みずほ欧州経済情報 - みずほ総合研究所

みずほ欧州経済情報
2016年6月号
◆ トピック
英国民はEU離脱を選択
EU離脱を決めた今、英国にとり最も重要なのは秩序だっ
た離脱である。しかし、EU離脱過程には不明な点が多く、
先行きは極めて視界不良である。ポイントは3つある。
◆ 景気判断
ユーロ圏景気の回復テンポは減速
4~6月期のユーロ圏成長率は、前期より減速した模様であ
る。7~9月期入り後については、英国民投票の結果を受け
て下振れリスクが増大している。
1.トピック:英国民はEU離脱を選択~離脱過程は極めて視界不良
英国民はEU離脱を選択
世界の注目が英国に集まる中、6 月 23 日に行われた欧州連合(EU)から
の離脱(ブレクジット)の是非を問う国民投票は、残留支持 48%、離脱支持
52%となり、離脱支持が残留支持を上回った。離脱という結果を受け、翌 24
日にキャメロン首相は、10 月の党大会に合わせ辞任する意向を表明した。
離脱過程の先行きは極め
て視界不良
離脱を決めた今、英国にとり最も重要となるのは秩序だった離脱である。
しかし、英国のEU離脱過程には不明な点が多く、先行きは極めて視界不良
である。ポイントは 3 つある。
① 「脱退通告」のタイミ
ング
第一に、
「脱退通告」のタイミングである。脱退通告はEUからの脱退を定め
たEU条約第 50 条において決められている手続きであり、脱退を巡る英国とE
Uの交渉開始のトリガーとなる(次頁図表 1)
。英国の国民投票法上は、国民投
票で離脱が選択された場合でも必ず離脱手続きを始めなければいけない訳では
無い。しかし、国民の意思を尊重し、英政府はいずれかのタイミングでEUに対
して「脱退通告」を行うことになろう。通告の時期は未詳だが、決定権は英国に
ある。今のところ、英国の次期首相が正式に決まる 10 月までは、50 条のEU脱
退通告は行われない公算が大きい。
EUへの「脱退通告」の実施は、
「2 年後のEU法の英国への適用停止」と
いう期限へのカウントダウンが始まることを意味する。脱退協定や新協定の
締結に向けた交渉が行われている間、2 年間はEU法が英国に引き続き適用
される。しかし、EU28 カ国全てが交渉の延長に合意しなければ、通告後 2
年でEU法の英国への適用は停止される。仮に英国とEUが 2 年間で協定の
合意に達することが出来なければ、一時的か恒久的かは別としても、英国は
EUの単一市場から外れ、WTOの枠内で貿易取引を行わなければならない
ことになる。この場合、現在よりも高い関税率が英国からEUへの輸出品に
かけられることになるため、在英輸出企業の競争力に影響が及ぶだろう。通
告から 2 年間はEU法が適用されるため、影響が今すぐに出るという話では
ない。しかし、将来的に在英日本企業にも影響を及ぼす可能性があり、日本
企業は備えを進める必要があろう。
離脱派は、すぐに通告を実施せずにEUと非公式に協議を実施すべきと主張し
ている。離脱派は、一定の目処が立った後で通告を実施することにより時間切れ
によるEU法の突然の英国への適用停止を防ぎ、2020 年 5 月の次回総選挙まで
に交渉を終了させれば良いと考えているのである。一方、EU側は不確実性の拡
大を懸念して非公式交渉を拒否し、即時通告を英国に求めている。英国との交渉
の長期化はそれ自体が大きなリスクである。先行きの不透明感が晴れなければ、
設備投資の減速や雇用の抑制などを通じて欧州経済は大きな停滞が見込まれる
だけでなく、金融市場でも株価下落や通貨安が収まらない可能性がある。
② EUとの交渉の期間
や内容
第二に、英国とEUおよび第三国との交渉の期間や内容である。
脱退を巡る交渉でどのようなことが話し合われるかについて、50 条では特
に定められていないが、EUからの脱退日や移行期間、現在英国に住むEU
市民(或いはEUに住む英国民)の取り扱いなどが、話し合われることにな
1
みずほ欧州経済情報(2016 年 6 月号)
ろう。50 条では脱退協定は脱退後の英国とEUの新協定を「考慮に入れて」
話し合われることが定められているため、英国とEUの間の新たな関係性を
定めた新協定も同時並行で話し合われる公算が大きい。
英国は、EUとの脱退協定、新協定を結んだ後、第三国との貿易協定を結ぶと
考えられるが、この交渉は 2020 年代後半までかかる可能性もある。EU離脱派
は、米国や日本など第三国ともすぐに経済協定に関する交渉が開始できると考え
ているが、米国や日本がそれに応じる保証はない。
EU側の事情を言えば、2017 年 3 月にオランダの下院選挙、4~5 月にフラン
ス大統領選挙、8~10 月にドイツ連邦議会選挙を控えており、いずれの国でもE
