「武蔵野市景観ガイドライン(検討素案) 」への意見に対する見解書 1 意見募集の概要 (1) 意見書の提出 募集期間:平成 28 年2月1日から 29 日まで 意見書数:13 通 (2) 市民意見交換会(計 48 名) 日時 場所 参加者 第1回 2月4日(木)午後7時~ 市役所 802 会議室 18 名 第2回 2月5日(金)午後7時~ 商工会館 18 名 第3回 2月6日(土)午前 10 時~ 市民会館 12 名 (3) 関係団体ヒアリング 下記団体に個別にヒアリングを行った。 NPO 市民まちづくり会議・むさしの 三鷹駅北口地区まちづくり準備会 西久保一丁目緑をまもるまちづくり協議会 武蔵野の森を育てる会 吉祥寺活性化協議会 武蔵野市中央地区商店連合会 武蔵境商店会連合会 武蔵野商工会議所 1 2 主な意見の要約 及び 市の見解 意見書、市民意見交換会及び関係団体ヒアリングでいただいた主な意見を要約し、 「武蔵野市景観ガ イドライン(素案)」の構成に沿って順番を並べ替えました。 ガ イ ド ラ イ ン 全 般 に つ い て 1 2 3 策 定 の 背 景 4 主な意見の要約 市の見解 ・景観ガイドラインは条例化すべき。ガイドラ インの誘導だけでは 100 年かかってしまうの で、せめて「景観は公共の福祉」という価値 観を周知し有効性を出していってほしい。 ・「景観は共有財産」なのではなく、「景観と は公共のもの」である。 ・景観整備の軸として、花による修景も重要で ある。 武蔵野市まちづくり条例を改正し、景観 協議を行っていきます。景観は市民の大 切な共通の資産として記述しました。 花による修景も、景観整備の軸として重 要なものであるため、例えば低層住宅地 の植栽に関する景観誘導基準は「道路に 面した部分など視認性が高い場所の積 極的な緑化を行い、緑や花の潤いを感じ るまち並みをつくる」と修正しました。 ・ガイドライン策定にあたり、商業関係者との 意見調整、ヒアリングが必要である。 検討素案の公表後に、商業者へのアンケ ートやヒアリングを実施しました。いた だいた意見を反映できるよう検討して いきます。 ・「景観とは」を説明する文がわかりにくい。 P.2 に、本ガイドラインにおける景観の 定義をわかりやすく修正しました。 位景 5 置観 付ガ けイ ド ラ イ ン の ・市民向けガイドラインの位置づけを明確にす べき。 P.4 に、「景観まちづくりの手引き」の 位置付けを示しています。市民向けのガ イドライン(景観まちづくりの手引き) は、市民の景観まちづくりを支援するも のと考えています。 の景 6 基観 本ま 姿ち 勢づ く り ・基本姿勢「市民の共有財産である緑豊かな景 観を守り、つくり、育む」は、緑に偏ってい ないか。 都市計画マスタープランにも示してい るとおり、緑は武蔵野市の大きな景観の 要素です。ただし、緑だけではなく総合 的な景観形成を図る必要があるため、基 本姿勢を修正しました。 の景 7 推観 進ま 体ち 制づ く り ・行政が、公共施設等によって良い景観を積極 的につくっていくという考えを示し、国や都 へも同様の配慮を求めるべき。 ・安心して歩ける散歩道や、地域のランドマー クになるような公共施設の整備をしてほし い。 2 一定規模以上の公共建築物等のデザイ ンについては、まちづくり条例の対象に なるかを問わず、まちづくり条例を遵守 し、周辺に配慮した景観形成に努めるよ う求めていきます。 武 蔵 野 市 の 景 観 の 特 性 8 ・市が長い時間をかけて景観まちづくりを進め ていく展望を具体的に示す必要がある。 9 ・景観を構成する骨格、資源、景観のまとまり がまぜこぜで、全体像を把握しにくい。 10 ・農地などは武蔵野市全域に広がっており、3 駅圏ごとに地域特性を分ける必要はないの ではないか。 ・3地域の景観特性が掘り下げられていない。 ・武蔵野の原風景の構成要素として雑木林を明 記し、歴史的景観を踏まえ、景観の調和や保 全を検討すべき。 農地は、武蔵境地域に特に多く残ってお り、こういった視点からも地域ごとの特 性が見られることから P.19~20 にかけ て3駅圏ごとの特性を記載しました。 「武蔵野市の景観の特性」に雑木林につ いて記述しました。 ・民有地も含め、桜は市の景観として保護すべ き。 ・自然を楽しめる遊歩道や公園を大切にすべ き。 ・空き家について記述すべき。 ・空き家やブロック塀などの「改善すべき景観」 を示し、景観をより良くする観点も大切にし たい。 私有地、公有地を問わず、樹木は、良好 な景観に寄与する資源と捉えています。 また、自然を楽しめる遊歩道や公園につ いても、同様に捉えています。 空き家については、景観だけでなく環境 上や安全上の課題であり、本ガイドライ ンには明記していませんが、関係部署と 連携した横断的な対応の検討は進めて いきます。 