ホール係数測定マニュアル (PPMSの使い方) ホール効果測定は,磁場中の物体に流れる電流の ホール抵抗を調べることで,物体中を流れる 電荷キャリアの多数キャリアがホールか電子であるか, そのキャリア数はどれくらいかを決定する上で 有効である.本研究室でも,2000年ごろより 名古屋大学・応用物理学科・水谷研究室において ホール抵抗などの測定器,PPMSを借りて ホール抵抗を測定している.本文はその水谷研の PPMSによるホール抵抗の測定方法について 述べたものである. Written by Morita Shoji 水谷研究室 B1 実験室,PPMS 隣りの磁場発生装置 (黒ドラム缶) 超伝導マグネットにより 磁場を発生させる. よって低温に保つ必要あり 試料はこの中に入れる. 試料の出し入れは 試料フォルダ-を 落とさないように 気をつけましょう. 原理 磁場中においてある物体内に流れる電子の 運動方程式を解くことにより,電荷キャリアの ホール係数とキャリア数を求められる. ホール係数: RH Ey jx B , ( ホール抵抗: H BR H Ey jx ) 磁場Bz 詳しくは,キッテル固体物理学上 : p174~185 参照 測定の流れ ・試料のセッティング ・装置に試料を入れる ・測定条件を設定(測定温度・磁場の強さ) ・測定 ・試料を取りだす ・ヘリウムセーバー起動 試料のつけ方,DATAの補正 五端子法 ホール抵抗: H BR H 電位差 Ey 試料 配線は試料の側面に金線を接触させ, スポットウェルドさせてから銀ペーストで固定させる jx x方向の断面積 y方向の幅 測定値 z方向の厚み 抵抗率: H 測定値 電流 : j x Ey Control Panel Quantum Design AC Transport PPMS 16 bit Tool Control Panel 試料環境の温度,磁場を管理するもの Quantum Design AC Transport 測定を制御,管理するもの Sequence File(Flow Chart みたいなもの) を作製し,電流の制御,抵抗の測定 温度管理,磁場管理などを命令する. 出し方 PPMS 16 bit Tool ショートカット PPMS のアイコンをクリック Quantum Design AC Transport 立ち上げると self check が始まる. 1分程度待つ. Control Panel Control Panel Temperature Purge/Seal Stable を確認 Set Point K 気圧を下げて Heで置換し 空気の分圧を 下げる 目的の温度 を設定 Vent Cont 気圧を 大気圧にする Rate K/min 温度を変化させる 速度. 20以下にする 普段は5に設定 試料環境の 気圧 Field Oe Set Point Oe 磁場.Persistent を確認 目的の磁場を設定 試料の出し入れ 300 K , stable , 磁場0(1Oe以下), persistent を確認する Vent Cont を押して黒ドラム缶の蓋を空ける. (Floodingを確認してから空ける) 試料を入れる.または出す.試料を落とさないように! 黒ドラム缶の蓋を締めたら Purge/Sealを行う. 空気の分圧を下げる.(3回程度) (黒ドラム缶への配線がACになっていることを確認) Quantum Design AC Transport View Edit Manager File Macro 交流の電流値や振動数などの設定. 今までは 166,Resistivity on Chan 1,2 using 10mA , at 25 Hz for 2 sec を使用 測定準備 ・バランスを取る 300 K , 磁場0を確認 Q,D AC Transport >Manager>Balance を開く 10 mA にして,つまみで電圧の横方向のずれを補正 ( できれば測定温度にしてやると尚良い ) ・Sequence File の作製 忘れた,名大の人に聞いて ・保存 Data File の作製 Q,D AC Transport > File > New Sample or data File を開く.名前を書いて測定毎にファイルを作る. 測定開始 Control Panel > File > Run を開く File > Downroad Sequence File or O…. を開く Sequence File を開く. File はフォルダnit 以下に保存 測定を開始する場合はRun , 途中で止める場合はAbort (測定を開始したらControl Panelは消す. ) 測定終了 測定が終わったら, 300 K, 磁場0 にして試料を取り出す. その後また 3度, Purge/Seal しておく. He saver を起動させる 16 bit Tool > Gas Monitor > Confine > He saver (Shut Down) Heの節約,ゆっくり温度が下がっていく Data Fileの取りだし 16 bit Tool > export.exe を開く 必要なdata Fileを選択して, 必要なdata をcheck し, export(拡張子を .exe にする)して,フロッピーなどに保存する. 注意点 試料フォルダを黒ドラム缶の中へ 落とさないように! 端子付けをかなりきれいに行わないと Dataがきたなくて使い物にならない. 端子付けは前日にやりましょう 半日ぐらい格闘すると多分うまくなる. 生田先生が実験室の管理者です. 積極的に挨拶して自己紹介しましょう. 水谷研の人とも仲良くしましょう がんばってね~ END
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