2016年3月期 年次報告書

株主の皆様へ
年次報告書
( 2015 年 4 月 1 日∼ 2016 年 3 月 31 日)
1
トップメッセージ
13
NEWS FLASH
5
セルフメディケーション事業
15
連結業績概況
9
医薬事業
18
株式の状況・会社概要
トップメッセージ
Message
あなたの、健康のそばに。
これからも、生活者の皆様の健康で
より豊かな暮らしの実現に貢献してまいります。
代表取締役社長
上原
明
株主の皆様には 、ますますご清栄のことと拝察申し上げ
ます。
大正製薬グル ープは 、
「 健康と美を願う生活者に納得し
大正製薬グループの使命
ていただける優 れた 医 薬 品・健 康 関 連 商 品 、情 報 及 び
(ミッション)
サービスを、社会から支持される方法で創造・提供するこ
健康と美を願う生活者に納得していただける優れた
とにより、社会へ貢献する」を使命として、事業を展開して
医薬品・健康関連商品 、情報及びサービスを、社会
います。
から支持される方法で創造・提供することにより、
大正製薬ホールディングス株式会社(以下、当社)
は、グ
社会へ貢献する
ループ全体の統括会社として充実したコー ポレート・ガバ
ナンスと徹底した品質管理のもと、経営資源の効果的な配
分を行い、競争力の強化と持続的な成長を目指します。
※ 当報告書の文中の金額については、億円未満を四捨五入して表記しています。
1
株主の皆様へ
大正製薬ホールディングス株式会社
2016 年 3 月期の事業概況
となりました。骨粗
医薬事業は 1,094 億円(同 4.2%減)
2016 年 3 月 期( 2015 年 4 月 1 日 から2016 年 3 月 31 日ま
鬆症治療剤の「エディロール」と「ボンビバ」が引き続き好
で)のグループ全 体の売 上 高は 2,901 億円(前 期 比 0.1 %
調に推移し、β-ラクタマーゼ阻害剤配合抗生物質製剤「ゾ
減)
となりました。
シン」は期中に後発医薬品の発売があったものの前期比微
事業別の売上高は、セルフメディケーション事業が1,807
増となりました。また 、2016 年 1 月に新発売した経皮吸収
億円(同 2.5%増)、そのうち日本国内につきましては、売上
型鎮痛消炎剤「ロコアテープ」が売上に寄与しました。一
高が 1,481 億円(同 1.7%増)
となりました。ドリンク剤「リポ
方 、市 場 拡 大 の 遅 れが 響 いた 2 型 糖 尿 病 治 療 剤「ル セ
ビタンシリーズ」は市場のダウントレンドと夏場の天候不順の
フィ」、後発医薬品の影響を受けたマクロライド系抗生物質
影響により前期を下回りました。総合かぜ薬等の「パブロン
製剤「クラリス」と末梢循環改善剤「パルクス」は前期比マ
シリーズ」は暖冬の影響等があり前期比マイナス、発毛剤等
イナスとなりました。
の「リアップシリーズ」は継続ユーザーの拡大と新製品効果
利益面につきましては、売上総利益の減少、及び主にセル
があり前期を上回りました。また、海外におきましては 、為
フメディケーション事業への投資による広告宣伝費の増加等
替の影響等もあり、299 億円(同 6.9% 増)
となりました。
で販売費及び一般管理費が増加したことにより、営業利益は
大正製薬グループ体制図
( 2016 年 3 月 31 日現在)
大正製薬ホールディングス
100.0%
大正製薬
トクホン
64.0%
ビオフェルミン製薬
55.0%
34.0%
大正富山医薬品
45.0%
子会社・関連会社
富山化学工業※
24.1%
養命酒製造※
数値:出資比率
※ 持分法適用関連会社
2
株主の皆様へ
大正製薬ホールディングス株式会社
289 億円(同 9.7%減)、経常利益は 368 億円(同 7.1%減)、
親会社株主に帰属する当期純利益は 225 億円(同 8.4%減)
目処とします。なお、この配当性向が 30%を超えるような場
となりました。
間配当を維持する予定です。
合にも、特段の事情がない限り、最低 1 株当たり100 円の年
当期につきましては 、1 株当たりの配当金は年間 100 円
株主還元について
(中間 50 円、期末 50 円)
とさせていただきました。次期につ
当社は、安定的な配当を継続するとともに、企業体質の強
きましては 、配当方針に基づき、1 株当たり年間 110 円(中
化を図るため、内部留保の充実にも努めています。内部留保
間 50 円、期末 60 円)
を予定しています。
金は、競争力の強化と事業の拡充・発展を目的とした投資等
に充当していきます。また、これらの資金需要を総合的に見
大正製薬グループの今年度の取り組み
極めながら、資本効率の向上と機動的な財務政策の実現を
大正製薬グループでは、セルフメディケーション事業と医
目的とした自己株式の取得を弾力的に実施していく予定です。
薬事業をバランスよく成長させながら収益基盤を強固にし、
