【韓国】

【韓国】
5 月の市場動向トピックス
 およそ 2 年半ぶりの円高水準
最安値は 5 月 2 日の 100W=9.36 円(100 円=1,068.65W)、最高値は 5 月 6 日の 100W=9.16 円(100 円=
1,091.53W)。2 月中旬から下旬にかけて円高が進行、その後 3 月からほぼ横ばいの状況が続き、再び 5 月にやや円
高となったが、訪日旅行需要に水を差すまでの水準には至っていない。
 熊本地震を受け、2 年ぶりの前年同月比マイナスに
2016 年 5 月の訪日韓国人数は、前年同月比 4.2%減の 302,100 人。4 月 14 日以降発生した「平成 28 年(2016
年)熊本地震」を受け、セウォル号沈没事故による自粛ムードが続いていた 2014 年 6 月以来となる、マイナスの伸び
率となった。熊本空港や大分空港などでは、韓国からの直行便が 5 月末まで運休となったのに加え、その他の空港
でも運休や減便が相次ぎ、5 月の訪日需要に影響することとなった。大分便・佐賀便は 6 月から運航が再開された
ものの、熊本便などは、6 月以降も運休・減便が続いている。
韓国では、昨年 6 月に中東呼吸器症候群(MERS)の影響で訪日者数が大きく落ち込んだことから、今年 6 月の伸
び率は前年同月比でプラスになることも予想されるが、熊本地震の影響もあり、伸び率はそれほど高くならないとみら
れる。今後は、地震の影響を受けた九州のみならず、訪日需要全体の早期回復に向け、テレビの CM や番組支援、
SNS 等を活用した情報発信、旅行会社・航空会社等との共同広告など、引き続き幅広い事業を展開していく。
5 月の主なプロモーション活動

九州への訪日旅行促進のため、韓国の人気テレビ番組を招請し、現地で人気の高い九州地方について改めて情
報発信を行った。なお、撮影は 5 月末~6 月初旬に実施、テレビ放映は 6 月中旬以降を予定している。

旅行会社及び航空会社と連携したオンライン広告や新聞広告の掲載、テレビホームショッピングによる日本各地へ
の訪日旅行商品の販売など、幅広い広告展開により訪日旅行需要を喚起した。
韓国のテレビ局招請
旅行会社との共同広告
【中国】
5 月の市場動向トピックス

5 月として過去最高の 507,200 人が訪日
2016 年 5 月の訪日中国人数は、前年同月比 31.0%増の 507,200 人で、5 月として過去最高を記録。2013 年 9
月以降、33 か月連続で各月の最高を更新している。訪日クルーズ船寄港数は、昨年の 17 隻から 58 隻に増加。
海港からの訪日者数は昨年のピーク時を上回っていると見られ、前月同様、クルーズによる訪日需要が中国市場
の伸びを牽引している。

熊本地震の影響
一部の現地旅行会社において、中国の経済情勢や「平成 28 年(2016 年)熊本地震」の影響等により、団体旅行
を中心に送客数の伸び悩みが見られたものの、九州方面へのクルーズは引き続き好調を維持している。なお、中国
からのクルーズの約 9 割が九州行きとなっている。
5 月の主なプロモーション活動

5 月 19 日~22 日に上海世界旅游博覧会(WTF)に、5 月 20 日~22 日には北京国際旅游博覧会(BITE)に出
展。5 月 28 日~29 日には広東省仏山市のショッピングモールにて、BtoC 向け訪日販促イベントを開催した。BITE
では、併催事業として日本の出展団体と北京の旅行会社との商談会も開催。夏休み以降の新商品造成に向け
た活発な商談がなされた。
BITE

仏山訪日販促イベント
旅行会社を対象とした訪日旅行促進セミナーを、5 月 27 日に南京、5 月 31 日に杭州で開催した。本セミナーでは、
「平成 28 年度の中国市場における JNTO 事業計画案」、「最新の市場動向(講師:ADK マーケット分析官)」、
「広域観光周遊ルート(昇龍道)(講師:当地旅行コンサルタント)」の説明に加え、熊本地震の復旧状況及び九
州観光の現状を正しく認識してもらうために、熊本県・大分県・JR 九州の上海事務所より、各地の復旧状況等を
説明した。※参加社数:南京(南京及び無錫の旅行会社:20 社)、杭州(杭州及び寧波の旅行会社:21 社)
大分県上海事務所からの説明(5/31@杭州)
【台湾】
5 月の市場動向トピックス

