クルーズ市場の動向と「ながさき」の取組み ”Cruise Nagasaki. jp ”って?? 1. クルーズ市場動向 2. 「ながさき」の現状 3. これまでの取り組み 4. 今後の取り組み Cruise Nagasaki.jp クルーズながさき 前嶋 了二 クルーズながさき(長崎県クルーズ振興協議会) Cruise Nagasaki. jp (2009.Apr.~) 壱 岐 平 戸 対 馬 佐世保 上五島 五 島 雲 仙 長 崎 クルーズながさき(長崎県クルーズ振興協議会)ジョブフロー 世界のクルーズ市場とアジア市場 ●世界のクルーズ人口推移(概数) (単位:万人) 2007年 2008年 2009年 2013年 日 本 1,800 1,920 1,880 2,160 17~20 ●“Analysis of Global Cruise Market” (Koncept Analytics,2010)より ‘08年7.4%増 ‘09年2.7%減 ‘10年→’13年15%の延びを予測 北米(人口約3億) ‘06年より1000万人でほぼ横ばい→大型船化で供給拡大 オセアニア(人口約2000万人) ‘09-’10、11%の延び、’20年100万人に アジア(人口約30億人) 中国を中心に急成長 ●アジア・太平洋地区のクルーズ人口 2005年実績 107万人 2010年予測 150万人 → 2009年に1年早く達成 2020年予測 中国・オーストラリア・シンガポール 500万人 東アジアクルーズの急成長 ●東アジアクルーズの特徴 ①日中韓台の4カ国圏内で発着する5日~10日の短期クルーズ ②最大の潜在市場を抱える中国(上海・天津・香港)を拠点港化 ③欧米・アジア太平洋各国・中国国内からの「フライ&クルーズ」 ④欧米と異なる「団体市場」中心で申込み時期が非常に遅い ⑤2006年から5年間に中国市場を開拓して急成長、日韓を主要目的地化 <主要9港湾(注)への寄港実績および総乗客数推移>コスタ、ロイヤルカリビアン、スタークルーズ 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 客船数 1 2 3 4 4 客船名 アレグラ アレグラ、リブラ アレグラ、リブラ ラプソディー アレグラ、クラシカ リブラ、レジェンド クラシカ、リブラ、 レジェンド、ロマンティカ 寄港回数 27 39 96 107 176 供給(人) 22,140 41,220 120,320 156,330 307,220 (注)横浜、神戸、長崎、大阪、東京、博多、鹿児島、沖縄、名古屋 ●東アジア圏クルーズ市場の動向 ●カジュアル市場対応客船の大型化、新規参入の加速 2010年 プリンセス(米)ACA加盟、RCCL「レジェンド」日本発着クルーズ開始 2011年 スタークルーズ東アジアクルーズ復活(検討中)、プリンセス設定拡大 2012年 コスタ(伊)パシフィカ(11.45万t)、RCCL(米)ヴォイジャー(13.8万t)配船 MSCクルーズ(瑞/伊)東アジアクルーズ参入?(1.2万t~5.8万tを保有) ●エクスプローラー型高級小型船の新規参入 2010年 シーボーン(米)プライド(1万t)神戸・バンコク間シリーズ運行開始 2011年 ポナン(仏)ル・ディアマン(8800t級)、オリオンⅡ(豪)日本発着参入 2012年 ディスカバリー(英)日本初寄港 ●日本市場(ラグジュアリー、プレミアム)のショートクルーズ拡大 2010年 MOPAS/JTB「飛んでクルーズ!」