ARCserveにおける Microsoft Cluster システムの環境設定・操作

ARCserve における Microsoft Cluster
システムの環境設定・操作
2001 年 2 月
コンピュータ・アソシエイツ株式会社
<はじめに>
Microsoft Cluster システム(以降:MSCS)を構築した環境に ARCserve2000 を導入しデー
タの保護をするための一般的な環境とその設定について記載します。
しかし、ここでは MSCS システム自体の復旧方法などについては言及しておりません。
なお、ハードウェアの選定・設置方法などにつきましては各メーカー様へ、また MSCS の
詳細な設定方法などにつきましてはメーカー様、Microsoft 社様へお問い合わせいただけま
すようお願いいたします。
<ARCserve2000 を導入する際の代表的な構成例>
構成1.両ノードでテープデバイスを共有する
本構成をする際には Differential SCSI により接続する場合と FibreChannel によって
接続する場合が想定できますが、このハードウェアの違いは ARCserve2000 のソフト
ウェアから見ると操作・設定に違いはありません。
ご注意)MSCS 環境に FibreChannel を使用した接続をする場合でも SAN Option は
必要ありませんし、SAN Option を導入してはいけません。MSCS の両ノードで使用
するテープデバイスはこの2台でのみ共有される環境にし、同じ FibreChannel 経路に
接続された他のサーバーからはこのテープデバイスは使用しないでください。
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システムの環境設定・操作
構成2.両ノードそれぞれにテープデバイスを接続する
構成3.片方のノードにのみテープデバイスを接続する
構成4.MSCS を構成する両ノード以外のリモートサーバーにテープデバイスを接続す
る
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システムの環境設定・操作
<ARCserve2000 の導入と注意事項>
以降それぞれのケースについて設定・操作方法を解説します。
また、MSCS の環境は事前に設定を完了しているものとします。
MSCS 環境に導入するための基本事項
(1)Active/Passive 環境における MSCS 構成のみをサポートします
(2)バックアップのソースは Microsoft Windows Network 配下に存在する仮想サーバ
ー上に表示されるオブジェクトを選択します。
基本用語
・ノード1
MSCS を構成するサーバーで特に記述がなければアクティブなノードを指します
・ノード2
MSCS を構成するサーバーで特に記述がなければスタンバイ状態のノードを指しま
す
・仮想サーバー
MSCS によってネットワーク上に見える仮想的なサーバー
・仮想 SQL(Exchange)サーバー
MSCS と SQL(Exchange) Server に よ っ て ネ ッ ト ワ ー ク 上 に 見 え る 仮 想 的 な
SQL(Exchange)サーバー
・リモートサーバー
MSCS を構成する2台のサーバーと LAN を通して接続されているサーバー
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システムの環境設定・操作
構成1.両ノードでテープデバイスを共有する場合
ARCserve2000 および Tape Library Option
インストール
(1) ノード1(アクティブノード)から ARCserve2000 AdvancedEdition を共有
ディスクにインストールします。
インストール先例:E:¥ ARCserve
(2) 必要であれば Tape Library Option もインストールします。
(3) デバイス環境設定を起動し、テープライブラリの設定をします。
(4) ノード2(スタンバイノード)をアクティブに切り替えます。(手動フェール
オーバー)
(5) ノード2で ARCserve2000 AdvancedEdition を共有ディスクにインストール
します。
注意:この際の手順(1)でインストールしたものに上書きするようにインストー
ルします。また、このインストール先は手順(1)でインストールした同じドライ
ブ・ディレクトリになるようにします。
インストール先例:E:¥ ARCserve
(6) ノード2で必要であれば手順(2)、(3)で行った設定を同じように行います。
(7) ノード2のレジストリ値の設定をします。
SOFTWARE¥ComputerAssociates¥ARCserveIT¥Base¥TapeEngine¥
CONFIG¥EnableSharedDevices:1(DWORD)
注意:このレジストリの設定は FibreChannel 環境の場合にのみ必要です。
(8) ノード1をアクティブになるように切り替えます。
(9) ノード1のレジストリ値の設定をします。
SOFTWARE¥ComputerAssociates¥ARCserveIT¥Base¥TapeEngine¥
CONFIG¥EnableSharedDevices:1(DWORD)
注意:このレジストリの設定は FibreChannel 環境の場合にのみ必要です。
MSCS 環境設定
(1) ノード1にて MSCS リソースタイプ(リソースの種類)の登録を行います
Cluster.exe コマンドを使用しリソースタイプを登録します。
参考)ARCserve2000 管理者ガイド(AdminGuide.pdf) A-5 参照
(2) ノード1にて MSCS クラスタリソース、グループの登録を行います
クラスタアドミニストレータを使用しクラスタリソースを登録します。
参考)ARCserve2000 管理者ガイド(AdminGuide.pdf) A-5 参照
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バックアップ操作方法
ノードがフェール オーバーした場合、ARCserve2000 自身およびバックアップ中
のジョブもファイルオーバーするためどちらのノードにおいてもターゲットデー
タのバックアップが可能である仮想サーバー上の共有ディスクドライブのデータ
を対象とします。
注意事項
(1) インストールは共有ディスクにかつ各ノードにおいて同じドライブ・ディレク
トリであること。
(2) MSCS の環境設定については MSCS のシステムを十分に熟知し、ARCserve
の動作の計画を吟味してから行ってください。
(3) ARCserve のシステムアカウントも両ノードで同じに設定してください。