立山黒部アルペンルートと花のシーズンで人気を維持
2016 年 5 月の訪日台湾人数は、前年同月比 10.5%増の 375,500 人で、5 月として過去最高を記録。40 か月連
続で各月の過去最高を更新した。立山黒部アルペンルートの開通や日本各地で花々が見頃を迎え、訪日人気が
継続している。立山黒部アルペンルートについては、小松、富山便の臨時増便を利用したツアーのみならず、名古
屋・大阪・東京・茨城など複数の空港から訪問するツアーも造成されており、あしかがフラワーパークや国営ひたち海
浜公園での花見など、日本各地の「花鑑賞」需要も定着しつつある。
5 月の主なプロモーション活動

高雄、台北、台中の 3 都市で開催された旅行博にビジット・ジャパン(VJ)ブースを出展した。台湾経済の低迷な
どの懸念材料がある中、入場者数はいずれの旅行博も昨年の実績を上回り、旺盛な訪日意欲が窺えた。日本
からは 39 団体が共同出展し、夏の旅行シーズンに向けて全国各地の多彩な魅力を発信した。各旅行博の前日
には、訪日旅行商談会を開催し、旅行商品の造成による送客の促進を図った。
出展旅行博
高雄国際旅展(KTF)
台北国際観光博(TTE)
台中国際旅行博(ATTA)
開催期間
5/13(金)~5/16(月)
5/20(金)~5/23(月)
5/27(金)~5/30(月)
入場者数
284,868 人
290,302 人
174,717 人
(2015 年実績)
(272,502 人)
(282,865 人)
(152,110 人)
台北国際観光博(TTE)/VJブース
訪日旅行商談会/高雄
【香港】
5 月の市場動向トピックス

5 月として過去最高の 140,000 人が訪日
2016 年 5 月の訪日香港人数は、前年同月比 16.1%増の 140,000 人で、5 月として過去最高を記録。40 か月
連続で各月の過去最高を更新した。連休の日並びに変化はあったものの、昨年同月と比較して、格安航空会
社(LCC)を含め航空座席供給量が約 13%増加したこと、リピーターを中心に桜シーズンや夏休みの繁忙期を避
けての旅行需要が高まったことが訪日者数の増加に繋がった。

地方の魅力を訴求するプロモーションの効果
地方への誘客促進を目的に 1 月末より実施した、中部・北陸、四国地方の魅力を盛り込んだ動画の配信・広
告、航空会社と共同で掲載した地方路線を PR するトラムラッピング広告などの訪日旅行プロモーションが、需要
の押し上げに貢献した。
5 月の主なプロモーション活動

平成 28 年度より、従来の「Rail&Drive」に代わる新しいコンセプトとして掲げた「リラックスや癒しの旅(ゆるたび)」の
クリエイティブを制作し、SNS 等を活用して新コンセプトに沿った情報発信を行った。

各自治体と連携の上、大手旅行雑誌「新暇期(Weekend Weekly)」の訪日取材を支援し、地震後初めての九
州大型特集(18 ページ)に繋げた。
新コンセプト「ゆるたび」のイメージ画像
「新暇期(Weekend Weekly)」の九州花特集
【タイ】
5 月の市場動向トピックス
 タイ正月休暇後の訪日動向
2016 年 5 月の訪日タイ人数は、5 月として過去最高の 84,900 人となった。5 月は、2 日(メーデー振替休日)の祝
日に伴う 3 連休や 5 日の祝日に加え、タイ政府が 6 日を特別休暇と定めたことにより、5/5~8 まで 4 連休(更に 9
日は官公庁の祝日)となるなど、昨年に比べて連休日数が増え、訪日需要増加の要因となった。しかし、ソンクラン
(タイ正月)が終わり閑散期となったこと、5 月後半に学校休暇が明けたこと、前年比での円高バーツ安傾向等の要
因により、伸び率は 4.8%に留まった。
5 月の主なプロモーション活動

