2016年6月

2016/
グローバル・マクロ・
トピックス
7/1
投資情報部
シニアエコノミスト
吉川 健治
中国:大企業が政策効果で上向く。6.7%前後の成長か
~製造業PMI評価(2016年6月)と4-6月期GDP予想
 2016年6月の各種製造業PMIは大企業が50台を維持し底堅く上向き、中小企業が50割れで
悪化と2極化の動きが顕著。大企業中心の国家統計局の製造業PMIは50と景況分岐点上に
とどまった。7/15公表予定の4-6月期実質GDPは不動産市場の改善や公共事業の強化、消
費の底堅さ、等により1-3月期(前年同期比+6.7%)と同程度の成長率が予想される。
6月の各種製造業
PMIは大企業が底堅
く、中小企業が厳し
い、2極化が顕著。国
家統計局の 同指数
が50の分岐点上
2016年6月の各種製造業PMIは大企業が景気対策の恩恵をうけて上向き50台を
維持し、中小企業が50割れで悪化と2極化の動きが顕著である。大企業中心の国
家統計局の製造業購買担当者指数(統計局製造業PMI)は前月比▲0.1ポイントの
50と景況分岐点上にとどまった。規模別内訳では、大企業PMIが同+0.7ポイントの
51と3ヵ月ぶりに上向き、製造業PMI全体を下支え。中型企業PMIは同▲1.4ポイント
の49.1と3ヵ月ぶりに50割れ、小型企業PMIが同▲1.2ポイントの47.4と低下、23ヵ月
連続の50割れとなった。一方、財新製造業購買担当者指数(財新製造業PMI)(中
小企業が主な調査対象)は同▲0.6ポイントの48.6と3ヵ月連続低下で16ヵ月連続の
50割れ。さらに、6/21に公表された6月の民生新供給製造業総合指数(民新製造業
PMIと略称)が同▲2.6ポイントの43.2と2ヵ月連続で低下し19ヵ月連続の50割れ、中
小・零細企業の製造業景況感が厳しい状況であることを示している。
中国の製造業PMIと鉱工業生産
(%)
(月次:2014/1~2016/6)
60
10
民新製造業PMI(左目盛)
財新製造業PMI(左目盛)
国家統計局製造業PMI(左目盛)
うち、大企業PMI(左目盛)
鉱工業生産(右目盛)
55
9
50
8
45
7
[景気拡大・後退の分岐点50]
40
6
35
5
14
15
16
(年)
(注)鉱工業生産は前年同月比、毎年1~2月は累計の前年同期比で2016年5月まで
民新製造業PMIは2014年9月から
出所:中国国家統計局資料、マークイット資料、華夏新供給経済学研究院資料、
CEICデータよりみずほ証券作成
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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2016/7/1
グローバル・マクロ・トピックス
固定資産投資は前年同月比でみると、主力の民間投資は5月に+0.9%とゼロに接
民間投資の低迷を公
共事業の 拡大や 不
動産市場の改善で下
支え。4-6月期実質
GDPは1-3月期と同
程度の成長率か
近、6月はマイナスに転じる可能性が高まっている。一方、国有企業投資が1~5月
の期間、+20%台の高水準を維持、6月は大企業PMIの上向きの動きから、政府の支
援強化にともない好調な動きであったと推定される。また、住宅市場は1~5月累計
ベースで、新規着工や販売の勢いが続いている。「地王(高値での土地の落札者)」
は地方政府系国有企業や中央政府傘下の製造企業が大半を占め、1級都市から2
級都市にまん延しているとの報道がみられる。本業の構造調整や採算悪化、等へ
の対応策であることも否定し難い。また、非合法な頭金融資が不動産市場で投機的
な行動を促しているようだ。
なお、7/15に公表予定の4-6月期GDP統計では不動産市場の改善や公共事業
の強化、改革先送りによる雇用の安定等にともなう消費の底堅さ、等により1-3月期
の実質GDP成長率(前年同期比+6.7%)と同程度になることが予想される。
中国の固定資産投資とその主な内訳
(%)
(月次:2011/1~2016/5)
40
固定資産投資
うち、民間投資
うち、国有企業投資
30
うち、不動産開発投資
20
10
0
▲ 10
11
12
