240 消化管上皮腫瘍形成における亜鉛トランスポーターの役割の解析

ID No.
240
研究課題名
消化管上皮腫瘍形成における亜鉛トランスポーターの役割の解析
研究代表者
大橋
若奈
(富山大学大学院・助教)
受入教員
渡会
浩志
(東京大学医科学研究所・特任准教授)
研究分担者
長谷
耕二
(東京大学医科学研究所・客員教授)
古澤
之裕
(東京大学医科学研究所・客員研究員)
研究組織
研究報告書
ヒト消化管腫瘍組織において、亜鉛トランスポーターの発現が亢進していることを
見出した。当該亜鉛トランスポーターはマウス小腸においては、絨毛に比して陰窩に
おける発現が高く、マウス由来の腸陰窩細胞サブセットにおいて、マクロアレイデー
タの解析を行い亜鉛トランスポーターの機能、特に細胞内ストレス応答への関与につ
いて着目し検討したところ、亜鉛トランスポーターの欠損により、腸陰窩細胞サブセ
ットの中で、特に細胞周期の速い細胞において細胞内ストレスの増大が強く見られた。
このことから、亜鉛トランスポーターは増殖に付随して生じる細胞内ストレス応答の
制御を介して、細胞増殖を促進している可能性が高いと考えられる。以上の事は、亜
鉛トランスポーターは増殖に付随して生じる細胞内ストレス応答の制御を介して、細
胞増殖を促進していることを示唆している。現在、これらの研究結果を論文としてま
とめ、投稿中である。