スタートの状況について (警告とスタート) 2013年2月 日本陸上競技連盟 競技運営委員会 鎌倉光男 (C) 2013 Japan Association of Athletics Federations. All Rights Reserved. T.KAMAKURA スタートにおける不適切行為とは?(主な動作) 1)「位置について」の時 ①なかなか位置についての姿勢を取らない。 ②身体を止めない。 ③手を挙げてスタートを中断させる。 2)「用意」の時 ①タイミング遅らせて腰を上げる。 ②静止しない。 ③静止後に。 ④ぴくっと動く。 ⑤身体が沈み込む。 ⑥身体が前に動き出す。 ⑦両手ががたがたと動き出す。 ⑧足がスタブロに固定出来ずズレ落ちる。 (C) 2013 Japan Association of Athletics Federations. All Rights Reserved. T.KAMAKURA 合図のタイミング スターター&リコーラーの為のチェックポイント (基本的な流れ) 位置 について 用意 全 員 の 静 止 を 確 認 ! ドン!! 全 員 の 静 止 を 確 認 ! (C) 2013 Japan Association of Athletics Federations. All Rights Reserved. T.KAMAKURA スターター&リコーラーの為のチェックポイント 位置 について 正 当 な 理 由 な が い ・・ ・ な 手身 つ か を体 か な な あを い か げ止 位 てめ 置 中な に 断い 立たせる 不適切行為 用意 フ ィ ー ル ド と の 兼 ね 合 い 外 的 要 因 全 員 の 静 止 を 確 認 ! 正 当 な 理 由 な が な い ドン!! ・・・ ・ 手腰 身静 をを 体止 あ遅 をし げく 止た て上 め後 中げ なに 断る い動 く 立たせる 不適切行為 規則第162条5(a),(b),(c)、 不適切行為により警告 フ外 ィ的 ー要 ル因 ド と の 兼 ね 合 い 全 員 の 静 止 を 確 認 ! ドン (リコール) 号砲前に、 足がスタブロ、 または、手が地面 から離れていたか? 離れて いた! 不正スタート (C) 2013 Japan Association of Athletics Federations. All Rights Reserved. T.KAMAKURA リハーサル競技会等でのスタートに関した指摘事項 1)Set後の静止の確認は確実に行う事。特に予選での 合図は確実に行う事。 2)立たせて注意する時は、該当競技者に対し出発係を 通して確実に伝達する事。 3)不正スタート後の再スタートにて、Set〜ドンの合 図が早くなっているので注意する事。 4)On your marks〜Setまでが長く、Set〜ドンが早く なっている。(中学生の競技会) 待ちきれずに動きだそうとした時にSetとなり、腰が あがっても体の安定がとれない状態で、早撃ちによ り不正スタートとなる場面があった。 (C) 2013 Japan Association of Athletics Federations. All Rights Reserved. T.KAMAKURA 5)特に予選でのスタートは、競技者の動きをしっかり確認し てスタートの合図を確実にする事。これにより以降のラ ウンドにて競技者の掌握が確実に出来る様になる。 6)スターターが見逃した時にリコールをする事。1発目のリ コールで止まらない時に2発目を撃つ事。むやみにリ コールを撃たない事。 7)スタート時(特にSetの瞬間)にフィールド競技での声援や 競技者の掛け声などが入る事が有るので、状況に応じ てスタートを中止してやり直す事も考慮。 8)信号器は適正な位置に設置する事。 特に40 0mでの設置に注意。 (C) 2013 Japan Association of Athletics Federations. All Rights Reserved. T.KAMAKURA 9)スピーカーの管理について、スタート時にスピーカーの調 子が悪くなり、調整に手間取り遅れの原因となる事がよく 発生しているので特に注意の事。 ①使用しない時はスタート位置より撤去。 ②電池は毎日交換する事。 ③設置位置について注意。(特に400mでのカメラエリア位置 との兼ね合い) 10)教育的配慮とは何かを再度考える事。 見なかった事にするのではなく、適切な指導をする事。 (C) 2013 Japan Association of Athletics Federations. All Rights Reserved. T.KAMAKURA 腕の動き 1)写真判定装置利用が主流となり、手動計時に対応した腕の動きに ついて、特に意識する必要が無くなってきている。 