スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

経産省先端技術講演会2002.2.22
スピンエレクトロニクスと
光スピニクス
東京農工大学
工学部物理システム工学科
佐藤勝昭
佐藤勝昭紹介
• 1966京大修士修了
• 1966-1984日本放送協会
– 1966-1968大阪中央放送局
– 1968-1984放送科学基礎研究所物性研究部
• 1984東京農工大学工学部助教授
• 1989 同教授(現在に到る)
佐藤研究室の研究テーマ
• 佐藤研究室は森下研究室とともに「量子機能工学」という研究
分野を分担しています。
• 佐藤勝昭教授、石橋隆幸助手の関心をもっている研究テーマ
を、学生とともに進めています。
• 佐藤教授のこれまで行ってきた研究は、磁性半導体、三元化
合物半導体、化合物磁性体、磁性金属磁性体、磁性体ナノ構
造の作製と光学的な研究です。特に、磁気光学効果研究の専
門家として知られており、「光と磁気」は、この分野の標準的教
科書です。最近は、室温磁性半導体の研究にも取り組んでい
ます。
• 石橋助手は酸化物高温超伝導体の薄膜作製とエレクトロニク
ス素子の作製にとりくんでいます。
佐藤勝昭の著書
• 専門である「光と磁気」、応用物性に関するいくつかの教科書
のほか総計30冊の著書があります。(分担執筆含む)
実験室風景:もの作り系1
• MBE装置
を使って酸
化物高温
超伝導体
や磁性半
導体の薄
膜を作製し
ます。
実験室風景:もの作り系2
• 電子ビームリソグラフィや
• 集束イオンビーム装置
を使って磁性体ナノ構造を
作っています。
実験室風景:もの作り系3
スパッタ法や電子ビーム
蒸着法で磁性体薄膜
を作ります。
実験室風景:評価系1
←VSM装置で物質の磁
化を測定します。
• 磁気光学スペクトル
測定装置を使って磁
性体の電子構造など
を調べています。→
実験室風景:評価系2
AFM
• AFMやSEMを使っ
てナノメートル領域の
表面を観察します。
VBLにあるFE・SEM
実験室風景:評価系3
• 100フェムト秒
という超短パ
ルスレーザを
用いて非線形
磁気光学の実
験をしています。
Contents
1.
2.
3.
4.
5.
6.
はじめに:いま磁性が面白い
磁性の基礎
スピン・エレクトロニクス
光スピニクス
ナノテクノロジーとスピニクス
まとめ
1. いま磁性が面白い
•
•
•
•
•
•
•
•
•
磁気現象と電気伝導現象が結びついた
電子がもつ2つの顔:電荷とスピン
ハードディスクに飛躍をもたらしたGMR
MRAMを産んだスピン依存トンネル効果
層間の磁気的つながりが距離で変わる
スピンを電気的に制御できる「磁性半導体」
磁性体から非磁性体にスピンを注入する
高速性を目指して:スピンダイナミクス
光磁気がハードディスクの限界を救う
2.磁性の基礎
• 電子のもつ2つの顔
• 局在電子磁性と遍歴電子磁性
• 強磁性、反強磁性、ハーフメタル
電子が持つ2つの顔:電荷とスピン
• 電子は電荷eをもつと同時にスピン磁気モーメ
ントをもっている。
q=e
電気伝導
sz=1/2
磁性
局在電子磁性と遍歴電子磁性
• 絶縁性磁性体:3d電子は格子位置付近に局在
– 格子位置に原子の磁気モーメント:交換相互作用でそろえ合
うと強磁性が発現
• 金属性磁性体:3d電子は混成して結晶全体に広がり
バンドをつくる(遍歴電子という)
– 多数スピンバンドと少数スピンバンドが交換分裂で相対的に
ずれ→フェルミ面以下の電子数の差が磁気モーメントを作る
• ハーフメタル磁性体:多数スピンは金属、小数スピンは
半導体→フェルミ面付近のエネルギーの電子は100%
スピン偏極
局在磁性モデル
常磁性
J>0
強磁性
J<0 反強磁性
交換相互作用
H=-JS1S2
バンドと磁性
Ef
Ef
Ef
交換分裂
通常金属
強磁性金属
ハーフメタル
3.スピンエレクトロニクス
• 金属磁性体の接合を用いた巨大磁気抵抗効果
(GMR)
• 絶縁体超薄膜を金属磁性体ではさんだ磁気ト
ンネル接合によるトンネル磁気抵抗効果(TMR)
• 半導体スピンエレクトロニクス
– 非磁性半導体のスピン現象
– 磁性半導体、希薄磁性半導体
ハードディスクの高密度化と
GMRヘッド
100000
