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講演プログラム
エネルギー・環境領域研究戦略部 理事・領域長 小林 哲彦
13:20-13:25 開会の辞 1
特別講演 「エネルギー・環境新技術先導プログラムと革
13:25-13:55
新的技術開発への期待」
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15:20-16:05
特別講演 「有機薄膜太陽電池の開発と今後の展開」
久手 幸徳
菱化システム、(前)三菱化学 山岡 弘明
我が国が、2050年にエネルギーを起源とする温室効果ガスの半減など、エネル
ギー・環境分野の中長期的な課題を解決していくためには、従来の発想によらな
い革新的な技術の開発や新しいシステムの構築が必要である。2014年度にスター
トしたNEDO「エネルギー・環境新技術先導プログラム」では、2030年以降の
実用化を見据えた革新的な技術・システムの先導研究を推進している。革新的な
技術原石の発掘状況とその展開についての期待を紹介する。
有機薄膜太陽電池は軽量、フレキシブルに加えて色調、シースルーの意匠性に特
長があり、太陽電池の設置多様化を推進することが可能である。三菱化学ではp
型半導体、n型半導体の材料設計、素子構成の最適化、モルフォロジーの制御を
行い有機薄膜シングルセルとして世界最高効率である11.7%を実現している。製
造プロセスは大量連続生産が可能なロール・ツー・ロール方式を目指して開発を
進めている。本講演では有機薄膜太陽電池の開発と省エネビル、ZEB(ネットゼ
ロエネルギービル)への応用等新市場開拓の取り組みについて紹介を行う。
NEDOイノベーション推進部 2
13:55-14:05
推進委員会 「フェムトリアクター実用化に向けた今後の展開」
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フェムトリアクター研究開発推進委員長 深尾 隆久
研究発表4 「エレクトロスプレーによる繊維加工技術の開発 16:05-16:25 ― エレクトロスプレーでタオルづくり」
愛媛県産業技術研究所 新谷 智吉
液中でのエレクトロスプレー技術の適用によりフェムトリットルレベルの極微小
液滴に微細化し、それらの移動を電場で制御することにより、各種金属ナノ粒子、
ナノインク、各種合成反応、晶析・抽出等への適用への目途がついた。今後は効
率、制御因子、量産に向けた試作装置の運用によって更なる評価・用途開発の加
速を図るとともに、企業連携の仕組みについても紹介する。
繊維加工は、大量の廃液と熱エネルギー消費が大きな環境負荷を与えており、こ
れらのエネルギー源の転換を含め、加工プロセス、設備の改善を行っているが、
抜本的な解決に至っていない。このため、国内生産繊維製品の競争力を高める上
でも、環境負荷が少なく、高付加価値、多品種、小ロットに対応できる新たな繊
維加工技術の開発が求められている。高品質と環境負荷低減を両立させ小ロット
多品種生産に対応したエレクトロスプレーによる繊維加工技術の開発について紹
介する。
研究発表1 「フェムトリアクターによる化学プロセスの革新性」
研究発表5 「フェムトリアクターを用いた有機合成プロセス」
3
14:05-14:25
8
16:25-16:45
環境管理研究部門 脇坂 昭弘
触媒化学融合研究センター 富永 健一
フェムトリアクターは、極微小反応体積、高界面比率、強電場効果の特徴を有す
ため、高速で二液を混合し、精密に反応温度を制御し、生成物を高速で分離回収
することが可能となる。これによって、従来の液体プロセスでは不可能な精密制
御が可能となる。気中に加えて液中でのエレクトロスプレー技術を適用すること
により、適用分野が大きく広がることについて紹介する。
フェムトリアクターは極めて微小な体積の液中反応場、高界面比率、帯電反応場
など、特異な反応場を提供することから、従来の技術では制御の難しい反応への
応用が期待できる。その一例として、ジクロロジメチルシランの加水分解による
環状シロキサン化合物の合成を紹介する。本装置を用いることにより、熱力学的
に安定な環状四量体よりも、速度的に有利な環状三量体が選択的に生成すること
を見出した。
研究発表2 「フェムトリアクターの実用化へのアプローチ ― 静電場
14:25-14:45
と界面反応を用いた金属ナノ粒子の量産化とその応用」
日華化学株式会社 松田 光夫
研究発表6 「エレクトロスプレー法を用いた抽出分離およ
16:45-17:05 び晶析技術の開発」
化学プロセス研究部門 金久保 光央
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エレクトロスプレーの進化形として液―液間界面をフェムトリットルサイズの反
応場と生成物回収の場として活用する新たなシステムを開発した。金属ナノ粒子
が、100%近い高収率で、安定な水系分散物として得られる。さらにマルチノズ
ル化によるナンバリングアップで、合成スピードを著しく向上することが可能で
あることを実証した。また、得られた銀ナノ粒子の導電糸加工への応用など、実
用化に向けた展開についても紹介する。
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研究発表3 「フェムトリアクター化学プロセスを用いた保
14:45-15:05
護剤フリー金属ナノ粒子合成法の開発」
環境管理研究部門 寺本 慶之
フェムトリアクターとはエレクトロスプレー技術を用いることでフェムトリット
ルサイズの反応場を形成し、従来の限界を超えた精密な反応制御を目指した技術
である。本研究ではフェムトリアクター化学プロセスを用いることで、従来法よ
りも粒子径・安定性に優れた金属ナノ粒子が合成できることを確認した。さらに
フェムトリアクターと紫外線処理を組み合わせることで保護剤フリーの金ナノ粒
子合成に成功した。
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エレクトロスプレー法により極微小液滴を発生させ、フェムトリットルスケール
の反応場として利用することで、抽出分離や晶析プロセスの高効率化やコンパク
ト化を目指している。抽出分離では、液液異相界面の比率が大きく、抽出反応の
高速化が達成できる。また、晶析技術では、液中における極微小液滴スプレーの
ため、熱の出入りが少ない、高制御の再沈法が可能である。これらの研究開発を
通して、エレクトロスプレー法のプロセス化に必要な、単位操作などのエンジニ
アリング技術の体系化を進めている。
10 17:05-17:25
研究発表7 「気中・液中における静電噴霧の比較」
環境管理研究部門 金 賢夏
静電噴霧現象は印刷、農薬散布、集塵装置、塗装、ナノ材料の合成、表面のコー
ティング、質量分析器のイオン源などの様々な分野で応用されている。静電噴霧
では噴霧液体を送液するノズル先端に高電圧を印加し微粒化をおこなうが、ノズ
ル周りの媒体(雰囲気ガスまたは液体)によって噴霧特性が大きく影響される。
ここでは、高速度カメラ、レーザ散乱などの手法を用いて噴霧媒体が静電噴霧に
与える影響について調べた結果を報告する。
15:05-15:20 休 憩
17:25-17:30 閉会の辞 環境管理研究部門 研究部門長 田中 幹也