事例:MEN’S SHIRTS (日インド協定) 1 事例検討 通関関係書類から、原産地基準を 満たしているか確認する 2 事例検討に係る注意事項 ・ 貨物の原産地基準についてのみ検討し、積送 基準及び手続的規定については考慮の対象 外とする。 ・ HS番号及び商品の商業上の妥当性について は問疑しない。 ・ 各資料に記載されている各情報は信頼できる ものとする。 3 参考 原産地証明書の記載事項 4 ①日インドEPAの ②累積及び僅少の規定を適用したうえで、 品目別規則を満たす産品である。 - ということは 非原産材料が使用されている。 ③非原産材料がHS6205.90の品目別 規則を満たしているかを確認する。 5 STEP1 最終産品の品目別規則を確認する。 品目別規則: 「織物類又は編物類からの製造(付表に規定す る必要な工程を経る場合に限る。)」 ① ② 付表E: インドにおいて、 「メリヤス編み、クロセ編み又は織りの工程」及び 「製品化の工程」が必要。 産品は非原産材料の織物類又は編物類から製造 され、更に、その織物類又は編物類は、 ①「メリヤス編み、クロセ編み又は織りの工程」 及び ②「製品化の工程」 を経ている必要がある。 6 STEP2 非原産材料がどの材料かを確認する。 Material HS code Weight (/pcs) Note 1 Woven Fabrics 54.07 110g Woven in India 2 Narrow Woven Fabrics 58.06 42g Woven in India 3 Fabrics 60.06 27g Japan Origin 4 Fabrics coated with plastics 59.03 8g Imported from Bangladesh 5 Fabrics 60.06 4g Imported from Pakistan 6 Sewing thread 54.01 2g India Origin 7 Button 96.06 6g India Origin 8 Label 58.07 1g India Origin Men's Shirt 62.05 200g マテリアルリストの「Note」欄を確認すると、6~8はインド原産材料、その他は 非原産材料として検討する必要があることがわかる。 しかしながら、材料それぞれに特徴があり、付表の二つの工程を含む品目別 規則すべてを満たすべきか否かは、材料ごとに判断する必要がある。 7 STEP3 非原産材料が品目別規則を満たすかどうかを確認する。 更 を 両②①にこ 「 れ 方「 製メ付ら 満品リ表 た化ヤの材 しのス 料 て工編 は い程み 「 織 る」、 物 か ク 」 確 ロ 又 は 認 セ 編 「 す み 編 る 又 物 必 は 」 要 織 で が り あ あ の る る 工 の 。 程 で 、 」 、 Material HS code Weight (/pcs) Note 1 Woven Fabrics 54.07 110g Woven in India 2 Narrow Woven Fabrics 58.06 42g Woven in India 3 Fabrics 60.06 27g Japan Origin 4 Fabrics coated with plastics 59.03 8g Imported from Bangladesh 5 Fabrics 60.06 4g Imported from Pakistan 6 Sewing thread 54.01 2g India Origin 7 Button 96.06 6g India Origin 8 Label 58.07 1g India Origin Men's Shirt 62.05 200g 8 STEP3 非原産材料が品目別規則を満たすかどうかを確認する。 日インドEPA品目別規則 第62類 織物類又は編物類からの製造(付表に規定する必要な工程を経る場合に限る) 62.01-62.17 非原産材料について、まずは①「メリヤス編み、クロセ編み又は織りの工程」が 行われているかを確認する。 日インドEPA品目別規則 付表E 62.01 62.17 締約国(インド)において当該締約国(インド)の原産品とされるために必要な工程 ① メリヤス編み、クロセ編み又は織りの工程 ② 必要 製品化の工程 必要 織物、かつインドにおいて 織られている。 →①の工程が行われている。 →②の工程を確認する。 4は織物、5は編物だがインドにおいて織られ、 又は編まれてていない。 →①の工程が行われていない。→品目別規則を満たさない。 編物だがインドにおいて 編まれていない →①の工程が行われていない。 →品目別規則を満たさない。 9 STEP3 非原産材料が品目別規則を満たすかどうかを確認する。 