2)1回失格適用が多くなるにつれ、競技者のスタート動作に変化が 現れている。 3)特に「用意(Set)」の後、腰が上がって静止するまでの動きが早く、 すぐに静止して号砲を待つ様になっている。 4)スターターもこの早い動きへの対応が必要。 競技者の静止を確認して、 ・腕を伸ばしてから「用意(Set)」、号砲。 ・「用意(Set)」とともに腕を伸ばしたままで号砲。 ・腕を伸ばして「用意(Set)」の後、少し腕を緩めて号砲。 など、スターターとしての工夫が必要。 (C) 2013 Japan Association of Athletics Federations. All Rights Reserved. T.KAMAKURA 第43回ジュニアオリンピックでの状況 中学生競技会で初めての1回失格競技会となり、対応策としてス タート審判長が配置された。 1)3日間を通し、10人・4チームが失格。 ①1日目、7名。2日目3名。3日目、4チーム ②号砲直前に ・飛び出す2名。 ・動く(ピク)6人、4チーム ・動きだす2名 2)立たせて注意は、7件。 ①早く位置に着く事、5件 ②手がスタートラインの上、1件 ③足がスタートラインの上、1件 (C) 2013 Japan Association of Athletics Federations. All Rights Reserved. T.KAMAKURA 3)スターター・メンバーでの共通認識 ①号砲前の飛び出しは、不正スタートとする。 ②On your marks、Set後の準備が遅い競技者が居た場合は、立 たせて注意(本来は警告)をする。 ③時間にはとらわれず、早い時間に多くの競技者が静止した状態 で、まだ動いている競技者がいた場合も立たせて注意する。 4)スタートに対する抗議は4件。うち、2件が上訴。 ①隣レーンの競技者の方が早く動いている(ビデオで確認)の に、何故こちらが失格となったのか。 →誰が早く動いたかではなく、号砲に対してどう動いたかを判 定している。 (C) 2013 Japan Association of Athletics Federations. All Rights Reserved. T.KAMAKURA ②不正スタートと判定した理由を聞きたい。(2件) →号砲直前に動いたため不正と判定。 要望によりビデオを確認、1件が上訴されたが、裁定は審判 長支持となった。 ③間違えのアナウンスで一時退場なり、十分な準備ができな い状況での再スタートとなった。 間違えた理由と再スタートまでの経緯を確認したい。また、 間違えに対する救済は無いのか。 →判定の経緯(リコーラの内側2番目のコールを3レーンと間 違えた)と再スタートでの経緯を説明したが不服として上訴 となる。 上訴での裁定は、救済となり9チームでの決勝となった。 (C) 2013 Japan Association of Athletics Federations. All Rights Reserved. T.KAMAKURA 5)スタート審判長の配置について ①中学生競技会として初の1回失格適用を意識し、スタート 審判長を配置。 ②スタートチームの運営は、従来どおりスターター主任。 問題発生時での最終判定と責任をスタート審判長が担当。 ③スタート運営と切り離す事で、判定に対し客観的に確認が 出来た。 ④注意や不正スタートの発生状況をスタート記録表に記録し、 質問・抗議時に活用。 (C) 2013 Japan Association of Athletics Federations. All Rights Reserved. T.KAMAKURA (C) 2013 Japan Association of Athletics Federations. All Rights Reserved. T.KAMAKURA スターターとしての認識! ①スターターと他審判と違う点。 競技者を失格させる権限を持っている。 この権限は審判長とスターターのみ。 ②スタートは、1回1回が真剣勝負。 フィールド競技は3回/一人、トラックは1回のみ。 ③スタート台の上に立ってスタートの合図をする事だけが スターターの役目ではない。 ベストコンディションで合図が出来る、スタートが出来る 環境作りを。 ④スターターの主観による不正スタートの判定? 統一された、ぶれない判定を!!! (C) 2013 Japan Association of Athletics Federations. All Rights Reserved. T.KAMAKURA
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