13
14
15
16
(年)
(注)前年同月比、毎年1~2月は累計の前年同期比、月次数値はみずほ証券試算
出所:中国国家統計局資料、CEICデータよりみずほ証券作成
鉄鋼企業の 業績改
善が顕著。工業生産
全体は 緩や か な 鈍
化にとどまろう
工業企業の業績で注目される動きとして、ここで、鉄鋼企業の大幅改善が顕著で
ある。不動産市場の改善や公共事業の拡大をうけて、粗鋼・鋼材生産の数量が拡
大、市況が持ち直ししている。中国政府は今後、不動産政策の微調整を図ろうが、
下半期は大きな下押しにはならず、工業生産全体も緩やかな鈍化にとどまろう。
中国の鉄鋼企業の業績と赤字企業割合
(%)
(%)
(月次:2011/1~2016/5)
100
80
60
40
20
0
30
2016年4月は
大幅増益に
転換、5月は
一層改善
2013/2:1,701.7
2013/3: 333.9
中国の粗鋼生産(日量)と鉄鉱石価格
(日量=万トン)
(1トン=ドル)
(旬次:2013/1上旬~2016/6中旬)
250
25
225
粗鋼生産(日量 左目盛) 2016/4~5月の
150
鉄鉱石の平均輸入価格
(鉄分含有量62% 右目盛)
120
2ヵ月連続の過
去最高から調整
の動き
90
20
▲ 20
▲ 40
▲ 60
▲ 80
▲ 100
200
60
15
利益総額の増減率(左目盛)
主要業務収入の増減率(左目盛)
赤字企業割合(右目盛)
11
12
13
14
15
175
10
16
30
13
(年)
14
15
16
(年)
(注)粗鋼生産は2014年4月下旬~2015年7月下旬、2015年8月~9月と2016年2月の一部数値が
未公表。鉄鉱石価格は週次を月3回のデータに調整、2014/1/10から
出所:中国国家統計局資料、CEICデータよりみずほ証券作成
(注)毎年1~2月は累計の前年同期比、主要業務収入と利益総額は年初来の前年同期比
出所:中国国家統計局資料、CEICデータよりみずほ証券作成
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
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2016/7/1
グローバル・マクロ・トピックス
中国の製造業PMIの構成指数
(月次:2011/1~2016/6)
60
生産
新規受注
原材料在庫
雇用
サプライヤー納期
55
50
[景気拡大・後退の分岐点50]
45
11
12
13
14
15
16
(年)
出所:中国国家統計局資料、CEICデータよりみずほ証券作成
中国の製造業PMI(その他指数)
69.3(2011/1)
70.1(2011/2)
68.3(2011/3)
66.2(2011/4)
60.3(2011/5)
60
(月次:2011/1~2016/6)
購入量
新規輸出受注
原材料購買価格
輸入
製品在庫
55
[景気拡大・後退
の分岐点50]
50
45
40
11
12
13
14
15
16
(年)
出所:中国国家統計局資料、CEICデータよりみずほ証券作成
人民元の基準値、現物レート、先物レート
(1ドル=人民元)
(日次:2015/8/3~2016/6/30)
6.10
人民銀行公表の営業日基準値(逆目盛)
6.20
現物レート(中国本土CNY 逆目盛)
先物レート(1年物香港NDF 逆目盛)
6.30
オフショア市場の現物レート(香港CNH 逆目盛)
6.40
6.50
6.60
6.70
6.80
6.90
7.00
[2015/8/11の人民元切り下げの
前営業日終値からの増減率 %]
基準値:▲7.77(人民元安)
CNY :▲6.59(人民元安)
CNH :▲6.84(人民元安)
NDF :▲8.07(人民元安)
人民元高
(年/月)
出所:中国人民銀行資料、ブルームバーグのデータ、CEICデータよりみずほ証券作成
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2016/7/1
グローバル・マクロ・トピックス
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