2016年1月29日~2月3日 経営学特講 『入門・経営学』 第1章 法政大学教授 洞口治夫 1 授業の目的 • 経営学の基礎を理解しましょう。 • 大量現象の観察=ビジネスパースンとして は一回限りの現象でも、社会のなかでは 何回も行われている。 • 例.就職、M&A • 基礎的な概念を身につけましょう。=共通 言語で経営を語るためのボキャブラリー 2 『入門・経営学』内容構成 • • • • • • • 第1章 第2章 第3章 第4章 第5章 第6章 第7章 組織論の基礎 1月29日 戦略論入門 1月31日 組織構造の構築 1月31日 国際経営 2月2日~2月3日 組織論の発展 2月1日 経営戦略とイノベーション 2月2日 財務と情報 1月30日 3 内容構成の特徴 • 各章は経営学に関する10のキーワードからな る。 • 授業で説明するキーワードについては、試験 での説明が求められる。 • テキストは3回読みましょう。 • 1回目・授業前に定義を探して読む。 • 2回目・授業中にポイントを抑える。 • 3回目・授業後に練習問題を考えて応用する。 4 評価方法 • 2月3日、最終日、最終時限での筆記試験。 • 一切、参照不可の予定 • 期末試験50% 小テスト10% レポート課題20% 平常点20% 5 本日のテーマ • 第1章 • 組織論の基礎 6 今日のキーワード • • • • • ①組織理論(マクロの組織論) ②組織行動論(ミクロの組織論) ③科学的管理法 ④ファヨールの提起した原則 ⑤近代組織論 7 今日のキーワード つづき • • • • • ⑥コンティンジェンシー理論 ⑦組織間関係論 ⑧人間関係論(モチベーション) ⑨リーダーシップ ⑩組織文化論 8 ①組織理論(マクロの組織論) • 組織を全体の特徴としてとらえる。 • マックスウェーバー:「支配の諸類型」 • Max Weber, Wirtschaft und Gesellschaft, 1922, 2nd ed., 1925. • 伝統的支配、カリスマ的支配、官僚的支配 9 マクロとは? • • • • Macro 巨視的な、という意味 国民経済を「マクロ経済」という。 エクセルではプログラムのかたまりを「マク ロ」という。 10 マクロの組織論 • 「組織のあり方」の比較 • 家族、教会、企業、官僚、国家、NPO • • • • 企業の場合/職能別部門/事業部制 地域別部門/マトリックス組織 カンパニー制/持ち株会社 企業グループ/財閥/系列 11 ②組織行動論(ミクロの組織論) • 組織の中で人々がどう働くか。 • 心理学の登場 • 人間関係論の影響 • 社会学と経営学の分化 • マズローの欲求段階説 12 ミクロとは? • • • • Micro 微視的な、という意味 個人の行動をミクロ行動という マイクロとも発音する • マクロとミクロの中間をMesoメソないしメゾ という。地域、産業などを表す。 13 ③科学的管理法 • アメリカの生産技術者、テイラーによって 提唱された経営の手法。1911年に出版し た主著が『科学的管理法』である。 • 標準作業時間の測定 • 率を異にする出来高賃金 • 職長制度 これらの重要性を主張する。 14 テイラー Frederick Winslow Taylor 科学的管理法 =精神革命 The Principles of Scientific Management , 1911 「科学」 「怠業を許さない」 15 ④ファヨールの提起した原則 • 管理のプロセス • 計画し、組織し、命令し、調整し、統制する。 • 組織の階層化 =統制の範囲 Span of Control • ライン・アンド・スタッフ • ライン=生産部門、営業部門 • スタッフ=財務、総務、人事、研究開発 16 Local Malaysian Company: Lay-out of Lines for Electrical Goods Production ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑨ ⑧ ⑩ 4, or 5 assembly workers per line Packaging 17 Line Balance of the Assembly Workers at the Fan Production