しばた名作映画まつり - 新発田市ホームページ

文化庁 優秀映画鑑賞推進事業
しばた名作映画まつり
〜 不朽の名作を 今再び 〜
伊豆の踊子
野菊の墓
8月
6
7
ぼくらの七日間戦争
新発田市民文化会館大ホール
会 場
日
㈯
日
㈰
時をかける少女
(開場 9:40 〜)
10:00 (82分)
伊豆の踊子
10:00 (94分)
ぼくらの七日間戦争
11:35 (91分)
野菊の墓
11:50 (104分)
時をかける少女
13:35 (104分)
時をかける少女
14:00 (91分)
野菊の墓
15:35 (94分)
ぼくらの七日間戦争
15:45 (82分)
伊豆の踊子
一般 500 円(両日共通の一日券)
中学生以下 無料(要整理券)当日受付でも配布します。
チケット
取扱所:喫茶「紫音」22-5726 新発田市観光情報センター 26-6789
地域交流センターきやり館 22-1254 豊浦地区公民館 22-2081
紫雲寺地区公民館 41-2291 加治川地区公民館 33-2433
発売日:6 月 21 日(火)
主催:新発田市民文化会館/文化庁/東京国立近代美術館フィルムセンター
協賛:松竹ブロードキャスティング株式会社 協力:株式会社オーエムシー
優秀映画鑑賞推進事業とは、広く国民の皆様に優れた映画を鑑賞していただくこと、映画保存への理解を深めていただくことを目的に、
文化庁と東京国立近代美術館フィルムセンターが、日本各地の文化施設と連携・協力して所蔵映画フィルムを巡回上映するものです。
問合せ先:新発田市民文化会館 ☎ 0254-26-1576
上映作品の解説
◆伊豆の踊子
[1974 年 東宝映画=ホリプロ]
青春小説の名作として知られる川端康成の同名作の映画化。田中絹代と大
日方伝が主演した、五所平之助監督の松竹作品(1933)を第 1 回として、こ
れまでに全部で 6 回映画化されている。踊り子を演じたのは、美空ひばり、
鰐淵晴子、吉永小百合、内藤洋子らで、いずれもその時代の青春スターであっ
た。本作の特徴は、五所作品と同じく、旅芸人たちの社会的な位置を明確に
している点にある。その視点はラストの印象的なストップモーションからも
見てとることができるだろう。西河克己監督にとっては、1963 年の吉永小
百合主演作品に次いで 2 度目の映画化であった。山口百恵は 1970 年代のア
イドル歌手で、絶大な人気を誇っていた。相手役となる一高生役は公募され、
まだ無名だった三浦友和が抜擢された。この後二人は「百恵=友和」のゴー
ルデンコンビとして 12 本の作品で共演し数々のヒット作を放ち、1970 年代
青春映画に大きな足跡を残すが、1980 年に結婚。山口百恵は芸能界を引退した。
◆野菊の墓
[1981 年 東映=サンミュージック]
歌人として知られる伊藤左千夫の原作小説を、詩情豊かに描いた澤井信一
郎監督の第 1 回監督作品。旧家のいとこ同士である民子と政夫、若い二人の
ほのかな恋と周囲の無理解による別れ、そして民子の死と続く哀切なこの物
語は、1955 年に木下恵介監督が回想形式に工夫をこらしたユニークな手法
で映画化した『野菊の如き君なりき』が有名である。本作はその 3 回目の映
画化だが、澤井監督は当時人気絶頂の松田聖子から「アイドル歌手」の雰囲
気を見事にぬぐいさり、彼女の素顔の魅力を導きだしている。新人とは思え
ぬ円熟した演出力は、黙って嫁いでいく民子に無言で花を捧げる政夫という、
いわば運命を受け入れる二人の姿をとらえた印象的な場面にもあらわれてい
る。マキノ雅広監督の助監督を長くつとめ、情緒を重んじた巧みな演出には
定評がある。
◆時をかける少女
[1983 年 角川春樹事務所]
1970 年代後半の日本映画界に起きた最大の変化の一つに、出版界の老舗角
川書店の映画製作への進出が挙げられる。複数のメディアを駆使した同社の
宣伝手法は日本映画に旋風を巻き起こした。この映画でスクリーン・デビュー
を果たした原田知世は、角川映画の新人募集で選ばれてテレビドラマで一躍
人気を獲得、この作品により薬師丸ひろ子と並ぶ角川のトップ・スターとなっ
た。映画は、筒井康隆が書いた少年少女向けの SF 小説を原作に、ある日突
然時間を超える能力を身につけてしまった女子高校生の恋愛を描いている。
大林宣彦監督は登場人物が時間を巻きもどす際に「コマ落とし」などのテク
ニックを縦横に使い、8 ミリ映画出身ならではの映像化を施している。ロケ
地には、大林監督の出身地である広島県尾道市や竹原市の古い街並みが選ば
れ、また上原謙、入江たか子といった往年のスターを起用しているのも監督
らしい目配りといえよう。
◆ぼくらの七日間戦争[1988 年 角川春樹事務所]
宗田理の同名小説の映画化。厳しい校則に縛られ、窮屈な学校生活を強い
られている中学生。今朝も遅刻しそうな生徒が走って登校していく。校門の
前には教師が立って服装検査だ。朝礼では校長が長々と教訓話を続けている。
これでは不満はたまるばかりだ。無断の持ち物検査に怒った 1 年生の男子グ
ループがついに無断欠席、廃工場に立てこもった。差し入れに訪れた女生徒
も参加し、ほとんどキャンプのような雰囲気のなかで、教師と親に対する反
抗が始まった。テレビ CM で人気を集めた、宮沢りえの映画デビュー作である。
戦車が走り機動隊が出動する大騒動も、打ち上げられる花火のような幻かも
しれないと暗示する場面が印象に残る。監督の菅原比呂志はカリフォルニア
州立大学で映画製作と演出を学んだ後、角川映画の助監督、プロデューサー
を経てこの作品で監督デビューした。