タイ市場では、2013 年 7 月以降の査証免除措置や LCC 路線の拡大に伴い、FITのリピーターが年々拡大してお
り、より深く具体的な日本の観光情報が求められるようになっている。こうしたニーズに対応し、訪日への関心が高い
一般消費者や旅行会社に向けて、毎月 10 程度のトピックスを盛り込んだニュースレターをメールで配信している。5
月のニュースレターでは、パワースポットの好きなタイ人向けに、日本で入手できるお守りの種類や、日本各地のお参
りスポット 6 か所を紹介した。このニュースレターは、JNTO タイ語ウェブサイトからも閲覧可能であり、同ウェブサイトに
おいて特に閲覧数の多い人気のコーナーとなっている。今年度、JNTO バンコク事務所では、タイ市場における訪日
旅行のリピーターに向けて、より深く具体的な観光情報の発信に力を入れていきたいと考えている。
JNTO タイ語ウェブサイトでのニュースレター記事掲載
5 月の掲載記事の写真より
(http://www.jnto.or.th/)
(日本のお参りスポット特集)
【シンガポール】
5 月の市場動向トピックス

前年同月比 19.1%増の 29,300 人。21 か月連続で各月の過去最高を更新
一部航空会社による燃油サーチャージの撤廃や、前年の建国の父リー・クアンユー元首相逝去による自粛ムードの
反動が重なったこと、5 月 21 日(土)が仏誕節(祝日)で翌月曜日が振替休日となり、3 連休が発生したことが、海
外旅行需要の押し上げに繋がった。
5 月の主なプロモーション活動
✸
4 月 1 日~5 月 18 日にかけて、JNTO、シンガポール航空、日本航空、全日本空輸と 4 者合同で、日星外交樹
立 50 周年を記念した「SJ50 スペシャル訪日キャンペーン」を実施した。期間中、各航空会社は特別運賃(国際線
及び国内線)を提供し、JNTO ではキャンペーンサイトの立ち上げ、Google 広告や SMRT(地下鉄)における宣伝広
告の実施、上記 3 社の航空券を予約した方を対象とした特別商品の提供を行った。これにより、集客誘引×エア
チケットの特別運賃を合わせ、閑散期の訪日需要促進と通年での周年効果の拡大、及び日本のブランド価値向
上を見込む。
✸ 5 月に JNTO シンガポール Facebook に投稿した訪日情報のうち、特に北海道・富良野の花の記事(5 月 26 日)、
和歌山・熊野古道(5 月 6 日)の記事への反響の高さが目立った。北海道・富良野の花は、既にシンガポールで定
番化しているものの、改めて当地において訴求力の強いコンテンツであることが窺える。
北海道・富良野の花
和歌山・熊野古道
【マレーシア】
5 月の市場動向トピックス
 前年同月比 41.9%増の 36,600 人
2016 年 5 月の訪日マレーシア人数は、前年同月比 41.9%増の 36,600 人で、5 月として過去最高となった。4 月
22 日からエアアジア X の新千歳線が週 4 便から週 5 便へ増便されたのを機に実施された記念プロモーションが、北
海道人気を後押ししたものと考えられる。また、人気の高い立山黒部アルペンルート等のシーズンが到来したことによ
り、各旅行会社でも昨年度より多くのツアーが造成される等、訪日需要の高まりが見られた。
5 月の主なプロモーション活動

ムスリムマーケットに向けての訪日意欲を喚起するため、昨年に引き続きムスリムタレントの Jihan 氏を起用したテレ
ビ番組を制作する。その取材として、5 月 11 日~5 月 28 日に「現地の人のように体験する」をテーマに、東北地方
(仙台・青森・秋田・岩手)、北海道、金沢、長野、滋賀等、日本各地で撮影を行った。今回は日本の美しい大
自然や風景を生かしたアウトドア体験の他、地方の伝統文化に触れる体験も組みこむ構成となった。取材結果に
ついては、衛星番組 Astro のマレーチャネルにおいて 8 月~12 月にかけて、全 12 話を放映する予定である。

マレーシアの主要日刊紙、雑誌記者を招請し、5 月 14 日~19 日にかけて東北、5 月 15 日~20 日にかけて北海
道・中部にてファムトリップを実施した。東北コースでは、松島クルーズ、猊鼻渓、奥入瀬渓流など東北の自然を巡
ったり、紙漉き体験やねぶたショーなど地方の文化を体験したりする行程となった。北海道コースでは、しだれ桜、八
重桜、ソメイヨシノがまだ一部で咲いており、浮見堂や松前公園にて鑑賞いただいたが、ツアーの参加者は写真をし
きりに撮っており好評であった。また、中部コースでは、立山黒部アルペンルートでの雪壁鑑賞や、高山の古い町並
みや白川郷の散策など、この時期ならではの観光魅力を体験していただいた。
ムスリム向けテレビ番組の撮影風景
メディア招請(春)北海道コース
【インドネシア】
5 月の市場動向トピックス

