農研機構 農業技術革新工学研究センター 国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 農業技術革新工学研究センター 〒331-8537 埼玉県さいたま市北区日進町1-40-2 TEL : 048-654-7000(代表) FAX : 048-654-7129 つくば研究拠点 〒305-0856 茨城県つくば市観音台1-31-1 TEL : 029-838-8812(代表) FAX : 029-838-8538 国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構(略称:農研機構) 農業技術革新工学研究センター(略称:革新工学センター) http://www.naro.affrc.go.jp/iam/ 附 属 農 場 〒365-0013 埼玉県鴻巣市境1389 TEL : 048-569-0521(代表) FAX : 048-569-3162 2016 年 ( 平成 28 年 )6 月発行 ©NARO-IAM は はじめに じ 革新工学センターは、「農業技術革新工学研究センター」の略称です。 当センターは、異分野との連携を重視し、農作業とロボット技術や情 報通信技術(ICT)の連携による重点化研究センターとして設置され ました。革新的農業機械・技術の研究開発を通じて、生産性の向上、 省力化、環境負荷の低減や農作業安全等の推進を図っていきます。 め に ●革新工学センターの沿革 ●革新工学センターの業務 革新工学センターの沿革 ● 1962 年 ( 昭和 37 年 ) 10 月 「特殊法人農業機械化研究所」 設立 ● 1986 年 ( 昭和 61 年 ) 10 月 「特別認可法人生物系特定産業技術研究推進機構」発足 (特殊法人農業機械化研究所を改組) (従来の “ 農業機械化促進業務 ” に加え “ 民間研究促進業務 (出・融資事業)” を追加し、東京事務所を設置、その後、1996 年(平成8年)に “ 基礎的研 究業務 ” を追加) ● 2003 年 ( 平成 15 年 ) 10 月 「独立行政法人農業技術研究機構」と統合し、 「独立行政法人農業・生物系 特定産業技術研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター」発足 ● 2006 年 ( 平成 18 年 ) 4 月 「独立行政法人農業工学研究所」、 「独立行政法人食品総合研究所」及び 「 独立行政法人農業者大学校」と統合し、 「独立行政法人農業・食品産業技 術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター」発足 ● 2015 年 ( 平成 27 年 ) 4月 ● 2016 年 ( 平成 28 年 ) 4 月 「国立研究開発法人農業生物資源研究所」、 「国立研究開発法人農業環境技 術研究所」、 「独立行政法人種苗管理センター」と統合し、 「国立研究開発法 人農業・食品産業技術総合研究機構 農業技術革新工学研究センター」発足 独立行政法人から国立研究開発法人に名称変更 革新工学センターの業務 ● 農業機械・装置等の開発 および試験研究 我が国農業の課題解決を図るため、情報通信技術(ICT)やロボット技術を 活用した革新的機械化技術や農業情報収集・利用技術等の開発研究を行っ ています。また、水田・畑作、野菜・果樹、畜産・酪農などの生産現場が直 面している課題解決のための農業機械等の開発研究や省エネルギー化など 環境負荷低減および農作業安全対策への対応などを行っています。 ● 農業機械の型式検査 および鑑定 優良な農業機械の普及に資するため、性能、構造、耐久性等を評価する型 式検査を始め、安全鑑定、総合鑑定、任意鑑定、OECD テスト等、各種の 農業機械評価試験を行っています。 ● 試験研究成果の普及、 開発した機械や試験研究の成果を公表するとともに、企業等に対して技術指 技術移転、情報提供 導や特許等の実施許諾等を行うほか、企業等からの受託研究等を行ってい ます。また、農業機械に関する技術情報の提供や技術研修等を行っています。 ● その他 最新の農業機械を展示しているショールームや、歴史的価値のある農機具を 展示している資料館を一般公開しています。なお、資料館は日本機械学会の 「機械遺産」に選定されています。 