九州・沖縄シリーズ新設 2011年 「ぱしびぃ」世界一周休止 → 国内ショートクルーズ大幅増設 ●中国人対日VISAの規制緩和(4億人規模の市場に拡大) ●外国語ガイド資格の規制緩和(「新ガイド」=中国人留学生等も業務可能に) ●一時上陸許可証の適用観光範囲拡大(県境越えツアーの追認) ●長崎県下各港への入港内訳と他港比較 2010年入港見込 長崎県 入港回数合計 主力港 64 長崎 54 離島港 7港 10 外国船 39 68 46 19 (東アジア) 21 66 33 5 (欧 18 2 15 13 14 32 104 15 6 米) 日本船 (内、主力港) 24(内T/R5) 15 福岡県 鹿児島県 横 浜 86 79 123 博多 83 鹿児島52 横浜123 N/A N/A 4港26※ (注):(東アジア)コスタ+RCCL, (欧米)左記2社以外の外国船 ※鹿児島県離島港26隻のうち17隻が世界遺産「屋久島(宮之浦港)」に入港 長崎港でのクルーズ受入の現状と今後の課題 ●国際クルーズ客船入港隻数および乗客数推移 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 28 52 41 27 48 45 (同乗客・乗員数) 47,123 56,459 45,975 21,403 60,381 88,894 東アジア客船隻数 0 22 13 4 24 21 国際客船隻数 (同乗客・乗員数) 0 21,975 16,515 6,121 46,610 54,518 コスタ(伊): クラシカ/ロマンティカ(53000t)→2012年パシフィカ(114500t、乗客3780名) Rカリビアン(米): レジェンド(70000t)→2012年ヴォイジャー(138000t、乗客3114名) MSC(スイス)+スタークルーズ(マレーシア) 2012年に東アジア参入を検討中 ●中国語通訳案内士の不 足 九州管内の中国語通訳案内士登録者数 → 約100名(内、約60名が福岡県在住) 長崎県内はわずか4名(全員地域限定) ランド各社の対応: 留学生、海外添乗員他の登用、マニュアルによる低質均一化 国交省の対応 → 2012年を目途に「新ガイド制度」の施行を検討中 中国人訪日観光におけるクルーズの位置づけ ●中国人県内宿泊者数・クルーズ乗客数比較 ①一般観光客県内宿泊者数 ②クルーズ乗客数(シェア想定65%) 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 11,440 11,389 12,224 8,298 10,025 0 14,200 10,700 4,000 30,300 ①は教育旅行、行政視察・交流が中心で一般観光客はまだ少ない。一方、②は一般観光客が多くふくまれている。 「クルーズ乗客」は九州への最先端の一般観光形態で、初めての訪日旅行の代表的形態のひとつと言える。 ●中国クルーズ市場の特徴 ・新中間層と呼ばれる大都市および周辺の比較的若い世代中心 ・アジア各国同様、市場の二極化を反映(富裕層→上級客室や欧米ラグジュアリー船) ・7~8月(夏休み)国慶節休みには個人客(ファミリー、カップル)小グループが多い ・その他の時期には、企業インセンティヴ等団体客が多い ・中国資本のクルーズ販売ライセンス保有の限られた旅行会社が販売 ・旅行会社は独自に上陸観光の手配先として華僑系LOを使うケースが増えている ・本当は「ゴールデンルート」「北海道」へ行きたいという人が多い ・クルーズは安い「交通・宿泊手段」でライフスタイルとしての「クルーズ観光」は未確立 ●これまでの取り組み 2007年度 2009年度 マイアミ・コンベンション初参加 クルーズながさき設立(7市) ・7港に地区協議会・入港歓迎行事助成金制度化 2008年度 海外直接誘致活動開始(アジア・北米地区) オールアジアクルーズコンベンション参加 第2回日韓海峡クルーズシンポ(福岡) 日韓海峡8自治体での共同計画提案 入管への県職員派遣開始 クルーズながさき設立検討開始 クイーン・メリー2長崎初寄港・初海外臨船 ダイヤモンド抜港・入国審査問題表面化 松ヶ枝国際クルーズターミナル竣工 マイアミ・コンベンション参加(2回目) 松ヶ枝岸壁延伸工事完了・QV初寄港 第1回日韓海峡クルーズシンポ(木浦) 最大12レーンで入国可能に・WiFiの完備 「飛んでクルーズ」長崎発着誘致成功 マイアミ・コンベンション参加(3回目) 2010年度 オールアジアクルーズコンベンション参加 マイアミ・コンベンション参加(4回目) 海外直接誘致活動拡大(欧州地区を追加) ダイヤモンドプリンセス寄港復活 キーパーソン招聘事業(4県連合/VJC) 