訪日者数 21,100 人、5 月として過去最高を記録
2016 年 5 月の訪日インドネシア人数は、前年同月比 11.9%増の 21,100 人と、5 月として過去最高を記録した。
遅咲きの桜や芝桜の魅力を積極的に PR したことや、5/5(キリスト昇天祭)、5/6(預言者ムハマド昇天祭)の祝日
に伴う 4 連休が訪日意欲を後押しした。加えて、燃油サーチャージのの値下がりや、航空会社によるセールス価格
での航空券販売といった要因も、引き続き訪日需要を喚起する要因となっている。

首都空港の第 3 ターミナル、開業予定
6 月 15 日に、インドネシアの首都ジャカルタの玄関口であるスカルノ・ハッタ国際空港の第 3 ターミナルが開業し、
国営ガルーダ・インドネシア航空が利用する予定である。ガルーダは、この新ターミナルで国内線、国際線をともに
運航するが、第 1 ターミナル、第 2 ターミナルも引き続き国内線で活用する。第 3 ターミナルの敷地面積は 42 万
2,804 平方メートル、建屋は 33 万 1,101 平方メートルで、駐車場は 8 万 5,578 平方メートルである。全ての工
事が完了すれば、年間の旅客収容能力は 2,500 万人となる見込みである。
5 月の主なプロモーション活動

閑散期となる 5 月の訪日需要喚起を目的として、5 月 10 日~13 日に、インドネシアのメディア関係者 4 名を招
請しファムトリップを実施した。一行は青森県、宮城県を訪問し、桜鑑賞や郷土文化・料理の体験を通じてインド
ネシアではまだ認知度が低いと思われる観光魅力の取材を行った。

訪日旅行商品の造成を促進することを目的に、5 月 17 日~21 日に、インドネシアの旅行会社 11 社を招請し
北海道でファムトリップを実施した。近年、現地旅行会社の間で北海道への関心が高まっており、函館、登別、
札幌、富良野はいずれもよく知られた観光地となっているが、招請者らは、各地の景観や食事等を新鮮に楽しん
でいた。
こけしの絵付け体験(メディア招請)
温泉旅館にて浴衣の着方を解説(旅行会社招請)
【豪州】
5 月の市場動向トピックス

5 月として過去最多の 29,800 人、前年同月比 20%増を記録
訪日旅行人気の持続、クルーズ船の寄港により、増加傾向が続いている。また、2015 年からのカンタス航空のブリ
スベン-成田便、シドニー-羽田便、ANA のシドニー-羽田便の就航が引き続き送客増に寄与している。

訪日旅行人気の持続
昨年来、旅行業界での訪日旅行商品の販売も好調であることから、日本への関心も高まっており、JNTO の広告
事業のみならず、各誌が主体的に日本に関するトピックスをあげる機会が増えている。
 富裕層向け業界メディア「LATTE」 が日本の高級旅館ベスト 10 を紹介。
https://latteluxurynews.com/
 「Traveltalk」が The very best of Asia の中で、「文化」部門のベスト・デスティネーションとして日本を紹介。
http://www.traveltalkmag.com.au/blog/articles/the-very-best-of-asia
5 月の主なプロモーション活動

5 月 22 日にメルボルン、5 月 29 日にシドニーにて、「Snow Travel Expo 2016」が開催された。主催者側の速報に
よると、メルボルンは約 5,500 人、シドニーは約 6,500 人と前年並みの来場があったとのこと。日本出展エリアには、ビ
ジット・ジャパン(VJ)ブースの他、長野・新潟スノーアライアンス(白馬、志賀高原、野沢温泉、妙高)、小谷村、斑
尾高原、湯沢町、八甲田、安比高原、蔵王温泉、富良野、トマムなどのスノーリゾートや、アフタースキー需要を
見込む石川県、ホテルなどが出展し、会場の中でも一際目立つエリアになっていた。今年は、両会場とも例年に増
して家族連れが多いという印象であった。VJ ブースでは、スタンプラリーやインスタグラム撮影のアトラクションを実施し、
他の日本出展ブースへの誘導の役割も果たした。