01 Introduction 画 部 ●企画室 は 組 織 図 企 ●連携推進室 研究管理役 じ ●試作工場 め 連携管理役 評 価 試 験 部 ●作業機試験室 安全試験管理役 附 副理事長 総 理 属 農 務 ●安全試験室 ●組織図 農業機械の型式検査・各種鑑定及び試 験計測法・評価法等に関する試験研究 理 事 長 に ●原動機試験室 場 部 ●総務課 ●会計課 事 リ ス ク 管 理 室 つくば研究拠点 監 事 革新工学研究監 つくばの研究領域部門の管理、他 研究機関との連携調整 所 長 スマート農業研究統括監 I C T 管 理 役 スマート農業の社会実装に関する研究全般 つくば研究拠点 高度作業支援システム 研 究 領 域 ICT・ロボット技術等を活用した超省 力化、高品質・高付加価値化に資す る革新的な高度作業体系の開発 土地利用型システム 研 究 領 域 土地利用型農業の大規模輪作体系及 び中山間地における機械化一貫体系 に対応した農業機械・装置の開発 総 研 合 機 械 究 領 化 域 果樹・野菜等園芸特産物の生産性向 上、高付加価値化及び畜産 ・ 酪農の 省力・安定生産に資する農業機械・ 装置の開発 労 働・ 環 境 工 学 研 究 領 域 農作業事故の分析に基づく、安全対策 の提言、安全性の高い農業機械の開発・ 改良、省エネルギー化や再生可能エネ ルギー利用促進に資する技術、機械の 開発及び評価試験方法の作成 ●高度土地利用型作業ユニット ●高度施設型作業ユニット ●高度情報化システムユニット ●栽植システムユニット ●栽培管理システムユニット ●収穫・乾燥調製システムユニット ●果樹生産工学ユニット ●野菜生産工学ユニット ●施設・調製工学ユニット ●畜産工学ユニット ●安全人間工学ユニット ●労働環境技術評価ユニット ●資源エネルギー工学ユニット Introduction 02 Department of Innovative Engineering Research 高度作業支援システム 高度作業支援システム 研究領域 高度土地利用型作業ユニット 高度施設型作業ユニット Research Activities 情 報 通 信 技 術(ICT)・ ロ ボット技術等を活用した 超 省 力 化、 高 品 質・ 高 付 加価値化に資する革新的 な高度作業技術の開発 高度情報化システムユニット ●高度土地利用型作業ユニット 高度土地利用型作業ユニット Farm Robotics Unit センシング技術、自動化技術、農用ロボット マルチロボット作業システム ロボットコンバイン収穫作業体系 分散圃場を対象として複数のロボットトラクタを 安全に作業させるシステムを開発しています。 ロボットコンバインに人が運転するトラックが伴 走する収穫同時排出作業体系を開発しています。 ISO 11783 対応データマスク VT 用オブジェクトプール ISO 11783 対応 標準コネクタ ISO 11783 対応 ECU ソフトウェア CAN 解析ツール 簡易リモコン用 ハードウェア AG-PORT 対応 標準コネクタ 通信制御共通化技術の開発 ISO 11783 対応 マイコンボード ISO 11783 対応 ECU(dsPIC ベース) ISO 11783 対応 ECU (ARM ベース) ISO 11783 適合性試験装置 ISO 11783 等の国際規格に対応した通信制御の共通化技術を開発しています。 03 Department of Innovative Engineering Research 高度作業支援システム 車載カメラ映像 車両情報メータ ●高度土地利用型作業ユニット 車両情報メータ 遠隔操縦用運転装置 ロボ作業管理ソフト ほ場監視カメラ映像 (FARMS) 無線通信 基地局 中継局 ロボトラ 自律作業経路 走行軌跡 耕うん、代かきなどの各種農作業 を無人で行うロボット農用車両と それを遠隔地から監視できるシス テムなど、ロボット技術や情報技 術を使った農業機械を開発してい ます。 ほ場端 { ロボトラ 旋回ガイド線 ロボット農用車両と 遠隔監視システム 作業軌跡 ロボ作業管理ソフト FARMS の表示例 Department of Innovative Engineering Research 04 高度作業支援システム 高度施設型作業ユニット Horticultural Robotics Unit 施設生産ロボット、高度センシング、栽培管理システム ●高度施設型作業ユニット イチゴ収穫ロボット イチゴの高密植移動栽培装置と収穫ロボット マシンビジョンにより果実位置を計算し果実の色味具 合を判定したのち、イチゴの果柄を把持・切断して自 動収穫します。(実用化済み) 栽培ベッドを縦方向と横方向に循環移動させることで高密 植が可能な移動栽培装置と収穫ロボットが連動する栽培シ ステムです。 イチゴパック詰めロボット イチゴ選果ライン上で搬送される果実を1果ずつ傷つ けないように吸着して拾い上げ、平詰めソフトパック に姿勢を揃えて詰めるロボットです。(実用化済み) エアアシスト式静電防除機 静電噴口部、エアアシスト部、走行台車から構成され、栽培ベッ ド間を自動で走行しながら薬剤を散布します。