キャンパス間周回VLANの構築と利用

キャンパス間周回VLANの
構築、評価と利用
林 優一,菅野浩徳,曽根秀昭
東北インターネット協議会TRIX研究会/東北大学情報シナジーセンター
TAINS/Gの利用


キャンパス間周回VLANは東北大学の実稼働
ネットワークであるTAINS/Gを利用して構築され
た。
今回のVLANで周回したキャンパス





青葉山キャンパス
川内キャンパス
片平キャンパス
星陵キャンパス
学内に提供するサービスの品質などをあらかじ
めテストし、評価することが可能となる。
TAINS/Gとは

2002年からはGbE方式を用いた多重化通信(8
~16Gbps)のバックボーンネットワーク
TAINS/Gが運用されている。このネットワークに
より仙台市内に広く分布する6つの主要キャンパ
ス(片平キャンパス,川内キャンパス,青葉山北
キャンパス,青葉山南キャンパス,星陵キャンパ
ス,雨宮キャンパス)がそれぞれ相互に接続され
ている。
TAINS/G
キャンパス間周回VLANとは
(グルッとVLAN)

グルッとVLAN
情報シナジーセンター
(青葉山キャンパス)を始
点/終点にし、各キャンパ
スのBackbone
Router,Center Routerで
設定を行い周回VLANを
実現している。
キャンパス間周回VLANとは
(グルッとVLAN)
星陵キャンパス
青葉山キャンパス
キャンパス間
“グルッとVLAN”
川内キャンパス
片平キャンパス
“グルッとVLAN”の構成
シナジーセンター4階
シナジーセンター1階
V4’
受信・測定
青葉山北
川内
星陵
CR-0900
CR-0700
BR-0200
CentreCOM8216XL
※L2-SW
untag
V4
untag
V2’V3’V4’
ルータ・測定
tag
CentreCOM8224SL
V3’
Cat4K
V3
ルータ・測定
GR-0902
V1
tag
TAINS/G
L2-SW
tag
untag
V2 V3 V4
untag
V2’
CentreCOM8216XL
※L2-SW
V2
tag
BR-0900
BR-0700
BR-0100
青葉山北
川内
片平
送信
untag V1
V1
SuperSINET
(GRID)
・GBICの用意(BR-0900、CR-0900、GR-0902)。
新規接続。
・VLAN設定の追加(TAINS/G各装置)
・VLAN毎のSTPパラメータ調整によるブロッキングポートの位置変更
“グルッとVLAN”(Cat4k portの様子)

設定された14個7つのVLANを
クロスで接続しキャンパス7周
を試みている様子
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
各上下のportが同一の
VLANに設定されており
上のportから送出された
packetはキャンパスを一
周して下のportに伝送さ
れる。
・・・・
各ポートの組毎にグルッとキャンパスを一周する
“グルッとVLAN”の特徴
2周目
測定
Mpeg2
encoder

TAP
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
TAP
1周目
測定
Mpeg2
decoder


14.5*3の距離で動画伝送を行い
1周目、2周目でパケットの遅延
などを測定
1周約14.5kmのVLANが
計7週分用意されており、
手元で簡単に距離を伸
ばすことが可能
動画伝送などを行う際、
距離が伸びた際のパケッ
トの遅延や、損失を計測
することが容易
意図的に遅延やパケット
の損出を発生させること
も手元で行うことができる
“グルッとVLAN”の評価
(without Cross Traffic)


パケットサイズの異なるICMPを“グルッとVLAN”
上で送受信しRTTの測定を行いネットワークの
特性把握を試みた。
送信したパケットサイズ



100byte
1400byte(fragmentされるサイズ付近)
3000byte(fragmentされて伝送されるサイズ)
実験構成

host1
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
host2
左図のように2台のhost
を“グルッとVLAN”環境
に接続し、RTTを14日間
計測(パケットサイズは
100byte, 1400byte,
3000byteを利用し計測)
各サイズ毎のRTTの揺らぎ
(without Cross Traffic)
1400byte
100byte
3000byte
min
avg
max
100bye
0.200
0.259
0.343
1400byte
0.701
0.890
1.013
3000byte
0.919
1.000
1.011
RTTの平均値 (ms)
Cross Trafficの発生


