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2016/
原油価格週間動向
6/27
投資情報部
シニアコモディティアナリスト
津賀田 真紀子
英EU離脱でリスクオフによる資金流出が加速
先週の英国の欧州連合(EU)離脱を問う国民投票の結果を受け、WTI 原油先物相場は再び「リスクオフ」
による資金流出の動きから 47 ドル台まで値を落とす動きとなっている。引き続き、リスク回避によるドル
高は、ドル建てで取引される WTI 原油先物相場にとって重しとして作用することになるだろう。また、世界
経済への不確実性の高まりにより、今後、原油需要が下方修正される可能性もある。足元では非商業筋
のプットオプションの建玉が急激に増加している状態だ。ファンダメンタルズの弱さから判断すると、7 月
以降も継続して売りに押される可能性があるとみている。
国際指標であるウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)原油先物相場は先週、
再び「リスクオフ」
による資金流出の
動き
一時的に1バレル=50ドル台を回復したものの、6/24の英国の欧州連合(EU)離脱を
問う国民投票の結果を受け、再び「リスクオフ」による資金流出の動きから47ドル台ま
で値を落とす結果となった。
今回の英国の離脱派の勝利は、世界経済の減速懸念とともにリスク回避の動きを加
速させ、ドル高につながっており、ドル建てで取引されるWTI原油先物相場にとっても
下押し圧力となっている。
なお、米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長をはじめとする米連邦公開市場委員
会(FOMC)メンバーは、今後一段と慎重に経済や市場の動向を見極めていく可能性
が高い。このため、米利上げのタイミングはさらに後ずれすると考えられる。米国の
ファンダメタルズからすると、ただちに金融緩和に転換するとまでは考えづらいことか
ら、現時点では12月の利上げを基本シナリオとしているが、海外経済や金融市場の
動向次第では、年内の利上げが見送られる可能性もあるだろう。
原油価格動向
主要商品年初来騰落率
2016/6/13
期間
WTI
北海
ブレント
(2016/1/4 → 2016/6/24)
~
~
2016/6/20
前週比
2016/6/24
2016/6/17
始値
48.29
48.85
▲ 0.56
高値
50.54
49.28
1.26
安値
46.70
45.83
0.87
終値
47.64
47.98
▲ 0.34
始値
49.42
50.42
▲ 1.00
高値
51.24
50.79
0.45
安値
47.54
46.94
0.60
終値
48.41
49.17
▲ 0.76
北海ブレント
WTI
ヒーティングオイル
亜鉛
銀
金
錫(スズ)
鉄鉱石
ガソリン
天然ガス
白金
アルミ
ニッケル
銅
パラジウム
鉛
▲5
(注)価格は 1 バレル=ドル
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
29.6
0
5
10
15
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
1
1
20
25
30
35
(%)
2016/6/27
原油価格週間動向
原油需要、下方修
正の可能性
石油輸出国機構(OPEC)の月報によると、2016 年 3 月時点の世界需給は日量 260
万バレルの供給過剰であったが、2016 年末には需給がほぼ均衡すると予想されてい
る。しかし、今回の投票結果を受けた世界経済への不確実性の高まりにより、今後、
原油需要が下方修正される可能性もある。そもそも、わずか 9 ヵ月間で、新興国だけ
を頼りに、年末までに日量 200 万バレル以上もの需要増加を見込むことは難しい。
すでに非商業筋のネットロングは縮小に向かっている。米商品先物取引委員会
(CFTC)の建玉報告によると、WTI 原油先物相場のネットロングは 6/24 時点で 31 万
8,595 枚とピーク時から▲8.5%となっている。四半期末や半期末を意識した利益確定
売りに押されているものと考えられるが、足元のファンダメンタルズの弱さから判断す
ると、7 月以降も継続して売り押される可能性があるとみている。
なお、非商業筋のオプション(7・8・9 月限の合計)建玉をみると、先週からプットの建
玉が急増している。6/24 現在、1 バレル=40 ドル前後に集中している状態だ。実際に
権利行使されるかどうかは不明だが、市場参加者のコンセンサスが下落に向かって
いるものと考えられる。今後、40 ドルを境に投げ売りが加速する可能性もあるだろう。
W T I原油先物価格とドルインデックス
W T I原油先物オプション権利行使価格分布
(週次:2013/1/4~2016/6/24)
(1バレル=ドル)
120
(2016年6月24日時点)
(枚)
80,000
76
78
110
プット(7・8・9月限合計)
70,000
80
100
82
90
84
80
86
50,000
88
40,000
70
コール(7・8・9月限合計)
60,000
90
60
92
30,000
50
94
20,000
96
40