手散布並みの散 布性能を持つ施設内無人防除機です。 05 Department of Innovative Engineering Research Agro Informatics Unit 高度作業支援システム 高度情報化システムユニット データ総合、可視化、営農支援 ●高度情報化システムユニット 多様なデータの統合と時空間マッピング 国の IT 総合戦略に歩調を合わせ、農業生産管理場面で流通する電子情 報の共通化・プラットフォーム化を進めています。 複合的サポートによる営農管理支援機能の高度化 多種の客観的データとモデル予測を組み合わせ、営農管理の複合的サ ポートを目指しています。 Department of Innovative Engineering Research 06 Department of Crop Production Machinery and System 土地利用型システム 土地利用型システム 研究領域 栽植システムユニット 栽培管理システムユニット 栽植システムユニット Research Activities 土地 利用型農業の大規模 輪作体系及び中山間地にお ける機械化一貫体系に対応 した機械・装置の開発 収穫・乾燥調製システムユニット Field Preconditioning and Planting Unit ●栽植システムユニット 農用車両、耕うん整地、播種 高速代かき機 高速耕うんロータリ 慣行と同程度の作業精度で、より高速あるいは 少ない回数で代かきが可能です。 (実用化済み) 慣行と同程度以上の作業精度で、より高速作業が 可能な耕うんロータリです。(実用化済み) 高速高精度汎用播種機 水稲の点播 稲、 麦、 大 豆、 ト ウ モ ロ コ シなどの播種作業を高速に 行うことができ、稲の乾田 直播で点播が可能な播種機 です。(開発中) 麦の不耕起播種 育苗、移植 耕うん機 除草機 溝切り機 粒剤散布機 本機+田植機 07 電動の田植機植付部 中山間地用水田栽培管理 ビークル 分散駆動・分散制御方式により動力伝達系を簡素化 できます。電子制御により植付条件をきめ細かく設 定可能です。 中山間地域における水稲作の乗用機 械化体系を確立するための小型乗用 栽培管理作業車です。 (開発中) Department of Crop Production Machinery and System Crop Cultivation Management Unit 土地利用型システム 栽培管理システムユニット 肥培管理、運搬 経路誘導装置 GPS アンテナ 施肥コントローラ ●栽培管理システムユニット 無人ヘリ作物生育観測システム 高度3~5mで空中測定するめ、人が水田に 入る必要が無く、大面積ほ場でも稲の生育む らを短時間で把握できます。 (開発中) GPS 受信機 高精度高速施肥機 GPS を利用して検出する作業速度と肥料の物性値を もとに、精度の高い施肥量制御を行うことのできる ブロードキャスタです。(実用化済み) 可変施肥装置 簡単な設定操作で、精度の高い施肥を実現 するとともに、作物の生育や地力の違いに 応じた可変量施肥にも対応します。(実用 化済み) 防除、栽培管理 可動式超音波照射 システム 振動制御装置付き ブームスプレーヤ 物理的刺激である超音波を 植物体に照射して病気を防 除します。 (開発中) ブームスプレーヤのブームの振動を 低減する装置です。 (開発中) 高能率水田用除草装置 4条 用、6条 用があり、ミッドマ ウント方式で除草作業を確認しな がら行うことができるため、最速 1.2m/s で除草作業が可能です。除 草効果が高く、欠株が少ない除草 装置です。 (実用化済み) Department of Crop Production Machinery and System 08 土地利用型システム 収穫・乾燥調製システムユニット Harvest and Post-Harvest Unit 収穫、脱穀、選別 ●収穫・乾燥調製システムユニット 小型汎用コンバイン 機内清掃しやすいコンバインの新構造 4t トラックに積載可能で機動性が高く、水稲、 ダイズ、ソバ、ナタネなどを収穫できます。 (実 用化済み) 機内に残る穀粒を除去しやすくする新構造です。 清掃所要時間を短縮化できます。 スプリング 送塵ガイド 回動 送塵弁開度制御機構 送塵弁の開度をスプリングで調整することで、 脱穀負荷を平準化します。 こぎ胴の 回転方向 稈の搬送方向 フッ化樹脂コートを施した 揺動選別機構 揺動選別機構へのゴミの付着を軽減し、高い 選別性能を維持します。 くし状のこぎ歯を備えた新脱穀機構 くしですくように脱穀します。所要動力、わらくず 発生の低減が期待できます。 