上述の「Snow Travel Expo」に合わせ、5 月 23 日にメルボルン、30 日にシドニーでそれぞれ旅行会社、メディアを
集めて、「Japan Snow & Adventure Travel Mart 2016」を主催した。今年は、開催時間を夕方から昼に変更し、
CHOYA や SONY から協賛品を提供いただくなど昨年までの内容に改善を加えたことにより、新たな旅行会社の
参加比率が高まった。当日は、個別商談会に加え、日本の各スノーリゾートのプレゼンテーションや情報交換の
場を設け、スキー旅行地としての日本を PR。日本・豪州から両会場合わせて 250 人以上が参加するなど盛況
であった。
「Snow Travel Expo」の VJ ブースの様子
「Snow & Adventure Travel Mart」の様子
【米国】
5 月の市場動向トピックス
 前年同月比 21%超、5 月の訪日米国人数は引き続き 11 万人を突破
2016 年 5 月の訪日米国人数は、前年同月比 21.5%増の 112,000 人で、前月、前々月に続き、3 か月連続
で単月の訪日客数が 11 万人台を記録した。また、2014 年 4 月から 26 か月連続で各月の過去最高を更新
しており、訪日意欲の高まりが継続していることが窺える。また、2016 年 1 月-5 月の累計も、前年同期比
20.0%増と、2015 年 1 月-5 月の伸び率が前年同期比 13.0%増であったことと比較しても好調であると考えられ
る。
 継続的な訪日旅行プロモーションの効果
現地メディアへの継続的な訪日取材支援の他、2016 年 3 月に参加した一般消費者向けイベント「Japan Week」
での PR の効果が今の時点で明確になってきている。このような訪日旅行プロモーションの効果に加え、米国経済の
加速傾向や原油価格低下による燃油サーチャージの引き下げ・無料化などの要因が訪日需要の拡大を後押しし
ている。
5 月の主なプロモーション活動

JNTO ニューヨーク事務所では観光関連企業・団体の他、幅広い業界関係者を対象に、ニュースレター「NY 事務
所便り」を配信し、北米市場におけるプロモーション事例や最新の訪日インバウンド情報を掲載している。5 月号に
は、訪日関連商品を取り扱う現地のツアーオペレーターとの共同広告事例や、スキー・マウンテンリゾート業界団体
者を対象とした「Mountain Travel Symposium」に関する情報を発信した。

JNTO ロサンゼルス事務所では、5 月 18 日に「ロサンゼルス Visit Japan 連絡会」を開催した。航空会社・旅
行会社・ホテル事業者の他、在ロサンゼルス日本総領事館、国際交流基金、JETRO 等、総勢 20 団体が参
加した。JNTO からは、米国市場の動向、平成 28 年度のプロモーション事業等について説明を行い、その後の意
見交換では、多くの質疑・意見が活発に交わされるなど、今後のプロモーション活動におけるオールジャパンでの連
携強化に繋がる会議となった。
NY 事務所便りの例
Visit Japan 連絡会の様子
【カナダ】
5 月の市場動向トピックス
 2016 年 5 月の訪日カナダ人数は 5 月として過去最高を記録
2016 年 5 月の訪日カナダ人数は 24,100 人で、5 月として過去最高を記録、前年同月比 16.4%増と、2 桁の伸びと
なった(4 月は同 5.6%)。カナダドル対円為替レートが一時期に比べ円高に推移していることに加え、日本の宿泊施
設の不足、及び価格高騰に対する不満の声が引き続き現地旅行会社から聞かれた。一方で、景況感を示す消費
者信頼感係数が 5 月は前年同月比でプラスとなったことや、ビジット・ジャパン(VJ)事業として実施した、航空会社
および旅行会社との共同広告の効果もあり、訪日需要は底堅い。
 エアカナダの夏期増便の再開
5 月に入りトロント⇔成田便、カルガリー⇔成田便、バンクーバー⇔関西便の夏期増便が再開された。一部の路線
では機材変更による座席数の増加や運航曜日の追加があり、日本⇔カナダ間の航空座席供給量は 6 月までに昨
年の毎日 2,700 席から過去最大の 3,260 席に増加し、更なる訪日カナダ人数の増加が期待できる。
5 月の主なプロモーション活動