配当方針としては 、各期の連結業績に概ね対応すること
企業価値の最大化を目指しております。
とし、特別損益を除いた当該期純利益の 30%を配当性向の
セルフメディケーション事業の国内においては、需要を創
2 つの事業を両輪に事業を展開
セルフメディケーション事業
62.3%
連結売上高
医薬事業
290,135百万円
37.7%
(2016 年 3 月期)
3
株主の皆様へ
大正製薬ホールディングス株式会社
売上高
造し、強いブランド作りのための活動を強化するため、生活
(億円)
者の健康意識の高まりやニーズの変化に対応した新たな領
4,000
域、新しいコンセプトの商品開発・育成に努めていきます。
3,000
4,000
また、マーケティングと営業活動の連動を高め、生活者との
2,000
3,000
4,000
1,000
2,000
3,000
4,000
接点を拡大し、通信販売等の新しいチャネル拡充による直
0
1,000
2,000
3,000
接のコミュニケーション強化を行っています。
2012
2013
2014
2015
2,901
2,850
2,901
2,850
2,901
2,850
2,901
2,850
2016
2017
(予想)
0
1,000
2,000
営業利益
海外においては、進出している全ての地域において上位ポ
0
1,000
600
(億円)
ジションの獲得を目指すため、東南アジアを中心とした成長市
0
600
400
場で事業展開を引き続き強化し、ラインエクステンションなどに
600
400
200
600
400
200
0
400
200
0
よる中間所得層をターゲットにした製品の開発・育成に注力し
ます。また、中長期的な成長基盤の獲得へ向けて、新たな国・
OTC 医薬品以外の領域への展開にも取り組んでいきます。
2012
2013
2014
2015
289
295
289
295
289
295
289
295
2016
2017
200
0
400
親会社株主に帰属する当期純利益
(予想)
医薬事業においては、ルセフィ及びロコア等の新薬の売上
0
300
400
(億円)
225
240
最大化を図るとともに、継続的な新薬上市に向けた取り組み
200
300
400
225
240
100
200
300
400
225
240
0
100
200
300
225
240
を強化していきます。また外部研究機関との連携を強化しオ
リジナル開発候補物質の確保と、積極的な導入活動によるパ
0
100
200
イプライン
(開発品のラインアップ)
の充実を図っていきます。
0
100
150
医薬品業界をとりまく事業環境は厳しさを増しています
2012
2013
0
150
1100
株当たり配当金/配当性向
が 、当社グループは環境の変化に機敏に対応するため 、グ
150
(円)
100
50
150
100
50
0
100
50
0
ループ経営管理体制のさらなる強化に努め、グループ全体
の総合力の向上を図っていきます。
株主の皆様には 、今後とも一層のご理解とご支援を賜り
2015
2016
100
1 株当たり配当金(左軸)
100
36.0
100
36.0
100
2017
110
(予想)
110
配当性向
(右軸)
36.6
110
36.6
110
36.0
36.6
36.0
36.6
50
0
ますよう、お願い申し上げます。
0
120
120
80
(120
%)
80
40
120
80
40
0
80
40
0
40
0
2012
2013
2014
2015
2016
2017
(予想)
0
※1 各グラフの横軸は、3 月31 日終了の事業年度を示しています。
代表取締役社長
は、大正製薬の中間配当12 円を換算した40 円と、大正製薬ホールディングスの
※2 2012 年 3 月期通期の配当金 (90 円)
上原 明
期末配当50 円の合計額です。
は、大正製薬の創業 100 周年を記念した配当を含みます。
※3 2013 年 3 月期通期の配当金(120 円)
4
株主の皆様へ
2014
大正製薬ホールディングス株式会社
セルフメディケーション事業
Self-Medication
2016 年 3 月期の事業概況
当期の売上高は 、1,807 億円(前期比 2.5% 増)
となりま
した。
国内事業につきましては 、ドリンク剤などの一部カテゴ
リーで前期を下回ったものの、ほとんどのカテゴリーで消費
税増税前の影響を受けた前期に比較してプラスとなり、全
体としては 1,481 億円(同 1.7% 増)
となりました。
ドリンク剤「リポビタンシリーズ」は 、主力の「リポビタン
D 」が前期を下回り、シリーズ全体では 605 億円(同 2.5%
生活者の健康意識の高まりや変化に対応した
新領域・新コンセプトの商品開発へ積極的に取り組む
減)
となりました。
「パブロンシリーズ」は、主力の総合かぜ