中国語ガイド育成研修(3カ年) ●今後の取り組み 欧米市場 東アジア圏市場 日本市場 満足度向上・リピーター化の取り組み 日本的おもてなしの演出 長崎建造客船の差別化・定期入港促進 岸壁の賑いづくり 受入態勢整備 船社・他港と連携した市場開発・商品開発・国際障壁の改善 中国語ガイド育成 質向上・絶対数確保 クルーズながさきによる誘致活動(直接的誘致活動) 県民の おもてなし醸成 ・海外コンベンション出展・本社セールス・招聘事業等 出入国迅速化(県「+市」職員派遣) 日韓海峡圏8自治体共同プロモーション アジアクルーズ協会加盟(検討中) フライ&クルーズ 商品化促進 離島・半島域への誘致拡大 小型船シリーズの誘致 祭・四季・イベント活用 世界遺産候補観光資源の活用 長崎港大型岸壁の複数化+離島港(特に上五島・対馬)の岸壁整備 欧米・東アジア・日本のバランスの取れた誘致が必要 ●日本の抱える「クルーズ5大障壁」(外国船社) ①査証(VISA)~特に中国市場~ ②煩雑な入国手続き~指紋押捺・写真撮影~ ※各港湾における入管の対応も不統一 → 船側に混乱 ③カボタージュ~日本国内クルーズの禁止~ ④カジノ~入国から出国まで領海内外で営業禁止~ ⑤インターネット~日本領海内での通信規制~ クルーズ船入港時の入国審査の迅速化に関する取組み(1) 県職員による入管審査業務補助を行うに至る経緯 ○2007年11月:外国人の上陸審査時に個人識別情報(指紋及び顔画像)の提供が義務づけられ る。 ○2008年 9月:入港予定であったダイアモンド・プリンセス(11万6千トン)の長崎寄港が3回(10/ 8、11/ 5、11/9)キャンセルとなり、その主な理由として「外国人乗客の入国審査 に数時間を要すること、特に2回目の入国時の手続きも1回目と同様の審査が必要 であること」が挙げられた。 ○2008年10月:九州知事会で「入国審査の迅速化とCIQ体制の充実」を要望。 ○2009年 6月:入国管理局と長崎県が県職員の入管審査業務補助について協議。 県職員による入国審査業務補助の実施状況 ○2009年 8月:入国管理局での長崎県職員(観光振興推進本部)2名の研修開始。 ○2009年11月:2名の研修が終了し、入国審査業務の補助開始 ○2009年12月:入国管理局での長崎県職員1名(観光振興推進本部)の研修開始。 ○2010年 2月:クイーンメリー2(15万1千トン、乗客3,108名)入港時の海外(上海)臨船での入 国審査業務を県職員2名が補助。 ○2010年 3月:1名の研修が終了し、入国審査業務の補助開始。 ○2010年 3月:サンプリンセス(7万7千トン、乗客1、950名)入港時に県職員3名が入国審査業 務を補助。 H22年度も大型船の入港時に、入国管理局からの要請により県職員が入国審査業務 補助を実施。海外臨船も7回実施予定。 クルーズ船入港時の入国審査の迅速化に関する取組み(2) 1.県職員による入国審査業務の補助 ①派遣される県職員の身分 ・ 「行政実務研修員」 ②研修員の旅費等 ・入国管理局への派遣に係る給与及び旅費等は長崎県が負担 ③研修員の研修 ・福岡入国管理局で5日間、座学形式で出入国審査業務についての研修実施。 ・長崎出張所において、3ヶ月間・週1回程度、空港でOJT形式の出入国審査業務の研修実施 ・3ヶ月間のOJT形式の研修終了後は、主にクルーズ船の入港時に実施。 ④研修の範囲 ・長崎空港及び長崎港等における外国人の出国審査、日本人の帰国・出国確認、クルーズ船舶に係る 仮上陸の審査、乗員上陸許可など ⑤研修の日程等 ・研修の日程は船舶、航空機の入港予定日をもとに入国管理局と長崎県の担当者が協議して決定。 2.ターミナル活用に関する会議開催 ・入国審査を含むCIQの迅速化やターミナルの活用のために、県港湾関係部署が開催。 ・税関、入国管理局、検疫所、船舶代理店、県、市の関係部署等がメンバーで、CIQ、特に入国審 査の迅速化のための取組みやターミナルの活用について協議。
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