外国市場への参入戦略 四月二十四日・五月八日

2016年1月29日~2月3日
経営学特講
『入門・経営学』
第1章
法政大学教授
洞口治夫
1
授業の目的
• 経営学の基礎を理解しましょう。
• 大量現象の観察=ビジネスパースンとして
は一回限りの現象でも、社会のなかでは
何回も行われている。
• 例.就職、M&A
• 基礎的な概念を身につけましょう。=共通
言語で経営を語るためのボキャブラリー
2
『入門・経営学』内容構成
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第1章
第2章
第3章
第4章
第5章
第6章
第7章
組織論の基礎 1月29日
戦略論入門
1月31日
組織構造の構築 1月31日
国際経営
2月2日~2月3日
組織論の発展 2月1日
経営戦略とイノベーション 2月2日
財務と情報
1月30日
3
内容構成の特徴
• 各章は経営学に関する10のキーワードからな
る。
• 授業で説明するキーワードについては、試験
での説明が求められる。
• テキストは3回読みましょう。
• 1回目・授業前に定義を探して読む。
• 2回目・授業中にポイントを抑える。
• 3回目・授業後に練習問題を考えて応用する。
4
評価方法
• 2月3日、最終日、最終時限での筆記試験。
• 一切、参照不可の予定
• 期末試験50%
小テスト10%
レポート課題20%
平常点20%
5
本日のテーマ
• 第1章
• 組織論の基礎
6
今日のキーワード
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①組織理論(マクロの組織論)
②組織行動論(ミクロの組織論)
③科学的管理法
④ファヨールの提起した原則
⑤近代組織論
7
今日のキーワード つづき
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⑥コンティンジェンシー理論
⑦組織間関係論
⑧人間関係論(モチベーション)
⑨リーダーシップ
⑩組織文化論
8
①組織理論(マクロの組織論)
• 組織を全体の特徴としてとらえる。
• マックスウェーバー:「支配の諸類型」
• Max Weber, Wirtschaft und Gesellschaft,
1922, 2nd ed., 1925.
• 伝統的支配、カリスマ的支配、官僚的支配
9
マクロとは?
•
•
•
•
Macro
巨視的な、という意味
国民経済を「マクロ経済」という。
エクセルではプログラムのかたまりを「マク
ロ」という。
10
マクロの組織論
• 「組織のあり方」の比較
• 家族、教会、企業、官僚、国家、NPO
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企業の場合/職能別部門/事業部制
地域別部門/マトリックス組織
カンパニー制/持ち株会社
企業グループ/財閥/系列
11
②組織行動論(ミクロの組織論)
• 組織の中で人々がどう働くか。
• 心理学の登場
• 人間関係論の影響
• 社会学と経営学の分化
• マズローの欲求段階説
12
ミクロとは?
•
•
•
•
Micro
微視的な、という意味
個人の行動をミクロ行動という
マイクロとも発音する
• マクロとミクロの中間をMesoメソないしメゾ
という。地域、産業などを表す。
13
③科学的管理法
• アメリカの生産技術者、テイラーによって
提唱された経営の手法。1911年に出版し
た主著が『科学的管理法』である。
• 標準作業時間の測定
• 率を異にする出来高賃金
• 職長制度
これらの重要性を主張する。
14
テイラー
Frederick Winslow Taylor
科学的管理法
=精神革命
The Principles of
Scientific Management ,
1911
「科学」
「怠業を許さない」
15
④ファヨールの提起した原則
• 管理のプロセス
• 計画し、組織し、命令し、調整し、統制する。
• 組織の階層化
=統制の範囲 Span of Control
• ライン・アンド・スタッフ
• ライン=生産部門、営業部門
• スタッフ=財務、総務、人事、研究開発
16
Local Malaysian Company:
Lay-out of Lines for Electrical Goods Production
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑨
⑧
⑩
4, or 5 assembly workers per line
Packaging
17
Line Balance of the Assembly Workers at the Fan Production Line