薬や鼻炎治療薬がともに前期比マイナスとなり、シリーズ
ドリンク剤「リポビタン」、かぜ薬「パブロン」、発毛剤「リアップ」
など多くの
トップブランドを持ち、この分野で国内の市場をリードしています。
1,807億円
売上高
284億円
営業利益
(前期比 2.5% 増)
(百万円)
(前期比 8.6% 減)
(百万円)
180,722
200,000
40,000
2,721
29,875
28,393
30,000
150,000
20,000
100,000
148,125
10,000
50,000
0
国内 2012
海外 2013
2014
2015
0
2016
2012
2013
その他
※ 各グラフの横軸は、3 月31 日終了の事業年度を示しています。
5
株主の皆様へ
大正製薬ホールディングス株式会社
2014
2015
2016
全 体では 248 億 円(同 1.5% 減)となりました。発 毛 剤「リ
主要ブランド売上構成比(2016 年 3 月期)
アップシリーズ」は堅調に推移し、シリーズ全体で 165 億円
※ 百万円単位で計算
(同 10.9% 増)
となりました。また、海外事業につきまして
は、アジアを中心に展開中の OTC 医薬品が堅調に推移し、
リポビタンシリーズ
299 億円( 6.9% 増)となりました。
その他
43.7%
国内での取り組み
売上高
1,807億円
(ドリンク剤)
33.5%
国内のセルフメディケーション事業につきましては、
「需要
を創造し、強いブランドを作る」ことに継続して取り組んでい
ます。市場調査から導き出されたデータ等を踏まえ、生活者
リアップシリーズ
のニーズやポテンシャルがあると判断した領域に対応した新
(毛髪用剤)
製品を開発しています。また開発した製品は、マーケティン
9.1%
パブロンシリーズ
(総合かぜ薬・鼻炎治療薬)
13.7%
グと営業活動との連動性を高め 、生活者との接点拡大に向
けたコミュニケーションを強化するとともに、売上の維持・拡
での「 X5 プラス」発売等により、主力ブランドの売上維持・
大を通じ、生活者から支持される強いブランドへの育成に注
拡大に取り組み、一定の成果が得られたと考えています。ま
力しています。2016 年 3 月 期については、
「リポビタンシ
た、エナジードリンク「 RAIZIN(ライジン)」やダイエットサ
リーズ」での各種限定ボトルの販売や 、
「リアップシリーズ」
ポート飲料「コバラサポート」といった製品を発売・育成する
ことで、新たに拡大してきたニーズへの対応と新しいコンセ
プトの提案による需要創造に取り組んできました。広く生活
者視点でニーズを捉えてみると、市場ポテンシャルとして獲
得できる余地が大きく、事業を成長させていくチャンスは十
分にあると考えています。引き続き、今年度も「需要を創造
し、強いブランドを作る」取り組みを一層強化・加速させ 、
「リポビタンシリーズ」
各種限定ボトル
OTC 医薬品に限らず、食品・化粧品・衛生雑貨等、健康領
域を幅広く捉え、事業を成長させていきます。
6
株主の皆様へ
大正製薬ホールディングス株式会社
海外での取り組み
引き続き、持続的な成長の実現に向け事業展開を一層強
海外事業につきましては、人口増加及び経済成長により
化し、外 用 消 炎 鎮 痛 薬「 Counterpain 」、解 熱 鎮 痛 薬
今後も市場の成長が見込まれる東南アジア地域で 、事業の
「 Tempra 」といったブランドの拡充や、さらなる拡大が見込
強化に取り組んでいます。
める中間所得層をターゲットとした製品展開にも注力してい
2009 年 の 本 格 進 出 の 際 に 取 得した 有 力 なプ ラット
きます。また、中長期的な成長基盤の獲得に向け、新たな国
フォームを活用し、インドネシア、タイ、マレーシア、フィリピ
や領域への展開にも積極的に取り組み 、進出している全地
ンを中心とした事業を展開しています。2016 年 3 月期は、か
域における医薬品メーカーとしての上位ポジション獲得を目
ねてより目標としていた、連結売上高比率 10%を達成するこ
指していきます。
とができました。
海外事業の主要製品
7
株主の皆様へ
大正製薬ホールディングス株式会社
NEW
新製品のご紹介
コパトーン パーフェクト
UV カットミルク
(化粧品)
RAIZIN Green Wing
(ライジン グリーンウイング)
(エナジードリンク)
コバラサポート
グレープフルーツ風味
(清涼飲料水)
2016 年 2 月発売
2016 年 3 月発売
2016 年 3 月発売
日焼けを知り尽くしたUV ケアブラン
エナジードリンク
「 RAIZIN(ライジ
空腹時のおなかの中でふくらむ飲料
ド
「コパトーン」から、各スキンタイプに
ン)」の新フレーバー「 RAIZIN Green
「コバラサポート グレープフルーツ風
