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6/25(土)
29th
サタデープログラムニュース
講座番号 10 (第 3 部
14:00~15:30)
「江ノ電 10km の奮闘」
~地域・お客様との絆を育む~
講師:深谷研二さん(前江ノ島電鉄㈱取締役社長)
<経歴>
1949 年 東京都生まれ
1971 年 小田急電鉄㈱入社(土木職)
2001 年 執行役員運転車両部長
2005 年 箱根登山鉄道㈱取締役社長
2008 年 江ノ島電鉄㈱取締役社長
2015 年 同社相談役退任
江ノ電にお客さんが乗るワケ
江ノ島電鉄(通称:江ノ電)は神奈川県の藤沢駅と鎌倉駅を結ぶ、長さ10km の鉄道会
社です。沿線には有名な江ノ島、鎌倉大仏、鶴岡八幡宮など多くの観光地があり、利用客
の約7割が観光客です。路線の途中には線路が道路上にある、いわゆる路面電車のよう
な区間があったり、歴史的な背景から遮断機のない踏切があったりと、安全に電車を運行
するには注意が必要な場所が多くあります。
江ノ電の沿線の観光地へは藤沢駅・鎌倉駅などから直接向かうバスが出ており、運賃も
江ノ電とほぼ変わりません。しかし、ゴールデンウィークや夏休みなどには駅の入場を規制
するほど多くの人が江ノ電を利用します。何故、人々は江ノ電を選ぶのでしょうか。
それは、江ノ電が昔からの魅力を守りつつ、時代に合わせた新しいサービスを提供して
いるからです。例えば、約 60 年前に製造された車両の部品はすでに製造が終了されてお
り、修理するには江ノ電自身で部品を製造しなくてはならなく、運行し続けるにはかなりの
コストがかかります。しかし、この古い車両を目当てに江ノ電に乗りに来る人が多くいるので、
廃車にせずに運行させ続けています。また、新しい車両の車内には液晶パネルやドアで
の服などの巻き込みを防止するチャイムの設置など、最新の技術を導入してお客さんの利
便性を高めています。
海外からもお客さんを呼びこめ!
最近では海外、特に東南アジアからの観光客が増えています。江ノ電では、海外のお
客さんにも来てもらおうと、まずは台湾の国鉄である台湾鉄路管理局と観光連携協定を結
び、それに基づいて台湾の観光地を走るローカル線の平渓線という路線で江ノ電の1日
乗車券が使え、また逆に平渓線の 1 日乗車券が江ノ電でも使えるサービスを開始しました。
開始から 2 年で約 1 万人の台湾のお客さんがこのサービスで江ノ電を使っています。
この他にも、神奈川県観光協会と台湾駐日観光協会・中華航空を加えた観光プロモー
ション協定を締結して観光連携の強化にも協力をしました。
また、電車内の液晶パネルや駅の案内表示を日本語・英語だけでなく韓国語・中国語
にも対応させたり、Wi-Fi を使えるようにしたり、英語や中国語で対応できるスタッフがいて、
地域名産品の PR や観光情報・案内を提供する観光案内所を設置したりして、海外からの
お客さんにも利用してもらいやすくしています。
お客さんに何度も来てもらうには?
お客さんが 1 度しか来てくれなければその数は減り続けます。
リピーターを獲得するために、江ノ電は「夏」のイメージが強い湘南へ冬にも来てもらおう
と、イルミネーションやチューリップを早めに咲かせたり、サンタクロースが子どもにプレゼ
ントをするイベントなどを行なったり、あえて夏のイメージのある花火を打ち上げたりと、冬
にも多くのお客さんが訪れてくれるような取り組みをしています。
また、お客さんにより満足してもらうために沿線の観光地の掘り起こしや磨きをかけること
も積極的に行っています。
例えば、鎌倉のお土産屋さんは少し前までは午後5時になるとどこも閉まってしまうのが
当たり前というような状況でした。しかし、最近では多くのお店が以前より遅い時間まで開
いています。また、このようにすることで他のお店と相乗効果が生まれて質の高い、より良
い、より魅力的な観光地になっていきます。
また、由緒ある寺院などは江ノ電が作成している「江ノ電ナビ」という沿線案内で紹介を
しています。
このようにして江ノ電はお客さんに来続けてもらっているのです。
講座の中では普段知り得ない鉄道会社の裏側や、まだまだ知らない鎌倉・江ノ島の魅
力をお話いただきます。
是非ご受講下さい!
担当:加藤(H2C)、青地(H2F)