U懐疑的な政党が勢力を伸ばしている。国内のEU懐疑政党を勢いづかせないた
めに、当面は、英国に安易な妥協をしにくい環境にある。
EUとの交渉内容についても、欧州経済領域(EEA)に加盟することで、従
来同様の単一市場へのアクセスを確保するノルウェー・オプションから、EUと
自由貿易(FTA)を結ぶカナダ・オプション、何も合意しないWTO・オプシ
ョンまで、選択肢は様々だ。EU離脱派は、カナダ・オプションを目指すと述べ
ているが、どの程度EUから妥協が得られるかも定かではない。
③ 英国内の意思決定プ
ロセス
第三に、英政府の今後の意思決定プロセスである。国民投票で離脱が多数を占
めたことで、今後英国では、EU関連法案の廃止や英国法への変更に加え、EU
とどのような新協定を結んでいくかなどが協議されることになろう。この意思決
定は下院で行われるとみられるが、現在の下院はEU残留派が離脱派よりも多数
を占めている。このため、理論的にはEU残留派は下院の数的優位を使って、今
後の決定を主導していくことが可能であり、それは国民投票による民意の一部に
反する可能性がある。下院を解散するという手も考えられるが、英国では、2011
年議会任期固定法により、任期途中の解散総選挙のハードルは高いうえ、解散し
ても離脱派が勝つとは限らない。
交渉の先行きは不透明かつ、流動的だ。今後も英国内外の動きから目を離せず、
市場も不安定な状況が続くと見込まれる。
図表1 EU条約第50条(連合からの脱退)
欧州連合条約第50条(連合からの脱退)
1 いずれの構成国も、その憲法上の要件に従って連合から脱退することを決めることが出来る。
脱退を決定する構成国は、その意図を欧州理事会に通告する。欧州理事会が規定する指
針に照らして、連合は、当該構成国との連合の将来の関係についての枠組みを考慮に入れ
2 て、脱退のための取り決めを規定する当該国との協定を交渉し締結する。同協定は、欧州連合
の運営に関する条約第218条3に従って交渉する。それは、欧州議会の同意を得て、特定多
数決により議決する理事会により連合のために締結する。
基本条約は、脱退協定の効力発生の日又はそれが無い場合にはこの条2にいう通告の後2
3 年で当該国に適用されなくなるものとする。ただし、欧州理事会が当該構成国の同意を得
て全会一致でこの時間を延長することを決定する場合はこの限りではない。
この条2及び3の適用上、脱退しようとする国の欧州理事会又は理事会の構成員はこれに
4
関する欧州理事会の討議又は決定に参加してはならない。
特定多数は、欧州連合の運営に関する条約第238条3(b)に定義する。
5 連合から脱退した国が再加盟することを求める場合、その要求は、第49条にいう手続きに従う
(注)赤字は筆者
(資料)東信堂「ベーシック条約集」より、みずほ総合研究所作成
2
みずほ欧州経済情報(2016 年 6 月号)
2.ユーロ圏経済の概況:4~6 月期の成長率は低下する見込み
1~3 月期のユーロ圏成
1~3 月期のユーロ圏GDP成長率(3 次推計値)は前期比+0.6%と、10~
長率は個人消費を中心
12 月期(同+0.4%)から加速した(図表 2)。需要項目の内訳をみると、個人
に加速
消費が増勢を強めた。雇用改善や物価下落によって、実質雇用者報酬の伸び
率が高まったことが背景にある。また、固定投資は増加を続けた。機械投資
と建設投資が共に増加しており、前者には難民問題に関連した公共投資の拡
大が、後者には暖冬が、いずれも押し上げ要因として作用したとみられる。
輸出は、米国や新興国の景気減速を背景に伸び悩んだ。ただし、輸入が大幅
に減速したため、外需寄与度のマイナス幅は縮小した。
4~6 月期のユーロ圏成
4~6 月期のユーロ圏GDP成長率は、次の 4 つの理由により、1~3 月期
長率は低下する見込み。
から減速する見通しだ。第 1 に、成長率と連動性の高いユーロ圏合成PMI
建設投資が減少し、個人
は 6 月(52.8)に低下、4~6 月平均(53.0)は 1~3 月平均(53.2)を下回り、成
消費が減速する公算大
長率の低下が示唆されている(図表 3)。第 2 に、実質雇用者報酬の伸び率が
低下し、個人消費が減速すると予想される(詳細は 5 頁)。第 3 に、暖冬要因
の剥落によって建設投資が落ち込むとみられる。4 月までのユーロ圏建設業
生産は 1 月をピークに減少が続いており、4 月の生産水準は 1~3 月期比▲
1.0%(1~3 月は前期比+1.0%)となっている(図表 4)。第 4 に、英国民投票
を控えて企業の投資意欲が冷え込み、機械設備投資が減速すると予想される
(詳細は 5 頁)。
英国のEU離脱の決定