P.41 に、万年塀やコンクリ ートブロック塀の改善例を「配慮のポイ ント」として記載しています。 大規模なマンション等の建築によって、 周辺の低層住宅地の景観が阻害される と懸念される場合もあり、そのような場 合を想定して景観誘導基準を設けてい ます。 例えば 15 戸以上の集合住宅について は、まちづくり条例の対象建築物となる ため、一定の公開空地の確保について協 議を行っています。 P.24、25 に、住宅地や商業地などのエ リアの特性ごとに「景観まちづくりの目 標」を示しています。 良好な景観を保全する場所等は、エリア ごとに地域のみなさんと合意形成を図 りながら、今後検討していきます。駅前 の記述については、素案へのご意見を踏 まえて、追記していきます。 11 12 景 観 形 成 上 の 課 題 13 14 ・マンション周辺で景観が損なわれている。 「美 しい住宅地」を実現できるようなガイドライ ンにしたい。 15 ・大規模マンションは閉鎖的で、併設の緑地や 公園に入れないこともある。街に溶け込む開 放的な空間になるよう条件を定めるべき。 16 ・武蔵野市らしさを大切にして「ここだけは守 りたい」という場所を示し、エリアごとに将 来どうなっているとよいかというビジョン を示してほしい。もっと武蔵野市のカラーを 出してもよいのではないか。特に駅前などは 「こんな街にしたい」という示したほうが良 いのではないか。 の 景 17 仕観 組協 み議 ・特に大型店舗が入るときには、ネオンサイン や看板について景観誘導し、武蔵野スタイル をつくっていってほしい。 景 観 ま ち づ く り の 目 標 3 「景観まちづくりの推進体制」で、市は 市内の景観形成に積極的に取り組み、市 民や事業者の支援をしていくことを示 しています。 「武蔵野市の景観の特性」の構成を修正 しました。 まちづくり条例の対象となる大型店舗 については、景観協議に沿って屋外広告 物の誘導を行っていきます。 ・屋外広告物の景観協議にかかる期間が長く、 クライアントの理解を得にくい。まっとうな 業者が、ガイドラインを無視する業者に駆逐 される可能性もある。 ・都の屋外広告物条例の基準を満たしているも のは、景観協議の適用除外にすべき。 ・屋外広告物が駅周辺の風格を落としている。 屋外広告物をしっかり指導してほしい。 景観協議の手続きについては、事業者に 対して過度な負担とならないよう今後 具体的に検討していきます。 23 ・市民が景観協議の過程に参加できる機会を用 意すべき。 市民が景観協議の過程に参加すること は、現在考えていませんが、ご意見を参 考に検討します。 24 ・事前調整要綱に基づく誘導は実効性が弱いの ではないか。しっかり調整していってほし い。 調整に際しては粘り強く理解を求めて いきます。 18 19 20 21 景 観 協 議 の 仕 組 み 22 東京都屋外広告物条例の届出だけでな く、屋外広告物の色彩や配置について協 議をしていくことが必要だと考えられ るため、まちづくり条例に基づく協議を 行っていきます。 ・まちづくり条例でここまで誘導するのは乱暴 まちづくり条例では、景観の保全もまち である。多重行政と指摘を受けるのでは?景 づくりのひとつとして捉えているため、 観行政団体となり、景観計画、景観条例、屋 景観という視点できめ細やかな誘導は 外広告物条例によって誘導していくべき。 必要であると考えています。 ・環境・景観の専門家や、市内の NPO などをも 景観協議の段階で、市が専門家によるア っと活用していってほしい。 ドバイスを受けられることについて ・一般地区でも、小規模開発事業を協議対象と P.29 に記載しました。景観アドバイザ すべき。また、「景観まちづくり推進地区」 ーには、景観全般、色彩等の専門家を選 では原則まちづくり委員会に意見を聴くべ 任します。 きではないか。審査については、公開とした 「景観まちづくり推進地区」の考え方に 方がよい。 ついては、まちづくり条例に基づく「地 区まちづくり計画」の制度を見直し、引 き継ぐこととしました。( P.75 参照) 協議においては、大規模な建築物ほど周 囲への景観上の影響が大きいと考えら れるため、大規模開発事業のみ、原則景 観アドバイザーに意見を聴くこととし ています。ただし、立地条件などにより、 景観上、重要となるケースも想定される ことから、地区まちづくり計画の区域内 の景観協議については、必要に応じて景 観アドバイザーの制度を活用します。な お、この制度は、公開での開催は考えて おりません。 ・景観協議は、一定規模以上のものでないと適 「地区まちづくり計画」の制度を見直 用されない。