ARCserve2000 および Tape Library Option 以外の Option 製品
2001年2月現在、「両ノードでテープデバイスを共有する」構成ではサポートし
ておりません。
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ARCserve における Microsoft Cluster
システムの環境設定・操作
構成2.両ノードそれぞれにテープデバイスを接続する場合
ARCserve2000
インストール
ノード1およびノード2のローカルハードディスクにそれぞれインストールして
ください。
MSCS 環境設定
非クラスタ対応アプリケーションとして動作いたしますので、特に設定はありま
せん。
バックアップ操作方法
各ノードのローカルディスクをターゲットデータとして、各ノードが所有してい
る論理ドライブのデータをバックアップします。
注意事項
(1) インストールは各ノードのローカルハードディスクに対して行ってください。
(2) バックアップ実施中にノードがフェール オーバーなどの理由でサーバーの機
能が停止した場合実行中のジョブは中断されます。
Backup Agent for Microsoft SQL Server
Backup Agent for Microsoft Exchange Server
インストール
ノード1およびノード2のローカルハードディスクにそれぞれインストールして
ください。インストールの際、
「VertualServer の設定」の問い合わせには「はい」
を選び VirtualServer の設定をしてください。
MSCS 環境設定
設定はありません。
バックアップ操作方法
バックアップのターゲットとして仮想サーバー配下の SQL(Exchange) Server を
選びます。
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システムの環境設定・操作
注意事項
(1) SQL Server、Exchange Server とも Active/Passive 環境のみサポートします。
(2) インストールは各ノードのローカルハードディスクに対して行ってください。
(3) Backup Agent は必ず両ノードにインストールします。
ライセンスが必ず2つ要ることになります。
(4) バックアップ実施中にノードがフェール オーバーなどの理由でサーバーの機
能が停止した場合実行中のジョブは中断されます。
ARCserve 2000 Tape Library Option
ARCserve 2000 Tape RAID Option
ARCserve 2000 Image Option
Backup Agent for Open Files
インストール
ノード1およびノード2のローカルハードディスクにそれぞれインストールして
ください。(指定する必要がある場合)
MSCS 環境設定
設定はありません。
バックアップ操作方法
MSCS 環境による特異性はありません。
注意事項
(1) インストールは各ノードのローカルハードディスクに対して行ってください。
(2) バックアップ実施中にノードがフェール オーバーなどの理由でサーバーの機
能が停止した場合実行中のジョブは中断されます。
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ARCserve における Microsoft Cluster
システムの環境設定・操作
構成3.片方のノードにのみテープデバイスを接続する場合
本構成は構成2と同じです。構成2との相違点について注意事項を記載します
ARCserve2000
注意事項
(1) ARCserve2000 はアクティブノード上でのみ動作しますので通常運用時にア
クティブノードとなるノードにインストール(テープデバイスの接続)をしま
す。
(2) テープデバイスが接続されていないノードには ARCserve2000 をインストー
ルする必要はありません。
(3) Client Agent for Windows NT/2000 Server を利用してテープデバイスが接続
されていないノードのデータをバックアップすることができます。
Backup Agent for Microsoft SQL Server
Backup Agent for Microsoft Exchange Server
注意事項
相違はありません。
ARCserve 2000 Tape Library Option
ARCserve 2000 Tape RAID Option
ARCserve 2000 Image Option
Backup Agent for Open Files
注意事項
相違はありません。
ARCserve 2000 Client Agent for Windows NT/2000 Server
インストール
テープデバイスが接続されていないノードのローカルハードディスクにインスト
ールし、テープデバイスが接続されているサーバーからローカルハードディスク
のリモートバックアップが可能です。
MSCS 環境設定
設定はありません。
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システムの環境設定・操作
バックアップ操作方法
MSCS 環境による特異性はありません。
注意事項
(1) インストールはノードのローカルハードディスクに対して行ってください。
(2) バックアップ経路(クライアント IP Address)は必ずパブリックの LAN 経由
の IP Address を指定します。Interlink で使用する PrivateLAN の IP Address
を指定しないでください。
(3) バックアップ実施中に ARCserve2000 が動作しているノードがフェール オー
バーなどの理由でサーバーの機能が停止した場合実行中のジョブは中断され
ます。
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システムの環境設定・操作
構成4.MSCS を構成する両ノード以外のリモートサーバーにテープデバイスを接続す
る場合
ARCserve 2000 Client Agent for Windows NT/2000 Server
インストール
必要なノードのローカルハードディスクにそれぞれインストールしてください。
MSCS 環境設定
設定はありません。
バックアップ操作方法
MSCS 環境による特異性はありません。
注意事項
(1) インストールは各ノードのローカルハードディスクに対して行ってください。
(2) バックアップ実施中にノードがフェール オーバーなどの理由でサーバーの機
能が停止した場合実行中のジョブは中断されます。
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