英国民投票でEU離脱が選択されたことを受け、7~9 月期のユーロ圏景気
を受け、ユーロ圏景気の
の下振れリスクは増大している。離脱決定がユーロ圏景気に及ぼす短期的な
下振れリスクは増大
影響を考える上では、次の 3 点が重要である。1 つ目は、英景気の減速がユ
ーロ圏輸出に及ぼす直接的な影響だ。もっとも、英国向け輸出がユーロ圏輸
出全体に占める比率は 10%に満たず、英景気の減速だけでユーロ圏輸出が失
速することはないと思われる(詳細は前月号)。2 つ目は、今後のユーロ圏と
英国との関係を巡る不透明感がユーロ圏企業の固定投資などに及ぼす影響
だ。離脱決定を受け、英国と取引のある企業を中心に、投資計画が見直され
る可能性が高い。3 つ目は、金融市場を通じた影響だ。市場においてリスク
回避的な動きが長引けば、資金調達コストの増大などがユーロ圏景気への下
押し圧力となり得る。
これら 3 つの影響が全体としてどのくらいの規模となるのか、現時点で確
たることは言えない。今後、企業サーベイなどを踏まえて判断していく必要
がある。まずは、7 月下旬に発表されるPMIの 7 月速報値において、企業
業況がどの程度変化するかが注目される。
スペイン再選挙では、い
英国民投票の後、6 月 26 日に実施されたスペイン再選挙では、いずれの政
ずれの党も過半議席に
党も過半議席に届かなかった。与党国民党は 137 議席を獲得し、引き続き比
届かず
較第 1 党となった(図表 5)。第 2 党への躍進が予想されていたポデモスは伸
び悩み、第 3 党へとどまった。今後、第 1 党である国民党が、連立政権の樹
立に向けて他党と交渉を行うとみられる。スペインでは半年間の政治空白が
続いており、早急な政権樹立が期待されが、その道のりは依然厳しそうだ。
3
みずほ欧州経済情報(2016 年 6 月号)
図表 2
ユーロ圏GDP成長率
図表 3
(前期比、%)
0.8
58
0.6
56
0.4
ユーロ圏・主要国PMI
(Pt)
←
拡 54
張
52
0.2
0.0
景
50
気
▲ 0.2
→
▲ 0.4
Q1
Q2
Q3
Q4
Q1
Q2
2014
Q3
Q4
48
縮
小 46
Q1
在庫投資
外需
15
16
固定投資 (年/四半期)
政府支出
個人消費
実質GDP
2014/6
ユーロ圏
フランス
(資料)Eurostat よりみずほ総合研究所作成
図表 4
16/6
(年/月)
ドイツ
イタリア・スペイン
(資料)Markit よりみずほ総合研究所作成
ユーロ圏建設業生産
図表 5
(2015=100)
103
15/6
(議席)
スペイン再選挙の結果
その他
C's
社会労働党
国民党
ポデモス
350
1~3月平均
102
300
250
110
40
32
69
71
90
85
123
137
2015年
総選挙後
今回の
再選挙後
200
101
150
100
100
10~12月平均
186
50
0
99
2015/4
15/7
15/10
16/1
総選挙前
16/4
(年/月)
(資料)Eurostat よりみずほ総合研究所作成
図表 6
(資料) 各種報道よりみずほ総合研究所作成
ユーロ圏景気の全体感を示す主要統計
Q3 2015
Q4 2015
Q1 2016 Q2 2016
2016/01 2016/02 2016/03 2016/04 2016/05 2016/06
ユーロ圏(19カ国)
前期比、%
0.3
0.4
0.6
n.a.
-
-
-
-
-
-
ドイツ
前期比、%
0.3
0.3
0.7
n.a.
-
-
-
-
-
-
フランス
前期比、%
0.4
0.4
0.6
n.a.
-
-
-
-
-
-
イタリア
前期比、%
0.2
0.2
0.3
n.a.
-
-
-
-
-
-
スペイン
前期比、%
0.8
0.8
0.8
n.a.
-
-
-
-
-
-
ユーロ圏合成PMI
Pt
53.9
54.1
53.2
53.0
53.6
53.0
53.1
53.0
53.1
52.8
ユーロ圏製造業PMI
Pt
52.2
52.8
51.7
51.9
52.3
51.2
51.6
51.7
51.5
52.6
ユーロ圏サービス業PMI
Pt
54.0
54.2
53.3
52.9
53.6
53.3
53.1
53.1
53.3
52.4
長期平均=100
104.5
106.2
104.0
104.4
105.0
104.0
103.0
104.0
104.7
n.a.
1.4
1.5
1.7
1.5
-
-
-
-
-
-
末値、%
0.05
0.05
0.00
n.a.
0.05
0.05
0.00
0.00
0.00
0.00
末値、%
0.59
0.64
0.16
n.a.