小規模のものでも、景観上ピン し、協定によって小規模のものでも条例 ポイントで効いてくるものもあり、実質的に の景観協議の対象とできるような仕組 効果ある運用ができるのか。 みを P.26~29 に記載しました。 4 景 観 誘 導 基 準 25 26 27 28 29 景 観 誘 導 基 準 30 等 公 の 共 施 設 31 景 観 ま ち づ く り に 向 け た 取 組 み 32 ・パブリックな部分と敷地との境界のつくりが P.34 に、敷地境界線付近の「きわ」と 大切であるといった視点が出てきていない。 なる場所の重要性について追記しまし た。 ・遠景や中景、近景のあり方の違いが入ってい P.34 に、遠景・中景・近景それぞれか ない。 らの見え方を検討することの重要性に ついて追記しました。 ・明るさや照明に関する項目を入れてほしい。 明るさや照明については、「D 照明・ アパートや住宅地のコインパーキングの目 夜間景観」として景観誘導基準を設けて 立つ明かりに困っている。 います。 ・吉祥寺の空が見える、回遊性と魅力ある町を 残していきたい。井の頭公園からの緑の連続 性をつくってほしい。 ・玉川上水は武蔵野の宝である。 ・地域の資源である雑木林を十分に活用できる ような景観ガイドラインにしてほしい。 ・商店街で、住宅に用途変更すること等により にぎわいが途切れないようにしてほしい。 ・外来種の植物はどのように扱うのか。 公園や緑地、玉川上水などの水辺空間周 辺については、緑の連続性に配慮するよ う景観誘導基準を設けています。 P.61、64 の商業・業務市街地の景観誘 導基準に、にぎわいの創出に関する基準 を設けています。 外来種・在来種を問わず、地形や日照条 件、近隣への影響などを考慮して、土地 に適した樹種を選定することを、外構・ 植栽等の景観誘導基準の配慮ポイント として記載しました。 ・景観資源を壊さない道路整備のあり方を明記 道路整備においては、良好な景観に寄与 してほしい。 する既存の資源を、できるだけ残すこと を基本に進めているため、あえて明記は しておりません。 ・「景観まちづくり推進地区」は、地域の主体 「景観まちづくり推進地区」の考え方に 性がなく、市による開発指導的なものになっ ついては、まちづくり条例に基づく「地 てしまっている。地域の主体をつくらない 区まちづくり計画」の制度を見直し、引 と、開発などが起きない限り広まっていかな き継ぐこととしました。( P.75 参照) いし意味がないのではないか。 この制度は地区住民により提案するこ ・市民が手を挙げられる仕組みにしてほしい。 とができるもので、住民主体での計画策 ・三鷹駅北口の、玉川上水と駅の結節点の部分 定を推進していきたいと考えています。 は「景観まちづくり推進地区」に指定してほ 認定には、一定数の地権者の同意が必要 しい。 ですが、地区住民により提案することが ・表彰制度や市民をサポートする仕組みが必 できます。また、計画策定がしやすくな 要。 るよう、市の支援策を検討していきま す。 5 33 ・地区まちづくり計画は、同意集めなど計画策 定のハードルが高い。まずはハードルを低く して普及させることが大切なのではないか。 ・自分の周りだけ良くしても良い景観にはなら ない。 「三軒協定」はぜひ実施してほしい。 34 ・商業地においては商業者間の取り決めが重要 であり、そうした取り決めを誘導する必要が ある。 普 景 35 及観 啓ま 発ち づ く り 36 の 37 景観まちづくりのルール化を推進する ため、P.75 に地区まちづくり計画の策 定支援について記載しました。また、地 区まちづくり計画より取り組みやすく、 市民自らが地区範囲やルールなどを定 め、良好な景観づくりを行うことができ る「(仮称)景観まちづくり協定」の創 設について、 P.75、76 に記載しました。 景観形成において、地区独自のルールに よるまちづくりも重要なものであるた め、地区まちづくり計画の見直しや「(仮 称)景観まちづくり協定」の創設につい て記載しました。 ・景観がまちの宝であることを共有し、景観を 景観ガイドライン策定後も講座や街歩 大切にするマインドを育ててほしい。また、 き、景観まちづくりの手引きを市民参加 子どもの頃から景観づくりの教育をしてほ で策定するなど普及啓発を行っていき しい。 ます。 ・もっと図や写真を追加し、子どもと一緒に読 んでもわかりやすいものにしてほしい。 図や写真を使って、読みやすいガイドラ インとなるよう検討していきます。 ・「ここをこう変えれば、こんなに良いことが ある」とはっきり示してほしい。 イラストや図を工夫し、できるだけお示 しできるよう修正しました。 6
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