適したうるおい保護成分を新しく配合
Wing(ライジン グリーンウイング)」を
味」を、全国の主要コンビニエンスストア
した「コパトーン パーフェクトUVカット
発売しました。強炭酸で飲みごたえのあ
と大正製薬のオンラインショップである
ミルク」を発 売しました。
「コパトーン
る爽快なフレーバーとなっています。缶
大正製薬ダイレクトにて発売しました。
パーフェクトUVカットミルク」は、日本
を開けると爽やかな香りが立ち上がり、 「コバラサポート ゆず風味、りんご風
人の肌の焼け方が人により異なること
ほのかな甘みとキレのある酸味が口の
味」に続き、
「コバラサポート グレープ
に注目して開発した、自分のスキンタイ
中に心地よく広がります。また、亀梨和
フルーツ風味」を発売することにより、
プに合わせて3 種類(Ⅰ∼Ⅲ)
から選べる
也さんが CMキャラクターを務 める、
味の違いを楽しみながらカロリーをマネ
日焼け止 め 製 品です。レジャー やス
ジメントしていただけるよう、皆様の日々
ポーツなどのアクティブなシーンで、よ
TVCM「 CHANGE GREEN 」篇(15
秒)
を、2016 年 4 月から全国でオンエア
り快適にお使いいただけるよう、日焼け
しました。
の健康生活をサポートしていきます。
止め効果とウォータープルーフ機能を
強化しました。
8
株主の皆様へ
大正製薬ホールディングス株式会社
医薬事業
Prescription Pharmaceutical
2016 年 3 月期の事業概況
当期の売上高は 、1,094 億円(前期比 4.2% 減)
となりま
した。
β-ラクタマーゼ阻害剤配合抗生物質製剤「ゾシン」は適
応追加ならびに2015 年 6 月発売の「ゾシン配合点滴静注用
バッグ 4.5 」が寄与し、273 億円(同 1.4% 増)
となりました。
活性型ビタミンD 3 製剤の骨粗鬆症治療剤「エディロール」は
198 億円(同 15.7% 増)、ビスホスホネート系骨粗鬆症治療
剤「ボンビバ」は 49 億円(同 36.5% 増)
と順調に伸長しまし
オリジナリティの高い新薬の研究開発に一層注力
きめ細かい情報提供を確実に行う
た。一方、マクロライド系抗生物質製剤「クラリス」、末梢循
環改善薬「パルクス」は後発医薬品の影響などによりそれぞ
重点領域での研究開発を進めるとともに、販売・マーケティングにおいて
は新薬の売上最大化を中心に展開しています。
1,094億円
売上高
18億円
営業利益
(前期比 4.2% 減)
(百万円)
(前期比 15.5% 減)
(百万円)
109,413
120,000
6,000
792
1,405
90,000
4,000
60,000
107,215
1,755
2,000
30,000
0
医療用医薬品 2012
中間製品等 2013
2014
2015
0
2016
2012
2013
工業所有権等使用料収益
※ 各グラフの横軸は、3 月31 日終了の事業年度を示しています。
9
株主の皆様へ
大正製薬ホールディングス株式会社
2014
2015
2016
れ 120 億円(同 10.9% 減)
、62 億円(同 11.9% 減)
となり、2
主要製品売上構成比(2016 年 3 月期)
型糖尿病治療剤「ルセフィ」は9 億円(同63.0% 減)
と前期を
※ 百万円単位で計算
下回りました。また、2016 年 1 月に経皮吸収型鎮痛消炎剤
「ロコアテープ」を発売しました。その結果、医療用医薬品の
ゾシン
売上高は、全体で 1,072 億円(同 3.9% 減)
となりました。
中間製品等の売上高は 14 億円、工業所有権等使用料収
1,094億円
41.4%
益は 8 億円となりました。
25.0%
売上高
その他
医薬事業の取り組み
エディロール
医薬事業につきましては、引き続き新薬の売上早期最大
化と、継続的な新薬の上市へ向けた効率的な研究開発体制
の構築に取り組んでいます。
ボンビバ
クラリス
4.5%
11.0%
販売面では 、営業効率の向上を図るとともに、きめ細か
い情報提供を確実に行うことにより、
「ルセフィ」、
「ロコア
テープ」等 、新薬の売上早期最大化に努めていきます。
研究開発面では 、現在開発中にある化合物の早期承認
取得を目指すとともに、国内外の企業からの有望な新薬候
補品の導入を積極的に行い、パイプライン強化を図っていき
2 型糖尿病治療剤「ルセフィ錠」
ます。
また、オリジナル新薬の創出を強化するために、新技術の
導入や産学連携など外部研究機関との連携強化にも取り組
んでいきます。
経皮吸収型鎮痛消炎剤
「ロコアテープ」
10
株主の皆様へ
大正製薬ホールディングス株式会社
18.1%
開発品の状況
関節リウマチの新規抗体薬「 TS-152」を海外の企業から導入
医薬事業では 、国際的に通用する革新的な新薬を創出
しました。この候補品は、非臨床試験において患部への集積