くし状のこぎ歯 09 Department of Crop Production Machinery and System 土地利用型システム 乾燥、調製、貯蔵、品質、加工 穀物遠赤外線乾燥機 高水分籾でも従来の籾 摺りと同程度の処理量 で連続作業ができるイ ンペラ式籾摺機です。 新規需要米などでの活 用が期待されています。 (実用化済み) ●収穫・乾燥調製システムユニット 加熱した放射体からの遠 赤 外 線と排 熱 を用 いて、 穀物を高品質に仕上げる 省エネ効果の高い乾燥機 です。 (実用化済み) 高水分籾対応型 インペラ籾摺機 小型籾殻燃焼炉による熱風発生装置 触媒等を利用して籾殻の燃焼ガスをクリーン化し、直接燃焼ガ スを利用する比較的低温燃焼で熱交換器の要らない小型装置で す。 高能率水稲等種子消毒装置 水蒸気を利用し、高温・短時間で水稲種子の消毒を行う装置です。 処理後は脱水・乾燥の必要が無く、高能率です。 高能率水稲等種子消毒装置の 高度利用に関する研究 水蒸気を利用した水稲種子消毒装置を基軸とする複合防除技術の 開発とムギ類種子への利用展開を目指しています。 Department of Crop Production Machinery and System 10 Research Activities 総 合 機 械 化 Department of Mechanization for Horticulture and Animal Industry 果樹・野菜等園芸特産物の 生産性向上、高付加価値化 及び酪農等畜産の省力・安 定生産に資する農業機械・ 果樹生産工学ユニット 野菜生産工学ユニット 施設・調製工学ユニット 装置の開発 総合機械化研究領域 畜産工学ユニット ●果樹生産工学ユニット 果樹生産工学ユニット Fruit Production Engineering Unit 果樹、茶業 棚栽培果樹用スピードスプレヤー 摘果ハサミ ドリフト及び騒音を低減できる防除機です。 (実 用化済み) リンゴの全摘果が効率的に行える3枚刃構造 のハサミです。 (実用化済み) 腕上げ作業補助器具 樹園地用小型幹周草刈機 動力を使わず腕上げ作業を楽にできる補助器具 です。 (実用化済み) 楽な姿勢で高能率に樹冠下の草刈り作業ができる歩 行型草刈機です。 (開発中) 高機動型果樹用高所作業台車 作業台水平制御により、高所で安全な作業が可能な電 動作業台車です。 (実用化済み) 11 Department of Mechanization for Horticulture and Animal Industry Vegetable Production Engineering Unit 総 合 機 械 化 野菜生産工学ユニット 播種、移植、栽培管理、防除 ナガイモの種イモ切断装置 高速で効率良く除礫が可能な高性 能ストーンピッカーです。 ナガイモを1本ずつ供給するだけで、 設定した質量値に沿って種イモ用に 切断されます。 ●野菜生産工学ユニット 石礫除去機 野菜用の高速局所施肥機 簡易耕起方式により高速作業を実 現した高精度畝立て施肥機です。 (開発中) 収穫、運搬 新型キャベツ収穫機 加工・業務用ハクサイ刈取アタッチメント 機械の上で調製・選別して大型コンテナに収容す る新しい収穫機です。(実用化済み) 新型キャベツ収穫機による加工・業務用ハクサイの 収穫が可能となります。 チャの被覆資材展開・巻取りアタッチメント ラッカセイ収穫機 直接被覆栽培の資材展開と巻取り作業を大幅に省力化 します。(実用化済み) ラッカセイを反転した状態で地表面に掘り上げま す。(実用化済み) Department of Mechanization for Horticulture and Animal Industry 12 総 合 機 械 化 施設・調製工学ユニット Protected Horticulture and Postharvest Engineering Unit 施設、バイオ関連機器 ●施設・調製工学ユニット 接ぎ木された苗▶ (片葉切断接ぎ) ウリ科野菜用接ぎ木ロボット キュウリ、スイカ、メロンなどの接ぎ木(片葉 切断接ぎ)を自動で行う装置です。 (実用化済み) 13 ウリ科野菜用全自動接ぎ木装置 穂木と台木の供給も自動化した接ぎ木装置です。 (実用化済み) トマト接ぎ木装置 携帯型植物水分情報測定装置 接合資材としての樹脂製テープおよび超音波溶着 を用いて接ぎ木の接合を連続的に行うための装置 です。(開発中) 園地で非熟練者でも迅速かつ簡易に非破壊で樹体 の水ストレスを判定する装置です。 Department of Mechanization for Horticulture and Animal Industry 総 合 機 械 化 調製関連機器 個別包装容器 少ない空気量で、長ネギの皮を効率良くむくこ とができます。