面記録密度(Mbit/in2)
面密度
10000
10年で100倍
1000
100
GMR
ヘッド
による
10
1
0.1
1970
10年で10倍
1980
1990
年度
2000
層間 結合系の巨大磁気抵抗効果
( GMR )
• スピン依存散乱
MR ratio
R(H)/R(0)
Fe
Cr
Baibich et al.: PRL 62 (88) 2472
H (kOe)
GMR 振動と層間結合
Co/Cu superlattice
Cu thickness (Å)
Mosca et al.: JMMM94 (91) L1
非結合系のGMR
• ソフト磁性体とハード磁
性体との3層構造
自由
M
NiFe
Cu
固定
Co
Shinjo et al.: JPSJ 59 (90) 3061
MR
H (Oe)
スピンバルブ
• NiFe(free)/Cu/NiFe
(pinned)/AF(FeMn)
の非結合型サンド
イッチ構造
NiFe free
Cu
NiFe pinned
AF layer
(e.g. FeMn)
最近はSAFに置き換え
交換バイアス
スピン依存トンネル効果とトンネ
ル磁気抵抗効果(TMR)
current
FM2
insulator
FM1
I
FM2
voltage
current
FM1
• 強磁性体(FM)/絶縁体(I)/強磁性体(FM)構造
• M. Julliere: Phys. Lett. 54A, 225 (1975)
• S. Maekawa and V.Gafvert: IEEE Trans Magn. MAG-18, 707
(1982)
• Y.Suezawa and Y.Gondo: Proc. ISPMM., Sendai, 1987 (World
Scientific, 1987) p.303
• J.C.Slonchevsky: Phys. Rev. B39, 6995 (1989)
• T. Miyazaki, N. Tezuka: JMMM 109, 79 (1995)
TMRデバイス
• 絶縁体の作製技術が
鍵を握っている。→
• 最近大幅に改善
•TMR ratio as large as 45% was
reported. (Parkin: Intermag 99)
•Bias dependence of TMR has
been much improved by double
tunnel junction. (Inomata: JJAP
36, L1380 (1997))
TMRを用いたMRAM
• ビット線とワード
線でアクセス
• 固定層に電流の
作る磁界で記録
• トンネル磁気抵
抗効果で読出し
• 構造がシンプル
MRAM と他のメモリとの比較
SRAM
DRAM Flash FRAM MRAM
読出速度 高速
中速
中速
中速
中高速
書込速度 高速
中速
低速
中速
中高速
不揮発性 なし
なし
あり
あり
あり
リフレッシュ
不要
要
不要
不要
不要
セルサイズ
大
小
小
中
小
低電圧化 可
限
不可
限
可
磁性半導体とは
• 磁性と半導体性を兼ね備えた物質の総称
• 第1世代:CdCr2Se4, EuOなど60年代後半
• 磁気メモリ:磁気ヒステリシス応用
磁性の起源:電子のもつスピン
• 半導体電子デバイス:
– 伝導性の起源:電子のもつ電荷
磁性半導体の何が面白いの?
• 磁性の原因となっている原子の磁気モーメント
と、電気伝導の原因になっている伝導電子の
スピン磁気モーメントの間に互いにそろえ合う
力(交換相互作用)が働く
• これにより、巨大磁気抵抗効果(GMR)、巨大磁
気光学効果、電気による磁性の制御などに道
が開ける
磁性半導体の物性
CdCr2Se4(第1世代の磁性半導体)
GMR
巨大磁気抵抗効果
Magnetic red shift
吸収端のred shift
磁性半導体は何の役に立つの?
• 大きな磁気抵抗効果
– 高感度再生用GMRヘッド、固体磁気メモリ(MRAM)
• 大きな磁気光学効果
– ファイバ通信用光アイソレータ
• 伝導電子スピンと原子磁気モーメントの相互作用
– コイルを使わず電気や光で磁気をコントロール
• バンドギャップのmagnetic red shift
– 磁界で色が変わる材料
いままで実用例はあるの?