0.27
0.11
0.16
0.28
0.15
n.a.
末値、€/$
1.12
1.09
1.14
n.a.
1.08
1.09
1.14
1.15
1.11
n.a.
ユーロ圏ESI
専門家調査(当年のユーロ圏GDP成長率、%)
ECB主要政策金利
ドイツ10年国債利回り
ユーロ/ドル
(資料)Eurostat、欧州委員会経済金融総局、ECB、Markit、Datastream よりみずほ総合研究所作成
4
みずほ欧州経済情報(2016 年 6 月号)
3.ユーロ圏内外需動向:輸出・生産の先行きに要注意
ユーロ圏輸出は減少
ユーロ圏の輸出は減少している。4 月のユーロ圏域外輸出(国際収支統計の
財・サービス輸出金額)は、前月比▲2.3%と落ち込んだ。貿易統計より仕向
地毎の財輸出の動向をみると、米国向けが持ち直す一方、新興国向けが全般
に停滞した。
ユーロ圏生産は増産。た
4 月のユーロ圏鉱工業生産は、前月比+1.1%と増加した(図表 7)。主要国
だし先行指標の受注は
の結果をみると、ドイツやフランス、イタリアが増産となった。スペインは
低調
横ばいとなり、増産傾向は変わらなかった。
輸出・生産の先行きは楽観できない。目先については、輸出・生産の先行
指標である製造業受注が弱いことが気懸りである。4 月のユーロ圏製造業受
注(大型輸送機械を除く)は前月比▲0.1%、同月のユーロ圏輸出受注は同▲
2.2%と共に減少し、受注水準は昨夏と同程度にとどまっている(図表 8)。
今後の対英関係に関連
また、今後に関しては、英国民投票でEU離脱が選択されたことの影響が
した不透明感が企業の
懸念される。具体的には、英景気の減速が輸出に及ぼす直接的な影響に加え、
投資活動を委縮させる
今後の英国との関係に関連した不透明感が企業の投資活動を収縮させ、資本
可能性に要注意
財を中心に生産の下押し要因になる可能性がある。例えば、ドイツ産業連盟
と会計事務所デロイトが 5 月に実施した調査では、英国がEUを離脱した場
合の影響に関し、規制の違いに伴うコスト増(調査対象であるドイツ企業の
47%が回答)、関税などの税負担の増加(同 40%)、サプライチェーンを見直
す必要性(同 33%)などが回答されている(図表 9)。こうした企業は、国民投
票の結果を受け、投資計画を見直すと思われる。
ユーロ圏消費は改善テ
ユーロ圏の個人消費は、回復テンポが減速している。4 月の小売数量は前
ンポが減速。実質雇用者
月比▲0.0%と 2 カ月連続で減少した。また、5 月の新車登録台数は同+0.3%
報酬の減速が背景に
と増加したが、4・5 月の平均水準は、1~3 月期を+0.2%上回るに過ぎない。
消費減速の背景にあるのは、実質雇用者報酬の減速とみられる。ユーロ圏
の実質雇用者報酬は、雇用改善や物価下落を背景に、1~3 月期には前期比+
0.9%に加速していた(図表 10)。しかし、4~6 月期に関しては、油価反発に
よって物価上昇が実質雇用者報酬を下押ししていると考えられる。雇用・賃
金の改善テンポが引き続き緩やかであるとみられる点も踏まえると、実質雇
用者報酬全体でみても、伸び率は減速すると予想される。
5
みずほ欧州経済情報(2016 年 6 月号)
図表 7
ユーロ圏・主要国の鉱工業生産
図表 8
(2014/9=100)
106
104
103
102
101
100
99
15/4
15/7 15/10
ドイツ
イタリア
16/1
16/4
スペイン
(年/月)
(資料)Eurostat よりみずほ総合研究所作成
図表 9
ドイツ産業連盟・デロイトの調査
図表 10
(単位:%)
回答割合
英国・EU間の規制の違いに伴う複雑さやコストの増大
1.2
1.0
0.8
0.6
0.4
0.2
0.0
▲ 0.2
▲ 0.4
▲ 0.6
47
税負担の増加
40
サプライチェーン見直しの必要性
33
関税障壁を通じた輸出機会の減少
27
英企業とのM&Aが困難に
21
非関税障壁を通じた輸出機会の減少
20
自社従業員に対する移動の制限
19
ロンドンが金融センターでなくなることによる資金調達コ
ストの増大
14
図表 11
Q3 2015
雇用
108
106
104
4月の受注水準は
昨夏と同程度
15/7 15/10
域内受注
102
100
16/4
(年/月)
16/1
ユーロ圏実質雇用者報酬
Q2
Q3
2014
雇用者
物価
物価下落が押し上げ要因に
Q4
Q1
Q2
Q3
Q4
Q1
15
16
賃金
(年/四半期)
実質雇用者報酬
(資料)欧州委員会よりみずほ総合研究所作成
ユーロ圏内外需関連統計
Q4 2015
Q1 2016 Q2 2016
2016/01 2016/02 2016/03 2016/04 2016/05 2016/06
鉱工業生産
ユーロ圏(19カ国)
前期比、%
0.4
0.4
1.0
0.2
2.4
▲ 1.2
▲ 0.7
1.1
n.a.
n.a.