5 月 17 日~25 日の期間、訪日旅行商品を取り扱う現地旅行会社の商品造成担当者等 9 名を招請した。今回
は北海道新幹線開業を機会として、弘前城、白神山地、奥入瀬及び函館市などを訪問し、東北、北海道の文
化や歴史、自然等の魅力を紹介した。参加者からは「これまで全く知られていなかった東北地方の可能性を知るこ
とができ、有意義だった。」、「北海道の歴史と文化に初めて接したが、今後、新幹線と絡めた送客を考えたい。」な
どの意見が聞かれた。

平成 27 年度 VJ 事業として、北陸新幹線の開業に合わせて実施したプレストリップで北陸に招請した Paraskevi
Vassos 氏による「A Garden Tour in Japan」と題する兼六園の記事が、時間とお金に余裕のある中高年層を対象
とした「EverythingZoomer.com」に掲載された。兼六園の魅力を様々なスポットに分けて紹介する同記事は、北陸
の魅力を当地の中高年層にアピールする効果的な露出となり、今後発行される同誌にも掲載される予定である。
弘前城訪問(旅行会社招請)
Ms. Vassos による記事「A Garden Tour in Japan」
(Zoomer.com より)
【英国】
5 月の市場動向トピックス

2016 年 5 月の訪日英国人数が 5 月として過去最高を記録
2016 年 5 月の訪日英国人数は 24,000 人で、前年同月比 20.7%増加し、5 月として過去最高を記録した。航
空会社の予約データによると、4 か月以上前になされた訪日予約は全体の予約数の 3 分の 1 程度を占め、かつ、
前年と比較して 60%以上増加していることから、強い訪日意欲のある一般消費者が早期に予約し、訪日している
と考えられる。

英国人が日本に抱くイメージ
JNTO では、4 月末に欧州 3 市場でフォーカスグループインタビューを実施し、各国における訪日旅行に対するイメ
ージ等を調査した。欧州全体の傾向でもあるが、英国ロンドンにおいても、日本の魅力として、訪日経験者・未
経験者双方から最も多く聞かれたのが、伝統とモダンの両方を体感できることであった。一方の訪日を妨げる要因
としては、言語障壁と旅行費用が挙げられた。ただし、訪日経験者からは、日本人のホスピタリティを魅力としてあ
げる参加者が多く、「困っていた時に助けてくれた」、「旅行者へのリスペクトがある」等の発言があり、訪日未経験
者が不安に思う言語障壁も、実際に訪問するとそれほど大きな問題にはなっていないことが感じられた。また、旅
行費用についても、日本の物価が分かる資料を見せると、思っていたより安いという声が複数あがり、誤解により実
際以上に「高い」というイメージが持たれていることも確認できた。なお、日本の観光プロモーション映像や平面広
告のクリエイティブを実際に見せてどのような内容のクリエイティブが日本に旅行したいという興味の喚起に繋がるか
を確認する調査では、伝統とモダン、都市と自然等の多面性が表現されていること、一目見て日本と分かる要素
が入っていることが大切だとする声が多かった。
5 月の主なプロモーション活動

5 月 26 日~6 月 2 日に、英国から富裕層向け旅行会社 6 社 6 名を招請し、広島・京都・東京等を視察した。
参加者の希望に合わせ、一般的な観光素材に加え、各都市で 4 件程度の宿泊施設を視察した。富裕層の旅
行手配は、オーダーメイドになることが多いため、幅広いニーズに応えられるよう、視察先の宿泊施設は、外資系の
ラグジュアリーホテル、日本ならではの高級旅館、デザイナーズホテル等様々なタイプを組み込んだ。JNTO では、
平成 28 年度の事業計画において英国の 50~60 歳代高所得者層をターゲットとしており、これらの富裕層向け
旅行会社と連携した共同広告、日本側セラーとのマッチングの場を提供する商談会の実施等、複数の事業を組
み合わせることにより、ターゲット層の訪日需要増加を図っていく。
着付け体験
嵐山視察
【フランス】
5 月の市場動向トピックス

2014 年 3 月以降、継続して各月の過去最高を更新中
2016 年 5 月の訪日フランス人数は、23,200 人で、5 月として過去最高を記録。これで、27 か月連続で各月の過
去最高を更新したことになる。1 月に実施した航空会社との共同キャンペーン効果が反映されていることに加え、
昨秋パリで発生したテロ以降減少した日本人観光客を呼び戻すため、各航空会社が求めやすい価格の航空券
を提供していることも訪日需要を後押ししている。