• 電気と磁気の関わりを使ったデバイス
– 提案はあるが、低温がネックとなって実用化せず。
– CdCr2Se4, EuSなどは結晶、薄膜作製が困難
– GaAs:MnなどはMnが入りづらい
• 光と磁気の関わりを使ったデバイス
– Cd1-xMnxTe、Cd1-x-yHgxMnyTeではファイバアンプ
励起光源用光アイソレータとして実用化
光ファイバ増幅器と
アイソレータ
磁性半導体の再ブーム
• III-V系希薄磁性半導体の登場
– 宗片、大野ら:InMnAs, GaMnAsのキャリア誘起強
磁性を発見。非平衡低温成長でMnを大量置換。
– IIIV族は結晶性のよいものが得られる。
– Pn両型があるのでデバイスを作りやすい。
– デバイス作製技術が確立している。
– キュリー温度の高いものが得られない。
GaMnAs,InMnAsにおけるMn濃
度と格子定数、キュリー温度
格子定数 vs. Mn濃度
キュリー温度 vs. Mn濃度
Ga1-xMnxAsLEDに見られる
円偏光発光の磁界依存性
スピン注入現象の
証拠と考えられる
Degre
e of
polari
zation
DP
DP (%)
Y. Ohno, D.K. Young,
B. Beschoten, F. Matsukura,
H. Ohno and D.D. Awschalom,
Nature 402 (1999) 790
InMnAs FETのゲート電圧によ
る磁性の制御
Hall
Resis
tance
R ()
チャネルのホール濃度を
ゲート電圧で制御→Tcが変化
→ヒステリシスの変化
Ohno
室温磁性半導体への道
理論
• 2000 Wide gap 半導体。P-型(RKKY) (東北大)
• 2000 ZnO:Mnなど。P型(二重交換相互作用)(阪大)
実験
• 2000 CdMnGeP2 (筆者ら)
• 2000 ZnO:Co (阪大産研)
• 2001 TiO2:Mn(東工大)
• 2001 ZnMnGeAs2(North Western大)
• 2001 ZnGeP2(筆者ら)
• 2002 ZnGeP2(東大)
カルコパイライト系新磁性半導体
• 2燐化カドミウム・ゲルマニウム(CdGeP2)を母
体とし、マンガン(Mn)を高濃度に添加した物質
• 製造方法:母体単結晶にMnを蒸着し熱拡散
• 結晶構造は?
– カルコパイライト構造
• Mn濃度は?
– 最表面Mn/Cd=53%, 深さ0.6mで12.7%
– 平均:実効層厚0.5mに平均20%
カルコパイライト構造
Si, Ge
ダイヤモンド構造
IV
III
II
V
IV
V
GaP
閃亜鉛鉱構造
CdGeP2
カルコパイライト
Cd
Ge
P
II-IV-V2 カルコパイライト半導体
a(Å)
c(Å)
Tm(°C)
Eg(eV)
no, ne
n, p
~3.1
260, 11
ZnSiP2
5.399
10.435
1370
2.96
ZnSiAs2
5.606
10.890
1096
2.12 3.355, 3.392
40, 170
ZnGeP2
5.465
10.771
1025
2.34 3.248, 3.295
- , 20
ZnGeAs2
5.672
11.153
850
1.15
~3.38
- , 23
ZnSnP2
5.651
11.302
930
1.66
~3.21
- , 55
ZnSnAs2
5.852
11.705
775
0.73
~3.53
- , 190
CdSiP2
5.678
10.431
1120
2.45
~2.95
150, 90
CdSiAs2
5.884
10.882
850
1.55
~3.22
- , 500
CdGeP2
5.741
10.775
790
1.72 3.356, 3.390
1500, 90
CdGeAs2
5.943
11.217
670
0.57 3.565, 3.678
4000,1500
CdSnP2
5.900
11.518
570
1.17
~3.14
2000,150
CdSnAs2
6.094
11.918
596
0.26
~3.46
11000,190
成膜時の RHEED
パターンの変化
CdGeP2:Mn
• Mn-堆積前
• Mn-堆積後
• 500ºC、 30分の
アニール後
Deposition of Mn on ZnGeP2 at
Before
deposition
Mn evap. 60s
Before
deposition
Mn evap. 180s
o
400 C
Mn deposition 300-1800s
Mn evap. 300s
Mn evap. 1080s
Mn evap. 1800s
After deposition
新磁性半導体の物性
• Mn添加層も半導体:
– バンドギャップが存在。ワイド化(1.72→3.24eV)
[蛍光スペクトルの測定による]
• Mn添加層は強磁性体:
– 磁気ヒステリシスを観測(磁化率計による)
– 表面に磁化が存在(磁気力顕微鏡(MFM)による)
• 磁性半導体特有の磁気光学効果:
– 磁気カー楕円率のピーク=母体のバンドギャップ
– ファラデー回転に換算すると5.7×104度/cm
Cross sectional SEM photograph
室温のヒステリシス曲線
-3 e.m.u.)