ドイツ
前期比、%
0.0
▲ 0.6
1.7
0.2
2.8
▲ 1.1
▲ 0.8
1.1
n.a.
n.a.
フランス
前期比、%
0.5
0.7
▲ 0.6
0.5
1.1
▲ 1.3
▲ 0.4
1.2
n.a.
n.a.
イタリア
前期比、%
0.5
0.0
0.7
0.3
1.7
▲ 0.7
0.0
0.5
n.a.
n.a.
スペイン
前期比、%
0.6
0.6
0.2
0.7
▲ 0.1
▲ 0.3
1.3
▲ 0.0
n.a.
n.a.
%
81.2
81.6
82.0
n.a.
-
-
-
-
-
-
前期比、%
▲ 2.0
1.3
▲ 1.1
▲ 0.6
▲ 0.9
▲ 0.1
▲ 0.7
▲ 0.1
n.a.
n.a.
n.a.
ユーロ圏設備稼働率
ユーロ圏製造業受注
(大型輸送機器除く)
ユーロ圏経常収支
億ユーロ
27.4
28.1
23.9
n.a.
26.1
19.2
26.3
36.2
n.a.
ユーロ圏財・サービス輸出 前期比、%
▲ 1.6
0.9
▲ 1.0
▲ 2.0
▲ 0.1
▲ 1.5
1.3
▲ 2.3
n.a.
n.a.
ユーロ圏財・サービス輸入 前期比、%
▲ 1.3
0.5
▲ 1.5
▲ 3.8
0.1
▲ 1.0
▲ 1.4
▲ 2.6
n.a.
n.a.
ユーロ圏実質雇用者報酬 前期比、%
0.7
0.7
0.9
n.a.
-
-
-
-
-
-
%
10.7
10.5
10.3
n.a.
10.4
10.3
10.2
10.2
n.a.
n.a.
ユーロ圏小売数量
前期比、%
0.7
0.2
0.8
▲ 0.3
0.2
0.4
▲ 0.6
▲ 0.0
n.a.
n.a.
ユーロ圏新車登録台数
前期比、%
2.1
3.3
3.1
0.2
0.3
▲ 0.3
▲ 1.5
1.2
0.3
n.a.
ユーロ圏失業率
家計
110
(前期比、%)
Q1
(注)ドイツ企業 215 社に「英国のEU離脱が貴社の事業に及ぼ
す影響」を尋ねたもの。
(資料)ドイツ産業連盟、デロイト社よりみずほ総合研究所作成
外需
112
(資料)ECBよりみずほ総合研究所作成
影響の内容
企業
(2014/1=100)
(2014/1=100)
107
106
105
104
103
102
101
100
99
98
97
2014/10 15/1
15/4
製造業受注
輸出受注(右目盛)
105
98
2014/10 15/1
ユーロ圏
フランス
ユーロ圏製造業受注
(資料)Eurostat、欧州委員会経済金融総局、ECBよりみずほ総合研究所作成
6
みずほ欧州経済情報(2016 年 6 月号)
4.ユーロ圏物価動向:インフレ圧力は引き続き低調
5 月のユーロ圏インフレ
率はマイナス幅が縮小
5 月のユーロ圏インフレ率(消費者物価)は前年比▲0.1%と、4 月からマイ
ナス幅が縮小した(図表 12)。油価反発によりエネルギー物価の下落幅が縮小
したほか、コア・インフレ率(エネルギー・食品等を除く)が小幅に上昇した。
コアは上昇したがイン
フレ圧力は依然低調
もっとも、コア・インフレ率の上昇は、インフレ圧力の高まりを示すわけ
ではない。4 月に下押し要因として作用したイースター休暇時期のずれとい
う季節要因が 5 月に剥落し、
コア・インフレ率の上昇の主因となったからだ。
コア・インフレ率の内訳では、イースター要因の影響を受け易いパック旅行
や航空運賃を除くと、サービス物価上昇率は横ばい推移にとどまる(図表 13)。
また、非エネルギー工業品物価上昇率は鈍化傾向にあり、ユーロ安による押
し上げ効果が弱まっていることが示唆される。
ECB理事会は政策の
6 月 2 日の政策理事会において、欧州中央銀行(ECB)は金融政策の現状
現状維持を決定。インフ
維持を決定した。3 月に発表された新たな資金供給オペ(TLTRO2)などが 6 月
レ見通しには慎重
に実施されたことに加え、1~3 月期のユーロ圏GDP成長率が加速したこと
などを踏まえると、今回、追加緩和を検討する必要性は高くなかったと思わ
れる。ただし、ドラギ総裁は、記者会見において、物価安定の達成のために
あらゆる手段を講じると発言し、追加緩和に含みを持たせた。