し、医 療の現 場に新たな治 療の選 択 肢を提 供するため 、
性を向上させていることが確認されています。
大正製薬グループ内における研究開発力の強化に努めてい
「精神疾患」の領域で 、
「 TS-091 」は国内において中枢
ます。
性過眠症に対する臨床試験を実施中で、海外でもフェーズ 1
大正製薬では、
「感染症」
「整形外科疾患」
「精神疾患」
での開発を進めています。
「 TS-121 」はうつ病の治療薬と
「 代謝性疾患」の 4 つの疾患領域を研究開発の重点領域と
して 、また「 TS-134 」は統合失調症の治療薬として 、海外
位置付け 、資源を集中させることで 、早期上市に向けた取
でフェーズ 1 の臨床試験を行っています。
り組みを行っています。
新薬創製の競争が激しくなる中で 、重点領域を中心に多
2016 年 3 月期は「整形外科疾患」領域の「 TT-063(ロコア
くの新薬を創出するため、社外の研究機関や国内外の企業
テープ)」
「 CT-064(ボンビバ錠)」について、厚生労働省から
と共同して研究開発を実施し、パイプラインの充実に努めて
製造販売承認を取得しました。これら新薬に続く候補品として、
います。
( 2016 年 5 月 16 日現在)
開発コード
剤形
予定適応症
開発形態
TS-091
経口
中枢性過眠症
自社
TS-152
注射
関節リウマチ
自社
TS-141
経口
小児注意欠如・多動性障害( AD/HD )
自社
TS-071
経口
2 型糖尿病
自社
TS-121
経口
うつ病
自社
TS-091
経口
中枢性過眠症
自社
TS-134
経口
統合失調症
自社
特徴
備考
抗 TNF α※抗体
一般名:Ozoralizumab( Ablynx 社から導入)
ナトリウム・グルコース
共輸送体 2( SGLT2)阻害作用
一般名:ルセオグリフロジン水和物
国 内:2014 年 5 月発売
(製品名:
「ルセフィ 」)
国内
フェーズ 2
海外
フェーズ 1
※TNFα:腫瘍壊死因子α
11
株主の皆様へ
大正製薬ホールディングス株式会社
NEW
新製品のご紹介
ロコアテープ
ボンビバ錠
(経皮吸収型鎮痛消炎剤)
(骨粗鬆症治療剤)
2016 年 1 月発売
2016 年 4 月発売
「ロコアテープ」は、大正製薬とトクホンが共同開発したエス
「ボンビバ錠」は、中外製薬(株)
と共同開発したビスホス
フルルビプロフェン含有外用消炎鎮痛貼付剤で、
「変形性関節
ホネート製剤で、既に発売している骨粗鬆症治療剤「ボンビ
症における鎮痛・消炎」を効能・効果として、2016 年 1 月に
バ静注」の経口剤です。2016 年 4 月に大正富山医薬品と中
大正富山医薬品と帝人ファーマ
(株)
から発売しました。
外製薬(株)
から発売しました。
変 形 性 関 節 症の国内の患 者 数は、変 形 性 膝 関 節 症で
「ボンビバ錠」は、フェーズ 3 の臨床試験では、年齢 55 歳
2,400 万人、変形性腰椎症で3,500 万人と推定され、およそ
3 割に疼痛症状がみられるとされており、疼痛は QOL(生
以上の骨粗鬆症患者さん 422 名を対象に試験を行い、有効
性について「ボンビバ静注」に対する非劣性を確認しました。
活の質)
を低下させる大きな要因となっています。
国内の骨粗鬆症の患者数は現在約 1,280 万人以上と推定
「ロコアテープ」は、変形性膝関節症の患者さんに対し、
されており、骨量を増やし骨折の発生を抑制する薬剤が求め
フルルビプロフェン水 性 貼 付 剤を対 照 薬として実 施した
られています。
「ボンビバ錠」と「ボンビバ静注」は、患者さん
フェーズ3 の臨床試験で、1 日1 回の貼付により椅子から立ち
の治療への積極的参加の向上と、状況に合わせた投与経路
上がる時の膝の痛みを有意に改善しました。また、安全性に
の選択を可能にする骨粗鬆症治療剤として開発を進めてきま
ついては、52 週間の長期投与試験で、変形性関節症の患者
した。
さんに対して良好な忍容性が認められました。
12
株主の皆様へ
大正製薬ホールディングス株式会社
NEWS
FLASH
CSR の取り組み
糖尿病の予防・治療・療養の啓発活動
生活者との双方向コミュニケーション
大正富山医薬品では、日本糖尿病協会とコラボレーション
大正製薬では、各種展示会への出展やサンプリングイベン
し、世界糖尿病デーに合わせ、2015 年 11 月3 日から15 日に
トの実施等、生活者との双方向コミュニケーションに取り組ん
大阪市内を走るJR 西日本 大阪環状線の車体に、世界糖尿
でいます。
「リポビタンD 」については製造工程における厳し
病デー公式ポスターのビジュアルを掲示し、糖尿病の啓発活
い品質管理を紹介したパネルを展示したり、
「コパトーン」に
動を実施しました。
ついては紫外線ケアの啓発と商品特徴について説明したり、
日本糖尿病協会では、2015 年の啓発テーマを「ライフス
