現可能
(経済同友会提言書 「あるべき金融システムへの改革」を元にJSLA作成)
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