次回 7 月の理事会(7 月 21 日)では、ECBの景気認識がどのように変化す
るかが注目される。6 月の理事会で発表されたECBスタッフの経済見通し
では、2016 年のGDP成長率が上方修正された(図表 14)。しかし、発表後、
英国民投票でEU離脱が選択されたことを受け、成長率見通しの下振れリス
クは高まっている。景気認識が下方修正され、それに関連して物価見通しも
下方修正されれば、ドラギ総裁の発言通り、追加緩和が視野に入ってくるこ
とになろう。既に金融市場では、年内の利下げを織り込む動きがみられる。
ECB理事会はギリシ
ECBは、6 月 22 日に、ギリシャ国債を定例の資金供給オペにおける担保
ャ国債への特別措置の
として再び受け入れることを決定した。本来なら、投資適格級にないギリシ
復活を決定
ャ国債は定例オペの担保と認められないが、6 月 17 日にギリシャ支援融資が
決定されたことを踏まえ、特別に担保と認められることになった。足元にか
けて、市場での資金調達が困難なギリシャ国内の銀行は、低金利の定例オペ
ではなく、高金利の緊急流動性支援(ELA)に依存するところも多かった
(図表 15)。今回の決定により、ギリシャ国内の銀行は、低金利の定例オペを
利用しやすくなる。
7
みずほ欧州経済情報(2016 年 6 月号)
図表 12 ユーロ圏インフレ率
(前年比、%)
1.2
図表 13 ユーロ圏コア・インフレ率の内訳
(前年比、%)
▲ 4.0
(前年比、%)
▲ 5.0
0.9
1.0
▲ 6.0
0.6
0.8
▲ 7.0
0.3
0.0
▲ 0.3
2015/5
15/8
15/11
ユーロ圏インフレ率
16/2
▲ 8.0
0.6
▲ 9.0
0.4
▲ 10.0
0.2
(年/月)
16/5
(年/月)
非エネルギー工業品物価
エネルギー(右目盛)
(資料)Eurostat よりみずほ総合研究所作成
(資料) Eurostat よりみずほ総合研究所作成
図表 14 ECBスタッフ経済見通し
図表 15 ギリシャ国内銀行への中銀の資金供給残高
(単位:%(原油除く))
2016
6月
GDP成長率
前回(3月)
修正幅
6月
インフレ率
前回(3月)
修正幅
6月
コア・インフレ率 前回(3月)
修正幅
6月
ブレント原油
前回(3月)
(ドル/バレル)
修正幅
コア財物価
上昇率は鈍化
2015/5
15/8
15/11
16/2
サービス(パック旅行・航空運賃除く)
16/5
コア・インフレ率
パック旅行、航空運賃
を除けばサービス物価
上昇率は横ばい
1.2
2017
1.6
1.4
0.2
0.2
0.1
0.1
1.0
1.1
▲ 0.1
38.4
31.4
7.0
1,600
2018
1.7
1.7
0.0
1.3
1.3
0.0
1.2
1.3
▲ 0.1
43.1
36.8
6.3
1.7
1.8
▲ 0.1
1.6
1.6
0.0
1.5
1.6
▲ 0.1
45.0
40.1
4.9
(億ユーロ)
ELA
定例オペ
1,400
1,200
1,000
800
600
400
200
0
(年/月)
(資料)ECBよりみずほ総合研究所作成
(資料)ギリシャ中央銀行よりみずほ総合研究所作成
図表 16 ユーロ圏物価関連統計
Q3 2015
物価
商品
ユーロ圏インフレ率
コア(エネルギー・
食品等除く)
エネルギー
Q4 2015
Q1 2016 Q2 2016
2016/01 2016/02 2016/03 2016/04 2016/05 2016/06
0.1
0.2
0.0
n.a.
0.3
▲ 0.2
▲ 0.0
▲ 0.2
▲ 0.1
n.a.
前年比、%
0.9
1.0
1.0
n.a.
1.0
0.8
1.0
0.7
0.8
n.a.
前年比、%
▲ 7.2
▲ 7.2
▲ 7.4
n.a.
▲ 5.4
▲ 8.1
▲ 8.7
▲ 8.7
▲ 8.1
n.a.
食品・アルコール・タバコ 前年比、%
1.2
1.4
0.8
n.a.
1.0
0.6
0.8
0.8
0.9
n.a.
非エネルギー工業品
前年比、%
0.4
0.5
0.6
n.a.
0.7
0.7
0.5
0.5
0.5
n.a.
サービス
前年比、%
1.2
1.2
1.1
n.a.