生活者の皆様への情報提供を通じ、商品価値を正確に分か
テージにあわせた糖尿病治療」に設定し、全国的な啓発活
りやすく伝えるよう努めています。また、会場等で頂戴した
動を様々な世代に向けた情報発信を目的に実施しており、当
声は社内で共有することにより、製品改良や商品開発の参
社グループでもこの活動に賛同し、2014 年度に引き続き参
考とさせていただいています。
加しました。
国内で糖尿病が強く疑われる人は、現在約 900 万人と推
定されています。当社グループでは今後も、糖尿病を正しく
理解し治療にあたっていただくため、医療関係者ならびに生
活者の皆様へ情報発信を行っていきます。
2015 年 7 月東京ビッグサイト
「夏休み 2015 宿題・自由研究大作戦」
2015 年 7 月~8 月 神奈川県・鎌倉中央海水浴場
13
株主の皆様へ
大正製薬ホールディングス株式会社
コー ポレート・ガバナンス
テレビ CM
コー ポレート・ガバナンス報告書を
更新しました
広告宣伝活動
当社は、企業使命を実現するためにコーポレート・ガバナ
大正製薬では、リポビタンシリーズをはじめとする主力ブ
ンスの充実を経営上の重要な課題の一つとして位置付け、
ランドのほか 、新規ブランド育成のため各種広告を実施して
当社及びグループ各社の事業と業務の執行状況に関する監
おります。
「リポビタンD 」については、新規ユーザーを開拓
視・監督活動を適切に行い 、グループ全体を的確に経営管
するため、身近な商品として飲用いただけるよう各種スポーツ
理していく仕組みを構築しています。具体的には、当社の取
をテーマとした CMを放映しています。また、
「リアップ X5
締役会と監査役・監査役会とが緊密な連携をとるとともに、
プラス」に関しては、
「 1 日2 回、4ヵ月」の適正使用を啓発す
当社とグループ各社の経営管理機関との相互の情報伝達を
るメッセージを伝達しています。各ブランドサイトにもCM 情
通じて、グループ全体を適切に経営管理していくことを基本
報を掲載していますので、ぜひご覧ください。
に企業統治の体制を整備し、適正に運用することにより、グ
ループ全体の事業目的の達成と社会的責任を果たすことを
基本的な考え方としています。
この基本的な考え方に沿った、当社のコーポレート・ガバ
ナンス報告書を2015 年 11 月 20 日に更新しました。
リポビタンD 「ラグビー日本代表応援」篇
リアップ X5プラス 「巨大文字」篇
大正漢方胃腸薬 「フードハンター・ちゃんこ鍋」篇
コパトーン 「お揃いじゃダメソング」篇
報告書の内容は、下記の当社ホームページに開示してい
ます。
http://www.taisho-holdings.co.jp/about/governance/
14
株主の皆様へ
大正製薬ホールディングス株式会社
連結業績概況
Consolidated Business Results
売上高
営業利益/営業利益率
(百万円)
親会社株主に帰属する当期純利益
(百万円)
400,000
290,135
300,000
( %)
50,000
100
40,000
80
(百万円)
40,000
30,000
28,878
30,000
60
20,000
40
200,000
20,000
100,000
0
22,473
10,000
2012
2013
2014
2015
2016
0
2012
営業利益(左軸) 事業別研究開発費
20
10.0
2013
2014
2015
0
2016
2012
2013
2014
2015
2016
1 株当たり配当金/配当性向
(百万円)
30,000
0
営業利益率(右軸)
純資産/自己資本比率
(百万円)
10,000
( %)
643,127
700,000
100
(円)
( %)
150
120
82.9
100
20,000
100
16,270
350,000
80
50
36.0
10,000
0
50
5,497
2012
2013
セルフメディケーション事業 2014
2015
2016
医薬事業
0
2012
純資産(左軸) 2013
2014
2015
2016
自己資本比率(右軸)
0
0
40
2012
※1 各グラフの横軸は、3 月31 日終了の事業年度を示しています。
は、大正製薬の中間配当12 円を換算した40 円と、大正製薬ホールディングスの期末配当50 円の合計額です。
※2 2012 年 3 月期通期の配当金(90 円)
は、大正製薬の創業 100 周年を記念した配当を含みます。
※3 2013 年 3 月期通期の配当金(120 円)
当社ホームページ上の「株主・投資家の皆さまへ」
もあわせてご覧ください
15
株主の皆様へ
2013
1 株当たり配当金(左軸) 大正製薬ホールディングス株式会社
2014
2015
配当性向(右軸)
2016
0
連結損益計算書(要旨)
