生活環境影響調査の結果(水質)(PDF:1MB)

5.水質
5.1 現況把握
5.1.1 調査項目
調査項目は以下のとおりである。
【生活環境項目】
7 物質(pH、BOD、SS、DO、大腸菌群数、T-N、T-P)
【健康項目】
27 物質(カドミウム、全シアン、鉛、六価クロム、砒素、総水銀、アルキル
水銀、PCB、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、1,1-ジクロ
ロエチレン、シス-1,2-ジクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタン、1,1,2トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,3-ジク
ロロプロペン、チウラム、シマジン、チオベンカルブ、ベンゼン、セレン、
硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素、ふっ素、ほう素、1,4-ジオキサン)
5.1.2 調査方法
調査は現地において試料を採取し、持ち帰り分析に供した。分析方法は、環境基準
等に示された方法に準じた。
5.1.3 調査期間
試料の採取は、下記の月日に実施した。
平成 26 年 12 月 8 日(月)
平成 27 年 4 月 2 日(木)
平成 27 年 8 月 3 日(月)
平成 27 年 10 月 10 日(土)
5.1.4 調査地域及び調査地点
調査地点は、図 4-5-1 に示すとおりである。排出水を放流予定の長谷川において
放流地点より上流側で採水した。
115
図 4-5-1 水質調査地点位置図
116
5.1.5 調査結果
水質の分析結果は、表 4-5-1 及び表 4-5-2 に示すとおりである。生活環境項目は、
基準が定められている項目全て環境基準を満足していた。健康項目も全ての項目で環
境基準を満足していた。
表 4-5-1 水質調査結果(生活環境項目等)
項目
単位
水素イオン濃度(pH)
-
生物化学的酸素要求量(BOD)
mg/L
浮遊物質量(SS)
mg/L
溶存酸素量(DO)
mg/L
大腸菌群数
MPN/100mL
全窒素(T-N)
mg/L
全リン(T-P)
mg/L
流量
m3/s
水温
℃
環境基準は C 類型の値
表 4-5-2
項目
カドミウム
全シアン
鉛
六価クロム
砒素
総水銀
アルキル水銀
PCB
ジクロロメタン
四塩化炭素
1,2-ジクロロエタン
1,1-ジクロロエチレン
シス-1,2-ジクロロエチレン
1,1,1-トリクロロエタン
1,1,2-トリクロロエタン
トリクロロエチレン
テトラクロロエチレン
1,3-ジクロロプロペン
チウラム
シマジン
チオベンカルブ
ベンゼン
セレン
硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素
ふっ素
ほう素
1,4-ジオキサン
H26.12.8
8.0
1.2
1
10
13000
5.8
0.23
0.0216
11.2
測定値
H27.4.2
H27.8.3
7.9
8.1
1.6
1.1
4
3
9.5
8.4
4600
33000
6.9
4.9
0.38
0.14
0.0175
0.0327
13.3
20.0
H27.10.10
8.0
1.3
5
9.4
31000
5.9
0.23
0.036
14.5
基準値
6.5-8.5
5 mg/L 以下
50 mg/L 以下
5 mg/L 以上
-
-
-
-
-
水質調査結果(健康項目)
単位
mg/L
mg/L
mg/L
mg/L
mg/L
mg/L
mg/L
mg/L
mg/L
mg/L
mg/L
mg/L
mg/L
mg/L
mg/L
mg/L
mg/L
mg/L
mg/L
mg/L
mg/L
mg/L
mg/L
mg/L
mg/L
mg/L
mg/L
測定値
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
5.3
不検出
不検出
不検出
117
定量下限値
0.0005
0.1
0.001
0.02
0.001
0.0005
0.0005
0.0005
0.001
0.0002
0.0004
0.001
0.001
0.001
0.0006
0.001
0.001
0.0002
0.0006
0.0003
0.001
0.001
0.001
0.05
0.08
0.1
0.005
基準値
0.003mg/L 以下
検出されないこと。
0.01mg/L 以下
0.05mg/L 以下
0.01mg/L 以下
0.0005mg/L 以下
検出されないこと。
検出されないこと。
0.02mg/L 以下