1.2
0.9
1.4
0.9
1.0
n.a.
ドイツ・インフレ率
前年比、%
0.0
0.3
0.1
n.a.
0.4
▲ 0.3
0.2
▲ 0.3
0.0
n.a.
フランス・インフレ率
前年比、%
0.1
0.2
0.0
n.a.
0.3
▲ 0.1
▲ 0.1
▲ 0.1
0.1
n.a.
イタリア・インフレ率
前年比、%
0.3
0.2
▲ 0.0
n.a.
0.4
▲ 0.3
▲ 0.3
▲ 0.4
▲ 0.3
n.a.
スペイン・インフレ率
前年比、%
▲ 0.6
▲ 0.5
▲ 0.8
n.a.
▲ 0.4
▲ 1.0
▲ 1.0
▲ 1.2
▲ 1.1
n.a.
生産者物価(消費財)
前年比、%
▲ 0.6
▲ 0.2
▲ 0.4
n.a.
▲ 0.2
▲ 0.4
▲ 0.6
▲ 0.6
n.a.
n.a.
輸出物価
前年比、%
2.9
2.3
▲ 0.3
n.a.
1.4
▲ 0.4
▲ 1.8
n.a.
n.a.
n.a.
輸入物価
前年比、%
▲ 2.1
▲ 2.6
▲ 4.9
n.a.
▲ 2.0
▲ 4.8
▲ 7.7
n.a.
n.a.
n.a.
ブレント原油(ユーロ建て) 前年比、%
▲ 41.0
▲ 34.5
▲ 34.3
n.a.
▲ 31.1
▲ 40.4
▲ 32.5
▲ 31.6
▲ 28.2
n.a.
(資料) Eurostat、Datastream よりみずほ総合研究所作成
8
みずほ欧州経済情報(2016 年 6 月号)
5.英国経済の概況:EU離脱の決定を受け景気後退リスクが増大
1~3 月期のGDP成長
率は低下。投資が低調
1~3 月期の英GDP成長率(2 次推計値)は前期比+0.4%に減速した(図表
16)。需要項目の内訳をみると、在庫投資のプラス寄与度が縮小したことが
成長率減速の主因である。在庫積み増しは続いたが、そのテンポが減速した。
また、固定投資は増加に転じたが、10~12 月期の輸送機械の大量処分の反動
であり、投資の基調は弱いままである。
5 月までの景気指標は国
5 月までの景気指標は、総じて、国民投票を前に英景気が減速しているこ
民投票を前に景気が減
とを示す内容だった。合成PMIは 5 月にやや上昇したが、4・5 月平均は
速していることを示す
52.5 となり、1~3 月期(54.2)を大幅に下回った(図表 17)。雇用・賃金の動
内容
向は芳しくなかった。4 月の就業者数(3 カ月移動平均)は、前月差+16 千人
と減速した(図表 18)。企業の採用意欲が弱く、3 月の就業者数の大幅増が一
時的だったことを確認する結果と言える。イングランド銀行(BOE)のサー
ベイなどを踏まえると、生産性向上や景気の不透明感に加え、
「全国生活賃
金(National Living Wage※)」に伴うコスト増の回避などが、採用意欲の弱
さの理由であるようだ。4 月の民間賃金(賞与除く、3 カ月移動平均)は前月
比+0.4%と上昇率が加速したものの、労働需給のひっ迫に伴うものではな
く、全国生活賃金の導入に伴う一時的な動きと考えられる。
(※ 全国生活賃金の導入で 25 歳以上の雇用者の最低賃金は 7%程度引き上げられる)
国民投票を終え、英景気
6 月 23 日の国民投票でEU離脱が選択されたことを受け、7 月以降、英景
の下振れリスクは増大。
気の減速感が一段と強まったり、あるいは、マイナス成長に転じたりする可
英財務省は 7~9 月期以
能性が高い。離脱が英景気に及ぼす中長期的な影響を考える上では、英国と
降に景気後退に陥ると
EUとの貿易関係の行方などを考慮する必要があるが、短期的な視点では、
試算
離脱決定を受けた金融市場の混乱による資金調達コストの増大や、今後に関
する漠然とした不透明感の高まりに伴う企業・家計マインドの悪化が、投
資・消費を下押しすると思われる。
英財務省は、資金調達コストや不透明感の高まりに関して一定の前提を置
いた上で、離脱が英景気に及ぼす短期的な影響を試算している。試算による
と、7~9 月期のGDP成長率はマイナスに転じ、その後 1 年程度、英国は景
気後退が続く。試算結果は幅を持って解釈する必要があるが、離脱の決定を
受けて、財務省以外でも、多くの調査機関が英景気見通しを引き下げている
と報道されている。
市場ではBOEの追加
緩和の思惑が強まる
BOEは、6 月の金融政策委員会(MPC)において、全会一致で政策の現
状維持を決定した。一方、BOEにとって最大のリスクとされた英国のEU
離脱が決まったことを受け、金融市場では利下げの思惑が強まっている。O
ISの動きを踏まえると、次回 7 月 14 日のMPCで利下げされる確率は約