(単位:百万円)
科目
1
2
3
当連結会計年度
(2015 年 4 月 1 日から
2016 年 3 月 31 日まで)
売上高
290,498
290,135
売上原価
112,240
113,143
売上総利益
178,258
176,991
返品調整引当金繰入額
(△は戻入額)
9
178
販売費及び一般管理費
146,273
147,935
31,974
28,878
営業外収益
7,788
8,068
営業外費用
186
170
経常利益
39,576
36,775
特別利益
1,035
19
特別損失
448
985
税金等調整前当期純利益
40,162
35,809
法人税等
14,102
11,927
営業利益
非支配株主に帰属する
当期純利益
4
前連結会計年度
(2014 年 4 月 1 日から
2015 年 3 月 31 日まで)
親会社株主に帰属する
当期純利益
1
1,408
24,528
22,473
0.1%減
売上高は 2,901 億円で前期比 4 億円(0.1% )減少。
事業別の内訳は以下の通り。
セルフメディケーション事業
医薬事業
2
1,531
売上高
営業利益
9.7%減
営業利益は 289 億円で同 31 億円(9.7% )減少。
販売費及び一般管理費の主な増減要因は以下の通り。
(前期比)
研究開発費 2 億円 増加
広告宣伝費 22 億円 増加
販売促進費 6 億円 減少
3
経常利益
人件費
その他
2 億円 増加
4 億円 減少
7.1 %減
経常利益は 368 億円で同 28 億円(7.1% )減少。
主な要因は 、広告宣伝費、研究開発費の増加などで販売費及び一般管理
費が増加したことにより、営業利益が減少したことによるもの。
4
親会社株主に帰属する当期純利益
8.4%減
親会社株主に帰属する当期純利益は、225 億円で同21 億円(8.4%)
減少。
主な要因は営業利益が減少したことによるもの。
※ 枠内は、億円未満を四捨五入した金額を表示しています。
16
株主の皆様へ
1,807 億円(同 44 億円増加)
1,094 億円(同 48 億円減少)
大正製薬ホールディングス株式会社
連結貸借対照表(要旨)
連結キャッシュ・フロー計算書(要旨)
(単位:百万円)
科目
前連結会計年度
(単位:百万円)
当連結会計年度
科目
(2015 年 3 月 31 日現在) (2016 年 3 月 31 日現在)
資産の部
流動資産
289,081
319,670
固定資産
479,010
439,379
有形固定資産
100,366
98,950
無形固定資産
45,244
38,863
投資その他の資産
333,399
301,565
資産合計
768,092
759,049
流動負債
64,230
66,646
固定負債
50,619
49,275
負債合計
114,849
115,922
597,332
600,862
42,424
28,029
負債の部
その他の包括利益累計額
新株予約権
298
357
13,186
13,878
純資産合計
653,242
643,127
負債・純資産合計
768,092
759,049
非支配株主持分
当連結会計年度
(2015 年 4 月 1 日から
2016 年 3 月 31 日まで)
5
営業活動による
キャッシュ・フロー
33,714
43,058
6
投資活動による
キャッシュ・フロー
△ 18,162
△ 11,662
7
財務活動による
キャッシュ・フロー
△ 9,443
△ 19,525
現金及び現金同等物に
係る換算差額
1,031
△ 640
現金及び現金同等物の
増減額(△は減少)
7,139
11,229
現金及び現金同等物の
期首残高
136,134
143,039
△ 235
̶
143,039
154,268
連結除外に伴う現金及び
現金同等物の減少額
現金及び現金同等物の
期末残高
純資産の部
株主資本
前連結会計年度
(2014 年 4 月 1 日から
2015 年 3 月 31 日まで)
5
営業活動によるキャッシュ・フロー
税金等調整前当期純利益が 358 億円あったことなどにより、営業活動に
よって得られた資金は 431 億円となった。
6
投資活動によるキャッシュ・フロー
投資有価証券の取得による支出が111 億円あったことなどにより、投資
活動によって使用した資金は 117 億円となった。
7
財務活動によるキャッシュ・フロー
自己株式の取得による支出が101 億円あったことなどにより、財務活動
によって使用した資金は 195 億円となった。
※ 枠内は、億円未満を四捨五入した金額を表示しています。
17
株主の皆様へ
大正製薬ホールディングス株式会社
株式の状況・会社概要
Investor Information / Corporate Data
株式の状況(2016 年3月31日現在)