(実用化済み) イチゴの果柄をはさんで個別に包装し、果実に 触れることなく流通できます。(実用化済み) タマネギ調製装置 軟弱野菜の高能率調製機 乾燥貯蔵したタマネギの根と葉を切り取り、 出荷に適した状態にする装置です。(実用化 済み) ポイントクラウドを用いた 農作物の品質評価方法 三次元点群(ポイントクラウド)により、リン ゴなどの農産物の三次元モデルを構築し、外観 品質などを客観的に評価する手法を研究してい ます。 ●施設・調製工学ユニット 高効率長ネギ調製機 ホウレンソウなどの軟弱野菜の根切り、泥落と し、下葉除去を一行程で行う高能率調製機です。 (開発中) 軟弱野菜の調量機構 2 ~ 3 束の小束を組み合わせて、目標質量の束 を高精度に作るニラ用調量機構を開発しました。 Department of Mechanization for Horticulture and Animal Industry 14 総 合 機 械 化 畜産工学ユニット Animal Industry Engineering Unit 搾乳、給餌、個体管理 ●畜産工学ユニット つなぎ飼い 搾乳作業の自動化 搾乳ユニット自動搬送システム(キャリロボ) 搾乳ユニットの自動搬送と2頭同時搾乳により大幅な省力化を実現します。 (実用化済み) I T・ロボット技術を 活用した個体精密管理と 食品の安全性確保 牛体情報モニタリングシステム 搾乳ユニット、給餌機及びデータベースの連携により、乳牛を精密に管 理します。(実用化済み) 衛生的に高品質 生乳生産 乳頭清拭装置 乳頭の表面に付着した汚れを取り除 き、衛生的な搾乳を実現します。(実 用化済み) 15 Department of Mechanization for Horticulture and Animal Industry 総 合 機 械 化 飼料作物生産、草地管理 小型トラクターで 2m/s の高速作業が可能で す。(実用化済み) 高速高精度 種子繰出装置 ●畜産工学ユニット 不耕起対応トウモロコシ高速播種機 不耕起対応の作溝部 トウモロコシ用 アタッチメント 装着時 飼料イネ用 アタッチメント 装着時 汎用型飼料収穫機 多様な作物に適応可能で、収穫・細断・ロールベール成形する自走式作業機です。(実用化済み) 可変径式 TMR 成形密封装置 TMR(完全混合飼料)を直径の異なる高密度ロールベールに成形 密封する装置です。 (実用化済み) 家畜排泄物処理・利用、環境汚染防止 生物脱臭装置の効率化試験 ロックウール充填式の生物脱臭装置を小型ユニット化する研究です。 従来の装置と比べ、大量の循環水を散水するため、緩衝材を表層に敷き詰め、ロックウールに直接散水が当ら ないようにしています。さらに通気抵抗の上昇を抑制するため脱臭材料の上部から通気と散水を行っています。 Department of Mechanization for Horticulture and Animal Industry 16 Department of Farm Labor and Environmental Engineering 労働・環境工学 労働 ・環境工学 研究領域 安全人間工学ユニット 労働環境技術評価ユニット Research Activities 農作業事故の分析に基づく、安 全対策の提言、安全性の高い 農業機械の開発・改良、省エネ ルギー化や再生可能エネルギー 利用促進に資する技術、機械の 開発及び評価試験方法の作成 資源エネルギー工学ユニット ●安全人間工学ユニット 安全人間工学ユニット Safety Engineering and Ergonomics Unit 農作業の安全性、快適性、情報収集・提供 乗用トラクターの片ブレーキ 誤操作防止装置 乗用トラクターで片ブレーキの時だけ左足で 連結を解除し、連結忘れなどによる誤操作を 防ぐ装置です。(実用化済み) 17 自脱コンバイン手こぎ部の 緊急即時停止装置 安全情報、資料の収集・提供 自脱コンバインで緊急停止ボタンを押すと即座 にフィードチェーンが停止し、巻き込まれによる 事故を防止する装置です。(実用化済み) 農業機械、農作業の安全に関する様々な情報、 資料を収集・整理し、ホームページ上で提供し ています。 Department of Farm Labor and Environmental Engineering ひも状の磁石 労働・環境工学 検出用手袋 農作業事故の 調査・分析 協力道県とともに、農 作業事故の調査や分析 手法の開発に取り組ん でいます。 磁気センサ ●安全人間工学ユニット ●労働環境技術評価ユニット 歩行用トラクターの 安全装置 より安全で効果的な動 力遮断装置や、危険挙 動の検出技術です。 