0.002mg/L 以下
0.004mg/L 以下
0.1mg/L 以下
0.04mg/L 以下
1mg/L 以下
0.006mg/L 以下
0.01mg/L 以下
0.01mg/L 以下
0.002mg/L 以下
0.006mg/L 以下
0.003mg/L 以下
0.02mg/L 以下
0.01mg/L 以下
0.01mg/L 以下
10mg/L 以下
0.8mg/L 以下
1mg/L 以下
0.05mg/L 以下
5.2 予測
5.2.1 施設の稼働による水質の影響
① 予測対象時期
予測対象時期は、施設の稼働が定常状態となった時期とした。
② 予測項目
施設の稼働に伴う排水による水質のうち、汚れの指標となる生物化学的酸素要求量
(BOD)及び濁りの指標として浮遊物質量(SS)とした。
③ 予測方法
ア 予測地点
予測地点は、排水が排出される長谷川とした。
イ 予測手法
予測は、排水が河川水と完全に混合すると仮定して以下に示す完全混合式により行っ
た。
C=(C1×Q1+C2×Q2)/(Q1+Q2)
ここで、
C:河川における予測濃度
C1:放流先河川の水質
Q1:放流先河川流量
C2: 排水濃度
Q2: 排水量
ウ 予測条件
予測に用いた水質、流量を表 4-5-3 に示す。長谷川における水質及び流量は現地調査
結果の平均値とした。放流水の水質、流量は計画値とした。
表 4-5-3 予測に用いた水質・流量
物質
BOD
SS
河川
C1:水質(mg/L) Q1:流量(m3/s)
1.3
0.0270
3.3
排水
C2:水質(mg/L) Q2:流量(m3/s)
25
0.0017
(0.1m3/min)
70
④ 予測結果
長谷川における水質濃度の予測結果は、表 4-5-4 に示すとおりである。水質濃度は、
年平均値として BOD が 2.7mg/L、SS が 7.3mg/L と予測された。
表 4-5-4 水質の予測結果
物質
予測結果(mg/L)
BOD
2.7
SS
7.3
118
5.3 影響の分析
5.3.1 施設の稼働による水質への影響
① 影響の分析方法
ア 影響の回避又は低減に係る影響の分析
施設の稼働による排水の放流について、適切な水質及び放流対策がなされているか否
かにより検討した。
イ 生活環境の保全上の目標との整合性に係る分析
施設の稼働による排水の放流による水質への影響についての基準又は目標は、表 4-5-5
に示すとおりとした。
表 4-5-5 施設の稼働による水質に関する基準又は目標
予測地点
排水合流後の
放流先河川
基準又は目標に
照らすこととした理由
基準又は目標
BOD
5mg/ℓ以下
SS
50mg/ℓ以下
長谷川の環境基準
① 影響の分析結果
ア 影響の回避又は低減に係る影響の分析
施設の稼働時においては、以下に示す排水の水質及び放流対策を実施する計画である。
・
放流に際して、
放流回数や放流量を調整し、排水管理により影響を低減させる。
・
水質管理を適切に行い、放流水質を可能な限り低濃度で維持する。
以上のことから、適切な排水管理が採用されており、水質への影響は事業者の実行可
能な範囲でできる限り低減されていると分析する。
イ 生活環境の保全上の目標との整合性に係る分析
施設の稼働による排水の放流による水質への影響についての基準又は目標の結果は、
表 4-5-6 に示すとおりであり、BOD 及び SS ともに基準値を下回っており、環境に与え
る影響の程度は小さいと分析する。
なお、BOD は年間の日間平均値の 75%値により評価することとなっていることから、
予測結果(年平均値)を 75%値に換算して影響の分析を行った。予測結果の 75%値は、
現地調査における年平均(1.3mg/L)と 75%値(1.3mg/L)との比を予測結果に乗じて求
めた。
表 4-5-6 生活環境の保全上の目標との整合性に係る分析結果
項目
予測結果
基準又は目標
BOD
2.7mg/L
5mg/L 以下
SS
7.3mg/L
50mg/L 以下
119
(空白)
120
5. 水質 ···································································· 115
5.1 現況把握 ······························································ 115
5.2 予測 ·································································· 118
5.3 影響の分析 ···························································· 119
121