WTI原油先物(左目盛)
ドルインデックス(右逆目盛)
30
100
20
13/1
13/7
14/1
14/7
10,000
98
15/1
15/7
16/1
0
102
(年/月)
10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 80
(1バレル=ドル)
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
世界原油需給
(百万バレル/日)
C FT C非商業筋建玉とWTI原油先物価格
(四半期:2013/3~2016/12)
(百万バレル/日)
98
3
96
2
(週次:2014/4/1~2016/6/24)
(万枚)
50
45
買残-売残(左目盛)
110
WTI(右目盛)
100
40
94
1
92
0
90
▲1
(1バレル=ドル)
120
90
80
35
70
30
60
50
25
過不足(右目盛)
需要(左目盛)
供給(左目盛)
88
13/3
13/9
14/3
14/9
15/3
15/9
16/3
40
20
▲2
16/9 (年/月)
30
15
14/4
14/7
14/10
15/1
15/4
15/7
15/10
16/1
20
16/4 (年/月)
(注)CFTC 非商業部門建玉は 6/21 現在
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
(注)2016 年第 2 四半期以降の需要は OPEC 予想
出所:OPEC 月報よりみずほ証券作成
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
22
2016/6/27
原油価格週間動向
■ エネルギー関連統計
日付
国・地域
6 月 29 日
6 月 29 日
6 月 29 日
6 月 29 日
6 月 29 日
6 月 29 日
6 月 29 日
6 月 29 日
7月1日
7月1日
7月1日
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
イベント
米国原油在庫(前週比・千バレル)
オクラホマ州クッシング原油在庫(前週比・千バレル)
米国ガソリン在庫(前週比・千バレル)
米国中間留分在庫(前週比・千バレル)
米国製油所稼働率(前週比)
米国原油推定需要(千バレル/日)
米国ガソリン推定需要(千バレル/日)
米国留出燃料推定需要(千バレル/日)
ベーカー・ヒューズ掘削リグ稼働数
ベーカー・ヒューズ米国ガス・ロータリーリグ稼働数
ベーカー・ヒューズ米国石油ロータリーリグ稼働数
期間
6 月 24 日
6 月 24 日
6 月 24 日
6 月 24 日
6 月 24 日
6 月 24 日
6 月 24 日
6 月 24 日
7月1日
7月1日
7月1日
前回
▲ 917
▲ 1,280
627
151
1.1%
17,247.0
10,189.3
5,080.4
421
90
330
■ 今週の経済指標
日付
国・地域
6 月 27 日
6 月 27 日
6 月 27 日
6 月 28 日
6 月 28 日
6 月 28 日
6 月 28 日
6 月 28 日
6 月 28 日
6 月 28 日
6 月 29 日
6 月 29 日
6 月 29 日
6 月 29 日
6 月 29 日
6 月 29 日
6 月 29 日
6 月 29 日
6 月 29 日
6 月 29 日
6 月 29 日
6 月 29 日
6 月 30 日
6 月 30 日
6 月 30 日
6 月 30 日
6 月 30 日
7月1日
7月1日
7月1日
7月1日
7月1日
7月1日
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
欧州
欧州
欧州
欧州
欧州
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
中国
中国
欧州
欧州
米国
米国
米国
米国
イベント
マークイット米国サービス業 PMI
マークイット米国コンポジット PMI
ダラス連銀製造業活動
GDP(年率/前期比)
個人消費
GDP 価格指数
コア PCE(前期比)
S&P/ケース・シラー米住宅価格指数(季調前)
消費者信頼感指数
リッチモンド連銀製造業指数
景況感
業況判断指数
鉱工業信頼感指数
サービス業信頼感指数
消費者信頼感
MBA 住宅ローン申請指数
個人所得
個人支出
実質個人支出
PCE コア(前月比)
PCE コア(前年比)
中古住宅販売仮契約(前月比)
新規失業保険申請件数
失業保険継続受給者数
シカゴ購買部協会景気指数
製造業 PMI
非製造業 PMI
マークイット ユーロ圏製造業 PMI
失業率
マークイット米国製造業 PMI
ISM 製造業景況指数
ISM 支払価格
建設支出(前月比)
期間
6 月 速報
6 月 速報
6月
1-3 月期 3 次
1-3 月期 3 次
1-3 月期 3 次
1-3 月期 3 次
4月
6月
6月
6月
6月
6月
6月
6 月 確報
6 月 24 日
5月
5月
5月
5月
5月
5月
6 月 25 日
6 月 18 日
6月
6月
6月
6 月 確報
5月
6 月 確報
6月
6月
5月
前回
51.3
50.9