先のICMPを送信し続けた状態で、VLAN上に他
のICMP、DVTSをCross Trafficとして発生し、
RTTの変化を計測した。
実験に用いたCross Trafficは

64byte ICMP (05/01 01:07 – 05/03 23:06)


1472byte ICMP (05/03 23:09 – 05/05 18:36)


Cat4k VLAN 同一port上
Cat4k VLAN同一 port上
DVTS traffic (05/05 18:41 – 05/06 21:21)

Cat4k VLAN別port上
実験環境(Cross Trafficの発生)

host1
1
DVTS
sender
host3
2
3
4
5
6
7
30Mbps
8
host2
9
10
11
host4
12
13
14
DVTS
receiver
“グルッとVLAN”ネット
ワークのRTTを計測して
いる環境にDVTSや別の
hostを用いCross Traffic
を発生させた。
各サイズ毎のRTTの揺らぎ
(with Cross Traffic)
100bye
1400byte
3000byte
min
avg
max
0.232
0.845
0.964
(+0.032)
(+0.586)
(+0.621)
0.729
0.788
0.871
(+0.028)
(-0.102)
(-0.142)
0.960
0.972
1.038
(+0.041)
(-0.028)
(+0.027)
RTTの平均値 (ms)
データ表示について
100byteの場合
100byteの場合

発生させたCross Trafficの伝送サイズにかかわ
らず全体的にRTTが増加している、パケットサイ
ズの異なる3つのグラフにおいてRTTの平均値
は他の2つのグラフと非常に近い値になっている
ことがわかる。
1400byteの場合
1400byteの場合

Cross Trafficの影響があるにもかかわらず、
RTTはCross Trafficがない場合よりも小さくなっ
ている部分が多い、DVTSなどのCross Traffic
の影響はほとんど受けていない。
3000byteの場合
DVTS発生時
3000byteの場合

DVTSの伝送開始時あたりからRTTが下がって
いることが観察できる。RTTのMAX値もCross
Trafficがない場合より大幅に短くなっていること
がわかる。
今後の計測課題(1)

DVTS
sender
host1
1
2
3
・・・・・・
4
5
6
DVTS
sender
7
30Mbps
8
host2
9
10
DVTS
receiver
11
12
30Mbps
13
・・・・・・
14
DVTS
receiver
Cross Trafficとして
DVTSの数をさらに増や
した時のRTTの変化と、
DVTSの映像・音声品質
の変化を計測し、伝送路
上で発生する問題の発
見と解決を行う。
今後の計測課題(2)


ルータやスイッチに負荷により発生するパケッ
ト順序の入れ替わりが発生した際の映像品質
の変化の計測などを行う。
DVTS以外にもmpeg2,mpeg4のストリーミング
など、実時間データの配信を行い遅延特性を
調査しこれから需要が見込まれる講義・講演
の配信に役立てる。
100byte (without cross traffic)
M-100byte (without cross traffic)
DAY-100byte (without cross traffic)
1400byte(without cross traffic)
M-1400byte(without cross traffic)
DAY-1400byte(without cross traffic)
3000byte(without cross traffic)
M-3000byte(without cross traffic)
DAY-3000byte(without cross traffic)
100byte (with cross traffic)
M-100byte (with cross traffic)
DAY-100byte (with cross traffic)
1400byte (with cross traffic)
M-1400byte (with cross traffic)
DAY-1400byte (with cross traffic)
3000byte (with cross traffic)
M-3000byte (with cross traffic)
DAY-3000byte (with cross traffic)