巻き込まれ事故の未然防止技術 磁石付きの手袋を磁気センサで検出することで、緊 急停止ボタンを押さなくとも作業者の接近に応じ て自動的に危険部位が停止します。 労働環境技術評価ユニット Work Environment Technology Evaluation Unit 省エネ性能・自動化装置等の評価試験、評価試験方法の高度化 トラクター省エネ性能評価試験 自脱コンバイン省エネ性能評価試験 型式間の省エネ性能を比較・評価するために、ロー タリ耕うん作業時の燃費を推定する試験方法の確立 に取り組んでいます。 型式間の省エネ性能を公平に比較・評価可能な試 験方法により、自脱コンバインの燃費を測定・算出 します。 穀物乾燥機公式測定試験 型式間で公平に比較可能な試験方法により、穀物乾燥機の エネルギー消費量を測定・算出します。 Department of Farm Labor and Environmental Engineering 18 労働・環境工学 ●労働環境技術評価ユニット ●資源エネルギー工学ユニット トラクターの省エネルギー性能評価試験方法の確立 乗用型トラクターの省エネ性能を型式間で比較し、客観的に評価する手法です。 (小型トラクター用 のロータリ耕うん試験方法策定済み) 資源エネルギー工学ユニット Energy and Resources Engineering Unit バイオマス由来素材、リサイクル、 資材費低減 バイオマスプラスチック(BP)の リサイクル技術 BP 製リサイクル苗ポットによる 生育試験 BP 製の運転操作レバーグリップを BP 製の苗ポットに再生 する技術です。 各種 BP で試作した苗ポットによる花卉の生育 状況を比較する試験です。 バイオマス由来素材による農業資材 バイオマス由来素材を用いた農機レバーと苗ポットです。素材のリサイクルが可能なため、 循環型農業の実現に寄与します。 19 Department of Farm Labor and Environmental Engineering 電動ロータリ耕うん機 エンジン部を電動モータに載せ替えたト ラクターで、バッテリ駆動による排ガス の全く出ないクリーンで静かな農作業を 実現します。 電気を全駆動源とした耕うん機です。動力 伝達機構を大幅に簡素化したコンパクトな 車両を実現しました。 農業用水路に設置可能な除塵装置 農業用水路を利用した小水力発電装置 農業用水路に設置可能な無電源・無動力の除 塵装置です。小水力発電等に利用可能で安定 した発電に寄与します。 除塵装置を装備しており、中山間地域の電気柵 や電動刈払作業に電力を連続供給することがで きます。(実用化済み) トラクター後輪用除泥装置 トラクター後輪に付着した泥を掻き落とすこ とができるスクレーパ式除泥装置です。 ●資源エネルギー工学ユニット 電動トラクター 労働・環境工学 農作業の電動化、自然エネルギーの利活用、環境保全 履帯内部用除泥装置 履帯内部への泥の侵入を防ぐ除泥装置です。 (開発中) Department of Farm Labor and Environmental Engineering 20 評 価 試 験 部 Homologation and Research Activities Department of Testing and Evaluation 評 価 試 験 部 原動機試験室 作業機試験室 安全試験室 ●原動機試験室 ●安全試験室 原動機試験室 農業機械化促進法に基づく型式 検査、各種鑑定 ( 安全鑑定、総 合鑑定、任意鑑定 )、OECD テ スト、農耕作業用自動車等機能 確認及び排出ガス試験を実施し ています。 Tractor Testing Section トラクター、運搬機等 トラクター PTO 性能試験 トラクター けん引性能試験 作 業 機 を動 かすの に 使 う PTO 軸( 動 力取出軸 ) の出力 やトルクなどを測定 します。 作 業 機 などをけん 引するための性能を 測定します。 機関排出ガス 性能試験 単軌条運搬機の 安全鑑定 ディーゼル機関の排 出ガス中の窒 素 酸 化 物、 粒子状 物 質 などの量を測定しま す。 安 全 装備や各種ブ レ ーキの 性 能 など を測定・調査します。 安全試験室 ROPS Testing Section 安全キャブ、安全フレーム等 安全キャブ・ フレームの静的 強度試験 トラクターの転落・ 転倒事故で運転者 を守る空間を確保 できる強度がある か判定します。 21 Department of Testing and Evaluation 刈払機の安全鑑定 (刈刃の衝撃試験) 回 転する刈 刃を 鉄 の 棒 に 衝 突させて 刈 刃が 破 損しない か判定します。 