非常事態宣言、3 度目の延長
昨年 11 月のパリ同時多発テロを受けて発令された非常事態宣言は、昨年 11 月末に 3 か月延長された後、更
に 3 か月延長され、今年 5 月 26 日が期限となっていた。しかし、6 月から 7 月にかけて開催される「欧州サッカー
選手権(UEFA EURO 2016)」、「ツール・ド・フランス 2016」の警備の必要性から、フランス政府は、非常事態宣
言を 7 月 26 日まで延長することを決定した。6 月 10 日~7 月 10 日まで、フランス 10 都市で開催される「UEFA
EURO 2016(欧州サッカー選手権)」に関して、テロに備えて 6 万人以上を警備のために動員、また 7 月 2 日~
24 日まで開催される「ツール・ド・フランス 2016」には、2 万 3 千人の警備員を配置し、フランス国家憲兵隊の特
殊部隊(GIGN)をレースの全行程で動員するなど厳重な警備体制を整える予定である。
5 月の主なプロモーション活動

JNTO パリ事務所が管轄するフランス・イタリア・スペイン市場では、2 か月に 1 回の頻度でニュースレターを発行し、
旅行会社やメディアなどに対し日本の観光情報を発信している。今回発行したニュースレターでは、四国地方の
紹介(栗林公園、四国 88 ヵ所巡礼、しまなみ街道や四国の魅力ある自然景観等)、東北観光復興事業の告
知、JNTO 賛助団体・会員からの情報に加え、6 月・7 月の日本各地のイベント情報を発信した。
←スペイン市場ニュースレター
(東北地方への訪日旅行プロ
モーションの告知、賛助団体・
会員からの情報)
フランス市場ニュースレターの一部
イタリア市場ニュースレター
(イベント紹介部分)
【ドイツ】
5 月の市場動向トピックス
 2016 年 5 月の訪日ドイツ人数が 5 月として過去最高を記録
2016 年 5 月の訪日ドイツ人数は 16,600 人と、前年同月比で 15.8%増加し、5 月として過去最高を記録した。団体
旅行、個人旅行ともに需要が高まっており、旺盛な需要に供給が追いついていない。早くも秋の旅行シーズンについ
て、人気の高い観光地では既に宿泊施設が手配できない状況となっており、訪日需要の取りこぼしが生じている。
 ドイツ人が日本に抱くイメージ
JNTO では、4 月末に欧州 3 市場でフォーカスグループインタビューを実施し、各国における訪日旅行に対するイメー
ジ等を調査した。ドイツでは、「日本」と聞くと大都市のイメージを抱くというコメントが多く聞かれる一方、訪日経験者
からは、日本の魅力は東京だけではない伝統とモダンのコントラストにあるという声もあがった。言語の壁を不安に思う
声もあったが、訪日経験者からは、日本の公共交通機関は時間に正確であり、英語でのアナウンスもあること、また、
日本人が丁寧に対応してくれることなどがあげられ、実際の訪日旅行では、言語の問題はそれほど大きくはないとい
う意見も聞かれた。また、日本の観光プロモーション映像や平面広告のクリエイティブを実際に見せてどのような内容
のクリエイティブが日本に旅行したいという興味の喚起に繋がるかを確認する調査では、伝統とモダン、都市と自然等
の多面性が表現されていること、一目見て日本と分かる要素が入っていることが大切だとする声が多かった。
5 月の主なプロモーション活動

5 月 24 日~29 日にかけて、ドイツ・フランクフルト市において日本映画祭が開催された。本映画祭は、海外で開
催される日本映画祭のうち最大のものであり、最新の日本映画やインディーズ作品を含め、100 を超える作品が
上映された。この他、日本食販売ブースや日本文化紹介コーナーなども設けられ、映画だけでなく幅広く日本を
紹介するイベントとして、期間中 16,000 名以上が来場した。JNTO では、本イベント会場にビジット・ジャパン(VJ)
デスクを設け、簡単なクイズを通じた子どもたちへの日本観光の紹介のほか、来場した日本文化に関心の高い層
へ、旅行目的地としての日本の PR を行った。
日本映画祭の会場の模様
VJ デスクの様子