日インドEPA品目別規則 第62類 62.01-62.17 織物類又は編物類からの製造(付表に規定する必要な工程を経る場合に限る) 次に、非原産材料のうち ①「メリヤス編み、クロセ編み又は織りの工程」 が行われている2種類の材料(「1 Woven Fabrics」,「2 Narrow Woven Fabrics」)が、 ②「製品化の工程」 を満たしているか確認する。 日インドEPA品目別規則 付表E 62.01 - 締約国(インド)において当該締約国(インド)の原産品とされるために必要な工程 メリヤス編み、クロセ編み又は織りの工程 62.17 ① 必要 製品化の工程 ② 必要 添付の製造工程表を確認する。 10 STEP3 非原産材料が品目別規則を満たすかどうかを確認する。 インド所在の工場で製造 材料受け入れから金属検査・ こん包まで、この工場で行わ れている。 製造工程表から、最終産品はイン ド所在の製造工場において、材料の 受け入れからこん包までの作業が 行われており、全ての材料が製品化 の工程を経ていることがわかる。 11 STEP3 非原産材料が品目別規則を満たすかどうかを確認する。 Material HS code Weight (/pcs) Note 1 Woven Fabrics 54.07 110g Woven in India 2 Narrow Woven Fabrics 58.06 42g Woven in India 3 Fabrics 60.06 27g Japan Origin 4 Fabrics coated with plastics 59.03 8g Imported from Bangladesh 5 Fabrics 60.06 4g Imported from Pakistan 6 Sewing thread 54.01 2g India Origin 7 Button 96.06 6g India Origin 8 Label 58.07 1g India Origin Men's Shirt 62.05 200g それぞれの材料が、満 たすべき品目別規則 (付表を含む)を満たす。 品目別規則を満たさない →救済規定を確認する。 品目別規則を満たさない →救済規定を確認する。 12 STEP4 品目別規則を満たさない非原産材料に 救済規定が適用できるか確認する。 ○救済規定①累積 相手国の原産品を自国の原産材料とみなすという考え方 ○救済規定②僅少の非原産材料 関税分類変更基準を満たさない非原産材料があったとしても、 それがごく僅かなものなら無視しようという考え方 3 Fabrics 60.06 27g Japan Origin 4 Fabrics coated with plastics 59.03 8g Imported from Bangladesh 5 60.06 4g Imported from Pakistan Fabrics 相手国(日本)の原産品で あるため、 救済規定①累積 が適用可能 相手国(日本)の原産品ではないため、救済規定①累積は適用できないが、最終産品 の重量と比較して当該材料(4,5)の合計重量が少ないため、 (※)救済規定②僅少の非原産材料 の適用を検討することが出来る。 (※)日インドEPA 第32条 僅少の非原産材料 (c)統一システム第50類から第63類までの各類に分類される産品(略)については、当該産品の重量の7パーセント (8+4)/200×100=6% 産品の重量の7%以下であり、僅少の規定が適用可能 13 Material HS code Weight (/pcs) Note 1 Woven Fabrics 54.07 110g Woven in India 2 Narrow Woven Fabrics 58.06 42g Woven in India 3 Fabrics 60.06 27g Japan Origin 4 Fabrics coated with plastics 59.03 8g Imported from Bangladesh 5 Fabrics 60.06 4g Imported from Pakistan 6 Sewing thread 54.01 2g India Origin 7 Button 96.06 6g India Origin 8 Label 58.07 1g India Origin Men's Shirt 62.05 200g それぞれの材料が、満 たすべき品目別規則 (付表を含む)を満たす。 品目別規則を満たさない が、累積の規定を適用可 能。 品目別規則を満たさない が僅少の非原産材料の 規定を適用可能。 以上から、当該MEN’S SHIRTSは日インドEPA上の 原産品と認められる。 14
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