検査・鑑定等の概要 型 式 検 査 概要 対 象機 種 農用トラクター ( 乗用型 )、田植機、野菜移植機、動力噴霧機 ( 走 農業機械化促進法に基づく型 行式 )、スピードスプレヤー、コンバイン、ポテト・ハーベスター、 式ごとの性能、構造、操作性、 ビート・ハーベスター 安全性などの試験。合格機は 成績を公表。 農用トラクター ( 乗用型 ) 用安全キャブ ・フレーム 試 験・項目等 性能(排出ガス含む)、 耐久性、取 扱性、安 全装備など 強度、構造、取扱性 安 全 鑑 定 型式ごとの安全性を試験・確 認。適合機は公表。 ほとんどの農業機械(31 機種+その他) 総 合 鑑 定 機械の総合的な性能を試験・ 評価。成績書は原則公表。 豆用脱粒機、大豆選別機、種子用コンバイン、温風暖房機、ハ 性能、取扱性、安全 ウス用少量散布機、駆動ディスクハロー型プラウ、農用トレンチャ、 装備など 堆肥散布機、側条施肥機 任 意 鑑 定 依頼者の希望する試験実施。 ほとんどの農業機械(機械の一部や装置等も対象可) 成績書は依頼者に交付。 O E C D テ ス ト OECD テストコードによる トラ クターや安全キャブ・フレーム の性能試験。成績書は公表。 農耕作業用 自 動 車 等 機 能 確 認 道路運送車両法に基づく 小 型特殊自動車の型式認定。 農水省生産局長からの依頼。 特定特 殊自 動車の使 用 確認の検 査 特定特殊自動車排出ガスの規 制等に関する法律に基づく特 定特殊自動車の排出ガス試験 特定原動機 の 検 査 同上法に基づく特定原動機 (エ ンジン)の排出ガス試験 安全装備、取扱性 ●検査・鑑定等の概要 ●作業機試験室 依頼者と協議・決定 外国規格試験可能 農用トラクター(乗用型) 性能、騒音 農用トラクター ( 乗用型 ) 用安全キャブ ・フレーム 強度、構造 農用トラクター(乗用型)、田植機、スピードスプレヤー、コンバ イン 道路走行に必要な要 件・項目 公道走行しない軽油を燃料とする農業機械 スモークメータまたは オパシメータによる排 出ガス試 験( 無 負荷 急加速時) 同上の農業機械に搭載される特定原動機 同上試 験、 ディーゼ ル 特 定 原 動 機 の8 モ ード ま た は NRTC モード排出ガス試験 作業機試験室 評 価 試 験 部 種類 Transplanter, Sprayer and Harvester Testing Section 移植、防除、収穫用機械等 スピードスプレヤーの風速分布試験 田植機の作業性能試験 植え付けの精度や作業の能率などを測定します。 農薬の散布状態に影響する噴き出し口の風速分 布を測定します。 コンバイン(自脱型)の作業性能試験 コンバイン(普通型)の連続運転試験 各排出口からサンプルを採取して収穫物のロス など作業の精度を測定します。 一定面積の収穫作業を行い、各部の耐久性を評価 します。 Department of Testing and Evaluation 22 企 画 部・ 附 属 農 場 企 画 部 Department of Planning 試験・研究・調査に関する総合的な企画や評価等を行うと共に、研究成果 の普及、農業機械化情報の提供、知的財産の管理等を行っています。 【 企 画 室 】 ●企画部 ●附属農場 ・試験・研究・調査の企画や評価及び共同研究契約等に関すること。 ・研究成果等の技術指導に関すること。 ・技術講習生等の受入れに関すること。 ・情報システム管理や情報セキュリティ対策に関すること。 【連携推進室】 ・試験・研究・調査結果や研究成果の広報に関すること。 ・知的財産の保護や管理に関すること。 ・海外との研究交流や技術協力に関すること。 ・国内外の図書や農業機械に関連する資料や情報の収集等に関すること。 【試作工場】 試作機器類、研究・検査 用測定機器の製作、改造、 修理を行っています。 附 属 農 場 研究、検査、鑑定等の業務 推進に必要な農場の整備と 作物の生産を行っています。 23 Department of Planning, Experimental Farm Experimental Farm ご ◆ 各種制度等のご案内 案 当センターでは民間企業、大学、公立試験研究機関等との共同研究、技術移転、 研修生の受入れ、情報提供などを行っています。 共同で研究を行います。 受託研究 委託を受けて研究、調査を行います。 委託研究 研究、調査を外部に委託します。 協定研究 連携・協力して研究を行います。 ●各種制度等のご案内 共同研究 内 【共同研究等】…… 窓口:企画部企画室 【技術移転】…… 窓口:企画部企画室 技術指導 農業機械・施設等の開発改良について助言を行います。 技術研修 各種の研修を行います。 技術相談 農業機械・施設等に係る技術的な相談をお受けします。 【研究者等の派遣及び受入れ】…… 窓口:企画部企画室 依頼出張 依頼に基づき職員が出張します。 