50%、年内のMPCで利下げされる確率は約 80%となっている(図表 19)。
以上
9
みずほ欧州経済情報(2016 年 6 月号)
図表 16
英GDP
図表 17
(前期比、%)
(Pt)
62
2.5
2.0
1.5
1.0
0.5
0.0
▲ 0.5
▲ 1.0
▲ 1.5
▲ 2.0
英PMI
60
58
←
拡 56
張 54
Q2
Q3
Q4
Q1
2014
Q2
Q3
Q4
15
→
Q1
52
景 50
気
48
Q1
46
縮
小 44
16
在庫投資
外需
固定投資
政府支出
個人消費
実質GDP
(年/四半期)
(前月差、千人)
200
英雇用関連統計
2014/5
サービス業
15/5
図表 19
160
(前月比、%)
0.6
賃金上昇率の加速は
0.5
一時的とみられる
120
0.4
80
0.3
40
0.2
0
0.1
30
▲ 40
0.0
20
▲ 80
▲ 0.1
16/5
(年/月)
10
英政策金利に関する市場期待
据え置き
90 (%)
利下げ
利上げ
80
70
60
50
40
雇用は再び失速
▲ 120
▲ 0.2
2014/4
14/10
15/4
15/10
16/4
就業者数(3カ月平均)
(年/月)
民間賃金(賞与除く・3カ月平均、右目盛)
(資料)英統計局よりみずほ総合研究所作成
図表 20
製造業
(資料)Markit よりみずほ総合研究所作成
(資料)英統計局よりみずほ総合研究所作成
図表 18
合成PMI
0
16/4
2016/4
16/5
16/6
(年/月)
(注)利下げ(利上げ)確率は、2016 年 12 月までに少なくとも
1 度、利下げ(利上げ)される確率。
(資料)Bloomberg よりみずほ総合研究所作成
英景気の全体感を示す主要統計
Q3 2015
Q4 2015
Q1 2016 Q2 2016
2016/01 2016/02 2016/03 2016/04 2016/05 2016/06
成長率
実質GDP
0.4
0.6
0.4
n.a.
-
-
-
-
-
-
景況感
合成PMI
Pt
55.1
55.5
54.2
52.5
56.2
52.7
53.6
51.9
53.0
n.a.
製造業PMI
Pt
51.9
53.1
51.5
49.8
53.0
50.7
50.8
49.4
50.1
n.a.
サービス業PMI
Pt
55.4
55.4
54.0
52.9
55.6
52.7
53.7
52.3
53.5
n.a.
前期比、%
企業
鉱工業生産
前期比、%
0.2
▲ 0.4
▲ 0.4
2.1
0.6
▲ 0.2
0.3
2.0
n.a.
n.a.
外需
財輸出
前期比、%
▲ 5.6
▲ 1.2
1.1
11.7
0.4
1.1
3.1
9.1
n.a.
n.a.
財輸入
前期比、%
0.9
0.6
1.6
5.4
5.1
▲ 1.1
▲ 0.2
5.9
n.a.
n.a.
%
5.4
5.1
5.1
5.0
5.1
5.1
5.1
5.0
n.a.
n.a.
前期比、%
0.4
0.4
0.9
0.8
0.3
0.4
0.2
0.4
n.a.
n.a.
前期比、%
1.0
1.2
1.3
1.8
2.3
▲ 0.4
▲ 0.6
2.0
0.9
n.a.
n.a.
雇用
家計
失業率
民間賃金(賞与除く、
3カ月平均)
小売数量
Nationwide住宅価格指数 前年比、%
3.5
4.0
5.0
4.8
4.4
4.8
5.7
4.8
4.7
物価
消費者物価指数
前年比、%
0.0
0.1
0.3
0.3
0.3
0.3
0.5
0.3
0.3
n.a.
金融
主要政策金利
末値、%
0.50
0.50
0.50
0.50
0.50
0.50
0.50
0.50
0.50
0.50
末値、%
2.11
2.29
1.84
n.a.
1.93
1.79
1.84
1.99
1.84
n.a.
末値、£/$
1.51
1.47
1.44
n.a.
1.42
1.39
1.44
1.46
1.46
n.a.
英10年国債利回り
ポンドドル
(資料)英統計局、Nationwide、Markit、Datastream よりみずほ総合研究所作成
10
みずほ欧州経済情報(2016 年 6 月号)
2016年 6月 3 0 日
発行
欧米調査部上席主任エコノミスト 吉田健一郎
03-3591-1265 kenichi ro.yoshid a@mizuho- ri.co.jp
欧米調査部主任エコノミスト 松本 惇
03-3591-1199 atsushi .matsumot o@mizuho- ri.co.jp
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