Magnetization (x10
反磁性の
補正後
0.4
0.2
H parallel
T=300 K
生データ
0.0
-0.2
-0.4
-1.0
-0.5
0.0
0.5
H field (x10 kOe)
1.0
磁化の温度変化(H=0)
Magnetization (emu)
S = 1/2
S = 5/2
Temperature (K)
Tc=320K
残留磁化状態における
室温のMFM 像と AFM 像
(a) MFM 像
(b) AFM 像
磁気光学カー効果
0.05
q ,  [degree]
k
k
0.00
-0.05
qk
k
-0.10
-0.15
1
1.5
2
2.5
3
3.5
Photon Energy [eV]
4
4.5
ファラデー回転の推定:  F /   i ( /  )1    K
•  =n2 =12.1 (n =3.48 at =800 nmを利用) K=-iK =-i0.12 deg
(=800 nm)→F/l =5.2104 deg/cmと推定される。
現在の研究状況
• バルクZnMnGeP2において相分離を起こさずカ
ルコパイライト相の磁性半導体を得る条件を
探索
• ZnMnGeP2系の磁化のSQUIDによる評価
• CdMnGeP2, ZnMnGeP2の表面層の精密XRD
• EXAFSによる測定(バークレーDr. Soo)
• Mn堆積時のUPSその場観察(東大藤森敦)
光スピニクスの最近の進展
• はじめに
• MO-SNOM(近接場磁気光学顕微鏡)の開発
• NOMOKE(非線型磁気カー効果)による界面
磁性の研究
• そのほかの微小領域磁性観測技術
• 今後の課題
• おわりに
はじめに
• 微小領域磁性の観測手段
– 電子顕微鏡:ローレンツ電顕、スピン偏極電顕、電
子線ホログラフィ→磁束の観測
– 近接プローブ:MFM, スピン偏極STM, SNOM
– 電気的測定:MR, Hall
• 表面・界面
– Wedgeの磁気光学効果
– NOMOKE(非線型磁気カー効果)
MO-SNOM
(近接場磁気光学顕微鏡)
•
•
•
•
•
近接場とは
光ファイバプローブ
円偏光変調法
プローブのストークスパラメータ
光磁気記録マークの観察
SNOM/AFMシステム
Photodiode
LD
Compensator
Polarizer
Bimorph
Sample
Ar ion
laser
PEM
Optical fiber probe
Filter
Lock-in
Amplifier
XYZ
ベントファイバープローブ
Analyzer
scanner
Signal
generator
Photomultiplier
Controller
(SPI3800 3800)
Computer
PEMを用いたMO-SNOMシステム
MO-SNOMで観測した
MOディスクの記録マーク
トポ像
MO 像
磁界変調法で記録された0.2m マークの
トポ像とMO-SNOM像
解像度の定義
トポ像
MO 像
ライン・プロファイル
放物面鏡を用いた反射型SNOM
P. Fumagalli, A. Rosenberger, G.
Eggers, A. Münnemann, N. Held,
G. Güntherodt: Appl. Phys. Lett. 72,
2803 (1998)
NOMOKE
(非線形磁気カー効果)
•
•
•
•
•
•
SHGが表面界面に敏感なわけ
大きな回転角:線形磁気カー効果との比較
実験装置
Fe/Au人工格子についての実験結果
理論的考察とシミュレーション
今後の展開
MSHG測定システム
LD pump
SHG laser
Electromagnet
=810nm
Pulse=150fs
=532nm Ti: sapphire P=600mW Mirror
rep80MHz
laser
Filter
Stage
controller
Berek
compensator
Mirror
Sample
Analyzer
Lens
Filter
PMT
Chopper
lens
polarizer
Photon counting
Photon counter
Computer
Sample
試料回転
w 810nm)
Sample stage
45°
Rotating
analyzer
Filter
2w 405nm)
w 810nm)
Analyzer
光学配置(縦カー効
果)
線形および非線形応答の方位角依存性
90
100
80
60
40
20
0
20
40
60
80
100
120
60
150
30
180
0
210
330
240
270
300
(a) Linear (810nm)
SHG intensity (counts/10sec.)