(Second)
1st
2nd
3rd
4th
5th
6th
Station 1
87
70
68
65
72
130
82
24.7305
Station 2
63
65
93
81
185
80
94.5
45.7110
Station 3
83
70
70
80
81
156
90
32.8207
Station 4
76
76
193
78
97
78
99.7
46.4270
Station 5 370
43
56
63
68
72
112
126.805
Ave
St.D
18
⑤近代組織論
• チェスター・バーナード
• 『経営者の役割』
• 「組織とは2人以上の人々の意識的に調
整された活動や諸力の体系」
• 共通目標、協働意欲、コミュニケーション
19
⑥コンティンジェンシー理論
• 1960年代に流行した経営理論
• ウッドワード、バーンズ=ストーカー、ロー
レンス=ローシュなどを主たる論者とする
場合が多い。
• テイラーにはじまる経営理論が「ワン・ベス
ト・ウェイ」つまり、単一の手法をすべての
企業経営にあてはめるものである、として
批判。
20
⑦組織間関係論
• マクロの組織論の進化形
• 異なる組織どおしがどのような「関係」を持
つか。
• 競争、協力
• 合併、業務提携、連携
• 分業、協業
• 例:産学連携、商店街の活性化
21
⑧人間関係論(モチベーション)
• ホーソン実験・・・ゼネラルエレクトリックの
ホーソン工場で行われた観察
• メイヨー、レスリスバーガー
• 照明の明るさが作業の効率にどのように
影響を与えるかを計測。
• 注目されると生産性は上昇
• 職場の人間関係が生産性を決める。
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様々なモチベーション
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•
•
•
•
•
動機づけ
お金以外に人々を動機づけるものは何か。
注目されたい。「目立ちたい」。
命令したい。「偉くなりたい」。
尊敬されたい。「人の役にたちたい」。
愛されたい。「誰かと一緒に暮らしたい」。
遊びたい。「いろいろな経験をしたい」。
23
⑨リーダーシップ
• 組織のなかのリーダーはいかに選ばれて、
どのような機能を発揮するのか。
• 起業家は自分でリーダーとなる。
• 取締役は上司に選ばれる。
24
リーダーシップ論の文脈
• 中間管理職の役割とは何か。(ラインのな
かの上位、スタッフのなかの上位の役職の
役割は何か。)
• 企業の組織変革をいかに行うか。
• 例:ジョン・P・コッターの松下幸之助研究
• 松下幸之助本人が書いたものを、いかに
理解するか。
25
⑩組織文化
• 朝10時に私服で出勤する会社
• 朝7時30分にネクタイを締めて出勤する会
社
• 広告デザインの会社
• 投資ファンド
26
組織文化の事例
• 洞口先生の専門は国際経営論。イノベー
ション論+経営戦略論。
• イノベーションがおこっている産業としては
携帯電話産業が考えられる。
• 特に外資系企業=ノキアの守秘は固いも
のがあります。しかし、ようやく、、、
27
ノキアとドコモの比較
• ノキア:分業+アライアンス型
• ドコモ:垂直統合+競争管理型
28
携帯電話産業の三層構造
①携帯電話機(handset)製造
競争:機能の付加(カメラ、インターネット、ショート
メール、メモ、ゲーム、電話番号リスト、液晶)
②通信プロバイダー
競争:料金体系(携帯単体価格と通信価格のセッ
ト)、家族割引、基地局の敷設
③無線周波数の利用技術
競争:業界標準の獲得(W-CDMA対CDMA
2000)、i-modeか、インターネットか。
29
ドコモの戦略
ドコモのブランド・ロゴによる囲い込み
NEC、富士通、松下、、、
NTTドコモ=通信プロバイダー
日本独自の通信規格の主張
WCDMA
30
ノキアの戦略
携帯電話機メーカー:ノキア
通信プロバイダー:
ソネラ、エリサ、DNA
通信方式:世界各国で、それぞれに
推進
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戦略の違いをいかに説明するか。
• 二つの企業の戦略の違いを説明しようとする
と、「企業文化」に触れざるを得なくなる。
• 1億2000万人の市場を持つ日本
⇒日本で一番になれば「巨人」
• 500万人の人口しかないフィンランド
⇒フィンランドで一番でも事業継続は難しい
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