会社概要(2016 年3月31日現在)
発行可能株式総数
普通株式 360,000,000 株
商号
発行済株式総数
普通株式 90,139,653 株
100 株
26,978 名
主な事業内容
単元株式数
株主数
株主名
一般用医薬品、食品、雑貨等の製造、販売及
び医療用医薬品の製造、販売等を行う子会社
等の経営管理及びそれに付帯又は関連する業
務を担う持株会社
会社設立
大株主
公益財団法人上原記念生命科学財団
大正製薬ホールディングス株式会社
株数 ( 千株 )
資本金
持株比率(%)
本店所在地
2011 年 ( 平成 23 年 )10月
300 億円
〒170-8655
東京都豊島区高田三丁目24 番 1 号
12,900
16.13%
上原 昭二
9,974
12.47%
公益財団法人上原美術館
3,900
4.88%
株式会社三井住友銀行
3,000
3.75%
株式会社三菱東京 UFJ 銀行
3,000
3.75%
上原 明
2,143
2.68%
住友化学株式会社
代表取締役社長
上原 明
2,109
2.64%
鹿島建設株式会社
1,650
2.06%
取締役副社長
上原 茂
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社 ( 信託口)
1,550
1.94%
取締役相談役
大平 明
1,530
1.91%
取締役
上原 健
取締役
藤田 憲一
取締役
亀尾 一弥
取締役
渡邊 哲
取締役(社外)
森川 敏雄
取締役(社外)
植村 裕之
監査役
佐々木 賢明
監査役
小林 久二
監査役(社外)
青井 忠四郎
監査役(社外)
佐藤 順哉
役員一覧(2016 年6月29日現在)
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社
( 三井住友信託銀行再信託分・住友化学株式会社
退職給付信託口)
※ 株数は千株未満を切り捨てています。
※ 持株比率は自己株式 10,160 千株を除いて算出し、小数点第 3 位以下を四捨五入して表示しています。
所有者別株式分布状況
個人・その他
29.35%
金融機関
20.97%
金融商品取引業者
0.26%
外国法人等
10.56%
その他法人
38.86%
※ 持株比率は自己株式 10,160 千株を除いて算出し、小数点第 3 位以下を四捨五入して表示しています。
18
株主の皆様へ
大正製薬ホールディングス株式会社
株主メモ
Shareholders Information
事業年度
4 月1 日∼翌年 3 月31 日
ホームページのご案内
定時株主総会
毎年 6 月に開催いたします。
当 社 ホームページ では 、決 算 発 表 の 内 容、
期末配当の基準日
毎年 3 月31 日
ど、最新情報を随時更新しています。
中間配当の基準日
毎年 9 月30 日
株主名簿管理人および
特別口座の口座管理機関
三菱 UFJ 信託銀行株式会社
同連絡先
公告掲載 URL
新製品の発売のお知らせや新薬の開発状況な
http://www.taisho-holdings.co.jp/
〒137-8081
東京都江東区東砂七丁目 10 番 11 号
三菱 UFJ 信託銀行株式会社 証券代行部
(0120)-232-711
http://www.taisho-holdings.co.jp/
ただし、事故その他やむを得ない事由が生じた場合は、
東京都において発行する日本経済新聞に掲載いたします。
お知らせ
1. ご注意
(1)株主様の住所変更、配当金の振込みのご指定、買取請求その他各種お手
続きにつきましては 、原則、口座を開設されている口座管理機関(証券
(3)未受領の配当金につきましては 、三菱 UFJ 信託銀行本支店でお支払いい
たします。
会社等)
で承ることとなっております。口座を開設されている証券会社等
にお問合せください。株主名簿管理人(三菱 UFJ 信託銀行)
ではお取り扱
2. 配当金計算書について
いできませんのでご注意ください。
同封いたしております
「配当金計算書」は 、租税特別措置法の規定に基づき
(2)特別口座に記録された株式に関する各種お手続きにつきましては 、三菱
作成する
「支払通知書」を兼ねております。配当金をお受取になった後の配当
UFJ 信託銀行が口座管理機関となっておりますので、上記特別口座の口
金額のご確認や確定申告の資料としてご利用いただけます。なお 、配当金を
座管理機関(三菱 UFJ 信託銀行)にお問合せください。なお 、三菱 UFJ 信
証券口座でお受取(株式数比例配分方式)
の株主様は 、お取引のある証券会
託銀行全国各支店にてもお取次ぎいたします。
社へご確認ください。
大正製薬ホー ルディングス株式会社
〒170-8655 東京都豊島区高田三丁目24 番 1 号
TEL:03-3985-2020
http://www.taisho-holdings.co.jp/