SHG intensity (counts/10sec.)
・ Linear optical response (=810nm)
The isotropic response for the azimuthal angle
・ Nonlinear optical response (=405nm)
The 4-fold symmetry pattern
Azimuthal pattern show 45-rotation by reversing the magnetic field
90
300
250
200
150
100
50
0
50
100
150
200
250
300
120
45
60
150
30
180
0
210
330
240
270
300
(b) SHG (405nm)
[Fe(3.75ML)/Au(3.75ML)] 超格子の (Pin Pout)配置の線形および非線形の方位角依存性
非線形カー回転
100000
90000
Df = 31.1°
80000
70000
Rotating
60000
Analyzer
50000
Analyzer
40000
Filter
30000
20000
2w (405nm)
10000
0
-20 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200
Electromagnet
S-polarized light
ω(810nm)
45°
The curves show a shift for two
opposite directions of magnetic field
Fe(1.75ML)/Au(1.75ML) Sin
非線形磁気光学顕微鏡
Sample
P
Objective lens
L
F1
F2
A
CCD
非線形磁気光学顕微鏡の模式図
50m
線形・非線型磁気光学顕微鏡で観測し
たCoNiの磁区
そのほかの観察技術
• X線磁気光学顕微鏡
– 内殻吸収端とMCD;K殻、L殻、M殻
– シンクロトロン放射光
– フレネルゾーンプレート
• サニャック効果
– サニャック干渉計(光ファイバジャイロの原理)
– 位相差に敏感
– 非相反のみを分離
X線磁気光学効果
Occupation of minority 3d band
(b)
(a)
md
+2
+1
0
(1)
-1
(a)
(14)
(6)
(2)
mj +3/2
+1/2
mj +1/2
3d
(3)
(6)
(12)
-2
(6)
(3)
(a) (b)に対応する遷移のXMCDの
シミュレーション.
(3)
-1/2
-3/2
-1/2
(b)
2p3/2
2p1/2
L吸収端の磁気円二色性
(b)
FeのL3吸収端のXMCDを用いて
観測したMO媒体の磁区像
SiN(70nm)/ TbFeCo(50nm)/SiN(20nm)/
Al(30nm)/SiN(20nm) MO 媒体
N. Takagi, H. Ishida, A. Yamaguchi, H.
Noguchi, M. Kume, S. Tsunashima, M.
Kumazawa, and P. Fischer: Digest Joint
MORIS/APDSC2000, Nagoya, October
30-November 2, 2000, WeG-05, p.114.
微小領域磁性のスピンダイナミクス
GaAs高速
光スイッチ
Th. Gerrits, H. van den Berg, O. Gielkens, K.J.
Veenstra and Th. Rasing: Digest Joint
MORIS/APDSC2000, Nagoya, October 30November 2, 2000, TuC-05, p.24.
光スピニクス今後の課題
-より広範な領域をめざして-
• t:超短パルス光→ps, fsレーザを用いた時間分
解磁気光学測定、ポンププローブ測定
• w:広い波長領域、シンクロトロン放射光
• k:回折現象、磁気散乱、磁性パターンの回折
磁気光学
• x:微小領域観察、アパーチャレスSNOM、スピ
ンSTM、X線顕微鏡
• :位相の直接測定:サニャック干渉計
終わりに
• 磁性の世界がナノテクノロジーという道具を得て大き
く変革しつつある。
• 電子のもつ電荷とスピンの2つの機能を有効に使う
技術がスピンエレクトロニクスである。
• これまで、自然に作りつけであると考えていた磁気的
相互作用を人類はついに制御する技術を得た。
• 光とスピンの相互作用は、近接場技術、フェムト秒技
術などを得て次世代の高速高密度記録技術への道
を開きつつある。