技術講習 研修生、講習生を受け入れます。 研究員受入れ 依頼研究員又は招へい研究員を受け入れます。 委員等の委嘱 職員が各種委員等の任命を受けます。 【情報の収集と提供】…… 窓口:企画部連携推進室 知財関連 成果の発表等 刊行物 農業機械の展示 所有する特許等工業所有権の実施許諾等を行います。 プレスリリースを行うとともに、HPや刊行物で成果を発表しています。 各種研究成績書、報告書、年報などを刊行しています。 国内市販の農業機械・施設等を展示しているショールーム、歴史的な農機具類を 展示している資料館があります。 (ショールームへ展示する農業機械等(生産資材 を含む)を募集しています。製品のPRの場としてご活用下さい。) 図書及び農機カタログ 図書及び収集したカタログを閲覧公開しています。 【所内の見学】…… 窓口:企画部連携推進室 事前にご希望の日時等を電話にて窓口までご相談ください。 【情報公開】…… 窓口:総務部総務課 農研機構が作成・取得した文書、図書及び電磁記録についての開示請求を受け付けています。 【上記についてのお問い合わせ、お申し込みは、下記へご連絡くだい。】 Tel : 048-654-7000(代表) Fax : 048-654-7129 Information 24 そ 革新工学センター建物施設配置図 敷地面積:184,797㎡ の 通用門 至大 宮駅 陸上自衛隊 大宮駐屯地 (17 号国 道を 経て 自衛隊入口 バス停 ) 他 バス停 精密実験 圃 場 水田機械化実験棟 傾斜圃場 ●革新工学センター建物施設配置図 ●革新工学センター周辺案内図 本館 機械化 情報館 散布実験棟 資料館 基礎技術 研究館 ショールーム 研究交流センター テ スト コ ー ス 正門 精密実験圃場 試験用地 試験用草地 2009/4/1改訂 革新工学センター周辺案内図 埼玉県さいたま市北区日進町1-40-2 至宇都宮・高崎 至鴻巣 至宇都宮 至高崎 陸上自衛隊 大宮駐屯地 大宮西警察署前 大成3丁目 自衛隊入口バス停 線 東北 三橋 (6) 越新 革新工学センター NARO-IAM 幹線 新大 三橋 (5) ・上 三橋総合 公園 宮バ 大宮駅 イパ 桜木町 ス 1km 至東京 25 Information map 大宮駅西口 バス停 線 北 東 浜 線 京 埼京 線・ 新幹 バス利用の場合 0 東北 本線 高崎 大宮西警察署 大宮駅西口 6、7 番乗場より、東武バス「三進自動車」 または「シティハイツ三橋」行き乗車約 10 分、「自衛 隊入り口」で下車徒歩5分 至東京 至浦和 つくば研究拠点周辺案内図 そ 茨城県つくば市観音台1-31-1 の 榎戸 上横場東 央 エクス 筑波学園病院 プレス 408 19 みどりの駅 観音台 2 丁目 布袋池 ●つくば研究拠点周辺案内図 ●附属農場周辺案内図 谷田部総合 運動公園 道 他 つくば 圏 354 食と農の科学館 農研機構本部 谷田部 I.C. 常磐 自動 車道 革新工学センター つくば研究拠点 NARO-IAM 3 0 500m 谷田川 附属農場周辺案内図 埼玉県鴻巣市境1389 革新工学センター 附属農場 NARO-IAM 至高崎 JR 上 越 新 幹 線 農場入口 (看板あり) 元 至熊谷・高崎 荒 鴻巣農協 カントリー エレベータ 川 野 通 川 308 運転免許センター JR 鴻巣 警察署 高 崎 鴻巣署 鴻巣 市役所 線 鴻巣駅 郷地橋 天神 1 駅入口 天神2 0 至大宮 至大宮 1km 至大宮 Information map 26 農研機構 農業技術革新工学研究センター 国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 農業技術革新工学研究センター 〒331-8537 埼玉県さいたま市北区日進町1-40-2 TEL : 048-654-7000(代表) FAX : 048-654-7129 つくば研究拠点 〒305-0856 茨城県つくば市観音台1-31-1 TEL : 029-838-8812(代表) FAX : 029-838-8538 国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構(略称:農研機構) 農業技術革新工学研究センター(略称:革新工学センター) http://www.naro.affrc.go.jp/iam/ 附 属 農 場 〒365-0013 埼玉県鴻巣市境1389 TEL : 048-569-0521(代表) FAX : 048-569-3162 2016 年 ( 平成 28 年 )6 月発行 ©NARO-IAM
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