▲20.8
0.8%
1.9%
0.6%
2.1%
176.91
92.6
▲1
104.7
0.26
▲3.6
11.3
▲7.3
2.9%
0.4%
1.0%
0.6%
0.2%
1.6%
5.1%
259,000
2,142,000
49.3
50.1
53.1
52.6
10.2%
51.4
51.3
63.5
▲1.8%
(注)記載事項はすべて「予定」ないし「見込み」であり、予告なく変更されることがあります。海外イベントおよび経済指標は現地日程で掲載しています
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
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2016/6/27
金融商品取引法に係る重要事項
原油価格週間動向
■国内株式のリスク
リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。株価の下落や発行者の信用状況の悪化等により、投
資元本を割り込むことがあり、損失を被ることがあります。
■国内株式の手数料等諸費用について
○国内株式の売買取引には、約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託手数料をご負担いただ
きます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税込み)を乗じた金額を委託手
数料としてご負担いただきます。
○株式を募集等により購入する場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。
○保護預かり口座管理料は無料です。
■外国株式のリスク
○外国株式投資にあたっては、株価変動リスク、発行者の信用リスク、為替変動リスク(平価切り下げ等も含む)、国や地域
の経済情勢等のカントリーリスクがあります。それぞれの状況悪化等により投資元本を割り込むことがあり、損失を被るこ
とがあります。
○現地の税法、会計基準、証券取引に関連する法令諸規則の変更により、当該証券の価格に大きな影響を与えることがあ
ります。
○各国の取引ルールの違いにより、取引開始前にご注文されても、始値で約定されない場合や、ご注文内容が当該証券の
高値、安値の範囲であっても約定されない場合があります。
○外国株式において有償増資等が行われた場合は、外国証券取引口座約款の内容に基づき、原則権利を売却してお客さ
まの口座に売却代金を支払うことになります。ただし、権利売却市場が存在しない場合や売却市場があっても当該証券の
流動性が低い場合等は、権利売却ができないことがあります。また、権利が発生しても本邦投資家が取り扱いできないこ
とがあります。
○外国株式の銘柄(国内取引所上場銘柄および国内非上場公募銘柄等を除く)については、わが国の金融商品取引法に基
づいた発行者開示は行われていません。
■外国株式の手数料等諸費用について
○外国委託取引
国内取次手数料と現地でかかる手数料および諸費用の両方が必要となります。現地でかかる手数料および諸費用の額
は金融商品取引所によって異なりますので、その金額をあらかじめ記載することはできません。詳細は当社の担当者まで
お問い合わせください。国内取次手数料は、約定代金 30 万円超の場合、約定代金に対して最大 1.08%+2,700 円(税込
み)、約定代金 55,000 円超 30 万円以下の場合、一律 5,940 円(税込み)、約定代金 55,000 円以下の場合、約定代金に対
して一律 10.8%(税込み)の手数料をご負担いただきます。
○国内店頭(仕切り)取引
お客さまの購入単価および売却単価を当社が提示します。単価には手数料相当額が含まれていますので別途手数料お
よび諸費用はかかりません。
○国内委託取引
当社の国内株式手数料に準じます。約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託手数料をご負
担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税込み)を乗じた金額を
委託手数料としてご負担いただきます。
○外国証券取引口座
外国証券取引口座を開設されていないお客さまは、外国証券取引口座の開設が必要となります。外国証券取引口座管理
料は無料です。
外貨建商品等の売買等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決定した為替
レートによるものとします。
商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書またはお客さま向け
資料等をよくお読みください。
商 号 等 : みずほ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 94 号
加入協会 : 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、
一般社団法人第二種金融商品取引業協会
広告審査番号 : MG5690-160627-24
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