Line (Second) 1st 2nd 3rd 4th 5th 6th Station 1 87 70 68 65 72 130 82 24.7305 Station 2 63 65 93 81 185 80 94.5 45.7110 Station 3 83 70 70 80 81 156 90 32.8207 Station 4 76 76 193 78 97 78 99.7 46.4270 Station 5 370 43 56 63 68 72 112 126.805 Ave St.D 18 ⑤近代組織論 • チェスター・バーナード • 『経営者の役割』 • 「組織とは2人以上の人々の意識的に調 整された活動や諸力の体系」 • 共通目標、協働意欲、コミュニケーション 19 ⑥コンティンジェンシー理論 • 1960年代に流行した経営理論 • ウッドワード、バーンズ=ストーカー、ロー レンス=ローシュなどを主たる論者とする 場合が多い。 • テイラーにはじまる経営理論が「ワン・ベス ト・ウェイ」つまり、単一の手法をすべての 企業経営にあてはめるものである、として 批判。 20 ⑦組織間関係論 • マクロの組織論の進化形 • 異なる組織どおしがどのような「関係」を持 つか。 • 競争、協力 • 合併、業務提携、連携 • 分業、協業 • 例:産学連携、商店街の活性化 21 ⑧人間関係論(モチベーション) • ホーソン実験・・・ゼネラルエレクトリックの ホーソン工場で行われた観察 • メイヨー、レスリスバーガー • 照明の明るさが作業の効率にどのように 影響を与えるかを計測。 • 注目されると生産性は上昇 • 職場の人間関係が生産性を決める。 22 様々なモチベーション • • • • • • • 動機づけ お金以外に人々を動機づけるものは何か。 注目されたい。「目立ちたい」。 命令したい。「偉くなりたい」。 尊敬されたい。「人の役にたちたい」。 愛されたい。「誰かと一緒に暮らしたい」。 遊びたい。「いろいろな経験をしたい」。 23 ⑨リーダーシップ • 組織のなかのリーダーはいかに選ばれて、 どのような機能を発揮するのか。 • 起業家は自分でリーダーとなる。 • 取締役は上司に選ばれる。 24 リーダーシップ論の文脈 • 中間管理職の役割とは何か。(ラインのな かの上位、スタッフのなかの上位の役職の 役割は何か。) • 企業の組織変革をいかに行うか。 • 例:ジョン・P・コッターの松下幸之助研究 • 松下幸之助本人が書いたものを、いかに 理解するか。 25 ⑩組織文化 • 朝10時に私服で出勤する会社 • 朝7時30分にネクタイを締めて出勤する会 社 • 広告デザインの会社 • 投資ファンド 26 組織文化の事例 • 洞口先生の専門は国際経営論。イノベー ション論+経営戦略論。 • イノベーションがおこっている産業としては 携帯電話産業が考えられる。 • 特に外資系企業=ノキアの守秘は固いも のがあります。しかし、ようやく、、、 27 ノキアとドコモの比較 • ノキア:分業+アライアンス型 • ドコモ:垂直統合+競争管理型 28 携帯電話産業の三層構造 ①携帯電話機(handset)製造 競争:機能の付加(カメラ、インターネット、ショート メール、メモ、ゲーム、電話番号リスト、液晶) ②通信プロバイダー 競争:料金体系(携帯単体価格と通信価格のセッ ト)、家族割引、基地局の敷設 ③無線周波数の利用技術 競争:業界標準の獲得(W-CDMA対CDMA 2000)、i-modeか、インターネットか。 29 ドコモの戦略 ドコモのブランド・ロゴによる囲い込み NEC、富士通、松下、、、 NTTドコモ=通信プロバイダー 日本独自の通信規格の主張 WCDMA 30 ノキアの戦略 携帯電話機メーカー:ノキア 通信プロバイダー: ソネラ、エリサ、DNA 通信方式:世界各国で、それぞれに 推進 31 戦略の違いをいかに説明するか。 • 二つの企業の戦略の違いを説明しようとする と、「企業文化」に触れざるを得なくなる。 • 1億2000万人の市場を持つ日本 ⇒日本で一番になれば「巨人」 • 500万人の人口しかないフィンランド ⇒フィンランドで一番でも事業継続は難しい 32
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